kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

大幅高の東芝株が示す先高期待

2016-05-31 07:19:23 | 日記
30日の東京市場は4日続伸して1ヶ月ぶりに1万7000円を回復しましたが、売買
代金は2兆円に遥か及ばない1兆5604億円でした。市場には熱気なき上昇という
ムードが大方の見方のようでした。233円と比較的に大きな上昇にも拘わらず売
買代金が膨らまなかったのは信用買い残高が20日現在で2兆5331億円と昨年末
に比べても5000億円弱少ない水準で1万7000円前後では戻り売りが余りでないと
いう事情もあるのかもしれません。

それに加え裁定買い残高も1兆8000億円台でこちらも年末時点よりも1兆5000億円
ほど減少していることで1万7000円弱では戻り売りが少ないと反対の先物主導で割
安になった現物株に裁定買いに絡んだ買いが入るといった要因も大きいのかもしれ
ません。また高水準な自社株買いが下値を支えていることも考えられます。

消費税再延期がほぼ決定し財政出動も5兆円から10兆円の幅で出てきそうです。
また4月に見送られた追加緩和期待もあり少なくとも海外市場に大きな変調がこな
ければ当面は下値も乏しいとなれば売り方も一段と売りを膨らませ難く反対に短期
筋の一部には前倒しで買戻しを急ぐところも出ているでしょう。

それに加えて日本株に影響の大きな為替相場も110円固めから一段の円安が当面
は期待できそうな雰囲気になってきたことも売り方を慎重にしているようです。売買
代金が余り膨らまず活況という言葉とは無縁でしょうが指数だけは当面は戻りを試す
展開になりそうな状況のようです。

4月からGWまで決算に絡んで売り込まれた銘柄はその後の円相場の反転で業績
上方修正期待も出てきます。アベノミクス期間中の高値から半値あるいはそれ以下
に値下がりした銘柄も多く一旦下値不安が後退すれば多少値上がりしても余り売り
物は出てきません。FOMCや英国国民投票といったイベントを前に売り方も買い方も
大きくポジションを傾けづらい局面です。トレンドフォローの風に乗って買い方有利の
展開になれば持続力は期待できなくとも追い風参考記録の上値は期待できるのかも
しれません。

あれだけ売り込まれていた東芝が先週後半から突如商いを伴いながら大きく上昇
しているのも当面一段の下値不安が後退したとの見方から売り方の買戻しに短期
筋の提灯買いが追随しているからかもしれません。売り込まれた銘柄のリバンドが
一段と鮮明になり真空地帯を戻す相場が続くかもしれません。
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イノベーション

2016-05-30 07:15:06 | 日記
ユニコーンとは伝説上の生き物で一角獣とも呼ばれています。投資の世界では
ユニコーンのようにまれで巨額の利益をもたらす可能性のある未上場企業をそ
う呼んでいます。具体的には企業の評価額が10億ドル以上の企業だそうです。
フェイスブックもツイッターも株式を公開する前はそう呼ばれていたようです。

インターネットの普及であらゆる業界に新たなビジネスが生まれています。今
最も世界で注目されあるいは既成勢力との軋轢を生んでいる企業の代表は
世界中で配車サービスを展開しているウーバーでしょうか。ウーバーの革新的
なところは既存のタクシー・ハイヤーの配車に止まらず一般人の自家用車を使
ったサービスを構築したところでした。

ウーバーがこれ程世界で短期間で受け入れられたのは既存の業者のサービス
や料金の不明朗など利用者の不満が高かったことが背景にあったようです。
海外での旅先で現地のサービスの悪さや料金の不透明なところなど嫌な経験
をしたことがある人は少なくないでしょう。日本のタクシーのような細かなサービ
スを提供している国は稀なのかもしれません。既存のサービスへの不満がウー
バーの支持を広げたようです。

ウーバーの利用者はネット上で運転者の評価を確認でき料金の透明性も高くウ
ーバー経由したクレジット支払いで手軽に出来ること。車両オーナーは空いてい
る時間に営業が出来、手持ち車両の有効活用が出来るという利点があります。
勿論既得権者の利益を圧迫する新しいサービスですから国を巻き込んだ論争
に発展し大きな問題になっているところもあります。

しかしこれまでネットの世界で起きたことは既存の勢力との軋轢の歴史です。
無料動画配信サービスのユーチューブだって最初は既存の音楽・映像、放送
などのメディア業界から著作権違反との攻撃を受け大きな問題になりました。
しかし利便性が勝るこのサービスを止めることは出来ずメディア業界もユーチ
ューブを販促や宣伝として利用し共存共栄の関係に変わりました。

先週の経済紙に掲載された「民泊世界最大手の米エアビーアンドビーがCCC
(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)と提携すると28日付の経済紙が伝えてい
ます。2020年に訪日客4000万人を目標とする日本政府は不足する宿泊施設
不足解消のために民泊の活用を推し進めようとしています。しかし政府の規制
改革会議では年間の営業日数を180日以下とする条件を示すなど規制の壁が
ビジネスを妨げるとの見方もあるようです。」との記事もネットを使った新たなサ
ービスの広がりはもはや避けられない潮流だということでしょう。

ネットを使った様々なサービスが今後も出てくるでしょう。一方新たなサービスは
既存の業界を大きく揺り動かすことになり摩擦も起きるでしょう。しかし革新的な
イノベーションが人々の暮らしを便利で快適なものにすることで経済を活性化し
ます。画期的なサービスを生み出した企業は市場からの評価も高く投資の世界
でも持て囃されます。グーグル、アマゾン、フェイスブックの例を挙げるまでもあり
ません。

残念なのはこの分野で日本から有望企業が出ていないことです。米国企業の二番
煎じは存在しても日本発の画期的なサービスで世界を制するような事業は残念な
がら出ていません。新しいことを受け入れにくい国民性なのかそれとも共通言語で
ある英語でないのが致命傷なのか日本の宿題なのかもしれません。
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アベロス

2016-05-28 08:41:35 | 日記
伊勢志摩サミットというイベントは無事終わりました。テレビや新聞でみる
限りサミットの話題よりもオバマ大統領の被爆地ヒロシマ訪問が最大のイ
ベントだったようです。「核なき世界」に向けた 国際社会への働きかけを評
価されて2009年にノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領にとっても世界
で初めて核爆弾が投下された広島訪問は伊勢志摩サミット開催で来日した
今回しかなかったのかもしれません。

伊勢志摩サミットで明らかになったのはG7全体で共有するほどの大問題
が当面見当たらず各国のそれぞれの温度差です。イギリスのキャメロン首
相は間近に迫ったEU離脱の是非を問う国民投票の事で精一杯でしょう。
残り任期半年弱になったオバマ大統領は任期中の功績を示し有終の美を
飾ることで精いっぱいでしょう。

ドイルのメルケル首相やフランスのオランド大統領はギリシャ問題も当面
落ち着き欧州経済は安定していますから急いで景気対策を打たなければ
という状況ではありません。英国の国民投票の結果次第では再び奔走す
る必要が出てくるかもしれませんが、他国の問題であり今は成り行きを見
守るしかありません。そんな中G7各国では日本経済がもっとも懸念され
る状態です。

だから安倍首相としても景気の足を引っ張る消費税再延期の口実探しに
躍起になっています。現状では日本ほど深刻でない欧米諸国が大規模な
財政出動に消極的でG7で認識を共有することには無理があったようです。
各国首脳の認識では年明けに比べれば状況は改善しているとの見方の
ようです。

年明け以降の東京市場は過去3年の熱狂が嘘のような低調な状況が続い
ています。5月というこの時期にいくら6月に重要イベントが控えているとは
いえ売買代金2兆円割れが連日続くというのはこれまでにない現象です。
アベノミクスで活況だった過去3年間の金属疲労が出ているかのようです。
6月以降も為替や株式市場に影響するイベントが続きます。短期的には
賑わう場面が出てきても永く続かず低調な相場は予想以上に長引くことも
考えなくてはならないのかもしれません。

英国のEU離脱、米国経済の景気後退入り、トランプ大統領誕生といった
テールリスクは考えたくはありませんが、実際は杞憂に終わるとしても不
透明感が漂ううちは臆病なマネーは市場をスルーします。円安やインバウ
ンド特需に沸き企業業績が絶好調だった昨年の勢いが乏しい東京市場は
まだまだ上がりづらく下がり易いという展開がまだまだ続きそうです。

明日の更新はお休みします。
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前門の虎、後門の狼

2016-05-27 08:09:15 | 日記
5月相場も今日を含めてもあと3営業日を残すのみとなりました。追加緩和が
幻になり急落した4月28日の流れがGW中も続きザラバでは1万6000円割れ
もありました。5月相場は波乱の幕開けになったことからGW明け後も厳しい
展開が予想されましたが、一段と売り込まれることはなく結局上値も重いが
下値も堅い状況は昨日まで続いています。

5月に日本株が大崩れしなかったのは勿論円相場の反転、堅調な米国株な
どが主因でしょうけど年初からの株安過程で海外投資家の売りが当面出尽
くしたからという指摘もあります。やはり日本株の行方を占う今後のポイント
も為替や海外投資家次第の側面は変わらないようです。

6月相場に来週から突入する訳ですが、週末の米雇用統計とFOMCでの利
上げの有無が市場の関心を集めそうです。23日の英国国民投票の結果次
第では金融市場の大混乱の可能性も残っているようですから6月利上げは
結局見送くられ国民投票の結果を見極め市場の混乱が無ければ7月利上げ
という見方も一部ではあるようです。

このところの地区連銀総裁の利上げ発言やFOMCの議事録も市場が余りに
も利上げに無防備だったために利上げを決定した場合余りにもショックが大
きくなり市場が混乱するのを危惧したために利上げを織り込ませる意図があ
りすぐに6月利上げを決めることはないという見方です。

新規住宅着工件数など米国経済の好調を裏付ける指標が目立ちGDPの確
報値では上方修正も市場では噂されています。一方既に好景気は7年目に
なり過去のケースではいつ景気後退に陥っても不思議ではありません。2回
目の利上げがその分岐点にならないと決めつけられないところもあります。

当面は予想外の粘り腰で景気が堅調に推移したとしても11月の大統領選挙
は大接戦になりそうです。もし市場が望まないトランプ氏有利で選挙戦が進
んだ場合当選した場合今までの発言から経済も市場も委縮してしまう可能性
もありあす。今年夏以降は間違いなく米国大統領選挙が台風の目になります。

経済は円安やインバウンド頼み株式市場は海外投資家頼みで海外要因が
諸に市場に影響する東京市場の脆さは欧米市場の比ではありません。もし
トランプ氏が大統領に選ばれればやっとのことで決着出来たTTPも木端微
塵になるかもしれません。これまでの発言からトランプ大統領は日本にとっ
て最悪の事態を招きかねません。今から心の準備が必要かもしれません。
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キーワードは

2016-05-26 09:00:23 | 日記
今日から二日間の予定で伊勢志摩サミットが行われます。安倍首相の根回し
にも拘わらず財政出動で各国が足並みを揃えることは期待薄になりました。
米国は経済の好調が持続し近々利上げに進むとことを探っていますからこの
時期に景気対策を打つ必然性は見当たりません。ドイツ、フランス、イタリアな
ど欧州諸国も域内景気に明るさが増しイギリスのEU離脱を問う国民投票の
結果次第では波乱も予想されますが、現状では景気対策に前のめりになるほ
どではありません。

結局景気対策が緊急の課題なのは国内消費の弱さや円高による企業業績の
悪化で先行き懸念が大きな日本だけのようです。株式市場でも既にサミットで
各国が協調して景気対策を打つとの期待は後退しています。むしろサミット後
安倍政権が打ち出す補正予算の規模と消費税再延期に関心が移っています。

25日の東京市場は258円上昇しましたが、売買代金は2兆円に届かず相変わ
らずエネルギー不足が続いています。6月の二大イベント(FOMCでの利上げ
の有無)英国のEU離脱の是非を問う国民投票を控え海外投資家の慎重姿勢
が売買代金が膨らまない主因でしょうか。ヘッジファンドも決算を控え売りも
買いも手控えているとなればエネルギー不足も仕方ありません。

そんな状況でも昨日の東京市場は年初来高値更新銘柄が101と半年ぶりの
水準でした。外部環境の不透明感から尚も内需銘柄のゲーム、卸・小売り
建設、食品、医薬品が多く名を連ねましたが、機械や電気銘柄も含まれて
いました。北米のBBレシオの好調が続き半導体装置メーカーのアプライド
マテリアルズが人気を集めている連想から東京市場でも東京エレクトロンや
スクリーンHGなどが高値を更新しました。

半導体製造装置業界でも両社の収益力は高く今期も好業績予想です。決算
発表を受けソニー株が活況だったのも同じ流れです。現在の円相場は主要
企業の想定為替レートを考えると不安が増すような水準でもなくかと言って
円安メリットを囃すほどの水準でもありません。為替が業績に与える影響が
ニュートラルなら個別企業の稼ぐ力に市場の関心が向きます。

大幅な円安進行で輸出株が集中的に買われた時期や訪日観光客の急増で
インバウンド銘柄として特定の内需銘柄が買われた時期は過ぎ業種を問わ
ず企業の稼ぐ力の市場の流れが向かっているからこそ高値更新銘柄の業種
も分散しているのでしょう。キーワードは企業の稼ぐ力の見極めになっていま
す。この流れが今後の主流になるのかどうかはやはり外部環境の前提に大
きな変化がないことです。
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