kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

変調の先にあるものは

2020-10-31 16:39:43 | 日記
今週は欧米株安にも拘わらず底堅かった東京市場でしたが、月末
大統領選挙直前での様子見も影響したのでしょうか。2万3000円
台を割り込んで1週間の取引を終了しました。変調の兆しはマザ
ーズ市場に表れていたのかもしれません。10月14日に2年9か月ぶ
りの高値を更新しましたが、僅か1ポイントを更新する1368ポイ
ントでした。2週間余りで14%の下落りです。

マザーズ市場で時価総額上位のメルカリ、弁護士ドットコム、フ
リーメドレーは今週も軟調に推移するものが多く見受けられました。
マザーズ市場の主力銘柄はDX関連で将来性を囃して買い上げられ
ましたが、PERはいずれも数百倍台か赤字です。だからマザーズ
市場に公開した訳です。

勢いがあるうちは買うから上がる、上がるから買うという循環で
マネーを引き付けましたが、いったん勢いが鈍り下落が始まると
あっという間に投資資金は逃げ出します。将来性を買っているの
であり業績の裏付けが乏しいだけに下値の目途の立ちにくくなり
ます。

1部市場でもDX関連で4月以降大きく上昇した富士通に続いてNEC
も失望決算でした。DX関連とともに中国経済の回復から大きく人
気化していたオムロンも上方修正はしましたが、市場予想を下回っ
たため30日の取引では6%を超える下げでした。

30日発表したキーエンスの決算も中国経済の急回復で大幅な上方
修正も期待されましたが、会社側の発表は期待に大きく届きませ
んでした。週明け2日の市場の反応が気になります。DX関連も自
動化関連もコロナ禍で業績が大きく伸びるとの期待から大きく上昇
していただけにある程度下げてもまだ含み益がある投資家も多い
でしょう。しばらくは利益確定売りが続くかもしれません。

勿論、ファナックやソニーのように予想外の好決算で買い直される
銘柄もありますが、それは例外で業績回復を先取りして上昇した銘
柄ほど好決算でも上昇は短命に終わるケースも出ています。

来週も決算発表や米大統領選挙の結果次第で個別銘柄だけでなく
指数も波乱含みです。状況によっては底堅かった日本株にも遅れて
下げがやってくるかもしれません。もっとも大きくジャンプするた
めには一度しゃがみ込む必要があります。

相場が悪材料を織り込む形で下げれば次には上昇相場が年末にかけ
てやっているという強気の見方もできるでしょう。相場は行き過ぎ
れば下がり悲観論が蔓延すれば夜明けは近いという繰り返しです。
次の相場の主役を探すことも必要です。

次回の更新は11月4日を予定しています。
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ソニーのサプライズ

2020-10-30 06:26:01 | 日記
ソニーの大幅増益はサプライズでした。これまで巣籠り消費でゲーム
事業の好調は予想されていました。一方もう一つの中核事業の画像セ
ンサーはスマホの世界的な販売不振や大口取引先であるファーウエイ
が米国からの制裁を受けることから懸念されていました。

決算からはゲーム事業の予想以上の好調と画像センサー事業の懸念は
現実のものとなりました。しかしゲーム、音楽、映画のエンタメ3事
業が予想以上の業績だったことや金融や電機部門も情報修正されたこ
とで大幅上方修正の背景です。ゲームや画像センサーの二本柱だけで
なく幅広い分野で稼ぐ姿がソニーの業績を支えています。

これまで決算発表のたびに市場予想を大きく下回る決算だったファナ
ックでしたが、今回はいい意味でサプライズだったようです。純利益
従来の会社予想に対してが2倍になりました。中国経済急回復の追い風
を受けた結果です。多くの日本企業が中国経済回復の恩恵を受けてい
ますが、建機のコマツや日立建機への追い風は強くは吹かなかったよう
です。

どこに原因があったのでしょうか。追い風を強く受けた企業は競争力が
強く中国経済回復の恩恵を強く受けた。一方建機のように現地企業の力
が急速に高まり日本企業のシェアが低下してしまったケースは追い風を
受けられなかった。中国関連といっても中国企業と比較して優位性があ
るのかどうかで明暗が分かれるようです。

それにしてもわずか3ヶ月でソニーもファナックも大幅な上方修正が出
してきました。改めてゲームや中国関連で優勢性を発揮できる企業の
強さは今後の参考にもなります。

感染者数の増加に歯止めが利かない欧州では株式市場の下げがきつくな
っています。米国でも大統領選挙の行方を巡っての不透明感に加え期待
の高かった追加経済対策が大統領選挙前の成立が困難になりました。感
染者数も高止まりしている状況でNYダウは先週には2万8000ドル台で踏
ん張っていました。

しかし週が変わると一気に下げ足を早めました。月曜日からの3営業日
でNYダウは1800ドルも下げました。9月末からの上昇をすべて吐き出し
ました。追加経済対策が先送りになり景気回復を買う相場は足元では
不発に終わったようです。

欧米株の下げに比べて日本株が相対的に底堅いのはコロナ感染者数が
ある程度抑えられていることと、政府の景気刺激策が国内景気に若干
明るさが出てきていることのようです。勿論日銀のETF買いも一定の
安心感を与えています。


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決算発表悲哀こもごも

2020-10-29 05:01:42 | 日記
いつものことですが、決算発表での泣き笑いが随所で出てきました。
政府のDX推進という追い風に乗って市場を牽引してきた富士通は
4~9月期の純利益が26%減少するという決算を受け一時10%の急落
する場面もありました。富士通は3月安値(8351円)から7月には
10年来高値(14795円)を付けその間の上昇率は77%でした。

4~9月期の失望決算で下げ幅が大きくなったとは当然なのかもしれ
ません。もともと富士通は決算で下方修正する常連でした。官公庁
からの売り上げは期末に集中することが多く会社側の甘い収益計画
も重なり下期の業績下方修正を毎年繰り返していました。

むしろ前期決算の大幅増益は富士通にとっては出来過ぎだったのか
もしれません。コロナ禍での経済活動は当面続きます。紙主体だっ
た官公庁が電子化に本格的に取り組む動きは今後も続きそうです。
官公庁が電子化に大きく舵を切れば民間も追随するでしょう。

情報大手の富士通への追い風は続きそうです。後は如何に会社側が
その追い風を味方につけられるかどうかです。期待先行から実績を
伴った有望銘柄へと変身できるか経営陣の真価が問われる場面が増
えそうです。

追い風を受けていると言えばEV普及加速で日本電産の注目度が増し
ています。かつてはHDD用精密モーターが成長の牽引役だったこと
からアップル関連というレッテルが張られていましたが今ではEV関
連の代表銘柄へと変わりました。

株価は好決算を先取りするように上昇していましたから決算発表翌
日は好材料出尽くし下落しましたが、早くも一日で下落分を取り戻
しさらに値を上げ10年来高値を更新しました。もっとも既にPERは
60倍です。上方修正したといっても今期決算は2018年の最高益より
も12%下回っています。

EV関連での積極的な投資が荷物になっているという要因はあるでし
ょう。まだ永守会長が重点分野に位置づけしているイーアクスルは
先行投資が重く黒字にはなっていません。中国が一段とEV政策を強
化するということは競争も激化するということでもあります。先行
き期待の大きさがバリエーションの高さに繋がっています。23日現
在で既に貸借場率は1.05倍です。それだけ強弱感が拮抗している印
です。

もっとも忘れてはいけないのは、あくまでもこの時期の反応は事前
の市場予想よりも会社側の数字が上か下かで上昇や下落が分かれる
ことです。慎重な見通しを出す企業もいつも強気の見通しを出す企
業もあります。この時の市場の反応が必ずしも中長期投資での判断
と同一とは限らないことです。

キャノンは今月10年来安値を更新する程売り込まれていました。
しかし決算では家庭用プリンター分野がコロナ禍での在宅勤務の
広がりで予想以上に伸び上方修正したことで短期間に2割程度上
昇しました。しかし中長期でキャンへの逆風が追い風に変わる
との見方は現時点では少ないでしょう。

売り方の買い戻りもあり短期間での急騰を演じましたが、どうや
ら28日の下落幅の大きさから判断するとキャノン株の復活はまだ
まだ先の話になりそうです。あくまでも決算シーズンの動きは短
期筋主導による期間限定の動きであり中長期で投資を考えている
投資家は慎重な判断が必要です。 
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日本電産

2020-10-28 05:07:18 | 日記
日本電産は上期の業績好調を受けて通期業績の上方修正をしました。
上方修正は上期の上振れ分だけですからさらなる上方修正も期待で
きる内容でした。コロナ禍での巣籠り消費でデータセンター向けの
HDD用モーターやPC用小型モーターの売り上げ増が業績を押し上げ
ました。

またコスト削減の効果も大きかったようです。いち早く立ち直った
中国経済やコロナ特需もあったでしょうが改めて永守会長の経営手
腕の確かさが証明された格好です。もっとも上期の巣籠り消費関連
などの巣籠り消費は下期には減速も懸念されます。自動車関連など
の復調が下期のポイントになるかもしれません。

永守会長は決算後のオンラインでの決算記者会見で30年にEV向けの
モーターシェアを40~45%にもっていく計画で今後最大で1兆円の投
資を行うと発表しました。会社成長をEV市場に賭ける方針です。

もっともそのためには大手との取引が必要だと述べています。日本
電産が注力している駆動モーターとインバーターやギアなどを組み
合わせたシステム製品イーアクスルはリチウム電池とともにEVの心
臓部分であり付加価値の源泉です。

トヨタなど日系企業も含め世界の自動車大手はリチウム電池を自社
生産だけでなく外部からの調達に舵を切っています。イーアクスル
などの駆動部品も外部からの調達が主流になれば完成車メーカーは
PCやスマホ市場での鴻海などのEMSに近い存在になってしまいます。

ガソリンエンジンでは自動車メーカーの付加価値の源泉はエンジン
でした。ライバルメーカーとの差別化のためにも重要な部分です。
完成車メーカーでエンジンを自社生産ではなく他社から購入する
ケースがほとんどないのはそんな理由です。

EVは儲からないとホンダの首脳は発言しています。車体価格の3割
弱を占める車体電池がネックになっています。そこに駆動用部品ま
で外部からの調達では性能面も含めて他社との差別化が難しくなり
価格競争に陥る危険性もあります。

EV市場トップのテスラは車載用電池を自社生産しています。外部企
業からの調達も始めていますが基本自社生産です。電池の性能向上
とコスト削減がEVでの競争力を保つために必要なのが分かっている
からです。勿論、駆動用部品も自社生産しています。

世界の大手自動車メーカーのEV市場での最大のライバルはテスラで
す。テスラとの競争に勝つための選択肢として電池も駆動用部品も
外部からの調達に頼るという判断があり得るのかどうか日本電産の
戦略にも関係してくるのではないでしょうか。
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台風の目は自動車関連?

2020-10-27 04:27:02 | 日記
お詫び
26日更新予定でしたが、時間の都合がつきませんでした。

決算発表本格スタートを控え23日にはブリヂストンが久ぶりに大きく
上昇するなど動きが出ています。市場では自動車販売の回復傾向から
完成車メーカーよりも周辺メーカーに妙味があるという見方も出てい
るようです。

完成車向けよりも市販用タイヤは利益率が高い構造になっています。
米国ではコロナ禍で公共交通機関や飛行機での移動を回避して自動車
での移動が増えているようです。手ごろな価格の中古車販売が売り上
げを伸ばしていると報道されています。

車での移動が増えれば市販用タイヤの需要も増加します。しばらく相
場の圏外だったタイヤ各社の株価が動意づく理由になります。また中
国市場での新車販売の急回復で村田製作やロームが上期業績の上方修
正を発表しました。

自動車セクターは裾野広い産業なだけに自動車分野での売り上げが高
い企業の上方修正ラッシュが期待できるかもしれません。これまで東
京市場のリード役はマザーズ市場に多いDX関連でした。しかしマザー
ズ指数が14年ぶりの高値を付けるなど高値警戒感もあり先週中核銘柄
には大きく下げる銘柄が目立ちました。

過熱感が出ていたマザーズ市場からこれまで相場のなかった1部市場の
景気敏感株にマネーの一部が向かったというのが先週の動きです。DX
関連で大きく上昇したマザーズ銘柄が市場の期待した通りの業績を達成
できるのか、取り敢えず決算前に利益確定売りが優勢になったというこ
とでしょうか。

この動きは週明けも続きマザーズ市場の時価総額10位までの銘柄はすべ
て値下がりしました。赤字決算が続く企業やPERが数百倍の企業が多く
話題性や将来性だけを頼りに急騰した銘柄が多く、いったん下げに転じ
ると売りが止まらないのもマザーズ市場の特徴です。「山高ければ谷深
し」ということでしょうか。

1部市場は相変わらず薄商いが続いています。好業績の見込める銘柄の
一本釣り相場が続くが全体を押し上げるには力不足でしばらくは指数の
大きな上昇は期待できないのでしょうか。週明けのNYダウは景気対策
への期待の低下とコロナ感染拡大を嫌気して景気敏感株中心に2%を大
きく超える下げになっています。

日本国内では感染者の拡大は抑えられています。中国経済の立ち直りで
製造業の一部には明るさも出てきました。欧米でのコロナ感染の拡大が
相対的に影響の少ない日本株の見直しが一段と進むのか注目です。
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