kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東京市場は予想外の上昇

2014-07-31 07:09:17 | 日記
今週は米国で重要なイベント(29~30日FOMC、30日GDP、1日雇用統計)が
重なり動きづらい週だと見られていました。NY市場は高値警戒感もあり軟調
な展開になっていますが、東京市場は売買代金の膨らまない点を除けば28
~30日の3営業日で198円上昇しました。先週の25日が173円高と大幅に上昇
していましたから4営業日で371円の大幅上昇です。

そして米国のGDPは4%成長と市場予想を上回りました。FOMCは事前の予想
通りに100億ドルの減額を決めました。NY市場はGDPの結果を好感して高く始
まりましたが、その後はFOMCの結果を見極めようと模様眺めになり結局小幅の
下落で終わりました。

思い起こせば1週間前までは1万5500円の厚い壁の前に膠着感の強い相場で
市場からも夏枯れ相場であきらめムードも出ていましたが、25日の午後から
ムードが一変したようです。この間欧米市場は軟調だったのですから東京市場
の強さは際立つ結果です。この上昇を出遅れ訂正と片付けてよいのか、それと
も業績相場のスタートと捉えたら良いのか迷うところです。

チャート的には1ヵ月半に及んだ揉み合いを離れたところですからここは素直に
流れに乗ることが得策なのでしょうが、個別銘柄では決算発表で一段高する銘
柄と急落する銘柄が混在して銘柄選びで明暗が分かれる状況です。もっとも
このペースで上昇が続けば来週にでも1万6000円に乗せてしまいます。一旦上昇
が止まれば当面の利益を確定するとかでどっと売りが出てくることもいちよう頭に
入れておかなければなりません。

製造業には市場の予想以上に順調な決算を発表する企業が目立ち株価の上昇
も顕著なことが市場に明るさをもたらしています。4~6月期では通期の業績上方
修正を見送った企業も中間決算では上方修正が相次ぐかもしれません。今回の
上昇は先高感が高くなかったための意外高でした。物色銘柄も先週までは外部
環境の不透明感からディフェンシブ銘柄が中心でしたが製造業で予想以上の決
算発表が相次いだため好業績が期待できる外需株にシフトしました。

空売り比率もここへ来て低下傾向が顕著です。4月中旬には35%前後で推移し
ていた同比率は30日現在26%まで低下しています。新たに売りを仕掛ける投資
家が少なくなったために売買代金が2兆円を割り込んでいるにも拘わらず上値
追いが続いている理由でしょうか。信用買い残高も年初来の最低水準です。戻
り売りの少なさが予想外の上昇の背景にあるのかもしれません。もちろん需給
面だけでなく全体的に日本企業の業績が好調だと言うことが一番の理由です。
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スカイマークの躓き

2014-07-30 08:19:35 | 日記
29日の東京市場は88円高と3日続伸して終わりました。NY市場が16日に17151
ドルの高値を付けて以降もたついている状況では予想外の上昇です。欧米市
場の上値が重くなったので出遅れている東京市場に出番が回ってきたのでしょ
うか。日本企業の底堅い決算内容や下値では年金の買いが期待できることや
信用買い残高の減少で戻り売り圧力が少ないのも支援材料でしょうか。

昨日もマザーズ市場やジャスダック市場が高値を更新、1部市場でも好業績が
見込める中小型株中心に134銘柄が年初来高値を更新しました。一方新安値
銘柄はタマホームとスカイマークの2銘柄でした。特にスカイマークは欧州エア
バス社との契約解除問題が嫌気されて13%弱の値下がりと急落しました。

12年3月期には152億円の営業利益を上げ格安料金で大手2社を追う存在と持て
囃された時期もありましたが、日本航空の復活やLCCの台頭で経営体力の劣る
スカイマークは次第に劣勢に立たされました。今回の契約解除問題も業績の急
低下からエアバス社がスカイマークの先行きに懸念を強めたことが背景にある
ようです。当時の売り上げの2倍を超える機材発注に踏み切った西久保社長の
経営判断にも大きな問題があったようです。

インターネットプロバイダのゼロの経営者だった西久保社長はHISからスカイ
マーク社を買収して航空機業界に参入しました。格安料金設定で大手2社から
顧客を奪い業界の風雲児とも言われました。順風満帆だったその時期に国際
線進出という社長の野心から巨額の機材発注に踏み切りました。しかし環境は
LCCの台頭と大手2社の反撃でサービスも料金も中途半端なスカイマークの
業績はつるべ落としのように下降しました。

業績絶好調でさらに飛躍しようと分不相応の巨額の設備投資をしてその後環境
が激変して一気に会社が存続の危機に陥る。どこかで聞いた話に似てませんか
一時液晶王国と持て囃されたシャープと全く同じケースです。このように投資に
おける経営判断が如何に難しいかそして時には会社の屋台骨を揺るがす事態
にまで発展してしまうか投資家としても心に刻む必要があります。

今後スカイマーク社がこの危機を乗り切り独立企業としてやっていけるのかそれ
とも多くの新興企業が最終的に大手の傘下入りしたように大手に飲み込まれて
しまうのか正念場です。残された時間は余りなのかもしれません。LCCが時代の
流れならスカイマークの事業モデルでは単独では乗り切れないかもしれません。
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ソフトバンクよ、さようならドコモよ、こんにちは

2014-07-29 08:32:57 | 日記
ドコモの株価上昇が続いています。28日も先週に引き続いて上昇し年初来
高値を更新しました。25日に発表した4~6月期決算は市場予想を若干下回
る水準でしたが市場の反応は値上がりという結果でした。新料金プランの効
果で、減り続けていた契約の純増数が上向き、解約率も改善した事を評価し
たという事のようです。株価は4月11日に1515円の安値を付てからずっと右肩
上がりの上昇が続きています。

iPhoneの導入遅れから通信3社で一人負けの状態だった昨年はライバルの
2社に比べて株価の上昇率も見劣りしましたが、通話定額制などの新プラン
の効果で長年の懸案だった既存顧客の流出に歯止めがかかればかっての
携帯業界の巨人の片鱗が見られるかもしれません。このところの株価の勢い
はすっかり昨年と主役が入れ代わったような強さを感じます。

一方昨年スプリント買収から市場の期待を一身に集めて常に市場の話題の
中心だったソフトバンクの株価は低迷しています。先週末現在7500円ですか
ら1月6日の高値9070円に対して17%弱下の水準です。特に6月以降日経平
均が水準を切り上げる展開にも拘らず指数寄与度の高いソフトバンクは足踏
みしたままです。昨年の様な人気はしばらく期待できないかもしれません。
年初の時点で誰がこんな展開を予想したでしょうか。それほど株価の先行き
なんて見通せないものなのでしょう。

夏枯れだ、売買代金が18営業日2兆円割れだと言われながら連日年初来高
値を更新する銘柄が三桁出ています。好業績銘柄は着実に上値を切り上げ
ています。売買高を伴った昨年の様な上昇は期待できなくても静かに上値を
今後も取っていくのでしょうか。マクロ重視で相場全体が上昇する局面から個
別企業の業績や将来性を評価する投資という本来の姿に戻りつつあるのかも
しれません。円相場の膠着状態や米国株の高値警戒感など近々急激な動き
がありそうで一抹の不安はありますが東京市場はもうしばらく個別株物色が
続くのかもしれません。

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「森を見ずして木を見る相場」

2014-07-28 04:10:20 | 日記
1日に15326円まで上昇して好調なスタートを切った思われた7月相場もここ
までは下値も堅いが上値も重い展開が続いています。25日までの18営業日
で終値15100円台が1営業日、15200円台が4営業日、15300円台が11営業日
15400円台が2営業日という具合に指数自体の変動は小幅な状態です。売買
代金も活況の目安である2兆円を1日に記録してから17営業日連続で2兆円を
割り込んでいます。夏枯れ相場と言う印象です。

もっとも決算発表シーズンが始まり好業績銘柄には改めて見直し買いが出て
来ています。安川電機や信越化学、ファナックなどの上昇を考えれば証券会
社の謳い文句で言えば「森を見ずして木を見る相場」なのかもしません。通期
上昇修正をする企業は少なくですが上期だけ上方修正するとか通期業績に
対して高い進捗率を好感する市場になっています。目を凝らしてよく個別銘柄
の値動きを追っていくと日立や三菱重工など閑散相場と言われながら先週
ジリジリと上値を取ってきている銘柄もあります。静かに好業績期待銘柄は
水準訂正をしているようです。

決算発表スタートは上々といったところですが、本格化するのは今週末以降
です。今後も堅調な決算発表が続けばじり高と言う展開もありそうです。懸念
材料はここへきてNY市場が高値警戒感もあり息切れ気味なところでしょうか。
ここまで抜群の上昇トレンドを描いてきたNY市場ですが今まで調整局面がな
かったことが一抹の不安材料です。米国経済の好調を背景に大幅な調整を
見込む市場関係者は少ないようですが、この世界一寸先は闇です。何が起こ
るか分からないので注意は怠れません。

VIX指数が低水準に止まればそれだけ予想外のショックに襲われた時には
大きな価格変動が起きます。これからもNY市場の動向は円相場の行方と
ともに要チェックです。8月中旬まで決算を材料に個別株物色が続くと思われ
ます。これからも指数主導相場は異次元の緩和も政府の成長戦略も一時
よりは色あせたようですから当面期待できません。「森を見ずして木を見る
相場」が今年後半の流れになるのでしょうか。ポスト建設株はインフラ関連で
業績好調な重機銘柄になるのでしょうか。
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りそなHGにみる経営者の資質

2014-07-26 09:29:08 | 日記
25日付のニュースによるとりそなHGは7月30日までに議決権つき優先株
9800万株を2350億円で買入消却すると発表しました。これで国による議決
権は消滅することになり経営の自由度は格段に高まりそうです。

2003年に経営危機から公的資金2兆円を追加投入されたりそなHGは日本
の金融危機の象徴的な金融機関のひとつとして歴史に名を残すことになり
ました。この時に当時JR東日本の鉄道マンだった細谷英二氏を会長に迎え
入れ再建を託しました。

細谷氏は利用者本位の営業方針を導入して満身創痍だったりそなHGの再
建に取り組みました。細谷氏の尽力も有りその後りそなHGの経営は改善さ
れ公募増資と自己資金で公的資金の返済を順調に進めピーク時3兆1280億
円を今回の返済で残り1280億円まで減少させ完全返済まで残り僅かになりま
した。

細谷氏は会長在任中67歳と言う若さで病死し帰らぬ人になりましたが、この
名経営者がいなかったらりそなHGの再建はここまで順調に進まなかったでし
ょう。改めて企業は人なり会社再建の裏側には例外なく優れた経営者の存在
があります。

失われた20年を経て日本企業に間でも優れた経営者がいる企業は成長を続
けました。政府が経済成長優先を第一に挙げ曲がりなりにも法人税減税や
TTP傘下と言ったお膳立ては出来つつあります。株式市場も米国市場のよう
に長期上昇トレンドが日本にもやってくるかどうかはこの数年の取り組みでが
カギを握っているようです。

国の政策も重要ですが幾ら立派な入れ物を作ってもそれを使う企業がきちんと
使えなければ意味がありません。経営者の力量が試される局面です。増配や自
社株買いだけでなくこれからグローバル市場でしっかり勝てる企業になれるか
どうかの舵取りが経営者には求められています。昨年の日本株は指数を買う相
場でしたが今年は個々の企業のポテンシャルを買う相場のように感じます。
同じ業種でも株価に大きな開きが出るように思えます。

明日は更新お休みです。


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