kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

杞憂に終わりました

2017-04-28 15:43:05 | 日記
前日に今期純利益が二桁減少する予想を出してきたコマツ株の
今日の市場の反応が注目されましたが、58円高の3005円で寄り
付きその後一段高となりませんでしたが、日中プラス圏でしっか
りした展開でした。4月に買収した米鉱山機械大手のジョイ・グロ
ーバルののれん関連の費用(480億円)を除けば営業利益は11%
の増益計算になるということが投資家から評価を得た形です。

もし決算発表がザラバ中だったら純利益が19%減という言葉に
シストレが反応して大きく売り込まれる場面があったかもしれま
せん。28日が落ち着いた取引になったのは数字の背景にある中
身を吟味する時間があったからではないでしょうか。

1%の小幅な増益予想出してきたファナックが寄り付き1%安で始
まった後下げ渋り、大引けは0.55%安だったのも想定為替レート
が1ドル100円、1ユーロ110円と足元の水準よりもかなり円高に設
定したことからいずれ上方修正が期待できるといった予想もあった
のでしょう。

2営業日続落で今週の取引を終わりましたが、1万9196円は週初
のテレビの経済番組での専門家インタビューで誰一人予想しなか
った高い水準でした。4月第3週の海外投資家は2770億円現物株
を買い越しました。第2週の買い越しが1027億円でしたから2.7倍
になった計算です。日経平均が285円上昇したのもやはり海外投
資家の存在を抜きに語れません。

今週は先週の2倍の576円上昇しました。おそらく海外投資家の
買い越し額は一段と膨らんだことが予想されます。4月は海外投
資家が買ってくるといった説はどうやら今年も正しかったようです。
一旦買い越しに転じるとしばらく続くといったこれまでのケースを
考えると海外投資家の買いに支えられてしばらくは日本株も上昇
が続くというロジックになりそうです。

筋書き通りにいくかどうかは、まずは月末月初に発表される海外
の経済指標が鍵を握ることになります。4月に安値をつけて5月に
高値をつけにいけるのかはやはり為替も含めた海外からの材料
次第です。

29日30日の更新はお休みします。
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期待はずれに要注意

2017-04-28 06:52:40 | 日記
市場の注目材料だったトランプ政権の大幅減税策は財源への具体的な
言及がなかったことで市場の評価は高まりませんでした。もっとも既に期
待は大きく低下していたことから影響はほとんどありませんでした。日米
市場とも決算発表が本番を迎え日米市場ともマクロ政策から個別企業の
業績に当面はスポットライトが当たる展開になって来ました。

トランプラリーで米国の巨額なインフラ投資への期待と資源価格の回復
からインフラ関連銘柄は11月以降大きく上昇しました。中でも建設機械の
コマツと日立建機は機械銘柄の中でも上昇率1、2位を争うほど人気を集
めました。26日に決算を発表した日立建機の今期純利益は2.2倍予想と
市場の高い期待に応え上々の結果となりました。

米国でも建機世界一のキャタピラーの決算は市場予想を越える内容でし
た。当然日本のトップメーカーであるコマツの決算にも大きな期待がかか
るのは自然なことです。株価は既に好業績期待を織り込む形で20日の
2666円を底に300円近く上昇し3月16日に記録した高値3016円の更新も
見えてきました。

ところが27日に発表された今期の業績見通しは純利益が19%というまさ
かの減益決算でした。会社予想の920億円は市場コンセサスの1225億円
を大きく下回るものでした。前期に買収した米鉱山機械大手のジョイ・グロ
ーバル向け固定資産の償却費など一時費用が膨らむというのが減益の
理由らしいのですが余りにも市場予想と大きく乖離しています。

救いといえば想定為替レートが1ドル105円、1ユーロ115円と足元の水準
よりも円高に設定していることでしょうか。それでも市場の高い期待を考え
れば二桁減益というショックは大きいでしょう。この結果を受けて今日の取
引で市場がどんな反応を示すのか気になります。

半導体産業の活況を受けて今期業績への期待の強かった日立ハイテク
ノロジーも研究開発費がかさむことで連結純利益が13%減少するとの発
表で値下がり率8位295円安(6.43%)と大きく下落しました。会社側と市場
予想との数字が余りにも違うことがある決算内容は蓋を開けてみなけれ
ば分からない。結果によって天国と地獄ほど株価への反応が大きくなる。
決算シーズンならでは不透明要因です。

好業績を好感して年初来高値を更新したキャノンなどもありますが、市場
予想を鵜呑みにしての先回り買いにはやはり大きなリスクがあります。い
つもの光景とはいえ決算発表シーズンは短期投資家の独壇場となり対応
が難しいことを痛感します。
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日立の評価は高まるか

2017-04-27 06:59:31 | 日記
日立製作所は本体との相乗効果が少ない非中核事業の半導体製造
装置大手の日立国際電気の売却を探っていましたが、米KKRと日本
産業パートナーズの日米投資ファンド連合に売却すると正式に発表し
ました。仕組みはちょっと複雑で日立はTOBに応募せず日立国際電
気が実施する自己株式取得に応じ52%の保有株すべてを売却すると
いうものです。

報道によると売却総額は2100億円となる模様と伝えられていますか
ら保有分の52%すべて売却する日立の懐には1100億円近い現金が
入る計算になります。買収を決めた米社の8割程度を賄える計算にな
ります。

日立国際電気は半導体の材料となるシリコンウエハーに極薄の膜を
生成する装置を製造する大手です。記憶素子を縦方向に並べた3次
元NANDフラッシュメモリーの生産に向けた設備投資が活発で業績
は好調です。今後もIoTの広がりで装置需要は成長が期待できるとい
う見方も多いようです。

日立国際電気は放送・映像部門が足を引っ張ったとはいえ147億円の
営業利益を稼いでいます。非中核事業とはいえ成長期待も高く国際競
争力の強い子会社を売却する訳ですから賭けだともいえます。

25日に買収を発表した空気圧縮事業を手がける米サルエアー社は前
期まで二期連続赤字です。1357億円という買収金額が割高になるのか
良い買い物だったのか買収後早期に相乗効果をどこまで発揮できるか
で答えが出そうです。

日立としては注力しているIoTなどと組み合わせ相乗効果も期待でき
それなりの勝算があると考えているのでしょう。26日の株価は3.62%
上昇し日経平均1.1%を大きく上回りました。時間の経過とともに上げ
幅を広げる展開でしたから市場の評価は今日のところは高かったよう
です。

しかし株価は依然として大納会の価格をまだ2%弱下回ったままです。
日立は電気銘柄の勝ち組と評価されていますが、またアベノミクス相
場で付けた高値939円(2014年12月8日)から300円弱下の水準です。
2015年から2年連続で株価は下落しています。

AIやIoTに関する期待材料を持ちながら株価水準を考えると残念なが
ら市場からの評価が高いとは言えません。目に見える形で業績が伸び
ていないのが株価の重石になっていることは間違いありません。選択と
集中を加速する形で事業再編を急ぎ停滞していた業績を伸ばすことが
出来るのかどうかこの1年、2年が正念場です。
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日本株の戻りは本物?

2017-04-26 06:39:20 | 日記
フランス大統領選挙に続いて北朝鮮の核実験といった地政学的リスク
が後退したことからの25日の東京市場の戻りは予想以上に大きくなり
ました。実に日経平均は終値ベースで1万9000円台をつけたのは先月
30日以来ほぼ1ヶ月ぶりです。

円相場の日中の推移が24日とほぼ同水準の110円台だったにも拘ら
ず日経平均は203円高で終わりました。この3営業日の大幅上昇は国
内機関投資家が売り越しから買い越しに転じただけでなく海外投資家
の買いが本格的に出てきたことを意味しているのかもしれません。

ひょっとしたら例年通り今年も4月は海外投資家の買いは期待はずれ
ではなかったのかもしれません。本当に海外投資家主導の上昇だっ
たかどうかは後日発表される数字で確認するしかありませんが、この
上げっぷり国内投資家だけでは説明できません。

もっとも1万9000円回復後の日本株が順調に2万円回復コースに乗
れるか話は別です。年明け1月から3月の3ヶ月間東京市場はほぼ1
万9000円から1万9600円で推移していました。この間信用買い残高
は5300億円ほど増加しました。

4月第1週と2週で820億円程度減少しました。また先週は日経平均が
上昇したことからヤレヤレの戻り売りも増えもう少し減少していること
が考えられますが現物株の売りも含めて戻り売り本番は年初来高値
に近づけばより強くなります。

9000円前半での押し目買いを入れた投資家が多いと予想されますか
ら戻り売りが本格的に出てくるのは25日の引け値ベース(1万9070円)
以上の水準からです。個人投資家の戻り売りを消化できるだけの海外
投資家からの買いが継続的に見込めれば状況は変わるでしょうが現
状では余り楽観は出来ないようです。

純張りで上値を追ってまで買い進める国内投資家はいません。頼み
はやはり海外投資家ということになります。予想以上の早いピッチで
1万9000円を回復した東京市場は今日も米国株の大幅高と円安が
111円台まで進んだことから三桁の上昇が期待できそうです。予想以
上に今週は強い相場になりそうです。さてこの動きがGWを挟んで続く
のかどうか。

地政学リスクに加え米国経済のさえない経済指標が米国株のもたつ
きをもたらし日本株の先高期待が大幅に低下しました。不思議なもの
で先高期待が後退した時点から大きな反発に繋がりました。4月とは
逆のケースで案外次の5月SQ(12日)までは強い相場が続くのかもし
れません。地政学的リスクで下落へのヘッジが進んだことが一転株高
に繋がったという皮肉な結果になったようです。
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次の焦点は米国景気

2017-04-25 06:42:06 | 日記
フランス大統領選挙結果を好感したリスクオンの流れは日本から
始まり欧州そして米国へと一週しました。週明け24日の東京市場
は大幅続伸で1万9000円に手の届く1万8875円まで上昇して終わ
りました。2営業日の上げ幅は合計445円となり1週間前には1万
8000円割れもあるかもしれないという悲観ムード一色だったのが
嘘のような変わりようです。

先々週の下げが売り方主導だったのでしょうか。それくらいこの2
営業日の急騰は当落レシオなどテクニカル面での割安感の高ま
りも手伝いました。二日続けての大幅高の背景にはかなりカラ売
りが溜まっていたことも大きかったのではないでしょうか。フランス
選挙は今度こそ3度目の正直で本命のマクロン候補が7日の決選
投票でも今回は番狂わしはないというのが市場の声のようです。

もっとも北朝鮮リスクはまだ残ったままです。それでも地政学リス
クで相場が大きく下落したケースは記憶にありません。北朝鮮問
題が急転直下解決する見込みもないでしょう。リスクは燻ったまま
続きそうですが好材料も悪材料も市場では賞味期間があります。
いずれ決定的な事態にならない限りこの問題で為替や株式市場
が振り回され続けることはなくなりそうです。

ひと安心が広がってきた東京市場ですが、昨年11月からの上昇
相場は米国主導で始まりました。残念ながらアベノミクス相場と
違って日本がリードしている訳ではありません。11月からの株価
水準を比べれば米国や欧州市場に比べれて日本が劣っている
のは明らかです。これを出遅れと解釈するのかそれとも日本株よ
りも有望な市場がありマネーがそちらに流れていて日本の株高は
あくまでも連れ高の域を出ないと見るべきなのか。

やはり注目しておかなければならないのは米国景気の行方です。
1~3月期の米国の経済指標は軒並み低調でした。過去数年年初
の3ヶ月は天候要因もあり低調でした。4月以降急回復して不安を
払拭してきましたが、今年も4月以降持ち直すのかがポイントにな
ります。トランプ大統領の政策に不透明感が広がってきたことから
余計足元の景気動向が重要になります。

既にリーマンショック後景気拡大は7年を越えていて何時景気後退
に陥っても不思議ではありません。根底にこんな不安を抱えている
ことが市場を不安定にしています。特に今年は期待先行で米国株
の水準が切り上がった後だけに尚更です。米国景気の変調は利上
げの先送りがドル安円高要因となり日本株の下落要因です。4月以
降米国景気が持ち直していることを確認できるかどうかがポイントに
なりそうです。


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