kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

楽天の動きに正解なのか?

2023-01-31 06:23:11 | 日記
1月相場の勢いが2月も続くのでしょうか。大発会で2万6000円割れからスタートした
東京市場でしたが、その後16日に二番底を付けてから先週まで順調に上昇してきまし
た。その間円相場が130円を挟んで落ち着いていたことも市場の安心感を誘ったので
しょうか。

もっとも日本株への影響も大きい米株はダウが上値の重さがこのところ目立っていま
す。2月相場で一段高するには企業業績、景気の先行きなどが鍵でしょうか。それに
加え中国景気の回復期待が1月株高の支援材料となりましたが、市場が期待している
ようなV字回復があるのでしょうか。それとも当面の回復は緩やかなものとなるので
しょうか。

欧米景気の減速懸念から輸出に大きく期待する訳にはいきません。ゼロコロナ政策の
撤廃から個人消費の回復がどの程度景気を押し上げるのかが注目です。不動産市場へ
の政策期待はあるでしょうが、どこまで市場が回復できるかはまだ見えてきません。

今年の相場の行方についてはまだ明確な方向性は出ていませんが、今年確実に進みそ
うなのは親子上場問題です。日本市場特有の親子上場についてはこれまでの企業統治
の点で問題が指摘されています親子上場の解消は少しずつ進んでいます。

最も積極的だったのは日立製作所です。これまでに日立国際電気、日立工機、日立金
属、日立物流を外資ファンドに売却しました。日立ハイテクは完全子会社として本体
に取り込みました。日立建機は伊藤忠と政府系ファンドに持ち株の半分を譲渡して親子
関係を解消しました。日立だけでなく伊藤忠はファミリーマートをトヨタはダイハツを
セコムはセコム信越を同じく完全子会社しました。

それでもまだ上場子会社は多く残っています。上場子会社はPBRが1倍を下回る企業も
多く市場からの評価は総じて高くはありません。背景には資本構成の変更が障害になっ
て自社株買いが出来にくいなど株主還元への問題点などがあるようです。

今後も親子上場解消は避けられない問題です。そんな中で楽天は証券子会社や銀行子会
社の上場を準備しています。問題なのはこの上場が楽天の財務改善の為に行われること
です。このケースの場合上場できたとしても株価の低迷が続く可能性が高いというのが
これまでのケースで多かったことです。

海外投資家にも不評な親子上場をこの時点で実行するという政策は楽天の現在の苦境を
物語っています。日本市場で問題視されているPBR1倍割れ企業は半数近くあります。
取引所もこの問題に今後取り組むようです。上場子会社も1倍割れが多いこともあり解消
は避けて通れない流れです。流れと逆行するような楽天の動きに市場はどんな判定を下す
のでしょうか。
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テック株の逆襲どこまで

2023-01-29 05:54:33 | 日記
1月の相場の動きは年間の動きを暗示しているという見方もあるようです。その通りなら
2022年の下落相場から今年は立ち直ることになり先行きには期待が持てるということに
なります。もっとも一本調子に上昇する訳ではありません。

日経平均は昨年12月の日銀ショック前の水準近くまで上昇すればヤレヤレ売りは増えるで
しょう。2万8000円は近くで遠い水準かもしれません。日本株に影響する米国市場ではダウ
は3万4000ドルどころが壁になっています。ナスダック指数も10月安値から15%程度反発
しています。このまま反発が続くのかそれとも失速するのか。テスラのケースでも見られた
ようにカギは決算でしょうか。

テスラ株は今月3日108ドルまで下げましたが、足元では177ドル台まで戻しています。安値
からは7割近く戻した格好です。年末年始にテスラ株が低迷したのは大株主であるマスク氏の
持ち株売却で需給関係が悪化したこと。また2022年の会社側の販売目標である50%増加が
未達に終わったこと。販売不振の打開策として値下げに踏み切り利益率の悪化が懸念された
ことです。

先行き不安の高いところに前期決算の好業績がサプライズになり株価は急回復しました。空
売りの買戻しも急騰の背景にあったのかもしれません。問題は今期業績の行方です。テスラ
が値下げを余儀なくされた要因はEV市場の競争激化です。中国のBYDは幅広いラインアップ
でテスラを追い上げています。欧州勢や米国メーカーも一段とEVで攻勢をかけるでしょう。

テスラの主力市場である中国はEVの補助金を昨年で終了しました。販売競争激化から利益率
の低下が予想されます。テスラが利益率の悪化をどこまで販売増でカバーできるかです。テ
スラが継続的な値上げから一転値下げに転じたのは利益率の悪化に目をつぶっても販売をテコ
入れしようとする意志なのでしょうか。

米国市場が大きく下落したのは時価総額の大きなテスラやGAFAMの不振が大きかったようで
す。今年はどこまで回復できるのかがポイントです。1月の日経平均の動きを見ると米国のテ
ック銘柄に連動する値嵩株の動きで指数が左右されます。

円建て日経平均は日銀会合前の2万8000円まで618円下の水準です。一方ドル建て日経平均は
206ドルから27日には210ドルです。海外投資家が重要視するドル建てでは決して日本株は出
遅れてはいません。結局、昨年日本株の底堅さの背景にあったのは円安のおかげだったようで
す。未曽有の円安が修正された今年は日本株の本当の姿が見えてきそうです。

次回の更新は31日を予定しています。
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中国経済は寝ていろ?

2023-01-27 06:43:53 | 日記
東京市場の1月相場は月初では下値不安が大きかったようですが、どうやら月間ではプラス
で取引を終えることが出来そうです。下値が2万6000円程度、上値が2万8000円程度という
ボックスが続くのでしょうか。足元の株価は上限に近づきつつあります。

昨年12月や9月にあったような月末安を今回は避けられるのでしょうか。米国株と本格化す
る決算の内容次第かもしれません。今回の戻りがテック銘柄の反発が大きかっただけに日本
電産のように市場が織り込めていない決算があるのかどうかポイントです。

1月相場では米国の利上げ減速やゼロコロナ政策の転換で中国景気が回復するという期待が
株高の背景でした。一方中国景気の回復は原油や非鉄それに穀物などのコモディティ価格の
上昇に繋がります。足元でWTI先物は81ドル台です。月初の急落で72ドル台まで下げました
が、昨年末の水準を少し超えるまで上昇しています。

ロンドンLME先物価格も昨年末比12%程度上昇しています。銅など世界消費の半分程度を占
めている中国需要が今後急回復するという見方から投機筋が買い物を入れているのかもしれ
ません。原油価格も含めて一大消費地の中国経済の成り行きが注視されています。

コモディティ価格の上昇は沈静化に向かっている欧米のインフレへの影響が懸念されます。
目先では中国景気の急回復とインフレ鎮静化は共存できません。中国景気が回復するとして
も緩やかな回復がベストシナリオでしょうか。V字回復だとコモディティ価格の上昇が株式
市場の足枷にもなるかもしれません。

米国CPIの低下は原油などエネルギー価格の低下も大きかったようです。FRBの利下げ停止の
行方は中国景気が程よい程度の回復になるのかどうかも影響しそうです。
で回復するかが握っているようです。
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潮流

2023-01-26 06:36:51 | 日記
25日の東京市場は4日続伸しました。12月中旬の日銀ショックでの下落分のおよそ8割
程度を戻しました。悲観の揺り戻しで短期筋の買戻しが急回復の背景ですが、一部報道
によると25日も買戻しは続いたようです。

決算発表本格化前に一旦は売りのポジションの手仕舞いの流れが強まっています。今後
は中長期投資家の買いとともに短期筋が売りからではなく買いのポジションを積み上げ
るのかが2万8000円回復やその後の3万円トライの上で欠かせません。

日経平均上昇に欠かせないテック銘柄の反発がこのところ目立っていますが、ソニーや
キーエンスは既に昨年11月の水準まで上昇しています。今後は上値が重くなる可能性も
あります。それを越えるだけの業績が出てくるのかも大事になります。

値嵩株中心に急速に値を戻しただけに失望決算で急落する懸念は多くの銘柄で起こり得
ます。25日急落した日本電産のケースが全体の流れなのかそれとも日本電産固有の問題
なのか、やはり決算次第の側面があります。

12月の急落以降、東京市場はテック銘柄の反発やバリュー銘柄の見直しが日替わりのよ
うに繰り返され相場の方向性は定まっていませんでした。今年はテックセクターやバリ
ューセクターという括りつけではなくセクターを問わず銘柄によってパフォーマンスに
違いが出るかもしれません。

コロナ禍でモノへの需要が急激に高まったことで企業間の業績格差は余り出ていません
でした。しかし需要が減少したことで同じセクターで業績に明暗が出そうです。不況時
はやはり業界シェアの高い企業が有利なようですが、消費者の好みも多様化しています。

例えばお菓子業界では飴の需要がこの10年で25%程度縮小しました。佐久間式ドロップ
で100年からの伝統のある業界の老舗である佐久間製菓は自主廃業を選択しました。

一方カンロはグミという成長商品を掘り当て飴の需要減をカバーしました。不況の強い
という食品業界でも食の好みの変化で窮地に立たされる企業でも出ています。投資先へ
の業績分析はより重要になりそうです。
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日本電産の躓き

2023-01-25 07:57:22 | 日記
日経平均は2営業日で750円程度上昇しました。2万7229円(24日終値)でしたが、今週
末時点でこの水準を予想する市場関係者は極一握りでした。週末まで後3営業日あります
が、悲観論はある程度後退したようです。

上昇を主導したのは海外短期筋の買戻しだったようです。この水準を維持できるのか或い
は一段高するには中長期投資家の買いが入り始めるのかどうかが鍵です。彼らが重視する
日本の景気や企業業績がポイントになりそうです。10~12月期に急激に進んだ円高と海外
景気の悪化はやはり影響を受けやすい上場企業に多いことからまずは決算内容が正念場で
もあります。

市場注目の日本電産の決算は従来の21%増益予想から一転56%減の大幅な減益予想に修正
されました。構造改革費用で500億円を計上することが減益幅拡大の要因ですが、本業の不
振も顕著です。日本電産はイーアクセルの将来性で2020年7月以降大きく上昇しました。

EV関連が市場のテーマとして浮上したことでその代表銘柄としてバリエーションを切り上
げました。もっとも同社が積極的な投資を行っているイーアクセル部門は先行投資が重し
でまだ利益貢献はしていません。収益を支えているのは世界首位のHDD用精密モータと家電
や車載用モータです。景気の影響を受けやすい分野ですから中国など世界景気の悪化で会社
の想定以上に需要が減少したようです。

オンラインで決算会見に臨んだ永守会長は「外部から来られた方が好き放題の経営をして負
の遺産を作った」と述べ、22年9月に退社した日産自動車出身の関潤前社長が統括してい車
載事業の不振を前社長の責任にしているようです。もっとも同氏を三顧の礼で経営者に迎え
たのは永守会長本人です。

就任当初は同氏をべた褒めしていました。1年前の決算会見でも関氏が逃げ出さない限りCEO
を続けてもらうと言っていました。永守会長の責任も重いのではないでしょうか。永守会長の
後継問題はまだ見通しが立っていません。これまでは会長のカリスマ性もあり高いバリエーシ
ョンを維持してきた同社株に市場はどんな評価を下すのでしょうか。

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