kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日立グループ再編の行方

2013-01-31 00:20:23 | 日記
日立は上場企業としては珍しい存在です。同業の東芝や三菱電機や三菱重工
それにソニーやパナソニックなどの家電メーカーに比べて有力上場子会社が多
いことです。日立金属、日立化成、日立電線の御三家に加えて日立建機、日立
物流、日立ハイテクノロジーズ、日立国際電気、日立メディコ、日立キャピタル
日立工機それにのちに資本参加して子会社化したクラリオンなど事業分野が
自動車に関係した企業が多いのも特徴です。

かつてはパナソニックもたくさんの上場子会社がありました。松下通信、松下
寿電子、九州松下電器、松下精工を株式交換で子会社かしました。また兄弟
会社のパナソニック電工や三洋電機も最終的に完全子会社になりました。ソ
ニーも音楽やゲーム上場子会社を完全子会社にしました。外国では例をみな
い親子上場は利益相反の懸念もあり日本でもその数は着実に減少しています。

日立グループは元々子会社の独立心が強く利益率も日立本体を上回る企業
が多かったこともあり自主独立経営が可能でした。しかしここ数年高収益を誇
っていた子会社の多くで利益の伸び悩みが目立つようになりました。また日立
本体が半導体やHDDや中小型液晶パネルなど市況変動が大きな事業から
撤退して強みのある重電分野を中心に事業構造の転換を図っています。

日立が力を入れている社会インフラ分野では火力発電部門を本体から切り離
し三菱重工との合弁に切り替えます。また昨年には御三家の日立金属と日立
電線を合併させることを決めました。また年明けには中西社長が医療分野で
の再編も表明しました。日立メディコが年初から上昇しているのは再編の思惑
からです。

30日には日立国際電気がストップ高になりました。ネットの記事によると決算
発表で下方修正の懸念が払拭されたからだとの記事がありましたが、果たし
てそんな材料だけでストップまで買われるでしょうか、再編がらみの思惑が背
景にあるような気がします。

日立のPERが市場平均に比べて低い理由の一つは上場子会社の利益貢献
度が高くグループ企業に比べて本体の利益率が低いからです。数年前日立が
上場子会社5社を完全子会社にしてグループのシナジー効果を狙いましたが
ひょっとしたらグループ再編第2幕が近々幕を開けるかもしれません。

日立が事業の柱と力を入れている社会インフラ分野ではGEやシーメンス
ボンバルディなど海外の有力企業が目白押しです。残念ながら日立はこれ
らの分野で世界のトップ3には名を連ねていません。

しかし日立の強みは日立金属や日立化成の手掛けている素材からIT分野
まで幅広い事業を手掛けていることです。グループの総力を結集すれば
道は開けるかもしれません。日立がもう一段のグループ再編を通して選択と
集中を進めれば市場からの評価も一段と高まりそうです。
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ブランド戦略

2013-01-30 17:11:47 | 日記
ブランドという言葉を聞くと高級バッグとか高級腕時計あるいは自動車や
電気製品などの工業製品などを思い浮かべますが、飲料や食品などでも
品質に裏付けられた商品価値ということで本来は多くの製品にあります。
高品質の商品であり信頼性があるというのもブランドという商品に高い
付加価値があるのでしょう。

一方なかなかデフレ経済から抜け出せない日本では消費者がより安い商品
を求める風潮が年々高まっています。小売り各社などが激化する競争を勝ち
抜くための切り札としてプライベートブランド(PB)の商品をどんどん増やして
います。

小売り側としてはメーカー製のナショナルブランド(NB)よりも値段を安く設定
でき、しかも利幅の大きなPB商品は他社との差別化を図る意味でも重要な
役割を持っています。今やその範囲は冷凍食品やしょうゆなどの調味料、イン
スタント食品、スナック菓子など多岐にわたっています。

日本では飲料やカップ麺などは1年間に500とか1000とかの新製品が出るそ
うです。しかし定番商品として生き残る商品はせいぜい2、3だそうです。確か
に企業は新製品を出して需要を少しでも喚起したい、ライバル社を追い上げ
たい、または突き放したいと次々に新商品を出すのでしょうが、世界のメーカ
ーもこんなにたくさんの新商品を出しているのでしょうか。

勉強不足で分かりませんが。もう少し定番ブランドの強化に経営資源をつぎ
込むべきでないのでしょうか。消費者がNBブランドよりもPB商品を選択する
のはPBブランドに比べてNBブランド商品に価格の差ほど価値を認めていな
いからより低価格なPB商品に走るのではないでしょうか。

ネスレはスイスに本拠を置く世界的な食品・飲料メーカーです。売り上げは
日本円換算で8兆円を越えています。日本の大手飲料企業のアサヒが1兆
5000億円余りですからその規模の大きさが分かります。国の人口が東京都
(1300万人)の6割程の小国であるスイスに本拠地を構えながらこれだけの
規模の企業に成長したのは自国市場が小さいために早くから事業のグロー
バル展開を進めたからです。

ネスレはグローバル市場で成功を収めるにはメガブランド商品が不可欠だ
と考えているようです。コーヒーのネスカフェ、菓子のキットカットやクランチ
それに調味料のマギーブイヨンなどはもう日本でも定番商品です。

日本企業は新商品開発も必要ですがもう少し世界で通用するようなメガ
ブランドの育成に力を入れていくべきではないでしょうか。ポテトチップス
やポッキーなど世界の市場に出ても通用しそうな商品が日本には揃って
いるのですから。

定番商品の強化で消費者の支持を持続できないとPB商品で攻勢をかける
小売り各社の商品棚戦争はメーカーの敗北に終わります。グローバル市場
でも通用する定番商品の強化が是非必要です。因みに南米ではインスタント
ラーメンの事をまるちゃんと呼んでいるそうです。それだけ東洋水産のまる
ちゃんは現地に根付いているのでしょう。

追記
30日の引け後
それにしても強い相場ですね。やっぱりもうはまだなりなのでしょうか。高値
警戒感はあるでしょうけど相場は上昇しています。個人投資家なら高所恐怖
症から休むも相場でだんまりを決め込むこともできるでしょうけどプロの投資
家なら市場平均に負けると運用者失格の烙印を押されてしまいますから自分
の相場感と違っていてもある程度の買いは入れなければならないのかもしれ
ません。真相は分かりませんが、運用競争とはそういうものでしょう。

結局個人投資家の立場からは自分のリスクのとれる範囲内で頑張るしかな
さそうです。連日三桁の銘柄が年初来高値を更新しています。円安を好感
した輸出関連が多いのかというと必ずしもそうではありません。とにかく幅広
い銘柄が高値を更新しています。円安とは無縁のアサヒもキリンもそして大幅
に調整していたカルビーさえも30日には何しろ東証1部上場銘柄1698銘柄の
14%弱の243銘柄が高値更新している訳ですから。

むしろ決算発表たけなわで業績のばらつきが目立つ輸出関連よりも内需の
方が安心感はあるのかもしれません。リート市場の活況から休養十分な不動
産株の高値更新が相次ぐかもしれません。ここは流れについていくしか無いの
かもしれません。
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ソニーの一人勝ち

2013-01-29 06:57:41 | 日記
年明け以降大手電気でもっともパフォーマンスが良かった企業はどこだろうか。
答えはソニーではないでしょうか。ソニー株の昨年末の株価は958円でした。
28日には1407円まで上昇しました。年初来の上昇率は47%です。家電3社では
何かと話題豊富なシャープはニュースネタになることは多かったですが、年明け
以降の上昇率は7%ほどです。同じくパナソニックで17%弱です。昨年来高値を
更新した日立は10%弱、同じく400円台に乗せた東芝だって上昇率20%前半です。

昨年から家電3社の中ではソニーに関しての前向きなニュースが多く聞かれる
ようになりました。オリンパスに資本参加して医療分野への参入、中小液晶分野
からの撤退、ソニーエンターテイメントの完全子会社化、化学子会社売却、米国
本社ビルの売却、非中核事業のリチウム電池事業の売却観測など事業の選択
と集中に積極的に踏み出したことがソニー株の評価に繋がっているのかもしれま
せん。

矢継ぎ早に打ち出される一連の改革に市場はスピード感を持った動きと好意的
に受け止められているのかもしれません。また欧州市場での売り上げが多いこと
から大幅に進んだユーロ安でソニーが家電3社の中で最もメリットを受けると市場
では判断されています。

家電3社の中では株価的にはソニーの一人勝ちですが、まだまだ克服しなけれ
ばならない問題は山積しています。ソニーで安定的に利益を上げている部門は
ソニー生保や損保、銀行の金融部門それに音楽や映画のエンターテイメント部
門です。残念ながら液晶テレビを中心としたエレキ部門は赤字経営から抜け出
せていません。

そう考えるとこのところの株価急騰は人気先行の懸念が確かにあります。ソニ
ー株は2000円割れ1000円割れという下落過程のなかで長期投資家の持ち株
処分が話題になりました。このところの急騰は手放した長期投資家の資金が
戻ってきたのかもしれません。しかしそれだけではこんなに急騰する背景を説明
出来ません。かなり多くの短期資金もまたソニー株買いに流入しているのでしょう。

あれだけ勢いのあったアップル株が失速しアップルから流失した資金の一部が
ソニー株を購入しているのかもしれません。真相は闇の中ですが、民生用エレキ
不振の代表のようなソニーの株価上昇は何はともあれ市場の雰囲気を明るいも
のにすることだけは明らかです。株価は昨年11月15日の安値772円から2ヶ月弱
でほぼ倍になりました。今後は高値警戒感もあり乱高下する場面も増えそうです。
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ポスト円安 パート2

2013-01-28 07:34:29 | 日記
東京市場は11週連続で値上がりしました。もっとも大発会の1日だけの取引の
292円高以降は2週続けて週間値上がり幅は100円弱です。そして先週は僅か
13円の上昇です。その記録を続けるためではないでしょうが、ラストスパートの
2時半過ぎからの80円幅の上昇が無ければその記録も途切れるところでした。

対ドルで90円台半ば、ユーロでは122円台という水準からすればもう少し為替
感応度の高い精密などが上値を追っても不思議ではなかったでしょうがキャノ
ンの50円高、リコーの2円高、ニコンに至っては9円安と寄付き後から値を崩す
銘柄が目立ちました。まあ精密株は11月中旬以降ずっと上昇しましたから買
い疲れ感も出てきたのでしょう。他にもユーロ安で恩恵の大きなカシオなども
高値揉み合いを続けています。

また日本電産やファナックのように11月から進んだ円安の恩恵よりもIT景気の
鈍化の悪影響が勝り通期業績の下方修正を発表するところも出ています。や
はり円安がすべての企業の業績を大幅に引き上げるということには限界がある
ようです。売り上げが増えなければ今回の円安も恩恵は限定的です。

東京市場ではこのところの新高値銘柄には食品、薬品、電鉄や運輸などの企
業が多く顔を出しています。このところの円安の進展から今までなら内需株は
見送られることが多かったのですが、今回は外需、内需問わず業績好調な
銘柄の人気が続いています。

NY市場でもダウの高値更新に沸いていますが、採用されている30銘柄で年初
から株価上昇が目立つのはスリーエム、P&G、マクドナルド、ディズニーやホー
ムデポなどです。インテルやマイクロソフトなどのハイテク株は不振です。僅かに
IMBがソフト部門の好調から気を吐いている程度です。

アップルの急落に象徴されるようにデジタル機器の製品寿命はどんどん短くなり
すぐに価格競争が激化してコモディティ化する傾向が顕著です。中には巨額の
投資に見合った投資を回収できず大きな特損を計上するケースも出ています。
結局世界的な金余りでもマネーはより業績の安定しているける業種に流れてい
るようです。

円安で業績の大幅な向上が期待される日本株ですが、自動車や機械、精密など
の一角を除いて恩恵は限られるケースもあります。日経平均1万1000円台の銘柄
選びでは株価の水準、来期の業績見通しなども考えながらの銘柄選びが重要です。
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えっ!もうはまだなりなのか?

2013-01-26 06:55:34 | 日記
今週の株式市場は注目イベントの日銀政策決定会合を通過して材料出尽くしに
よる調整かと思われました。事実21日から23日にかけて3日間で427円下げたの
ですから11月中旬からスタートした安倍トレードも一休みかと思いました。しかし
ジョージ・ソロスの発言が伝わると為替相場が即座に円安に大きく振れて株式
市場も息を吹き返しました。

大方の見方では短期筋が日銀会合をキッカケにそれまでの円売り、株買いの
ポジションを手じまったために週前半の急落に繋がった。これで上昇相場第1
ラウンド終了。当面調整と考えた投資家も売りに追随したのかもしれません。

ところが円安に振れた途端東京市場は25日には1万926円まで戻しました。いっ
たん手じまった短期筋が再び円売り株買いを進めたのかもしれません。これで
年明け以降3週連続、週の半ばにかけて下落、週後半に急反発するV字型のト
レンドだったことになります。いずれも1万400円台まで下げると反発しています。
当面はこの400円台が下値の目途と意識せざるを得ません。

もっとも円安だから電機や精密、自動車などの輸出関連銘柄買いの内需株売り
と流れではないようです。新高値銘柄の顔ぶれを見ればむしろ内需関連銘柄の
数の方が圧倒的に多いようです。昨年までの物色傾向とは明らかに違いが出て
います。

25日の東京市場も全面高で始まりましたが、先駆して買われた精密株の一角
などは寄り付きに高値を付けその後は伸び悩んだ銘柄もあります。また内需の
代表銘柄のKDDIのように好業績が伝わった銘柄は大幅高しています。電鉄
銘柄も新高値に顔を出しています。おそらく業績による選別が底流にはあるよ
うです。

来週から日本も決算本番を迎えます。米国では事前の期待値が低くアップル
などの一部の銘柄を除けば決算内容が芳しくなくとも市場の予想を上回った
ということで好感される銘柄が多いようです。25日に発表したファナックの決算
は市場予想を下回るものでした。週明けの市場がどんな反応を示すか気に
なります。

ファナックのチャートを見れば大発会の日に大幅高で寄り付きその後4週連続
で陰線を引いています。日経平均の動きとはまるで正反対の動きです。ファナ
ックのような値嵩株は先物主導の相場なら真っ先に買われる銘柄ですが年明
けの株価の推移をみる限り決算が良くないのを見通していたかのようです。

ファナックは誰もが認める高収益企業です。NC装置やロボットなど設備投資
動向による業績のブレは流石のファナックでも避けられなかったのでしょう。
決算発表で悪材料出尽しになるのか、それとも…
国際競争力の強さから考えていずれ買い場が訪れるでしょうが、記事を読む限
りそれはもう少し先になるのかもしれません。

週明け28日は一段の円安とNY高で高く始まりひょっとしたら1万1000円に乗せ
るかもしれません。もっともここまで一本調子に上昇してきましたから目標達成
感から強弱感が強まる展開も考えれます。来週も三桁の上げ下げのあるボラ
ティリティの高い相場は続きそうです。決算発表でこれまで以上にどの銘柄を
どんなタイミングで買うべきかうでのみせ腕の見せ所です。

明日の更新はお休みします。
来週また頑張りましょう。
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