kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ストップ円安

2015-05-30 08:19:16 | 日記
日米政府筋の心境は「ストップ円安」の一言に尽きるでしょう。日本側はTPP交渉
の正念場を迎え円安進行で米国議会の反TTP派を刺激したくないことや国内で
は食料品中心に円安で一段と値上がりすれば国民の反発も予想されます。中小
企業は原材料の多くを輸入しています。一方製品の輸出はほとんどありません。
円安デメリットだけが残り政府への批判が高まります。

また米国側はドル高による輸出競争力の低下は景気の下押し要因となります。
もっともG7の場では麻生財務財務大臣がやんわり牽制した一方米国のルー財
務長官からは目立った発言は出ませんでした。円に対してドル高は進みました
が対ユーロではドル高は膠着状態だったのが背景にあると伝えています。

今回の円安は多くの市場関係者が意表を突かれました。4月以降の米国経済
指標のまだらな結果を見る限り早期利上げを正当するだけの根拠はありませ
んでした。利上げに踏み切るかどうかはあくまで経済指標次第というのがFRB
の見解です。寒波や港湾ストの影響で昨年に続いて弱いGDPが今年も昨年の
ように4~6月期に急回復するとの見方に対して懐疑的な見方も出ていました。

最近市場が注目するGDPNOWという指標からは4~6月期のGDPはFRBが考
えている大幅回復には程遠い値を示しています。少なくとも5月の雇用統計など
の経済指標をみるまでは膠着状態が続くとみられていた円相場が突然動きだし
1週間で2円近く円安に振れるとは本当に予想外でした。29日の米国市場では
GDPが速報値のプラス0.2%からマイナス0.7%へと大幅に下方修正されました
が円安進行を止めることは出来ず124円台で終わりました。

円安加速を受けて自動車や電機銘柄は息を吹き返したのが10連騰の陰の主役
です。もっとも年初来高値銘柄の顔ぶれを見ると本来円安がマイナス視される紙
パルプや食品や石油銘柄や小売りなども名を連ねていることから海外投資家の
買いはPBRの低い出遅れ銘柄に向かっているようです。

結局5月相場は11連騰で終わり下げたのは7日の239円安と14日の194円安の
二営業日だけでした。GW前後に大きく下げ市場関係者の脳裏に「sell in May」
がよぎったものの終わってみれば月末月初の下落を取戻して1043円(5.3%)
上昇しました。やや先走り過ぎた円安の反動が月代わりとともに出なのか雇用
統計発表後の為替相場の姿が皆目見当つきません。

明日の更新はお休みします。
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みずほ人気の背景

2015-05-29 06:02:54 | 日記
28日の東京市場で売買代金1位は東京電力そして2位が前日の4位から順位を
上げたみずほFGでした。超大型株でしかも200円台という低位株にしては15.1円
(15.9%)上昇と大きな動きでした。メガバンクではこれまで三菱UFJに人気が集
中していましたがここへ来て三井住友FGへも買いが広がりメガバンク3行が年
初来高値を更新しました。

日銀の追加緩和期待が当面期待しにくい状況でのメガバンクの上昇はやや違
和感がありそうです。ただ上昇の立役者は海外投資家でしょうから彼らなりの
勝算があって買っているのでしょうから案外長く人気が続くかもしれません。
そんな状況でみずほの人気が今回は際立っています。みずほの立ち位置は
これまでは三菱UFJや三井住友FGの連れ高の域を出ませんでしたが今回ば
かりは少々状況が違うようです。

三菱UFJは昨年自社株買いを実施して以来人気に拍車がかかりました。そして
今年も自社株買いを発表して再びメガバンクの中心銘柄として人気を集めてい
ます。一方みずほの場合自己資本が見劣りするために小幅の増配は期待でき
ても自社株買いは難しいとの見方が多くこれまでは上昇も小幅でした。

そしてここからが本題です。26日の決算説明会でコーポレートガバナンス強化の
一環で政策保有株の保有意義の検証を厳格にすることを公表しました。市場の
シナリオは次のようなものです。みずほが保有意義の説明し難い政策保有株を
売却してその資金を自社株買いに当てる。資本効率が高まり需給関係も改善す
る一石二鳥の方法です。

みずほはインバウンド人気でここ数年に株価が数倍になったJR3社の大株主です。
JR東日本と東海は筆頭株主でそれぞれ4.99%と4.7%を持っています。西日本は
4位株主で2.37%保有しています。すべて売ることは勿論現実的な話ではないで
しょうが、部分売却は十分考えられることです。JR3社以外にも保有株の多いみず
ほには6月の株主総会に向けて資本効率の改善期待は高まりそうです。

実際に会社側が政策投資株をどのくらい売るのか取引上の関係も有り期待先行
の部分が現在は大きいでしょうが株式は「噂で買って事実で売る」のが古くからの
格言です。勿論売却対象銘柄にとっては市場売却となれば噂だけでも需給関係
の悪化懸念から下げる場面が想定されますから注意が必要です。コーポレートガ
バナンス強化という今までにはないテーマが株主総会では注目されるだけに今年
の総会直前まで様々な思惑が出てきそうです。
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当確!10連騰

2015-05-28 08:15:48 | 日記
昨年のように長い膠着状態になるかと思われた円相場は26日に市場関係者が
注目する122円4銭を突破して一時123円台へと一段と円安が進みました。27日
には海外市場で一時124円台まで円安が進みました。先週のイエレン発言から
ひょっとしたら年明けにずれ込むかもしれないとみられていた利上げが早期の
利上げも視界に入り市場のムードが変わったのが今週の円安の背景のようです。

さて27日の東京市場は円安を好感して電機、自動車銘柄は全面高というとちょ
っと違うようです。以外にも円安が業績の重荷になる紙パや電力銘柄が人気と
いうのもちょっと変な感じですが人気の背景にあるのは出遅れ株物色のようです。

アベノミクス相場が始まって3年で日経平均は大きく居所を変えました。紙パは
円安による原燃料費の上昇で円安デメリット株の代表でした。蚊帳の外の代表
でした。また電力銘柄は原発の停止、円安でLNGなどの燃料費の上昇を料金
に十分反映できず収益低迷が続き株価も人気の圏外でした。人気というのは
不思議なものです。目先の悪材料の円安も出遅れ物色という流れの方に軍配
が上がったようです。

この出遅れ物色をどのように判断するかです。物色のすそ野が広がり循環物色
で一段高になるのか。それとも5月7日から始まった上昇相場も出遅れ銘柄まで
買いが広がったことで目先調整になるのか。3月以降月末月初に軽い調整があ
りましたがどうやら予想外の円安進行で10連騰には当確マークがつき今回は
杞憂に終わりそうです。

需給面では騰落レシオ104(5月27日現在)しかし9連騰でサイコロジカルラインは
既に買われ過ぎの75%を大きく超えています。確かに日本株の強さには想像を
超えるものがあります。崩れそうで崩れない強さの背景には海外の長期資金が
流入しているという事があるのでしょう。主役が短期から長期資金に変わっただ
けに相場の安定度は格段に増しました。

予想外の円安進行で再び輸出株主導の上昇が続くのでしょうか。円相場と再び
連動性が高くなった東京市場は為替睨みの展開が続きそうです。勿論急ピッチ
な上昇で日米当局から円安進行への牽制発言が出てくるでしょう。節目を抜け
たチャートから円安のトレンドは続きそうです。為替市場では激しい攻防が続き
株式市場も円相場を睨んだ一喜一憂の展開が続きそうです。
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自販機戦争激化

2015-05-27 08:23:27 | 日記
JTの自販機事業をサントリーBFが1500億円で買収することが発表されました。
当初買収金額は1000億円程度と言われていましたが他社との争奪戦の結果
買収金額が膨らんだようです。これでサントリーの自販機は自社の49万1000台
とJT子会社17万台を合わせた63万1000台となり首位のコカ・コーラグループの
83万台に肉薄します。

自販機による飲料販売は国内飲料市場(4兆9000億円)の3割を占めますがスー
パーやコンビニ向けよりも利益率が高く自販機の稼働台数が多ければライバル
よりも高い収益を上げることが出来ます。もっとも近年はコンビニコーヒーに押さ
れて競争は激化しています。1500億円の買い物が高値掴みだったのかそれとも
相乗効果で躍進に繋がるのかサントリーのかじ取りが注目されます。

今回の争奪戦は新たなる再編の引き金を引くことになるかもしれません。ビール
系大手のアサヒやキリンも上位2社にさらに水をあけられる格好になり苦戦が予
想され脱落することも考えられます。そこで俄然注目を集めるのが26万台の自販
機を保有しているダイドードリンコの存在です。アサヒもキリンもこの26万台は喉
から手が出るくらい欲しい案件です。

ダイドードリンコも近年はコンビニコーヒーに押されて売り上げはここ数年減少傾
向が止まりません。特にダイドーの看板商品はコーヒー飲料ですからコンビニコ
ーヒーのヒットによる影響は少なくありません。ダイドーの時価総額は800億円弱
もし5割のプレミアムを載せても1200億円で26万台の自販機が手に入ればJTの
案件よりも余程お買い得です。

26日の市場でダイドー株が年初来高値を更新して値上がり7位に名を連ねたの
もこんな思惑があったからかもしれません。そして今回の買収劇で1500億円の
キャッシュが手に入るJTには自社株買いなど株主還元作が期待されます。第一
三共がインド子会売却で自社株買いを発表した連想が働くのでしょう。

一方心配なのはサントリーBFの懐です。上場後欧州企業2社を買収しましたか
ら決して豊富な手持ち資金がある訳ではありません。今期純利益の4年分近い
金額が今回の買収額になります。しかも配当性向は50%程度ですから手元に
残るお金で賄うとしたら当面新たなM&Aは封印しなければなりません。

株価は上場時の3000円から直近では5000円を超えています。近々増資が表面
化する可能性もあるかもしれません。上場の目的がグローバル企業に脱皮する
ための成長資金集めだとなれば当然資金調達問題が話題に上りそうです。

上昇して始まった両社とも結局下げて終わりました。株価は食品人気もあり年初
からかなり水準が切り上がった2社の場合今回の材料だけでは更なる上値を試す
ことは難しいのかもしれません。市場の流れも高PER銘柄から出遅れの電力株な
どに向かっていることも影響しているのかもしれません。
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増資銘柄忌避ムードは変わらず

2015-05-26 08:41:39 | 日記
日経平均は週明け25日も上昇して4日連続で年初来高値を更新ついに7連騰を
記録しました。GW明け後の日米の株価を比べれば日本株の上昇が際立ってい
ます。またECBの追加緩和から急騰したドイツ市場が4月高値を更新できずにい
ることからも5月は日米欧市場の中では日本の独り勝ちです。

この上昇過程で個人投資家を筆頭に国内投資家はほとんど売り越しを続けてい
ますからやはり今後の上昇も海外投資家頼みです。いまのところマネーは勢いの
ある市場に集まるとの説から日本株優位の状況は当面安泰なのかもしれません。

新高値更新銘柄は25日も200銘柄、業種のばらつきは少なくコア銘柄以外の中小
型銘柄の幅広い底上げが続いているようです。また同業種の中でも銘柄による明
暗ははっきりしています。パナソニックやソニーの明、東芝やシャープは暗。同じく
TOTOに対してリクシル、繊維では4月まで人気の続いていた旭化成が沈んで業
界3位の帝人が連日高値追い。造船重機では三菱重工の上昇が目立ちます。

商社では三菱商事の人気が続き4月以降の伊藤忠の上昇は目を見張るものが
あります。一方今期減配の丸紅は人気離散しています。JR3社ではインバウンド
人気で3月まで上昇の目立ったJR東海に代わってJR東日本やJR西日本が人気で
す。通信3社ではNTTの上昇が目立ちソフトバンクにかつての人気はありません。
日経平均2万円時代の傾向は同じ業種でも人気銘柄と不人気銘柄が際立つこと
です。

そして25日には30数年ぶりの公募増資発表のあったプリマが希薄化懸念から6.3%
弱の下落でした。株価は19年ぶりの高値にあり増資のタイミングは会社側にとって
絶好だったのでしょう。もっとも株主還元が今年の重要なテーマに浮上している環
境でたとえそれが成長に対する積極策であっても増資に対するアレルギーは消え
ないようです。

3月以降の主な増資銘柄(Jパワー、ヒューリック、SUMCO、大成建設など)の株価
は指数を大きく下回る状況です。数字の上でも増資銘柄を敬遠する傾向は明らか
です。大株主の海外投資ファンドの持ち株売却が先週表面化した西武HGやすか
いらーくが大きく下落したのも業績好調でも需給面での不安が株価下落に繋がり
易くなっています。株高の環境だからこそ増資に踏み切る企業が今後も出てくる
でしょう。増資の有無は銘柄選択の需要な要素であることは今後も変わらないで
しょう。
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