kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

名人、天井は売らず底は買わず

2022-10-31 11:20:59 | 日記
※ 1日は急用が出来たため前倒しで更新します。

再び東京市場は米国市場の写真相場の様相を強めているようです。週明け31日の日経
平均はダウが828ドル(2.58%)、ナスダック指数も309(2.87%)ポイント高と揃っ
て大幅高だったことから値嵩のグロース株中心に大きく上昇しました。中間選挙前は
相場が軟調で選挙後に上昇するというアノマリーから考えればこの急進は意外感があ
ります。

FOMC前(11月1、2日)を控えて大きく動きづらいという見方もありましたが、12月の
会合で利上げペースを鈍化せせる議論が今回のFOMCで交わされるという記事がFRBに
近い筋から出てきたことでFOMC前の不透明感よりも利上げペース減速期待が市場で高
まり株高に繋がっています。

ダウは10月13日の安値から先週末までの2週間で4200ドルも急伸しました。勿論、まだ
投資環境の霧が晴れた訳ではなく米国の市場関係者から一方的な株高で急落の懸念もあ
るとの指摘もあります。一方グロース銘柄の中でも半導体市況の底入れは近いとの見方
から半導体銘柄への見直し買いを主張する市場関係者もいます。

一段と相場の戻りが鮮明になれば第2四半期決算での悪い内容がグロース株の底入れ反転
の分水嶺だったという見方も出てくるかもしれません。振り返ってみれば半導体セクター
の天井は2021年の11月から2022年の1月でした。まだまだ半導体不足が続いているという
ニュースがあふれ解消にはしばらくかかるというのが大方の見方でした。

「逆も真なり」なのかもしれず半導体に関する悪いニュースばかりが最近は目立っている
ことから底入れ近しという見方も一理あります。もっとも期待と失望を繰り返し底値は多
くのケースで固まってくるものです。「名人、天井は売らず底は買わず」の格言のように
焦らずの自分の判断に自信が持てたら買えばいいのかもしれません。

まだ下がると思えば反発し、まだ上がると思えば下げるのが相場です。投資家の思い通り
には市場は動いてくれません。時間を気にせず運用成績も自己責任の個人投資家だから持
っているアドバンテージを使いましょう。
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アップルに救われた週末だが

2022-10-30 05:42:10 | 日記
先週の米株は思いの外、強い展開でした。グーグルやアマゾン、メタの決算が振る
わず、27日にはグロース株中心に売り込まれることもありましたが、アップルの決
算が市場予想を上回り28日はダウは大きく反発しました。

メタやグーグルは景気の影響を受けやすい広告事業が主力です。アマゾンはEC事業
が巣籠り需要の反動を受けました。EC事業ではまだ人手を多く使うことからコロナ
禍で増やした従業員の人件費増加で費用がかさんだことも影響を受けました。

一方アップルはiPhoneなどのハードの販売や課金サービスが主力事業であ7~9月期
では比較的健闘したとの評価が株価上昇の要因です。期中にiPhoneの新製品を出し
て販売が伸びたことも影響したようです。

もっともドル高の影響や中国景気の悪化といった影響が10~12月期も重しになると
いう懸念は他の大手テック銘柄同様不安は付きまといます。そもそも決算内容も予
想よりは悪くなかった程度で素晴らしい内容ではありませんでした。28日の急騰も
売り方の買戻しが主導したものかもしれません。

アップルもこのまま上値を切り上げられるかは不安の残るところです。大手テック
銘柄は今年大幅に調整していました。アップル高でつれ高した面もあります。アッ
プルが下げに転じれば影響は免れないでしょう。悪い決算で目先悪材料が出尽くし
たという見方になるのかどうか注視する必要がありそうです。

11月1~2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。11月は0.75%の利上
げ織り込みが進んでいます。問題は12月の会合で引き続き0.75%の利上げをするの
か、0.5%に減速させるのかです。パウエル企業は経済統計次第ということを前から
利上げ幅の判断材料にしています。

12月の会合前にまだ雇用統計やCPIの発表は2回あります。現時点では0.75%と0.5%
の予想は拮抗していますが、どちらに転ぶのかは経済統計の結果がカギを握ります。
10月は予想以上に強い展開でした。さて中間選挙後は株高というアノマリーのように
11月も期待できるのでしょうか。

アノマリーを鵜呑みにする前に市場環境や株価水準などをよく吟味する必要がある
のは言うまでもありません。決算も後半戦に突入します。そして次はミクロからマ
クロに市場の注目は移っていきそうです。今年は株価も為替も大きく市場関係者の
予想が大外れした年です。最後まで気は抜けません。

次回更新は11月1日を予定しています。
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GAFAMにも冬が

2022-10-28 05:55:58 | 日記
今週の日本株は思いの外、健闘しているのではないでしょうか。勿論、米国株の戻りが
日本株への追い風になっていることは事実です。その米国株もこれまでの決算実績で市
場予想を上回る企業業績から見直し買いが相場を支えています。

一方、今週の決算発表でコロナ禍でも抜群の収益力だったGAFAMは失望決算から急落す
る場面が見受けられます。決算発表翌日にマイクロソフトは8%安、グーグルの親会社の
アルファベットも9%安でした。純利益が半減すると発表したメタは急落し年初来安値を
更新しました。

メタやグーグルの主な収益源はネット広告です。テレビや雑誌など既存メディアの市場を
奪う形でネット広告市場は拡大していました。景気の変動を受けやすい広告市場で着実に
収益を拡大してきました。しかしネット広告市場の急拡大が安定軌道に変わると景気の影
響を諸に受けるようになりました。

ネット広告市場ではTik Tokといった強力なライバルも台頭してきました。メタやグーグ
ルが席巻してきたネット広告市場でも競争激化と景気の波への対応が今後の株価を占いこ
とになりそうです。いずれにしても大手テック銘柄の不振はダウやナスダック指数の上値
を抑えることになりそうです。

東京市場でも決算で明暗が分かれています。欧州の景気悪化懸念から今年ずっと右肩下が
りだったシマノとマキタは上方修正をしたマキタは今週大きく反発しました。一方マキタ
は金利上昇で一番影響を受ける住宅関連分野が主力事業ですから反発のキッカケが今のと
ころないようです。今日の決算発表でトレンドが変わるのかどうか、まずは結果待ちです。

26日通期の純利益予想を下方修正したキャノンは大きく下落しました。輸出比率が高く代
表的な円安メリット株であるキャノンには上方修正も期待されましたが、円安がこれ程進
んでも下方修正という事実は漠然とした円安メリットを囃す相場に警鐘を鳴らすものです。

競争力のあるビジネスなのかその市場は成長しているのか。当該企業の新規事業の成長力
など吟味が必要のようです。キャノンの場合は稼ぎ頭のデジカメや事務機事業の市場縮小
が早く新規事業の医療機器や監視カメラなど新規事業の収益貢献度はまだ小さいことから
が問題のようです。大黒柱になるような新規事業が直ぐには成長できないという現実です。

円安で輸出企業全般が漠然と業績が期待できるとの見方は決算発表を通じて本当の姿が見
えてきそうです。追い風が吹いても帆が十分役割を果たせず恩恵は少ない企業もありそう
です。米国の大型テック銘柄のGAFAMでも株価水準に差が出てきました。不況期には体力
差が鮮明になります。
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中間選挙前にひと山?

2022-10-27 05:53:27 | 日記
26日の日経平均は2万7500円を越えてきました。勿論、株高の背景には12月の利上げが
0.75%から0.5%に縮小されるとの期待から米国市場で株高が進んだことです。カナダ中
銀は1%→0.75%→0.5%と利上げ幅を縮小しています。背景には急激な引き締めによる
経済悪化があるようです。

米国でも同様の動きが出るのでしょうか。もっともインフレが高止まりすると利上げ幅
の縮小や利上げ停止は遠のきます。景気悪化とスピードとインフレ鎮静化との綱引きが
先行きを占います。

香港やシンガポールの投資家を訪問した外資系証券の自動車アナリストは「共通して日本
株への注目度が高まっていた」との見方を紹介しています。習近平政権が正式に3期目に
突入することが明らかになり海外投資家は今後もゼロコロナや共同富裕実現のため不動産
市場への逆風は続きまた情報統制も続きIT業界には逆風が止まらないとの懸念があるよう
です。

最近の一段の人民元安は中国から海外投資家が資本を引き揚げていることも原因です。
中国・上海や香港株が下げ基調を強めているため、海外投資家は中国株の持ち高を落と
し、流動性と情報開示の透明性がある日本株に資金を振り向けたい意向があるというと
の指摘も出てきました。

海外勢の日本株(現物株)の累積買越額は15年6月に19兆円を超えていた。海外勢は
その後一貫して日本株を売り続け、22年9月末にはついに累積で売り越しに転じました。
もはや売りたい投資家は売り切ったとの見方もあり中国から逃げ出したマネーの受け
皿として日本株が浮上し今後海外投資家の買いが活発になるのではないかというのが
強気筋の見立てです。

内外投資家に人気のSBGが26日1年ぶりに6000円を回復したのも買い材料にしています。
もっとも中国が改革開放路線の後戻りをするのではないかという理由もありアリババは
今週急落して年初来安値を更新しました。

ビジョンファンドが累計1.5兆円の投資を行ったディディにも逆風です。ビジョンファン
ドは中国株への新規投資を中断しましたが、既に投資した金額は10兆円ファンドの2割近
くあるのではないでしょうか。24日にはアリババ株の下落が場中に伝わり下げましたが
翌日には早くも反発しました。アリババ株はその後も下値模索が続いています。

海外投資家が香港市場や上海市場から資金を引き上げるのならSBGにとっては決して良い
話ではありませんが、SBGが今月3日の安値から既に2割以上上昇しているのは事実です。
腰の据わった買い方の動きからするとまだ一般投資家には知られていない買い材料がある
のでしょうか。
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EV競争激化

2022-10-26 06:31:34 | 日記
市場はやはり筋書きのないドラマでしょうか。一時はあと2回のFOMCで0.75%の
利上げが確実視されていましたが、FRBに近い記者の書いた一本の記事で市場は
利上げ緩和を織り込みテック株中心に先週末から急反発しました。

東京市場でもリーオープン銘柄中心の物色から米国同様にテック株中心の上昇に
転換しました。指数を押し上げる値嵩株の多いテック株の反発は日経平均の上値
を追いやすくなります。SBGのこのところの動きも含めて大方の予想と反対の方
向に動く時には動きが大きくなります。やはり相場の先行きを読むのは難しいと
いうことでしょうか。
 
原材料価格の上昇分を小刻みな値上げを補い高い収益率を維持してきたテスラも
中国市場では値下げを余儀なくされました。少ないモデル数で効率的な生産を続
けてきたのがブランド力とともにテスラの高収益の源泉でした。

一方中国市場ではBYDが大衆車クラスからSUVなど多くの品揃えでテスラ以上に
今年販売を伸ばしました。車載電池メーカーでもあるBYDは他の中国メーカーに
比べてコスト面で有利な状況です。テスラも車載電池を内製化していますが、ブ
ランド力を武器に価格を引き上げる政策は転機を迎えたのでしょうか。

幅広い車種を取り揃え販売攻勢を仕掛けてくるBYDの影がテスラを禁断の値下げ
に向かわせたのでしょうか。EVは昨年までテスラの独り勝ちでしたが、欧米の大
手メーカーや中国の地場メーカーを巻き込み今後は競争激化が予想されます。

このままトップグループのテスラやBYDが逃げきれるのか、新興メーカーのさら
なる台頭があるのか、欧米企業や日本企業の反転攻勢が始まるのかいずれにして
も構造が簡単になり部品点数もガソリン車の半分程度であるEVは参入障壁も低く
ガソリン車とは比べようもないくらいのメーカーが乱立しそうです。

当然成長市場とは言え激しい競争の末淘汰されるメーカーも出てくるでしょう。
新たなる合従連合があるかもしれません。ベンツやBMWそれにアウディなどプ
レミアムブランドほどEV化に熱心です。車載電池のコストが高止まりする状況
では大衆車クラスの車は中々利益を上げるのが難しいでしょう。

ブランド力のある高級車ならその点、高価格なだけに利幅が確保できそうです。
問題はEVでもガソリン車同様にブランド価値を維持することが出来るかどうか
です。おそらく各社のEVの品揃えがある程度揃う25年には勝者と敗者が見えて
きそうです。

昨年まではEVの評価は何年ごろまでにEVをどのくらい生産するのか設備投資額
などが株価の材料になってきました。しかし今後は儲けられるEVの生産をどこ
まで拡大して販売できるかです。その時の勝ち組は一体どこなのでしょうか。
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