kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

雨降って地固まる?

2016-06-30 01:32:25 | 日記
先週末のBrexitショックで大幅安に見舞われた日米欧の株式市場はどう
やら冷静さを取り戻し世界的な株安には取り合えずストップがかかった
ようです。為替市場でも大きく売り込まれた英ポンドやユーロも反発して
います。英国がEUから離脱する話し合いは英国の次の首相が決まる9月
まで待つことをEU首脳もしぶしぶ了承したようです。

離脱に関する具体的な材料が当面は出てこないことで売り方もこれ以上
売りを膨らますことは出来ず買戻しが出ているのかもしれません。まだ手
放しで安心は出来ませんが世界を震撼させたBrexitショックは収まりつつ
あるようです。

日本株は2月に1万5000円割れまで売り込まれた後、3、4、5月と月末高の
月初安の流れになっていました。今月ももし英国の国民投票が残留派勝
利で終わったのなら同じパターンを辿った可能性が高かったかもしれませ
ん。ブラックフライディの大幅安をどこまで取り戻せるか分かりませんが市
場は遅ればせながら戻りを試す展開になっています。

6月最終日の今日は堅調な展開で終えることが出来るとしても問題は月替
わりの明日以降の動きです。「雨降って地固まる」という諺がありますが今
回のケースがそれに当てはまるといいのですが、おそらくそんなに旨い具
合にはいかないのでしょう。

トヨタや日立などの主力銘柄は28日に相次いで年初来安値を更新しまし
た。チャートからは上値が切り下がる下降トレンドが続いていることを示し
ています。主力銘柄が下値模索を続け内需ディフェンシブ銘柄の一角に
人気が集まるといった極端な値動きが続いている間は正常な状態とは程
遠いものです。

主力銘柄が本格的な反発局面にならなければ日経平均の持続的な上昇
も期待できません。Brexitショックで米国の利上げが益々遠のき本当に年
内利上げが出来ないといった事態も考えられ円高トレンドの転換には目
処がたちません。円高に弱い日本株というレッテルがついて回る限り日本
株が再び世界の投資家から注目されることも期待できません。

円相場の動きで大きく収益が変動するといった日本株の課題を克服する
ためにはイノベーションが必要です。円高にも負けない強い収益構造を
持った企業が1社でも多く出てくることしか日本株を再び大きく浮上させる
ことは出来ません。その道のりは決して容易いものではありません。
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グローバル化に立ちはだかる壁

2016-06-29 08:22:21 | 日記
一段と下値を探る動きも予想された今週の東京市場ですが、2営業日を過ぎ
た時点では予想外に堅調だといえるのではないでしょうか。一番の要因は円
相場の安定でしょうか。既にBrexitショックで先週末一時100円割れまで円高
が進んで投機筋も当面の目標に達したことがあるようです。このまま105円を
回復するような動きは当面期待できなくとも現状の水準(102円から103円台)
で推移しているのなら株式市場に一段と下押し圧力はそれ程かからないよう
です。

EU離脱を巡って英国とEUの中核国のドイツとフランスの駆け引きが続いて
いますが、現状では次の展開がまだ見えてきません。金融市場の激震を目の
当たりにした英国民の世論も混沌としています。EU離脱に向かって突き進む
には不安も高まっているようです。キャメロン首相は辞任を表面していますが
次のリーダーはEUとのタフな離脱交渉が待ち受けているだけになかなか適
任が見つからないようです。Brexit問題は長期戦になりそうな気配も出てきま
した。

東京市場は過去2営業日堅調さを保っているといってもBrexit問題の方向性
が出てくるのには時間がかかることも有り英国関連銘柄には尚も売りが続い
ています。資金の逃避先は業績好調な内需銘柄の一角に集まっているよう
です。内需銘柄の中でもサントリーBFやアサヒHGなどの食品銘柄には今回
資金が向かっていません。背景にあるのは英国や仏企業の大型買収で欧州
市場での売り上げが比率が大きくなりBrexit問題の混乱で欧州市場の売り上
げが減少するとの懸念から人気が離散しています。

日本企業が成長するためには飽和状態の国内市場主体から海外売り上げ
を延ばすしか方法はありません。企業にとっては正しい選択でも今回のよう
な混乱が表面化すると当該市場の売り上げが大きいだけで売りを浴びるこ
とになります。長期的にはグローバル化は避けて通れないことなのに目先の
市場はリスクばかりに目が向いています。

移民など人口増が続く米国のように自国に大きな市場を持たず今後人口減
で益々日本の国内市場はあらゆる業種で縮小が避けられません。成長の糧
はやはり海外市場です。しかし海外市場を伸ばすには様々な困難が待ち受
けています。数年前は新興国の成長性を期待して多くの企業がアジアを中心
とした海外ビジネスを延ばそうと先を争いました。ところが政治体制の混乱や
金融市場の脆弱性もあり成長に急ブレーキがかかりました。

そこで比較的堅調な成長を続けている欧米市場に日本企業は再び目を向け
るようになりました。昨年までの巨額なM&Aはほとんど対象が欧米企業でし
た。皮肉なことに将来の成長を期待した投資が今回は短期的な株価下落に
拍車をかけました。企業にとってはビジネスは金融市場に比べて遥に先を見
ながら進めるものです。グローバル化を推進する上ではやはり乗り越えなけ
ればならない壁なのでしょう。ある意味Brexit問題が試金石になりそうです。


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リスク管理出来ていますか?

2016-06-28 00:31:41 | 日記
数年前ギリシャの財政危機で何度も緊迫場面がありました。その都度ぎり
ぎりで妥協が成立し金融市場の大混乱は回避されました。なかなか解決の
糸口が見つからなくとも最後は政治家同士の交渉で大局を考えた結末に収
束しました。英国国民投票の結果も最終的には経済合理性が勝り残留の道
を選ぶと多くの人が考えてしまったところに今回は落とし穴がありました。

選挙は水物とはよく使われる言葉ですが、国民投票も同じようであり蓋を開け
てみないと分からないということが今回ほど痛切に感じたことはありません。直
前には楽観的な見通しから見切り発車で日米欧の市場が上昇したことが結果
的にアダになり大きな衝撃に繋がりました。一部のヘッジファンドのように独自
の世論調査を実施し何とかこのイベントで他の投資家よりも早く結果を知りひと
儲けしようとした輩の行動が混乱を大きくしたとの見方も出来ます。

年初からの原油価格の大幅な下落、米国の利上げ先送りによる金利の低下な
ど金融市場の予想外の動きで年初からのヘッジファンドの運用成績は不振が
続いているようです。一気に挽回を図ろうと英国の残留派に賭けたポジションを
組んだファンドは大きな痛手を負ったところもあるでしょう。運用成績の不振から
今後解約の増加で市場からマネーが引き上げられ結果的に一段の値下がりを
呼び運用成績の更なる悪化になるといった負の連鎖を心配する市場関係者も
いるようです。

日本株の場合既にBrexit問題で暴落する前に市場はふらふらの状態でした。
年初来高値に迫ろうとしていた米国株とは明暗が分れていました。日本株の
場合少なくとも大統領選挙が終わるまで出番はありませんよという引導を渡
されたようなものです。米国の2回の利上げは既に風前の灯火となりもはや
120円の円安は幻となった状況で円安バブル、インバウンドバブルで実力以
上に上昇した株価が適正な水準に戻るまでしばらく時間がかかると覚悟を決
めるしかなさそうです。

Brexit暴落がなくてもしばらくは東京市場の上値は限られていたでしょう。この
暴落で全体的にレンジが1000円から2000円ほど切り下がったようです。アベノ
ミクス3年で2.5倍になった日経平均の調整が始まったのが昨年8月の中国ショ
ックが起点だとすればまだ調整の真っ只中なのかもしれません。マネーは外部
環境に左右され難い一部のディフェンシブ銘柄に流れ込んでいるようですが短
期勝負ならそれに乗るのもよいでしょう。

しかし買える銘柄がなくての人気なら割高感と常に背中合わせです。リスク管
理をきちんとしなければディフェンシブ銘柄で損の上塗りという笑えないことに
もなります。昨年前半までは相場の流れに乗る事が成功への道でした。しかし
今年はリスク管理の重要だと知る1年になりそうです。
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Brexitショック

2016-06-26 09:28:42 | 日記
大方の予想では残留派が何とか僅差で勝利し世界の金融市場を揺るがした
Brexit問題は24日で収束する筈でした。事前の世論調査の結果は残留(52)
離脱(48)でしたが国民投票の結果は真逆でした。ブックメーカーの直前の
予想は9割が残留でした。何故直近の予想がこんなにも違う結果になったの
か。詳細を伝える報道はほとんどありません。一部には残留派の多いロンド
ンの悪天候が影響したのではないかというニュースも出ていますが、地方の
離脱派の勢いを過小評価していたのではないのかもしれません。

とにかく最悪の結果となり前日まで残留派優位の報道から一旦残留を織り込
む形で為替も株式市場も動いていましたから余計反動が大きくなりました。
しばらくこの余波は続き長期の投資家は動き難いでしょう。その間隙を突き
短期筋による思惑売買で市場の乱高下は避けられそうもありません。国民
投票の結果を受けEU諸国も騒動の早期沈静化を狙い様々な動きが出てく
るでしょう。

EU各国としても英国に対してそんなに良い条件での交渉はしないでしょう。
EU各国が一番恐れているのは英国の離脱が引き金になり各国の反EU勢
力が勢いを増し次の離脱国が出てEUが崩壊することです。一方余り英国
を追い込んでしまうと独仏英の主要国の一角をなす英国経済の大混乱を
引き起こし経済的な結びつきの強いEU諸国にも火の粉が降りかかります。
交渉は硬軟織り交ぜたものになることが予想されその度ごとに市場の変動
が大きくなることも予想されます。

とにかく全体像が見えてくるのには時間がかかります。一つのニュースで
一喜一憂して取引をしても良い結果に繋がらないかもしれません。今日の
良いニュースは明日真逆の悪いニュースとして市場に伝わるかもしれませ
ん。この問題の解決の処方箋は現時点では見当たらないというのが的を
得ているようです。

安倍首相が先月リーマンショック並みと言う表現を使って海外からの批判
を浴びましたが、24日の世界の金融市場の混乱はリーマンショック並みと
形容するくらいの激震でした。日本政府も今後あらゆる手段を使って事態
の悪化を阻止しようとするでしょう。国政選挙期間というタイミングで政府と
しても一段の景気悪化は避けたいところです。禁じ手なしの何でも有りの手
段が急浮上してきそうです。

※お知らせ
明日は所用のため更新をお休みします。
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ブラックスワン

2016-06-24 15:03:19 | 日記
本当に大ドンデン返しが起こるなんて!離脱した場合の経済混乱を考えたら
最終的には僅差でも残留派が勝利すると思いましたが、英国民が予想以上
にEUに対しての不満を抱えていたということだったのでしょうか。投票率が
事前予想の70%を越える80%台まで上昇したために残留派には有利に働く
との読みも投票直後の世論調査の結果もブックメーカーの予想も全て反対
の結果になりました。市場が始まる時点で誰がこの結果を予想したでしょう。

これから開く欧州そして米国市場も大きなショック安は免れません。英国の
EU離脱の影響は当面の為替市場や株式市場の混乱だけでなく益々米国
の利上げがしにくくなり日本株には円高の長期化といった影響がボディー
ブローのように企業収益の重石になりそうです。週明けに売り方の買戻しで
いったんは1万5000円を回復したとしても下値不安は当分消えそうもないで
しょう。日本株の回復はいつのことになるのやら…

今後為替市場や株式市場の今後について様々な見通しが出てくるでしょう。
米国のEU離脱がキャメロン首相の辞任に繋がったり残留派の多かったスコ
ットランドの独立運動も持ち上がるかもしれません。ひとつのドミノが倒れた
事により市場は次のドミノのどこが倒れるのか不安心理も高まりそうです。
臆病なマネーが新たな動きをすることで次の連鎖を呼びます。離脱派の不
満のひとつが移民問題です。これは欧州各国の共通問題でもあり日本人に
は実感が湧かないでしょうが、ある意味ギリシャ問題に次ぐ大きな不安材料
です。

今後市場では日銀の追加緩和期待や為替介入を巡って様々な見方が出て
くるでしょう。しかし黒田バズーカは既に効き目に疑問符がつき為替介入は
トランプ陣営に攻撃の材料を与える副作用があります。これ以上の混乱を回
避するために各国が協調出来れば話は別ですが政府の単独介入には副作
用が気になります。Brexit問題を無事乗り切って来週は戻りを試すという朝方
の目論見は見事に外れ当分この余波に市場は振り回されそうです。

明日この更新はお休みします。
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