kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

インバウンド消費第2幕

2017-08-31 04:22:29 | 日記
8月相場も後1日を残すのみとなりましたが、30日現在では7月末時点に
比べて2%弱の下落になっています。今日一日でどこまで挽回出来るの
か、幸いNY市場は小幅ですが、プラスで終わりました。円相場が110円
を回復したことの方が日本株に取っては追い風になりそうです。依然は
月末に機関投資家によるお化粧買いが市場で噂されましたがここ数年
そんな記事は見かけません。

まあ今日どんなに頑張っても月間でプラスまでは戻せないでしょう。戦後
の取引所再開以来8月は下がりやすい傾向があるようですが、今年もジ
ンクス通りだったのかもしれません。また9月も2000年以降の統計では値
上がりが6回、値下がりが11回と勝率は35%と低調です。9月相場への警
戒心からなかなか強気に転じるキッカケが掴めません。例えば8月まで第
一営業日は14ヶ月連続で値上がりしていますが9月も1日に値上がりした
としても霧が晴れるのは10月以降に持越しかもしれません。

30日付の経済紙には6月の都内のホテルの平均稼働率が予約の取り辛
い水準の80%を2ヶ月連続で割り込んだと伝えています。6月の訪日観光
客は18.2%増と6月としては過去最高を記録しました。5月も21.2%と過去
最高を記録していました。5、6月とも2割程度訪日観光客が増えているに
も拘わらず都内のホテルの稼働率が低下したというのはどういうことでし
ょうか。

稼働率が低下したのは国内の宿泊客の減少の影響があったのかもしれ
ません。しかしそれだけではなく訪日観光客の宿泊先がホテルから民泊
施設などに流れているのかもしれません。また記事には出ていませんが
訪日観光客のリピーターが増え東京と京都を周遊する定番コースから他
の観光地に広がっているのかもしれません。訪日観光客が5月、6月過去
最高を記録しているにも拘わらず都内のホテルの稼働率が低下している
のはインバウンドにも変化の芽が出てきている兆しなのかもしれません。

もし地方へとインバウンド需要が移っているとしたら日本に取っても願った
ら叶ったりです。都市部に比べ地方の旅館やホテルの稼働率にはまだ余
裕があります。2015年には都市部ではホテルが足りない。一方地方には
あまり訪日観光客の少なく稼働率は低いままと言うミスマッチが問題視さ
れていました。訪日観光客が地方に分散する傾向は理想の姿です。

爆買いと言われたブームが去ったと言われています。確かに家電や高級
腕時計などの売り上げは落ちているようです。一方化粧品などの日用品
や食品は相変わらず好調のようです。インバウンド消費も姿を変えながら
定着し日本経済を支える柱へと育っていきそうです。
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日立劇場が見たい

2017-08-30 04:42:00 | 日記
北朝鮮のミサイル発射による地政学リスクとテキサス州に上陸したハリ
ケーン「ハービー」による損失の影響で心配された29日のNY市場でした
が、100ドル弱安い水準で始まった後は時間の経過と共に下げ幅を縮め
引けは63ドル高の2万1871ドルとほぼ本日の高値で終わりました。円相
場も日本時間の108円半ばの推移準から早朝の5時現在で109円後半へ
と1円弱の円安に戻しました。

30日の東京市場はNY株高、円安を好感して上昇して始まりそうです。
もっとも株式市場は1万9200円台、円相場は108円台でどうにか踏みと
どまっている状態です。円相場が108円を割れることがあれば日経平均
の1万9000円割れも必至です。尚も北朝鮮問題やトランプ政権への懸念
など海外情勢の変化で下値不安は残ったままです。

最新のニュースによると半導体メモリー事業の売却を巡る問題でウエス
タンデジタル(WD)陣営と9月中にも合意出来そうな見通しであると伝え
ています。当初8月末までの合意を目指した東芝でしたが、WDからの出
資比率問題など細かな部分で協議が続いていて合意は9月にずれ込み
そうです。通常各国の独禁審査には6ヶ月から9ヶ月必要とされています。

来年3月末までに債務超過を解消して上場を維持したい会社側に取って
は時間との戦いです。独禁審査が3月までに終わらない可能性もあり上
場維持に向けて別の施策も必要になるかもしれません。もっともそんな
ウルトラCの方法があるのかどうか、もしあったのなら虎の子の半導体
子会社を売却しないでしょう。

その意味ではまだまだ東芝劇場は幕を下ろさないかもしれません。東芝
を大量取得している米国のヘッジファンドのトップは半導体子会社の売
却が実現できれば東芝は400円まで上昇しても不思議でないと言うコメン
トを出しています。4~6月期で利益の9割を稼ぎ出した半導体子会社を
売却した後に東芝にそれだけの企業価値があるとは私には思えません
が、もし本当に東芝が400円まで上昇する余地があるのであれば財務内
容、収益力から考えれば日立には少なくともその倍の800円以上の水準
まで上昇しても不思議ではありません。

29日の株価は724円でPERは11.6倍と日経平均採用銘柄平均よりも2ポ
イント弱低い水準です。AIやIot関連と言う時流に乗るテーマを抱えてい
る割にはこれまでのところ一向に評価が高まりません。やはり日立のよ
うな大型株は海外投資家などの大口投資家が動かなければ水準を大き
く切り上がることは難しい状況です。現状は日立を継続的に買いが入る
ような投資環境ではありません。

一方今日の経済紙によると会社計画よりも最大500億円の上ブレ余地が
出ていると伝えています。営業利益率も7.5%まで高まる計算になります。
世界の同業大手の水準は二桁ですからまだ差はありますが、着実に稼げ
る体制になっていることは事実です。火力発電で合弁事業を組む三菱重
工から年間の営業利益を越える額の訴訟を起こされていることが株価の
足枷になっているのかもしれません。

合弁事業以降後の出資比率に応じた損失額を算定基準にした引き当て額
(1000億円)は既に計上済みという報道があります。日立側の主張が認め
られれば新たな損失はかなり少なくなります。どちらの主張寄りの判決にな
るのかは現状では分かりません。投資家としてはこの問題を常に頭の隅に
入れておかなければならないでしょう。
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高値銘柄こんにちは、安値銘柄さようなら

2017-08-29 06:22:48 | 日記
ジャクソンホールでの講演通過後も東京市場は景色に変化はありませ
んでした。28日の日中の値幅は115円、25日の終値から50円高い1万
9502円で始まった相場は9時半過ぎにマイナス圏に突入した後は午前
中プラス圏に浮上出来ずに終わりました。午後の取引はさらに値動き
が乏しくなり値幅は僅か40円という狭いレンジでした。

相場全体が膠着する状況でも高値更新する銘柄は111銘柄と比較的高
水準でした。反対に安値更新する銘柄も36銘柄ありました。市場エネル
ギーが乏しく上値の期待できる銘柄に資金シフトが起きる一方業績面で
先高期待の乏しい銘柄の下げは続いています。

NTNやジェイテクト、三菱重工などの機械株の一角やりそなHGなどの
地銀銘柄それに野村HGや松井証券の金融銘柄の一部と三菱地所や
東京建物の不動産銘柄は先週からほぼ連日安値を更新し続けていま
す。下げ幅は僅かですがじりじりと下げていることから見切売りが止ま
らない様子が見て取れます。

一方高値更新銘柄の業種は広範囲に及んでいます。特定の業種に関
係なく今まで余り光が当たらなかった中小型銘柄がほとんどです。アナ
リストのカバーする銘柄が減少し中小型銘柄の分析記事は少なくなって
います。先回りでの買いツキが少なかっただけに決算発表後も業績を
株価に織り込む動きが続いているようです。

週明け28日アジア市場は総じて堅調な展開でした。アベノミクス相場が
始まる前あった現象に世界の投資マネーが日本を素通りするジャパン
パッシングという単語が何度も登場しました。現状はその時にかなり
近い動きです。日銀のETF買いの影響で下値不安が乏しい反面上値も
重い状態の日本株の値動きの鈍さに海外投資家が日本市場から逃げ
出しているという指摘も出ています。

こんな状況ですから逆張りで安値更新銘柄を現在拾う投資が有効なの
かどうかの判断は難しいところです。確かにチャートを見れば値ごろ感
から魅力的な水準に見えます。しかし値ごろと値惚れは紙一重です。そ
れでも逆張りで安値銘柄を拾うのなら何度かに分けて買い長期戦も覚
悟する覚悟が必要です。
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好業績でも株安の不思議

2017-08-28 03:41:15 | 日記
世界の市場関係者の注目を集めたジャクソンホールでの経済シンポジ
ウムでイエレン議長もドラギ総裁も金融政策に関しての目新しい発言は
ありませんでした。米国の雇用環境は良好ですが賃金上昇は鈍く物価
上昇率も目標とする2%には遠く及びません。FRBは9月にテーパリン
グに踏み出すでしょうが、12月利上げは現状では困難だという見方が
多いようです。米国の利上げが見通せない情況では円安への反転は
当面期待できそうもありません。

ジャクソンホールでのイベントを無風状態で通過した市場は再びトラン
プ政権の政策運営に関心が移りそうです。9月5日から米国議会は再開
されます。まずは目前に迫った連邦債務上限の引き上げの行方が市場
にどんな影響を与えるのか。来年の中間選挙まで1年弱に迫り議会共
和党とトランプ氏の対立が激しさを増し一層政権の不安要因となるかも
しれません。

トランプ氏の支持率は徐々に低下して30%台で低迷しています。局面
打開のためにトランプ氏が予想外の行動に出る可能性がないとも限り
ません。金融市場は不透明要因を嫌います。米国や為替相場に大きな
影響を及ぼす何かが出てくるかもしれません。特に秋には過去ブラック
マンデーやリーマンショックギリシャ危機に端を発した欧州債務問題な
ど市場を揺るがす大きな事件が起きています。

特に今年は7月まで世界の株式市場の堅調な展開が続き株価水準が
高いところにありますから何かのキッカケで市場に動揺が走ることも考
えられます。4~6月期の好調な業績を背景として2万円からの一段高
が期待されましたが、不発に終わりました。好調な業績を織り込めない
なかったことでかえって市場には先高感が大きく後退しました。

好業績なのに一向に買ってこない海外投資家の視線はどこを向いてい
るのでしょうか。当面円安への反転が望み薄ということから海外投資家
は日本株への評価を引き下げたのでしょうか。7月以降も日本企業の業
績は堅調のようです。第一四半期決算期には通期業績を据え置いた企
業も9月中間決算では上方修正が続出すると言う予想もあります。再び
2万円回復から一段高を期待したいところですが。
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割高修正が始まる

2017-08-25 06:27:38 | 日記
やっと夏らしい暑さが戻った関東地方ですが、株式市場の天候は深い
霧に覆われたかのようです。お盆休暇が終わっても一向に盛り上がり
に欠ける展開が続いています。期待の強かった決算発表は好決算続
出でしたが終わってみれば好業績を好感して一段高する銘柄は期待
したよりも少なかったようです。

むしろ決算発表で好材料出尽くし、その後下げに転じる銘柄が多く見受
けられました。決算スタート直後は好決算を支えに2015年高値挑戦とい
った景気の良い見方もありましたが、思いの他先高期待は高まりません
でした。

24日も電通や山パン、エーザイや大塚HGなど内需銘柄の一角が年初
来安値を更新しています。中国景気失速懸念やトランプ大統領の問題
発言それに円相場の高止まりと輸出関連銘柄に逆風が吹いているのは
明らかですが、安値を更新する銘柄には内需系銘柄が多く見受けられ
ます。

内需銘柄は外部環境に左右され難いということからここ数年困った時の
内需銘柄物色が盛んでした。勿論食品や小売の一角は業績の伸びが
評価されての上昇でした。その結果アベノミスクスタート時点で比べると
内需系銘柄のPERは大きく上昇、常に市場平均を上回る状態でした。

ファーストリテイリングのPERが世界の同業のZARAやH&Mに比べて
著しく高い状態なのは業績評価だけでなく高成長期待の内需銘柄とい
う位置づけと日経225指数に寄与度が大きいということからことさら海外
ヘッジファンドの資金流入が続いたからかもしれません。日銀のETF買
い入れ額がどんどん膨らんだことがファースト株の割高な水準を生みだ
しました。

内需系銘柄中心にその割高感の修正が始まっているということなら
このところ株価が下げ止まらないのも仕方ない現象かも知れません。
この場合異常値だった高値からの値ごろ感での逆張り投資はリスク
が高いものとなります。会社の実力以上の高値はいわば追い風参考
記録です。

一部には指標面から株価調整もそろそろ最終コーナーに差し掛かった
と言う見方もあります。一方内需系銘柄にはこの夏の天候不順もあり
業績の下方修正懸念も付き纏います。業績悪が表面化するなり一旦
悪材料を消化しないと内需銘柄の本当の底入れは期待できないかも
しれません。

26、27日の更新はお休みします。

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