kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ソフトバンクGに忍び寄る影

2018-10-31 06:26:29 | 日記
30日の東京市場は久々に右肩上がりで安心できる一日でした。この
1週間の動きは寄り付きの価格を引けが下回る陰線が続きましたが
2万1000円を下値に落ち着きどころを探る展開になるのでしょうか。
まだ一日だけの動きですから安心はできませんが、月末最終日の
今日の上昇して連騰になるのでしょうか。

307円上昇し本来は指数に影響の大きなソフトバンクG株の上げ幅は
僅か33円(0.39%)日経平均の1.49%を大きく下回りました。株
価は9月28日に上場来の高値1万1500円を付けてから下げだし1ケ月
で高値から26%も下落しました。下げ幅の大きさから本来ならもっ
と上昇しても不思議ではありません。

今年世界の有望なITベンチャーに積極的に投資し通信会社から投資
会社へと変貌を遂げたソフトバンクG株には7月以降人気化し大きく
上昇しました。9月末には時価総額が首位のトヨタに次ぐ12兆円ま
で膨らみました。東京市場の人気銘柄として日経平均の27年ぶりの
高値更新に貢献しました。

しかし株価は急騰前の7月の水準まで下落しました。ソフトバンク
にはここへきていくつもの逆風が強まりつつあります。大口の投
資先であるエヌビディア株が高値から47%も下落していることに
加え非上場銘柄であるアーム社やウーバー社の時価総額も大きく
目減りしているようです。

また10兆円の投資ファンドの最大の出資者であるサウジに降って
わいたような政治リスクが浮上しました。不安材料はまだまだあ
ります。菅官房長官の通信料値下げ発言もあり最大手のドコモが
来年度から値下げする方向で検討に入ったという報道です。

最大手のドコモが値下げに踏み切ればKDDIやソフトバンクも追随
することは間違いありません。ソフトバンクGは通信子会社の新規
公開を12月にも実施する予定ですが、当初持ち株の2割を放出して
2兆円の資金を得る予定でしたが、料金値下げで今後収益が圧迫さ
れるのは避けられません。企業価値低下に繋がり市場からの調達
資金は予定をかなり下回ることも予想されます。

また巨額な借入金を抱えているソフトバンクGに取って米国の金利
上昇も支払い利息の増加で足枷になります。これまでは出資先企
業の価値の増加が大きく巨額な債務には市場も無頓着でしたが今
後は巨額な借り入れがやり玉にあがるかもしれません。

これまでソフトバンクGの成長性ばかりに注目が集まっていました
が俄かに風雲告げる様相を呈してきました。攻めに強い印象のある
孫社長ですが、どこまで守りにも強いところを示すことが出来る
でしょうか。大幅な下落で世界的なハイテク株安をある程度は織り
込んだかもしれませんが、料金の値下げがどの程度までなのかなど
まだ消化難の材料もあります。ソフトバンクGの視界はまだ晴れる
所までいっていないようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買うべし、売るべし、休むべし

2018-10-30 06:40:56 | 日記
先週の大幅下落は個人投資家にとってダメージが長引くことになり
そうです。個人投資家が好んで売買するマザーズ市場の下落は1部
市場以上に大きくなっています。マザーズやジャスダック市場など
の小型株の場合上昇幅の大きいのですが、また下落幅も大きくなる
傾向があります。特に短期売買を志向している個人投資家の場合値
幅の大きい新興市場銘柄を好みます。

それだけに新興銘柄の下げは個人投資家の投資余力を低下させます。
勿論個人投資家にも色々な投資家がいます。現物投資でじっくり下
値を拾い投資期間も年単位で考えています。しかし頻繁に売買する
投資家に比べてその影響は大きくありません。短期売買の投資家は
米国の中間選挙後の株高のアノマリーを期待して10月の2日の年初
来高値から下げる過程で押し目買いを膨らませてきました。10月19日
時点で信用買い残高は4000憶円増加しました。

先週は1348円とほぼ全面安だったことから19日現在10.17%だった
評価損は一段と膨らんでいることが予想されます。先週大幅安する
中で信用残の値ごろ感から一段と増えているのか、それとも見切り
売りが膨らんで減少しているのか結果が気になります。

勿論今後相場が急回復すれば救われる可能性もあります。また過去
のケースから評価損が15%程度まで悪化すると相場が反転すること
から先週大きく悪化したとしてもそれは底入れのサインになるかも
しれません。しかし過去5年の傾向ですから上昇相場が続いている
という前提条件が付きます。

もし今回の大きな下げが世界的な景気低迷のサインなら今までとは
違った対応が必要です。そんなに深刻になるほど世界の景気は悪化
しないという見方もあり経済の専門家の間でも意見は割れています。
今回の株安が景気に対して弱気心理に拍車をかけている部分もある
でしょう。

日米市場ともこれだけ大きな亀裂が相場に生じた訳ですから例え立
ち直るとしてもある程度の時間が必要です。現状では順調に回復し
たとしてもとても2万4000円には届かないでしょう。相場には有名
な格言がいくつかあります。その一つに「買うべし、売るべし、休
むべし」というのがあります。これは結果論ですが2万2000円を割
り込まず反発した先々週の動きから下げ止まったと判断して買い向
かうのは賢明な投資ではなかったようです。

相場に変調を感じたら値幅ではなく期間で買いの判断を下すべきで
す。通常の調整なのかそれとも大きな下げの前兆なのかは時間が経
過した後でないと判断できません。週明けの米国株も上下の変動が
大きいままです。値幅の大きい場合は相場の方向性が定まらないか
らです。週明けの東京市場も朝高で始まった後下げに転じ下げで終
わりましたが、値幅は350円と小さくはありませんでした。

投資の世界には「買うべし、売るべし、休むべし」という格言があ
ります。プロの投資家のように運用競争でしばらく休むという選択
肢はありませんが、個人投資家ならそれも可能です。頻繁に売り買
いを繰り返せば失敗も増えます。状況次第で買い、売り、休むとい
くつかの選択肢が取れる個人投資家の特典を使うべきです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

唯一の希望

2018-10-29 06:12:26 | 日記
まさかここまで一気に崩れてしまうとは10月の相場は後からあの
時がターニングポイントだったと記憶に刻まれるのでしょうか。
米国株高の象徴だったGAFAでしたが、アップルを除いた3社の変
調が市場心理悪化のダメ押しになったようです。

顧客情報の大量流失で既に先行して下げていたFacebookに加え売
り上げが高い市場の期待に応えられなかったアマゾンやアルファ
ベットが悪役となり25日の反発で一時安堵感の広がった米国市場
は26日の下げで再び先行きが不透明になりました。株高の象徴的
な銘柄だったGAFAの変調は市場心理悪化に拍車をかけます。

大幅増益でも高い市場の期待に少しでも届かないと大きく下落す
るGAFAを代表する高成長期待銘柄の宿命でしょうか。高いPERも
高成長が期待できるという背景があってこそ成り立っている訳で
すから並みの増益では市場の期待を繋ぎ留められないのでしょう。

時価総額の大きいGAFA銘柄は世界の投資家のほとんどが保有して
います。それだけに大きな下落は当該銘柄だけに止まらず市場へ
の負の影響も大きくなります。GAFA銘柄の成長鈍化が一過性でな
いとすれば歴史的に高いPERの修正が市場全体に広がる懸念も出
てくるかもしれません。

頼みの米国株が崩れてはいくら米国株のPERに比べて割安感が頼
みだった日本株には強気にはなれません。アベノミクス相場が始
まってからの下限だと言われるPERも緩和マネーが豊富で企業業
績も上り調子だった過去と単純に比較してもいいのでしょうか。

景気後退が近づいているという懸念に加えて欧米の中央銀行は既
に金融緩和から決別しています。前提条件が変われば物差しも変
わらなければなりません。増益基調なら下限まで下がれば割安感
が高まりますが、減益となれば前提条件が崩れてしまいます。

現に日経平均は1か月前時点で著名な市場関係者の多くが目途と
した下限の2万3000円を大きく割り込んでいる訳です。流石に2万
1000円割れは売られ過ぎだと思いますが、逆張り投資で下値を拾
う投資手法を取っている個人投資家の懐具合は大きく悪化してい
ます。光明があるとすればNTTがNTT都市開発をオリックスが大京
を完全子会社にすることを発表しました。

株価が下落したことで子会社を含めた資本政策や自社株買いが今
後盛んになり需給を引き締めることです。一旦取得した株は再び
市場へ放出することの可能性の低い投資が広がることは十分期待
できます。どうも決算は期待外れになるかもしれませんが企業の
懐にはこれまでため込んだ現金が豊富にあります。

いったん崩れた需給を立て直すには上昇しても売りの出ない企業
による株取得が頼みです。中間決算が終り通期の業績見通しが立
ちやすくなるタイミングで余剰資金を自社株買いに踏み切る企業
が増える時期です。企業側からのマネーがどのくらい市場に流入
するか注目するか市場は固唾を飲んで見守る場面が出てきそうです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自社株買いだけが頼り

2018-10-26 06:37:16 | 日記
東京市場は再び大きく下げました。11日の915円安に次ぐ822円安だ
った25日の東京市場は節目の2万2000円を大きく下回りました。震
源地の米国では大きな国内市場を抱えている米国経済は輸出依存が
低く米中貿易戦争による影響は軽微だという当初の強気の見方はこ
こにきて大きくぐらつきました。

足元の決算内容は市場予想を超えている企業が多いようですが経営
者が先行きに不安を示すケースが続出し好材料とはなりませんでし
た。典型的な例としてキャタピラーは既に終わった四半期決算は予
想を超えていましたが、鉄鋼などの原材料価格の上昇で先行きには
慎重な見方になりました。

改めて感じることはサプライチェーンで中国も深くかかわっていて
中国からの輸入に対しての高関税は米国の製造業に大きなコストア
ップ要因を強いることです。中国に比べてダメージは少ないと言わ
れていた米国でも貿易戦争による影響は軽微ではないこともハッキ
リしました。貿易戦争での勝者は存在しないという主張は正しかっ
たようです。

1年前には半導体業界にはデータ量が飛躍的に多くなる5Gサービス
が2018年から一部の国で始まり2020年には先進国の多くが5Gサー
ビスを開始することや自動車の電動化の進展などで受注の落ち込み
が少なく持続的な拡大が続くスーパーサイクル説が多数派を占めて
いましたがどっこい半導体は好不況を3~5年で繰り返すシリコンサ
イクルは過去のものではなかったようです。

米国企業の四半期決算でも市場予想を超える業界が多かったのです
が半導体業界だけはその落ち込みが鮮明です。長期的には半導体業
界の成長は続くでしょうが、振り返ってみればどうやら当面の需要
動向を強気に見過ぎていたようです。ハイテク企業の上場が多いナ
スダック市場の下げがダウ平均よりも大きいのは高すぎた期待の反
動の結果のようです。

東京市場は2日の27年ぶりの高値を更新したのも束の間、25日の終
値は2万1268円と3週間で約3000円も下げるジェットコースターよ
うな展開になってしまいました。次は3月23日の2万617円まで節目
らしい節目はありません。希望は2万1000円どころが下値目途にな
って欲しいところですが、もう一段と売り込まれる場面が数週間以
内にあるかもしれません。

1月22日の2万4124円と10月2日の2万4270円のダブルトップを形成
して短期間のここまで大きく下げてしまったことを考えると下げ止
まったとしても高値更新は当分期待できそうもありません。需給関
係がこれだけ短期間に崩れてしまった訳ですから当面積極的に買う
セクターは現れないでしょう。

やはり最後は企業による自社株買いが頼みになります。幸い日米と
も企業の内部留保が豊富で株価下落もあり期待は高まります。さて
今日の東京市場は米国株の反発を受けて上昇して始まりそうです。
しかし決算発表を受けてアマゾンが時間外取引で大幅下落している
ことから今日の米国株安を警戒する動きになりそうです。

27、28日の更新はお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

決算発表本格前に波乱が

2018-10-25 07:38:33 | 日記
いよいよ日本企業の決算発表が始まりました。3月期決算企業は
通期上方修正があるのかないのか、12月決算企業は通期の全容が
ほぼ明らかになります。また来期業績のヒントが出てくるかもし
れません。

市場心理が弱気に傾いていることもあり決算発表で株価が上昇す
るケースよりも下落するケースが増えそうな予感もします。特に
年初時点に比べて株価が上昇しているケースでは事前の期待値も
高く発表が利益確定売りの対象になるかもしれません。

まして予想外の悪い決算では株価は大きく下落するケースも考え
られます。経済紙に業績下方修正記事が掲載されたリクシル株は
23日に15%強も下落しました。同業のTOTOも8%弱も下げ24日も
売りが続き一時年初来安値を更新しました。

米中貿易戦争の影響で中国の受注が大きく落ち込んだ設備投資関
連銘柄は先駆して下げましたから決算が悪い内容でも下げは限定
的でしょう。一方これまで悪材料が表面化せず株価の下げが小幅
だった銘柄には容赦のない売りが待ち構えているようです。

大きくの企業で既に終わった9月までの業績内容は順調でも貿易
戦争の影響が本格化する今後の業績不透明感は強く市場が好感す
るケースは多くないかもしれません。米国株でもキャタピラーの
決算は好調でしたが関税の影響もあり原材料価格の上昇から通期
業績には慎重な見方でした。株価も7%弱下落しました。

私の記憶ではここ数年決算発表をキッカケに相場が立ち直ったケ
ースは皆無だったようです。むしろ悪材料を一旦織り込んでから
株価も立ち直るケースが多かったように記憶しています。中間選
挙にサウジ問題それにイタリアの財政問題また英国のEU離脱問題
など当面は懸念材料山積です。

米国市場ではこれまで株高は好調な企業業績が支えていました。
しかしいざ蓋を開けたら不安材料が山積していたのでしょうか。
テキサス・インスルメントの低調な業績見通しから半導体関連銘
柄は軒並み大きく下落しました。企業業績の好調が米中貿易戦争
の不安材料を打ち消す特効薬でした。

それが決算発表で不安が増してきたことで米国一強相場に変調が
出てきました。24日の608ドル安はこれまでの株高の反動なので
しょう。頼みの米国株が崩れてはこれまで以上に世界の投資家は
リスクを取れなくなってしまいます。日経平均の2万2000円前半
は割安だという前提条件は崩れてしまいます。

思い起こせば東京市場が今月2日に2万4448円をつけた時点では
多くの市場関係者が年内の上値の目途2万5000円、下値は精々2万
3000円という見通しでした。米国株安を受けて今日の東京市場は
2万2000円割れは必至です。僅か3週間余りで下値の目途を1000円
市場も切り下がってしまいました。

下値の目途の2万3000円割れでは個人投資家が信用で買いを入れ
ました。今月の高値から下落する過程で先週まで3900億円近く
増加した信用買い残高は今週の大幅下落で大きなしこりとなる
ことも考えられます。このまま10月の月足は大きな陰線で終わ
る可能性も出てきました。年末高に黄色信号が灯ってしまった
ことだけは確かなようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする