kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

分水嶺

2021-01-29 16:33:48 | 日記
28日のNYダウが反発したことで東京市場も今日はプラスで引けるとの
予想が多かったようですが雲行きが怪しくなってきたようです。午後か
らの大幅下げは午前中の反発力が弱かったことに加えて週末、月末が重
なったことやダウ先物が下げたことが下げに拍車をかけたようです。

決算期待が先週から人気化していたGAFAMなど大手テック銘柄は市場
予想を超える決算を発表しましたがさらに上値追いとはならず、「噂で
買って事実で売る」という市場の反応でした。

東京市場でも決算で上方修正された銘柄には値上がりする銘柄も散見さ
れますが、数日で息切れする傾向が強くなっています。一足決算を発表
した安川電機の動きは参考になったでしょう。また結論を出すのは早い
のかもしれませんが、いったん相場は調整に入る可能性は高まってきた
陽です。

この先の動きに注意深くウオッチする必要はありそうですが、半導体関
連やFA関連の銘柄の多くは市場の期待通りの業績上方修正を発表しまし
たが、既に好業績を先取りするように11月以降大きく上昇した銘柄には
サプライズ高は期待できなかったようです。

今週の大幅下落で1月相場では月足が上髭の長いチャートになりました。
昨年同様に来週から始まる2月相場は波乱含みになることも考えておく
べきです。思い起こせば昨年は1月に新型コロナ感染防止で武漢が閉鎖
になっても米国株は遠いアジアの出来事と高をくくり高値を追いました。
東京市場も上値の重さはあっても2万3000円台で推移し2月中旬までその
動きは続きました。

2月下旬から一気に市場のムードは変わり3月のコロナショックに繋がっ
ていきます。最初は取るに足らない小さな出来事と軽視すると後でとん
でもないしっぺ返しを食らう典型的なケースが1年前の出来事でした。
市場には現時点では市場が大きくクラッシュするような懸念材料はあま
り見当たりません。

投稿型のオンライン掲示板「レディット」を舞台にした個人投機家による
空売り銘柄への投機的な売買でヘッジファンドが大きな損失を出し損失の
穴埋めのため保有銘柄の売却を急いだことが米株波乱の背景です。市場が
懸念しているのは米国での個人投資家の投機熱が高まったのは元をたどれ
ばFRBの緩和マネーに行きつきます。現時点では杞憂に終わるかもしれま
せんが、ビットコインや世界の株式市場の急上昇など局地的なバブル現象
が散見されます。

東京市場では信用買い残高が2兆6105億に積みあがっています。2年ぶりの
高水準です。22日現在の評価損益はマイナス10%程度です。経済の記事に
は損益の改善は投資余力が増した個人投資家が動きやすくなるというあり
ますが、一方それだけ改善が進んだということは株価がかなり上昇したと
いうことであり相場環境次第では利益の乗った銘柄を投資家が売り急ぐこと
にも繋がります。

1月第3週の海外投資家は1340億円の売り越しでした。第2週が2614億円の
買い越しでした。第2週も3週も国内投資家で買い越したのは個人投資家と
事業法人だけでした。生・損保も銀行も投信も年金の売買代行を担う信託
銀行もすべて売り越しでした。3月期末が近づくと持ち合い解消売りも増加
する傾向にあります。上値を買い進む海外投資家の買いが盛り返さない限り
買い残高は消化できません。

上値を買い上げる海外投資家がいなければ信用買い残高は上値の壁になって
しまう可能性もあり調整が短期で終わらないことも考えられます。2月相場の
行方はやはり世界的な株高が一服するのか否かが見どころになりそうです。

次回の更新は2月2日の節分を予定しています。
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既に兆候が

2021-01-29 06:01:30 | 日記
28日の東京市場は米株の急落を受けて一時2万8000円を僅かですが割り
込む場面もありました。大引けはそれでも下げ幅を縮め437円安の2万
8197円でした。下げ幅は半年ぶりの大きさでした。もっとも11月から
日経平均は今月の25日までに6000円近くも上昇したことを考えれば微々
たるものです。

コロナ下の株高を代表するエムスリー株が大幅安となったというのが
ニュースになっていましたが、既に同株は26日から値崩れしていまし
たから予兆は既に出ていたようです。GAFAMのような大型テック銘柄
が見当たらない東京市場ではエムスリーがその代替銘柄のようにこれ
まで人気を集めてきました。

既にPERは200倍を超え投資家の間でも割高感は持っていたでしょう。
それでもコロナ禍でも成長できる数少ないビジネスモデルであったこ
とから買いが買いを呼ぶ展開が続いていました。

テスラ株も最初は割高だとかバブルだとか言われていましたがその後
も上昇トレンドは崩れずついに世界の大手自動車メーカー数社を合計
したよりも大きな時価総額になっています。両社ともバブルだったか
どうかは数年後になってみなければ分かりません。

とにかく東京市場の11月以降の急上昇は半導体やFAなどの値嵩株の大
幅高でもたらされたことは明白です。それでも年明け以降はキャノン
やニコンなど精密株や三菱ケミカルや住友化学などの大手化学銘柄が
人気化するなど昨年後半とは少し流れの変化もみられます。

半導体関連とFA関連は日本の製造業の中で競争力を保っている数少な
いセクターです。世界景気が回復基調をたどるとしたら有望なセクター
であることは間違いありません。

今から思えば台湾の半導体生産受託最大手のTSMCの好業績や設備投
資の増額それに先週大きなニュースになった車載半導体不足とか株価
を押し上げるニュースが相次ぎました。

それでも今週は東京エレクやアドバンテスト、ルネサスエレクやローム
などの半導体銘柄の上値は重くなっていました。好材料に素直に反応
して上昇しない現象は既に織り込む済みというケースも多いようです。

28日の取引では昨年11月以降上昇が大きかった半導体関連などの値嵩株
売りの小売りや外食、陸運、空運などコロナ禍で人気離散していた銘柄
の逆行高が目立ちました。28日の急落がこれまでの流れが変わるターニ
ングポイントとなるのか市場の声に良く耳を傾ける必要があります。

また今日は1月相場の最終売買日です。昨年9月以降4か月連続で最終売買
日は下落しています。このアノマリーは今月も当てはまるのでしょうか。
もっとも昨日は大きく下落しました。日本株大幅下げの要因だった米株は
反発して戻ってきました。前日の大幅下げで下げエネルギーは解消された
のかもしれません。下げのアノマリーは今月途切れるのでしょうか。
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不可解な投資判断

2021-01-28 06:06:01 | 日記
今週スタートした日本企業の決算発表は好調です。日本電産や日東電工は
市場予想も上回りました。ディスコの決算も好調で半導体分野に関連する
企業はやはり世界的な需要の高まりでこれまでの株価上昇を裏付ける内容
でした。

もっとも既に株価は昨年の夏ころから一貫して上昇してきました。過去1年
で5割から8割ほど上昇しました。好調な今期業績でもPERは市場平均の2倍
から3倍程度です。PCやデータセンター、ゲームや家電分野ではコロナ禍で
も市場が拡大しました。

いやコロナで旅行や外食、レジャーが抑制されたことでコト消費からモノ
消費に大きな追い風が吹いたというのも決算の数字から推測ができます。
ワクチン接種が始まり集団免疫が成立すれば人為的に抑えられていたコト
消費が戻ってきます。

その時点でも相変わらずモノ消費が絶好調で推移している保証はありませ
ん。株価上昇に業績が追い付いてきた代表格が上記で列挙した銘柄です。
製造業の多い東京市場は総じて今後も好調な決算を発表する多いでしょう。

過去1年のNYダウと日経平均の上昇率では日経平均が圧勝したのは市場が
経済の鑑ということを証明しています。もっとも足元の好業績も四半期決
算の第3コーナーを過ぎましたから市場では既に過去の話になりつつあり
ます。

今後経済が正常化に向かい中央銀行の超金融緩和の出口論議が話題になっ
てきた時にも業績に見合う株価なのかは検証する場面が今後出てきそうで
す。先々の市場には試練が待っていることも頭の片隅に記憶しておくべき
です。

市況好転を好感するように昨年まで全く蚊帳の外だった大手化学株が相次
いで今月急騰しています。これまで全く動きのなかった三菱ケミカルや
住友化学の上昇率が高いのは景気敏感株物色の流れが海運や非鉄銘柄の
水準訂正が進みましたが、超出遅れだったことで手垢がついていない銘柄
だったことが幸いしたようです。

三菱モルガンの渡辺氏は22日付のリポートで目標株価を380円から850円
に引き上げました。週明け25日の市場では目先筋の買いが集中しました。
リチウム電池の部材を手掛けていることからEV関連というテーマにも当
てはまります。

もっとも住友化学はサウジと合弁事業で石油化学コンビナートを運営し
ていますが、長年安定操業が出来ず赤字基調から抜け出せません。材料
になっているリチウム電池の部材は既に中国企業が大きなシェアを獲得
し、市場は拡大するでしょうが価格競争激化は必至です。既にレッド
オーシャンになりつつあるようです。

EV生産でコスト低減には電池価格の引き下げが必須です。巨額な投資で
価格競争を仕掛けシェアを奪う中国企業と正面から戦っても勝ち目はあ
りません。太陽電池や液晶パネルで次々に中国企業との競争に敗北した
二の舞になってしまいます。イノベーションを起こし日本企業でも戦え
る場面が出てくれば話は別ですが。

担当アナリストはこれらの懸念材料も分析した結果目標株価をこれまで
の倍以上に設定したのでしょうか。汎用品市場で高い利益率を上げるこ
とは至難の業です。果たして住友化学にその要素があるのかどうかリポ
ートを読んでいないので断定的な判断はできませんが。市況好転だけで
は中長期的な株高は実現できません。

27日の米国株は大幅下落しました。このところの個人投資家による小型
株物色で投機的な動きが目立っていましたが、パウエル議長はこの件に
対して特に発言がなかったことやコロナ感染者の増加への懸念。それに
空売りで打撃を受けたファンドによる株の売却観測などが悪材料されま
した。

もっとも下落の背景がこれらだけの要因なら混乱は短期間で終息するで
しょう。しかし決算発表が終盤に差し掛かるかかる2月には当面の買い
材料が出尽くしたという判断から下げに転じるアノマリーもあります。
目新しい悪材料がなくても相場のサイクルで下げ方向に向かうこともあ
ります。

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一番バッター日本電産

2021-01-27 05:29:05 | 日記
注目の決算発表が今週スタートしました。特に今週は関心が高いEV
関連や半導体関連それにFA関連で柱となるような企業の発表が多数
予定されています。

25日発表された日本電産の4~12月決算は上方修正され市場予想も上
回りました。1~3月期の業績次第では通期決算で過去最高益を更新す
る可能性もありそうです。株価はこれを好感して12日の高値1万4595円
を更新して10年来高値を付けました。

今から考えると14日と15日で1000円近く下落したのは一体どんな理由
からだったのでしょうか。決算で市場予想に届かないとの噂でも流れた
のでしょうか。それらしい記事は見当たらなかったようですが。

世界的な巣籠り消費の影響で活況だったPCやデータセンタ向けや家電
向けモーターの売り上げが伸びたようです。市場の注目が高いEV分野は
現状では先行投資がかさみ赤字です。永守会長の描く成長軌道を描くた
めには中国メーカーだけでなく世界の大手自動車メーカーがどのくらい
日本電産製のモーターやモーターとギアなどを組み合わせたイーアクセ
ルと呼ばれる製品を採用するかです。

もし世界の大手が競って日本電産との取引を拡大すれば会長の大風呂敷も
現実のものとなります。もっとも完成車メーカーとしてはバッテリーも
駆動用部品も外部調達で賄うと自動車版のEMSになってしまう可能性も
出てきます。ライバルとの差別化も難しくなり価格競争が激化する契機
ともなります。

自動車分野でも一部で言われているようにスマホやPCと同じような水平
分業が主流になるのでしょうか。そうなるとアップルを追うように世界
の大手テック企業の参入が広がるかもしれません。これまでと全く違っ
た競争環境になるかもしれません。

26日の日本電産は午前中に高値を更新した後は伸び悩みました。足元の
業績好調は確認しましたが、既にPERは70倍です。今期業績の上方修正
が確実だとしても割高感は否めません。株価はEV分野での将来性を期待
した水準です。会社側の予想でもEV事業が黒字化するには2、3年後です。

EV分野が花開き成長が加速することを市場が確信した時にはさらなる上
昇も期待できるかもしれませんが、当面はEV分野の将来性への期待と割
高感との綱引きが続きそうです。

安川電機は業績上方修正を発表してからの上昇分を既に帳消しにしました。
FAや半導体関連銘柄は既に業績好調を先取りするように昨年11月以降大幅
に上昇しました。好決算でも材料出尽くしということに注意が必要なのか
もしれません。中長期的に有望なことと短期的な株価の動きは分けて考える
べきなのかもしれません。
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出遅れ株高で大台乗せ?

2021-01-26 05:41:14 | 日記
先週の値上がり2位と3位のシャープとパナソニックがランクインしま
した。シャープは米アップルのスマートフォン「iPhone」向け液晶パ
ネルの需要拡大や世界的な液晶テレビの販売好調から大型パネル価格
の上昇も材料になっているようです。

またパナソニックはコロナ禍による在宅需要で調理家電などの売れ行
きが良好であることとテスラ向けの車載用電池を手掛けていることか
らEV関連というテーマという時流にも乗っています。

最もコロナ禍での巣籠り消費は一過性であり何年も続くものでもあり
ません。それは液晶テレビも同様です。既に国内では多くの家電製品
の普及率は限りなく100%近くに達し需要は買い替えが主体です。

コロナ禍で旅行とかレジャーそれに外食が制限され人々の行動はコト
消費からモノ消費へと昨年大きく変わりました。しかしそれは短期的
な動きであって巣籠り特需の可能性が高いということも考えておくべ
きです。

要するに半導体や電子部品、通信機器などを手掛けている電機セクタ
ーが大きく上昇したことで目先高値警戒感が広がり出遅れていた家電
銘柄に資金がシフトしたというのが真相です。

週明け25日の市場でも村田製作やTDKなど昨年から大きく上昇した電
子部品銘柄はプラス圏で引けましたが、伸び悩みました。決算発表前
に利益確定売りも出ているのかもしれません。逆に同じ電子品銘柄で
もアルプスアルパインや京セラは大きく上昇しました。同じ業種の中
でも出遅れ銘柄の物色が目立ってきたのは今月の特徴です。

来月7日に期限を迎える非常事態宣言が延長されるという見方もある中
で内需銘柄を仕込むのはまだ早いという見方もありコロナ禍でも業績が
好調な製造業が物色されています。先週には大手化学の三菱ケミカルHG
が値上がり上位に名を連ねました。

週明け25日には住友化学や旭化成の大幅上昇が目を引きました。高値
警戒感が根底にありこれまで蚊帳の外だった銘柄にも光が当たってき
たようです。昨年不人気株の代表だったニコンやコニカミノルタが今
月急騰したのも同じ流れです。

出遅れ銘柄が物色されることにより半導体関連やFA関連が軟調になっ
ても日経平均が予想以上に堅調に推移しています。今週発表される企
業の決算内容次第ではもう一段高も期待できるかもしれません。

勿論既に上昇は3ヶ月も続いていてその間の上昇幅は5500円とかなり
大幅なものになっています。2万9000円まで180円に迫っていることも
あり高値警戒感は高まっています。2月には調整するケースも度々あり
ました。

現状では多くの市場関係者が予想したよりも堅調に推移しています。
慎重さと大胆さを併せ持つ必要がありそうです。結局相場のことは
市場の声をよく聴くことが重要です。
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