kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

テーマ株再点検

2022-01-30 08:02:47 | 日記
今週の東京市場は尚もボラティリティの高い展開が予想されます。もっとも
日経平均は大発会の終値2万9301円から27日の2万6170円まで3131円まで大
きく値を下げたことから一旦は戻りを試す展開も予想されます。火曜日から
2月相場入りすることで月初高というアノマリーにも期待したいところです。

そして決算発表が本格化します。先週の決算発表では富士通や日本電産が失
望売りに押されました。富士通は主力のIT分野での苦戦、日本電産は二桁増益
でしたが、決算内容に物足りなさが指摘され下落に歯止めがかかりませんで
した。高いPER(28日時点でも38倍)がネックとなっているようです。

富士通はDX関連の本命、日本電産はEV関連の本命とみられコロナショック後
テーマ買い物色に乗り大きく上昇しました。両分野とも将来性を疑う余地はあ
りませんが、結果的に市場の過大な期待から株価に割高感が強まったようです。

一方信越化学や富士電機は市場の予想を越える好決算を好感して大きく反発し
ました。信越化学は半導体関連、富士通はEVで需要急増が予想されるパワー
半導体の大手です。テーマ株物色で人気化したことは一緒ですが、PER面で
割高感が少なかったことや業績の上方修正が好感されたようです。

今週から決算発表が本格化します。注目点は業績の上方修正があるのか、テー
マ株買いで割高な水準のまま市場の高い期待に応えられるのかです。テーマ株
買いで一緒に買われた銘柄でも明暗が分かれることには注意が必要です。再生
可能エネルギー関連で人気化したレノバは4か月で高値から五分の一になりまし
た。

フィンテック人気で沸いた新興市場銘柄にも緩和相場の終焉で厳しい現実が待
っているところもあるでしょう。テーマ株買いも業績が付いてこなければ高い
株価を維持できないことは歴史が証明しています。

次回の更新は2月1日を予定しています。


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寅年相場の洗礼

2022-01-28 04:39:10 | 日記
日経平均は9月14日の3万670円から27日は2万6170円でまで下落、高値から
の下落率は14%ほどになりました。昨年10月以降米国株活況の陰で上値が重
く出番のなかった日本株はずっと出遅れと言われていました。いずれ米国株
との差をを埋めるように上昇するとの期待は年始時点でも強かったようです。
しかし結論から言うと日本株は「割安の罠」だったことがハッキリしました。

NYダウが高値からの下落率が7%強ということを考えると日経平均はナスダッ
ク指数の下落率の近いようです。日本株は景気敏感株が多いと言われますが
指数は一部の値嵩株の占める割合が多いことが背景にあるのでしょう。

日本電産の決算は決して悪いものではありませんでした。しかしEV関連とし
て人気が集まったためにコロナショック後の安値から大きく上昇したために
PERは過去の倍近いバリエーションに押し上げられました。EV関連部門では
今後も巨額な設備投資を続けていくことから償却負担が大きく当面は利益へ
の貢献度は限定的だということも分かってきました。

FRBの金融政策が一段とタカ派を強めたことで高PER銘柄には売り圧力が一
段と高まってきました。チャートを見ると日本電産の株価が崩れ出したのは
年明け1月以降です。未曽有の金融緩和が株価を押し上げてきました。特に
日本市場ではEV関連とか再生エネルギー関連銘柄には人気が集中したこと
で結果的に高いバリエーションの銘柄になりました。

高PERの代表格のリクルートが10月に10年来高値を付けてからずっと下げ続
けているのはFRBの金融政策の変容を市場が嗅ぎ取ったからかもしれません。
ともかく割高感の強い銘柄ほど今月は売り圧力が強まっています。年明け以
降コア30銘柄に人気が集中して高値更新が相次きましたが、相場が変調をき
たすとリスク資産の圧縮に流れが変わりますからまだ利益が出易い銘柄にも
売りが広がります。

昨年秋から続いている月末に下げ圧力が強まり月初には反発するというアノ
マリーが今回も通用するなら一旦は下げ止まる可能性もあります。しかし
下げの原因がERBの金融政策に起因するものなら市場がある程度の耐性を
持つまで不安定な相場が続くと覚悟した方が良いのかもしれません。市場
関係者の誰もが予想しなかったほどの急落だった訳ですから投資家の痛手
も決して少なくはありません。
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VUCA

2022-01-27 06:10:21 | 日記
2万7000円割れが一旦底値になるという期待は雲行きが怪しくなったようです。
26日の東京市場は前日の米株式市場で主要な半導体関連株で構成するフィラ
デルフィア半導体株指数(SOX)が3.7%安となったのを受けて、東エレクや
アドテストなどに売りが目立ちました。

半導体関連は業績好調を支えに年末年始に物色され高値追いを続けていただけ
にこの水準でも利益が出る投資家が売りに走っているのでしょうか。またファ
ナックや日本電産など中国関連銘柄の下げも目立ちました。両社は26日に決算
発表を予定していることから発表前に持ち高を解消する売りもあったようです。
まあそれだけ決算発表に対する期待が後退している証かもしれません。

日経平均は前場寄り直後急落して7000円の大台を割り込みました。しかしその
後は下げ渋る動きも見せ大引けは何とか2万7000円台を維持して終わりました。
一部にはテクニカル的な要因で下げ過ぎというシグナルが出ていることで値ご
ろ感からの買いや買戻しもあったのかもしれません。

VUCAとは変化が激しく将来の見通しが困難な状況を指すそうです。Volatility
(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)
の頭文字をつなげた言葉で様々な想定外の事態が発生し、計画通りに進まない
混沌とした情勢を示します。

多くの投資家が日米市場とも年明けに大幅高したことでこのまま1月相場は高
値追いという見方を強めたようです。しかし相場はシナリオ通りには行きませ
ん。2019年も大発会で510円高と大きく上昇して始まりましたが、翌日から下
げ相場に突入しました。

コロナ禍の過去2年間株式市場は大きく上昇しました。利益の伸び以上に株高
が、進んだ結果米国株のPERは20倍を超えました。日本株も利益の増加以上に
株高が進みました。足元では15倍台まで下がりましたが、アベノミクス相場で
は13倍台から16倍台の範囲でした。

米株に比べてみれば低いですが、過去の水準からは中央地であり割安感のある
水準ではありません。来期業績の見通し次第では割安感は低下するかもしれま
せん。これからどんどん企業業績が良くなるのであれば15倍台でも割安感が出
るでしょうが。FRBが利上げを急ぐ局面では少なくとも14倍程度でなければ手
放しで割安という感覚は持ちにくいようです。

注目のFOMCでパウエル議長は市場の予想以上のタカ派という見方が強くなり
ました。3月利上げと時間をおかずにテーパリングに踏み切る可能性は一段と
強まりました。利上げ回数もこれまでの市場の見方よりも多くなりそうです。
FOMCを通過してもアク抜け感は出ないというのが26日の米国市場の答えでし
ょうか。

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冬来りなば春遠からじ

2022-01-26 04:13:54 | 日記
寅年の相場については「千里を走る」という格言があります。これは躍進と
いうよりも、政治・経済で波乱が起こりやすいという意味で解釈されていま
す。実際、第二次世界大戦以降、過去6回の寅年相場の戦績は日経平均ベース
で1勝5敗の大幅負け越しです。

2022年のここまでの1月相場を振り返ると経済分野ではFRBの予想以上のタカ
派への変身、オミクロン株の影響もあり景況感の急激な悪化、政治面ではウク
ライナへのロシア軍の侵攻懸念があり早くも波乱含みの展開になっています。

ロシアがウクライナにもし進行すればバイデン大統領は経済制裁を行うと警告
しています。しかしロシアは天然ガスで世界2位、原油で3位の資源国です。
経済制裁への対抗手段で資源を前面に出してくることも考えられます。天然ガ
スの消費量の4割をロシアに依存しているEU諸国にとっては頭の痛い問題です。

米国にとってもガスや原油の供給不安が高まれば価格高騰を招きインフレが加
速することも考えられます。FRBがインフレ抑制から利上げやテーパリングの
加速で経済が必要以上に冷やされることも考えられます。決して米国の無傷で
いられる保証はありません。

25日の東京市場は米国株が大幅安からプラス圏で引けたことから下げても小幅
という見方もありましたが、ここ数営業日での底堅さは影を潜め大きく下げる
一日でした。高PER銘柄が一段安になったことに加え年明け以降人気だった銀
行や海運銘柄も下げる展開でした。

年末時点では1月に2万7000円まで下げるという予想をした市場関係者はおらず
売るタイミングを逃した投資家もいたでしょう。機関投資家もリスクヘッジが
十分に行われた形跡はありません。コロナショックで急落した後、2年近くも大
きな下落が無かっただけに多くの投資家で対応が遅れたことは否めません。

もっとも谷があれば次は山がやってきます。再びマネーは株に戻って来ると今は
信じたいです。しかし過去2年間とは市場環境も大きく変化していることには注
意が必要です。金融緩和で赤字企業でも成長期待から買いあげられた相場には戻
れません。

バリエーションの低下もあるでしょう。多少の増益ではPERが切り下がることで
売られる銘柄も出てくるでしょう。DXやEV関連、再生可能エネルギー関連で人
気化した銘柄でも業績に比べて割高感がある銘柄はまだ下げ余地があるかもしれ
ません。選別物色は一段と鮮明になりそうです。
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さよなら緩和相場

2022-01-25 06:08:55 | 日記
週明け24日の東京市場は206円程度下げて始まりましたが、一段安にはなら
ず、下げ渋る展開でした。日足チャートでは昨日までの3営業日、米国株安
安寄りした後に戻す陽線の展開です。2万7000円台割れ寸前で下げ渋る三日
続いたことから当面の下値は固まりつつあるのかもしれません。

FOMCを控えて売り方の買戻しが下げ渋る要因かもしれませんが、長期投資
家の一部は押し目買いを入れている可能性もあります。1月相場は大発会で
ロケットスタートを切ったものの多くの予想を裏切るように2万7000円割れ
寸前まで下げました。

東京市場の値嵩株への影響が大きいナスダック指数が10%を越える下げで、も
はや本格調整は不可避ですから当面は戻ったら売りが出る展開も予想されます。
いくら日本株が割安だと言っても頼みの米国市場が崩れては説得力に欠けます。

コロナ禍で水準を切り上げた米国株のバリエーションがコロナ以前の水準まで
低下してしまうのかが問われます。確かに株価は業績が決めます。もっともそ
の程度のPERが許容されるのかは金融政策に左右されます。FRBが利上げの加
速だけでなくテーパリングを急ぐのであればまだまだ波乱は続くことになります。

振り返れば昨年米株は一度も10%を越える調整を経験しませんでした。何度も
懸念が高まる場面はありましたが、それでも下落率は5%程度で収まりました。
「音楽が鳴り続けている間は踊続けなければならない」という名言にあるよう
に弱気になり途中で降りればウォール街では生きていけないという習性があり
ます。

しかし宴もいつかは終わります。いつまでもほろ酔い気分でいると大きなしっ
ぺ返しが待っています。上昇トレンドが続いている間は強気で押し目を買えば
十分な利益が得られました。しかし山高ければ谷深しです。一旦下降トレンド
に向えば買えども買えども下げ続け塩漬け株を増やすだけです。

コロナ禍で巣籠り消費やDX関連と言われて大人気になったBASEや弁護士ドッ
トコム、メドレーはマザーズ市場で時価総額上位10の常連でしたが、気が付け
ば弁護士ドットコム、メドレーは高値時の三分の一、BASEは5分の一以下です。
緩和相場で人気が沸騰した成長期待先行だった銘柄ほどきつい下げです。

短期勝負と割り切るのであれば下げの大きな銘柄を狙うのもいいでしょう。し
かし既にひと相場終わったことは明白です。金融政策が緩和から引き締めに方
向転換したことをよく計算して銘柄選びをしなければ今年は乗り切れません。

24日のNYダウはウクライナ情勢の緊迫化から一時1000ドル安と急落しましたが
その後買い戻され引けにかけて大きく戻し101ドル高で終わりました。FOMCを
控えて動きにくい状況で地政学リスクを材料に売りが売りを呼ぶ展開になりまし
た。先週決算発表で急落したネットフリックスが下げ止まらないことでナスダッ
ク市場でハイテク銘柄が不安定なことも影響したようです。

NYダウは先週ずっと下げ続けていました。24日は大きく下げて戻したことで
FOMCを通過すると一旦は落ち着くことも考えられます。もっともこれで調整
一巡からかどうかは慎重に見る必要がありそうです。

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