21日に2万3000円を回復したのも束の間でした。東京市場の風景は
その後一変しました。売買代金が2兆7000円弱でもこれだけ値を崩
す東京市場のどこに問題があるのでしょう。先物取引主導での動き
が顕著で売買を伴わない大幅下落は強力な買い手不在を現している
ようです。
普段、運動もせず高カロリーな食品ばかり食べている人が食生活の
見直しと適度なトレーニングすればダイエット効果は高いでしょう。
食事とトレーニングはダイエットや健康な体を取り戻すための車の
両輪みたいなものです。
企業も同じで不要な資産や低収益の事業を抱えている企業が資産効
率を考え資産売却や低収益事業からの撤退で身軽になり経営資源を
高収益が期待できる事業に集中すれば企業の業績は劇的に改善する
ことも多いでしょう。事業再編と収益基盤の強い事業への集中も車
の両輪です。
アベノミクス相場が始まってから既に6年目に突入しました。この
間日本株は収益力を高め増配や自社株買いで資本効率も大きく向上
しました。ライザップに入会してぶよぶよだった体が適度な運動と
食時療法で筋肉質の体に生まれ変わったかのようです。
相場初期の頃は業績変化率が大きくなり期待も加わり高いPERも正
当化されます。しかし年数が経過すると数年前よりも収益内容は改
善しているにも拘わらずPERは切りあがらないケースも出てきます。
おそらく過去数年のように劇的な収益の改善が期待できないことを
市場が織り込み始めたのかもしれません。
昨年から今年前半にかけて電極を製造している東海カーボンや昭和
電工の株価が大きく上昇しました。中国政府が2016年に粗悪な地条
鋼の製造設備削減を進めたために鉄スクラップを溶かして棒鋼など
を製造する電気炉製品への需要が高まり製造過程で必要とする高品
質な黒鉛電極の価格が急騰しました。恩恵をフルに受けた東海カー
ボンや昭和電工は業績も株価もうなぎのぼりの上昇でした。
中国人訪日観光客が品質の良さからmade in Japanの化粧品の爆買
いや越境ECでの売り上げ増をもたらしました。両業界に吹いた風は
同じ中国からでした。日本の10倍の人口を抱える中国経済の規模の
大きさはやはり魅力的です。両業界とも企業自身の経営努力があっ
たのは間違いありませんが、ここまで伸びたのは実力プラス強い追
い風のおかげではないでしょうか。
この強い追い風が今後も続くという保証はありません。新たなライ
バルが出現するかもしれません。或いは急激な需要が落ち着くかも
しれません。もし実力以上に株価が上昇したのなら今度はその反動
も大きくなります。逆張りは投資の正攻法の一つです。しかし実力
以上の高値を付けた銘柄の場合は注意が必要です。
ここ数年日本企業の稼ぐ力は大きく改善したことは認めます。だか
らこそ少しでも停滞する兆候が出てくると株価は予想以上にネガテ
ィブに反応します。筋肉質になった日本企業が欧米勢と肩を並べる
或いは追い越すにはこれまで以上の頑張りが必要です。
日本企業の問題点は多くの企業が国内市場で過当競争をしているい
るために多くの業界で海外に比べて収益力が低いという点です。石
油業界のようにここ数年で大きく再編が進んだ業界もありますが
まだ多くの製造業でメーカーが乱立しています。今後確実に人口減
が進むとともに国内市場に大きな伸びが期待できません。さらに収
益率を高めるためには国内での再編が必要です。ここ数年日本企業
の収益率が高まったのは事実ですが、これまでの延長戦上の対策で
は限界が近いのも事実です。
その後一変しました。売買代金が2兆7000円弱でもこれだけ値を崩
す東京市場のどこに問題があるのでしょう。先物取引主導での動き
が顕著で売買を伴わない大幅下落は強力な買い手不在を現している
ようです。
普段、運動もせず高カロリーな食品ばかり食べている人が食生活の
見直しと適度なトレーニングすればダイエット効果は高いでしょう。
食事とトレーニングはダイエットや健康な体を取り戻すための車の
両輪みたいなものです。
企業も同じで不要な資産や低収益の事業を抱えている企業が資産効
率を考え資産売却や低収益事業からの撤退で身軽になり経営資源を
高収益が期待できる事業に集中すれば企業の業績は劇的に改善する
ことも多いでしょう。事業再編と収益基盤の強い事業への集中も車
の両輪です。
アベノミクス相場が始まってから既に6年目に突入しました。この
間日本株は収益力を高め増配や自社株買いで資本効率も大きく向上
しました。ライザップに入会してぶよぶよだった体が適度な運動と
食時療法で筋肉質の体に生まれ変わったかのようです。
相場初期の頃は業績変化率が大きくなり期待も加わり高いPERも正
当化されます。しかし年数が経過すると数年前よりも収益内容は改
善しているにも拘わらずPERは切りあがらないケースも出てきます。
おそらく過去数年のように劇的な収益の改善が期待できないことを
市場が織り込み始めたのかもしれません。
昨年から今年前半にかけて電極を製造している東海カーボンや昭和
電工の株価が大きく上昇しました。中国政府が2016年に粗悪な地条
鋼の製造設備削減を進めたために鉄スクラップを溶かして棒鋼など
を製造する電気炉製品への需要が高まり製造過程で必要とする高品
質な黒鉛電極の価格が急騰しました。恩恵をフルに受けた東海カー
ボンや昭和電工は業績も株価もうなぎのぼりの上昇でした。
中国人訪日観光客が品質の良さからmade in Japanの化粧品の爆買
いや越境ECでの売り上げ増をもたらしました。両業界に吹いた風は
同じ中国からでした。日本の10倍の人口を抱える中国経済の規模の
大きさはやはり魅力的です。両業界とも企業自身の経営努力があっ
たのは間違いありませんが、ここまで伸びたのは実力プラス強い追
い風のおかげではないでしょうか。
この強い追い風が今後も続くという保証はありません。新たなライ
バルが出現するかもしれません。或いは急激な需要が落ち着くかも
しれません。もし実力以上に株価が上昇したのなら今度はその反動
も大きくなります。逆張りは投資の正攻法の一つです。しかし実力
以上の高値を付けた銘柄の場合は注意が必要です。
ここ数年日本企業の稼ぐ力は大きく改善したことは認めます。だか
らこそ少しでも停滞する兆候が出てくると株価は予想以上にネガテ
ィブに反応します。筋肉質になった日本企業が欧米勢と肩を並べる
或いは追い越すにはこれまで以上の頑張りが必要です。
日本企業の問題点は多くの企業が国内市場で過当競争をしているい
るために多くの業界で海外に比べて収益力が低いという点です。石
油業界のようにここ数年で大きく再編が進んだ業界もありますが
まだ多くの製造業でメーカーが乱立しています。今後確実に人口減
が進むとともに国内市場に大きな伸びが期待できません。さらに収
益率を高めるためには国内での再編が必要です。ここ数年日本企業
の収益率が高まったのは事実ですが、これまでの延長戦上の対策で
は限界が近いのも事実です。