kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

満額回答

2019-01-31 06:10:16 | 日記
米国株は2万5000ドルを目の前にしての足踏み日本株は2万1000円を
目前に足踏みが続いています。年初から順調に上昇してきましたが
現在は上昇第2幕に向かっての足場固めなのか、それとも上昇の勢い
に陰りが出てきていずれ12月25日に付けた1番底に対して2番底を付
けにいくのか明日から始まる2月相場の行方が気になります。

私の記憶では確定申告期間(2月16日から3月15日)においては期間
中前半で底値を形成して後半反発局面が始まるというケースが圧倒
的に多かったように感じます。果たして今年はどんな展開になるの
でしょうか。

年明け以降の相場は景気敏感株の見直しとディフェンシブ銘柄から
のマネー流失が目立ったようです。このところ波乱含みとはいえ年
初からは機械や半導体関連銘柄の上昇が顕著です。米中貿易戦争の
影響もあり中国経済に鈍化懸念が消えずFRBも利上げを急がないと
いうニュースが日米金利差のこれ以上の拡大を見込めず円高懸念が
指摘されました。

日本の市場が休場中為替市場で一瞬でしたが104円台まで円高が急
激に進んだことはまだ記憶にあると思います。外部環境から考えれ
ば中国景気鈍化、円高、貿易摩擦と懸念材料が山積みの機械や半導
体関連それに加えて自動車銘柄はもっとも買いにくいセクターです。

しかし現実にはそのセクターの上昇が大きく、反対にこれまで外部
環境が不透明の状況ではマネーの逃避先として人気のあったディフ
ェンシブ銘柄が下げというのがここまでの相場の流れです。投資の
世界では良いニュースも悪いニュースも既に表面化して時間が経過
すれば織り込み済みということで株価は予想の反対に動くことも多
いようです。

29、30日に開かれたFOMCで事実上の利上げ停止が示されました。
昨年秋時点では2019年の利上げ見通しは2回ないし3回が予想され
ていました。しかしその後の世界経済の減速もあり現時点では実施
しても1回との見方に変わりました。今年は利上げなしという見方
も急速に高まっています。

年明け以降利上げとともに俄かに市場が注目が集まっていたFRB保
有資産の圧縮もこれまでは粛々と行うという路線から経済の行方次
第で柔軟に見直す余地があるということになりました。米株式市場
にとっては満額回答に近いものでした。市場は434ドル高という大
幅高で歓迎しました。

もっとも日本株にとっては利上げ停止は円高ドル安要因となります
から輸出産業中心に業績下押しに繋がります。年明け以降広がって
いる東京市場とNY市場の開きは今後も続き結果的に日本株の割負け
は続きそうです。

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貿易戦争の勝者は居ない

2019-01-30 06:38:35 | 日記
順調な滑り出しだった米企業の決算発表でしたがそんな楽観ムード
に水を差したのは28日に決算発表したキャタピラーとエヌビディア
の2社でした。キャタピラーは中国関連銘柄であり世界の景気敏感
株の代表格です。

中国景気の悪化は既に伝えられていましたから昨年のクリスマス暴
落の下げで一旦は悪材料をある程度織り込んだとみられていました。
ここまで下げ幅が大きくなったのは業績悪の織り込みが足りなかっ
たのでしょうか。それとも28日の下げ幅の大きさは10~12月期だけ
でなく1~3月期も厳しいとの見方なのでしょうか。

中国政府は米中貿易戦争で下押し懸念が消えない景気対策として鉄
道建設などインフラ投資を加速しています。キャタピラー社にも恩
恵は及ぶ筈ですが、今後の株価の推移を見守りましょう。

キャタピラーの業績下方修正は予想以上の数字でしたが、それ以上
にエヌビディアの下方修正は市場にショックを与えたようです。先
週には同じ半導体銘柄のラムリサーチやテキサスインスツルメンツ
ザイリンクスが市場予想を超える決算を支えに米株高のリード役に
なりかけていただけに一気に市場に警戒心が広がりました。

米国のインフラ関連銘柄だけでなく半導体関連銘柄にも貿易戦争の
悪影響が広がってきたことで市場は改めて警戒ムードになったよう
です。昨年初めには業績の落ち込みが少なく今後も右肩上がりの成
長が続くというスーパーサイクル論が市場で賛美されていましたか
らその反動がまだ続いているのでしょうか。半導体関連にはついて
は強気と弱気が交差して今後も値動きが大きくなりそうです。

30、31日に開かれる米中貿易協議は知財やハイテク分野での米中両
国の隔たりが大きく楽観できないという見方も出ています。中国側
も対米貿易赤字縮小策に関しては大幅な譲歩案を既に示しています
が、国の競争力に直結する知財やハイテク分野での譲歩は現状では
かなり大きな壁です。

中国に加えここにきて米国企業にも貿易戦争の影響が業績に影を落
としてきただけに双方とも何らかの妥結点を見出したいところです
が、国同士の協議は最後までもつれます。「貿易戦争の勝者は居な
い」という言葉が改めて再認識されますが、現実には米中の先端ハ
イテク分野の争いが激しくなっています。軍事分野にも転用できる
ハイテク分野の争いは米中とも簡単には妥協できないということで
しょう。現時点では先行き明るい見通しはまだ見えてきません。


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FOMC前の試練

2019-01-29 06:13:01 | 日記
今週の東京市場は心理的な2万1000円を回復できるのでしょうか。
大発会の安値が1万9241円でしたから米国株と円相場によっては
10月2日の高値2万4448円から12月25日の安値1万9117円の三分の
一戻しに当たる2万894円突破から1000円の大台乗せを期待したい
ところですが、現状では決して低い目標ではないようです。

三分の一戻しを達成すれば次の目標は半値戻しの2万1782円になり
ますが、市場参加者の先高期待は年明け以降急激に低下していま
す。長期投資の指針である海外投資家の現物株投資は1月第2週も
売り越し額は減少しましたが、買い越しに転じるかは不明です。

日本株が超割安という見方は大発会翌日からの反発で是正されま
したが割安感の水準を超えて一段高するには何らかの支援材料が
必要です。10月高値以降日米株価指数は広がったままです。FRB
が少なくとも年前半は利上げ休止をするというのが最近の市場の
コンセンサスです。

そうなると日米金利差のこれ以上の拡大は期待できません。市場
には一部で根強い円高進行説があるようです。年明け104円まで
進んだ円高は商いが薄い特異な現象だと思いますが為替が円高に
振れる前触れだという見方もあるようです。

年初からの日本株の戻りは売り込まれた中国関連や景気敏感株が
リードしてきました。これらの銘柄にとって一段の円高進行は業
績の下押しに繋がり株価下落の原因ともなります。

FOMCは29、30日に開かれます。今年から開催ごとに議長の記者
会見が開かれます。その場で当面の利上げ停止と資産縮小額の
圧縮ペースの減額などが触れられれば米国株は好感して一段高も
期待できます。ただしそれは円高に繋がり日本株との開きが一段
と広がる懸念も出てきます。FOMCの結果に日米の市場関係者は
要注目です。

今日の取引は28日の米国株が208ドル安で戻ってきたことで早
速日本株の地力が試されるところです。もっとも最近の傾向は
米国株と余り連動しなくなっています。28日の取引も事前には
週末の米国市場が上昇したことから上昇するとの予想でしたが
結果は違いました。

先週の取引でも日米株が反対の動きを示すことも目立ちました。
28日の下げに続いて今日の下落するのでしょうか。それとも前
日既に下げていたこともあり安く始まっても下げ渋るのでしょ
うか。米国市場でも下げの元凶になったキャタピラーやエヌビ
ディアの動きからコマツや東京エレクトロンの動きがポイント
になりそうです。
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会社は誰のもの

2019-01-28 07:23:44 | 日記
週末25日の東京市場は大きく反発しました。米国市場が小幅安だっ
たことを考えれば上々の一日だったかもしれません。24日まで三日
続落していたことや米国市場で半導体関連銘柄が上昇したことで東
京市場でも半導体関連や機械株などが人気でした。

もっとも市場では半導体関連銘柄や工作機械などにはこのところ株
価にネガティブなニュースが多くなってきていることから俄か人気
に違和感を受ける投資家もいるようです。米国市場の半導体関連銘
柄の業績も予想よりは良かったということであり年末の総悲観ムー
ドで売り叩かれていた反動も大きかったのではないでしょうか。

極端な悲観論から売り叩かれたことで年明けい業績悪が報道された
安川電機や日本電産が上昇したのは市場のマインドに変化をもたら
しました。大きく戻すかは別にして年末年始の調整で当面の底を打
ったのだけは確かなようです。

日産関連のニュースは連日報道されています。逮捕されて2ケ月弱
経過するというのに相変わらずニュースの紙面ではゴーン元会長の
文字を見かける場面がまだ続いています。黒か白かは今後の裁判で
明らかになるでしょうが、ニュースを見る限り元会長が金銭面での
公私混同があり疑惑を持たれても不思議ではなかったのかもしれま
せん。

もっともそれでカリスマ経営者として名声を馳せた元会長の評価が
覆る訳ではありません。窮地の日産を救ったのは紛れもなくゴーン
元会長の手腕によるところが大きかった訳です。元会長はプロ経営
者の元祖でもある訳です。

この10年で日本でもプロ経営者という言葉が盛んに出てくるように
なりました。マックを蘇らせた原田氏、カルビーを食品業界の優良
企業に生まれ変わらせた松本氏、資生堂を見事V字回復させた魚谷氏
などが代表格です。

彼らの功績は素晴らしいのは今更ですが、彼らに経営を託そうと決
断した人たちにも拍手を送るべきです。日本ではプロパー社員が経
営者になるケースがほとんどですから外部からのスカウト経営者へ
の社内からの反発は当然あったでしょう。それを説得した人物も評
価すべきです。

一方リクシルで起きた経営陣の交代はいただけません。外部から招
いたプロ経営者を3年で相次いで退陣させました。リクシルの前身は
潮田健次郎元会長が創業したトーヨーサッシです。現会長は2代目で
す。現会長である洋一郎氏がGEの日本法人トップの藤森氏をスカウ
トし経営を託したのは本人にも経営者としての資質に欠けるという
自覚があったからです。

創業者でもある健次郎もそのように考えていたようです。いくらス
カウトしたプロ経営者が積極的に進めていたM&Aで躓いたからと言
って5年で交代させ後釜として工具のネット通販で名声を高めてい
た瀬戸氏を招請しました。しかしその瀬戸氏も僅か2年弱でクビに
しました。創業家とはいえ大株主でもない潮田会長が1部市場に上
場する大企業である会社のトップをいとも簡単に変えることは間違
っているのではないでしょうか。

会社は従業員や株主それに様々な取引先など多くの利害関係者が関
わっています。先週には低迷する株価に不満を募らせMBOして非公
開にすることや本社をシンガポールに移転するとの観測報道も出て
きました。もう一度「会社は誰のもの」ということを考えて欲しい
ものです。
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終わりの始まり

2019-01-25 06:04:13 | 日記
決算本格発表前の様子見ということでしょうか。24日の東京市場は
終日小動きに終始しました。売買代金も2兆円を下回りました。今
週は4営業日営業日連続で売買代金が2兆円に届かなかったことにな
ります。

1部市場の主力銘柄が上昇するにはエネルギー不足です。閑散相場
が嵐の前ぶれなのか、それとも次の上昇相場への小休止なのか来週
の決算発表で業績悪化の懸念を払しょく出来るかがポイントになり
そうです。

米中貿易戦争の影響もあり工作機械受注や電子部品などに関するネ
ガティブなニュースがこのところ多くみられるようになりました。
しかし24日の市場ではファナックや工作機械各社や電子部品銘柄の
株価は変わらずあるいは小幅安程度の下げに止まっています。年初
来安値を更新している銘柄は一つもありません。

一方ビッグカメラやJフロント、ココカラファイン株など小売り銘
柄が新安値銘柄に名を連ねています。一躍インバウンド銘柄として
名を馳せたヤーマンも同日安値を更新しました。これらの銘柄は昨
年の春から夏にかけて高値を付けました。

当時はインバウンド関連というテーマもあり業績も好調でした。特
に中国関連や輸出関連銘柄が米中貿易戦争の影響やトランプ政権の
関税問題で手掛けにくい状況でもあり投資マネーはその影響を受け
にくい内需系銘柄に集まりました。

しかし米中貿易戦争の影響から中国経済が減速し中国と貿易での繋
がりの深い韓国や台湾など景気悪化懸念も高まっています。訪日観
光客の大部分は中国や韓国、台湾それに香港を加えた5ヶ国で大部分
を占めています。これらの国の景気悪化から訪日客の消費も低迷す
るという懸念が人気離散の原因です。

直近の統計でも中国人の消費額は二桁減少が明らかになっています。
中国経済減速だけでなく中国での法制度変更によりECでの転売目的
の買いが鈍る懸念も指摘されています。10月の消費税引き上げもマ
イナスしされています。今後も訪日観光客の増加は続くでしょうが
伸び率は緩やかになりそうな雲行きです。

伸びが鈍化するだけで株式市場はネガティブな反応を示す傾向が強
くなりそうです。「爆買い」というキーワードで株式市場の人気を
集めた関連銘柄の旬は過ぎたようです。既にインバウンド銘柄人気
は「終わりの始まり」と考えて慎重に対応すべきかもしれません。
昨年半ばまでは持続していれば下げても再び高値を更新する相場で
した。株価は既に押し目買いから吹き値売りが優先される展開にな
ってきたように感じます。

26、27日の更新はお休みします。
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