kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

裏目、裏目

2016-08-31 08:04:03 | 日記
まだ三分の二を終ったところですが、今年の相場ほど専門家泣かせの展開
だった年も珍しいのではないでしょうか。年末時点での予想は年間で高値
2万2000円から3000円、安値は弱気な見通しでも1万7000円だったように記
憶しています。2016年も円安基調を背景に企業業績の好調持続から株高
は続くとの多かったようでした。

しかし年初からここまでを振り返ると株式市場は昨年の最高値更新も期待
されたにも拘らず8カ月が経過した時点で今のところ大発会が高値でしかも
2015年の大納会を一度も越えることが出来ず未だに1万7000円手前です。
勿論その原因は日米の金融政策の違いから130円近い円安が期待された
にも拘らず急激に年初から20円程度円高が進み一時100円割れした円高
による業績懸念が挙げられます。

個別のイベントでも想定外のことがいくつも起きました。1月末の日銀会合
で導入を決めたマイナス金利。それまで黒田総裁はマイナス金利につい
ては否定的な考えを述べていただけにサプライズでした。しかし一番のサ
プライズは過去2回黒田日銀の決定を歓迎する形で大幅高を演じてきた東
京市場の上昇が2営業日程度と短命に終わってしまったことです。結局マイ
ナス金利という奇策は金融機関の収益悪化から金融株が大幅に下落する
といった副作用もあり相場の足を引っ張りました。

英国のEU離脱問題は投票結果の発表直前まで残留派勝利といった観測
が流れていたにも拘らずまさかの離脱決定で一時的に金融市場が大きく
動揺しました。一時はBexitが他のEU加盟国の離脱の引き金になるといっ
た悲観的な見方が広がり米国の利上げ延期の原因にもなりました。もっと
もその後の世界の株式市場の急回復も予想外でした。

7月日銀の追加緩和で市場は国債購入額の増額、マイナス金利の拡大、ET
Fの買い入れ枠増額の三点セットを期待していましたが、結果はETF買い入
れ枠の増加の一点だけになり事前予想では株価下落の見方が多かったの
ですが一時的に売込まれる場面はありましたが、円相場も高止まりにも拘わ
らず輸出関連銘柄や金融株が買い進まれる一方食品や小売など内需銘柄
が値を下げる展開での指数が上昇しました。

ジャクソンホールでのイエレン議長の講演も市場関係者の間では利上げに
ついて踏み込んだ発言はでないとの見方が多く講演後は円相場の100円の
100円割れから一段の円高を警戒する見方もありましたが、結果は多くの予
想を外すものでした。結果的に東京市場は輸出関連などの景気敏感株買い
の内需銘柄売りといった構図が今週も続いています。

多くの予想と反対の結果が出てその結果円相場や株式市場が大きな変動
に見舞われる展開が続いている訳です。いずれの場合も予想通りならこれ
程激しい値動きにはなっていません。イエレン議長の講演後も市場の利上
げ確率は9月が2割弱、12月が4割台です。市場は9月利上げをまだ十分織
り込んでおらず今週末の雇用統計の結果が市場予想18万5000人程度を越
えて20万台になった場合市場の変動幅は大きくなりそうです。悉く予想が裏
目に出て来た事を考えると今度も市場予想も米国利上げはあっても12月年
1回という多数派の見方が危うく感じます。どうやら今年のキーワードは裏目
という言葉になりそうです。


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教科書通り

2016-08-30 08:40:15 | 日記
週明け29日の東京市場は102円台まで進んだ円安を好感して円安
メリットを受ける自動車や電機などの大型銘柄の上昇が目立ちまし
た。シカゴCME1万6590円に比べて上げ幅が大きくなったのは先週
末の26日の大幅下げの反動もあったのかもしれません。

大方の予想ではジャクソンホールでの講演でイエレン議長が利上げ
に対して積極的な発言は控えるというものでした。利上げに対しての
踏み込んだ発言はなしと大方の予想の反対の結果が出たことがサプ
ライズになり東京市場の大幅高を演出したようです。日経平均が376
円と大幅高したにも拘らず売買代金は活況の目安である2兆円を下回
りました。売買代金が継続的に膨らむかどうかが1万7000円突破の鍵
のようです。

先週売りが目立ったニトリやしまむらの上昇が不発に終わったことから
も日銀のETF買いの枠拡大のあった7月29日からの輸出銘柄買いの内
需銘柄売りというトレードはまだ続いているようです。このまま円相場が
105円110円を回復する流れになるのであれば別ですが102円程度の円
安ではそれ程買い上げる要因はないようにも思えます。

自動車銘柄を除けば105円から110円程度が大方の輸出産業の想定レ
ートです。このままでは円高による業績下方修正が多くの企業ででてき
そうです。想定を超える円高を克服している企業は少数のようにも感じ
ます。それともある程度の下方修正は織り込み済みなのでしょうか。

それにしても東京市場の景色はどんどん変わります。今年前半主力大
型株の不振を横目に人気を集めた一角が内需系の小型銘柄でした。ト
リドールやPCデポでした。中でもPCデポは不祥事が表面化すると暴落し
8月10日に付けた高値1623円から僅か12営業日で半値以下の693円ま
で29日には叩かれました。

中小型銘柄の負の部分である大きな値幅調整が今回も起きました。PC
デポには複数の中小型投信がかなり多めに組み入れていました。ここま
での暴落は彼らが一斉に手じまい売りに転じたからなのかもしれません。
相場とは非情なものです。つい最近まで高成長銘柄と持て囃されていた
銘柄でも一旦逆風が吹くと容赦のない売りに見舞われます。リターンが
大きい中小型株は反面反動安も大きくなるという事実を改めて考えなけ
ればいけません。

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大注目!雇用統計

2016-08-29 07:59:01 | 日記
注目のジャクソンホールでのイエレン議長の講演は市場からすれば予想
外でした。事前の予想では利上げについてはFOMC後の会見と違って核
心に触れることはないという専門家の意見も有りここまで利上げについて
前向きな発言が飛び出すとは思いもよりませんでした。

それに加えてイエレン議長発言の後を受けてのフィッシャー副議長のテレビ
インタビューで年内2回利上げも有り得るとの発言が伝わるとプラスで推移
していたNY市場は一気にマイナス圏に沈みプラス圏に浮上することなく取
引を終了しました。円相場もフィッシャー発言が伝わった直後に急激にドル
高・円安に進みました。

市場の見方はイエレン発言だけなら予想の範囲に止まったけどフィッシャー
発言で合わせ技一本で市場の流れが株安・ドル高で決まったという指摘で
した。市場は9月利上げさらに12月にも利上げで年内2回利上げというこれ
まではほとんど意識していなかったことを今後織り込む方向に舵を切るの
でしょうか。

9月利上げも有り得ると言う流れの中で円相場がそれでも101円後半までし
か進まなかったのは今週末の雇用統計の結果次第で9月利上げは見送り
で12月実施との市場の読みからなのでしょうか。それともレーバーディま
では夏休みを取る市場参加者もいて反応も限定的だったのでしょうか。

真相は現時点ではまだ不明のままです。さて円安を受けて週明けの東京
市場は教科書通り輸出関連銘柄中心に高く始まりそうです。一方先週100
円台の円高に高止まりしたにも拘わらず輸出関連銘柄の多くは25日まで
堅調に推移していました。26日はイベント前の持ち高調整もあり値を下げ
る銘柄が多かったようですが、先週売り込まれたのは内需銘柄でした。

先週大きく売り込まれたのが輸出関連銘柄であったのなら円安に振れた
事でリバンドも期待できるでしょうか。大きく売り込まれたには内需銘柄の
ほうでした。円安も限定的だったことで内需銘柄のリバウンドのほうが大
きいという予想もあるようです。相場は蓋を開けてみるまで分かりません。
まだ9月利上げ確率は12月に比べて低いという市場は見ています。

政治とは別といっても大市場はまだ9月利上げを十分織り込んでいませ
ん。統領選挙前にサプライズ利上げで株式市場が混乱するのは得策で
ないとFRB幹部も考えているでしょう。これからFRBと市場がどれくらい
9月利上げ説を共有できるか鍵を握っているようです。9月利上げへの
ハードルはまだ高いままです。まだまだどっちに転ぶか分からず波乱含
みの展開も有り得そうです。

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嵐の静けさの後には

2016-08-26 15:34:20 | 日記
25日の東京市場はジャクソンホール待ちで今日も小幅の動きが予想され
ましたが、引けは195円安の1万6360円と比較的大きな下げでした。ファミ
リーMが29日付で日経平均構成銘柄に採用されるのに伴いファミリーM
以外の銘柄や株価指数先物に売りが出た事や昨日久しぶりに日銀が707
億円のETFを購入したにも拘らず41円安で終わったことも気にされていた
ようです。

もっともどちらの下げ理由も官製相場で下値不安は乏しくとも円相場の高
止まりで業績の不安が消えない状況では上値を積極的に買い主体が乏し
いということから商いが薄くなり相場が言わせた売りの理由付けに過ぎな
いのかもしれません。アベノミス相場で主役を演じたのは海外投資家です。
それにGPIFが資産構成の見直しから準主役を演じました。それに企業の
自社株買いや個人投資家が脇役として参加しました。

現状の東京市場は上海市場が政府の買い支えで株価を維持していた昨
年となんら変わりません。世界の市場を相手にしている海外投資家にとっ
て中央銀行がここまで深く資本市場にかかわることは余り賛成のできる状
況ではないさまです。どうせ下値では日銀が買い支えてくれるという官製
相場はいずれ転機を迎えそうです。

ジャクソンホールでのイエレン議長の発言は肩透かしに終わりむしろ月末
月初に発表される各種経済指標で為替市場も株式市場も反応するかもし
れません。いずれにしろ膠着状態の強かった8月相場が終わり9月相場は
上、下どちらに振れるにしろ値幅が大きくなりそうです。

内需銘柄が崩れた後、円相場次第で業績のブレの大きな輸出関連銘柄が
9月も水運訂正高を演じられるかどうか。むしろ比較的戻りの多かった輸出
関連銘柄は9月中間決算前に手じまい売りが増える可能性もあります。100
円を底に円安基調が高まることにでもなれば話は別ですが、それでも1、2
円程度の円安では上値は追いづらいと思います。

半導体製造装置銘柄のようにこのくらいの円高を乗り越えられるくらいの環
境好転が見込める業種は余り見当たりません。夏の円高で業績下方修正
不安が前面にでて株価急落を演じる銘柄がかなり出て来る事も警戒しなけ
ればなりません。VI指数の低水準はこの先も相場変動が少ないということ
にはなりません。むしろ過去のケースでは何かのキッカケで急激に指数が
上昇することが多かったようです。

27、28日の更新はお休みします。
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持ち合い株解消で…

2016-08-26 08:41:18 | 日記
嵐の前の静けさなのでしょうか。昨日までの4営業日で東京市場の売買
代金は2兆円を割り込みました。25日のNY市場は小幅安で終わり円相
場は100円半ばと大きな変動もなかったことから引き続きイエレン議長の
講演がある米国時間の26日までは少なくとも動きづらく本日の東京市場
も小動きで終わる可能性が高くなりそうです。

ほとんどの投資家にとって株価が下落するのを喜ぶことはありません。
しかし新たな上昇相場の突入のキッカケが大きく売り込まれた後に訪れ
ることもこれまでしばしば経験してきたことです。日銀のETF買いの亡霊
に怯えて売り方がだんまりを決め込む相場はある意味では株式の値動
きを奪ってしまうことになります。

1万6500円近辺という中途半端な価格帯での狭いレンジの動きではどん
なに頑張っても値幅を取れる可能性のある銘柄は限られます。結果的に
儲けのチャンスが少なくなるので多くの投資家は様子見ムードで一日が
過ぎていくそんな相場が今週は続いています。

一方ここへ来て企業の持ち合い解消売りが個別銘柄の波乱要因となっ
てきました。15年6月から導入された企業統治指針で企業の持ち合い株
を解消する動きが活発になっています。持ち合い株の解消は資本効率
の向上や企業統治の強化にあたり海外投資家中心に評価が高い政策
です。中長期的には歓迎することですが短期的な株式需給面では話は
別です。25日の東京市場では大株主の解消売りが伝わった東芝プラント
とリクルートやが2位と5位に顔を出しました。

持ち合い株を自社株買いで吸収できる企業はまだ影響は少ないのです
が、市場への放出となると現在のような市場エネルギーが乏しい局面で
は需給悪から短期的には売りで反応するケースが多いようです。特に
今年人気になった銘柄では利益確定売りのキッカケになることも有り尚
更です。

小野薬やリクルートなどは予想外の大株主の持ち合い株の解消売りの
ニュースが伝わると株価はネガティブな反応を示しました。これから9月
中間決算に向かって持ち合い株解消売りが駆け込みで続出する可能性
もあります。日銀のETF買いに目を奪われていると思わぬところで足元を
掬われることが起きるかもしれません。もう一度株主構成を確認する必要
があるかもしれません。
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