kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

円高が阻む上値

2018-02-28 06:26:24 | 日記
今週は二日続けて三桁の続伸と幸先の良いスタートを切りました。
もっとも日経平均のチャート上で短期的な上値のメドとされる25日
移動平均の2万2500円台付近では利益確定売りが出て27日の午後
は伸び悩みました。日足チャートを見ても2営業日続けて十字足を
示しています。十字足は気迷いの証と言われています。

外部環境の好転で高く始まるも日中は伸び悩む背景には投資家心理
がまだ半信半疑だと言うことでしょうか。円相場が106円台に高止
まりしていることはやはり足枷のようです。27日付の日経新聞には
「円高重荷、業績伸び鈍化 12月期企業」という見出しが躍ってい
ました。

純利益は2017年12月期の30%増益から2018年12月期には4%増益
急ブレーキがかかることを伝えています。12月決算企業は全体の
1割程ですが、キヤノンやブリヂストンなどグローバルにビジネス
を展開している企業が名を連ねています。このため3月期決算企業
の来期業績を予想する参考となります。

現状の為替水準がこの先も続けば多くの企業が想定為替レートを
105円程度に設定するでしょう。2017年度に比べて5円から7円程
度円高になり各社の輸出採算が悪化します。それ以上に数量が出
れば影響は軽微でしょうが、こればかりは米国をはじめ世界の景
気にも左右されます。

企業は期初には下方修正を避けるために固めの予想を出してくる
傾向があります。一時に比べれば日本企業の円高抵抗力が高まっ
ているという見方は正しいのでしょう。しかし尚も企業業績に与
える影響も無視できません。

やはり米国株に比べて日本株の戻りが鈍い原因のひとつには円高
がありそうです。多くの企業が来期の想定レートを判断する3月末
までに110円を回復できるかどうかは大き問題になりそうです。

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救世主FANG銘柄

2018-02-27 06:33:44 | 日記
週明けの東京市場は5営業日ぶりに2万2000台を回復しました。
円相場が106台に高止まりする状況ではまずまずの結果だったの
では無いでしょうか。多くの銘柄が自立反発したことで今後戻り
高値を目指す展開になってきたことは朗報です。

2万3000円回復期待と言いたい所ですが、当面は6日に開けた窓
である2万2600円から700円が当面の戻り目標になるのでしょう
か。大きく売られた銘柄が全体に水準を切り上げれば決して難し
い水準ではありません。晴れの月の始めの第1営業日木曜日に到
達しても不思議ではありません。

今週末から3月相場に突入します。3月のメジャーSQに向かって
相場が戻り歩調を保てるのか、あるいは息切れしてしまうのか
一時の混乱は収まっても既に適温相場の前提である好景気が続い
ているにも拘わらず緩やかな利上げと言う前提条件に狂いが生じ
てきただけに戻り過程ではポジションを軽くすべきか悩ましいと
ころです。

米国市場のように多少の金利上昇や為替変動にも勝てる大型IT
銘柄が東京市場には無いと言う点が気になります。先週この暴落
を経てもアップルは高値に後5ドルと迫るところまで上昇しまし
た。アイフォーンXの大幅な減産報道で日本の大手部品メーカーが
大きく調整したのとは対照的な動きです。

ハード分野の減速もソフト分野での稼ぎで補えると言うことな
のでしょうか。アイフォーンを起点にした生態系の稼げる仕組
みが機能しているのでしょうか。アップル以上に堅調だった銘
柄はアマゾンです。21日には年初来高値を既に更新しました。
株価1500ドルは連結PER237倍と言う数字ですが、それだけア
マゾンの生態系はまだ広がる途上にあるということでしょうか。

グーグルの持ち株会社アルファベットやフェイスブックもネット
フリックス警戒に戻しています。FANG銘柄はやはりこんな状況
でも健在なようです。FANG以外でもNvidiaも高い成長が期待
されています。多少の経済環境の異変にも高成長期待の銘柄に
はこんな時だからこそ再びマネーが集まるのかもしれません。

東京市場にもFANG銘柄のような大型IT銘柄があれば銘柄選択に
苦労は無いのですが、残念ながら高評価されている銘柄はキー
エンスや日本電産など製品を陰で支える裏方の企業です。どう
しても供給先の企業に左右されます。アップルの生態系企業に
は台湾企業の台頭も顕著です。日本企業のPERが引きあがるに
は何か足りない部分があります。

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適温相場の次は?

2018-02-26 07:00:50 | 日記
23日の米国市場が高かったことで週明けの東京市場も2万2000円
には乗せそうです。2週連続で上昇したことで大幅下落からNY市場
は落ち着きを取り戻しつつあるようです。日本株にもプラス効果が
あるには確かです。もっとも日足チャートを見る限り戻り売りが本
格化するのは2万6000ドルに近づいてからのようです。

今回の大幅下落が過熱気味の市場を落ち着かせる良い調整になった
のかそれとも適温相場の二番天井を形成する動きになるのかまだど
ちらへ転ぶかは断定できません。勿論米国株が高値を取るようなこ
とがあれば東京市場も再び2万4000円に挑戦することが出来るでし
ょう。

今回の大幅下落でやはりはっきりしたのは日本株が結局米国株の影
響を強く受けると言うことです。割安感があっても本家本元の米国
株が下げてしまえば日本株も追随して下げることは避けられません。
その理由は売買代金の7割を占めている海外投資家の存在があります。
幾ら日本の市場関係者がこうなる筈だと見通しを述べても海外投資
家がシナリオ通りに動かなければ絵に描いた餅です。

顕著な動きは為替相場を見れば分かります。米国の長期金利が上昇
すれば円安が進むと言う方程式が日本では主流でした。方程式どお
りなら先週一時2.9%台まで上昇した長期金利を考えれば円相場は
115円近くまで円安が進んでも不思議ではありません。でも実際は
円安とは真逆で年初の112円台から106円台と6円も円高が進んでい
ます。

日米の金利差拡大は為替相場を左右する材料として機能していませ
ん。円高以上にドルに対して人民元やタイバーツ、それにインドル
ピーなどの新興国通貨安が日本企業への影響が大きいと24日付の日
経新聞は伝えています。今期業績絶好調のコマツや三菱電機それに
スズキも新興国通貨安が嫌気され戻りが鈍い状況です。アジア市場
での売り上げが多い日本企業はドル円だけでなくドルに対しての新
興国通貨の動きにも注意が必要です。

既に好調な今期の業績は株価に織り込まれてしまいました。年明け
以降の為替相場の変調などが来期業績にどのくらい影響するのか市
場の関心は既にそちらにあるようです。米国の財政赤字拡大に端を
発した長期金利の急上昇が適温相場の賞味期限を短くしました。当
初大幅減税の光の部分を歓迎した市場は一転負の部分に怯えていま
す。もし相場が高値を更新することがあっても適温相場で主役だっ
た銘柄に人気が続くとは限りません。

米国株が戻りを試す動きを続ければ東京市場も程度の差はあれリバ
ウンドは期待できそうです。しかし年初から相場のリード役だった
銘柄は急落する過程で上値に大きなシコリを作ってしまいました。
このシコリを解消するのはそう簡単ではありません。指数は上昇す
るとしてもリード役がどこになるのかまだその姿はみえません。

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変われない企業の末路

2018-02-23 07:03:58 | 日記
ちょっと暖かくなったと思ったらすぐに真冬の気温に逆戻り2月も
後半なのになかなか春の足音は遠いようです。我が家の梅の開花
も遅れ気味です。天候に鞘寄せされた訳でもないのでしょうが東
京市場の低迷はまだ続きそうな雲行きです。

22日の市場は107円台への円安も米国株安にかき消されました。
2万2000円回復も19日だけの一日天下に終わってしまいました。
2万1000円前後では個人投資家の買いは期待できても上値を追っ
てまで個人投資家は現金では買ってきません。海外投資家不在
の相場では自然と上値が重くなるのも仕方ありません。

頼みの海外投資家ですが、2月第2週の売り越しは362億円と1週
の6446億円と比較すれば大幅に縮小しましたが、海外投資家が
売り越していることは市場の重荷に変わりはありません。買い
越しに転換することで初めて市場が安定する要因になります。

22付けの日経新聞によるとリコーが再び大きな減損処理で今期
業績の大幅な下方修正は避けられないようです。最大1000億円
の減損処理も必要との報道です。事実なら大幅な最終赤字に転
落は必至です。リコーと言えばかつて事務機業界でキャノンと
並ぶ名門企業でした。

国内では営業のリコーと言われるくらい強力な販売網を築き上
げ高収益モデルを作り上げました。高度な工学技術を必要とす
る事務機は新規参入が難しくカートリッジの消耗品で利益を上
げるビジネスモデルは米国のゼロックス、富士ゼロックス(富
士フィルムとの合弁で米国以外のビジネスを展開)や日本のキ
ャノン、リコー、コニカミノルタなど少数の企業が市場を独占
していました。2000年初頭は事務機メーカーの黄金期でした。

ところが先進国から始まったペーパーレスの流れはかつての成
長ビジネスを成熟産業に変えました。事務機器の一本足経営だ
ったリコーがもっとも影響が大きかったようです。リコーもペ
ンタックスの一眼レフ事業や商業印刷企業を買収するなど収益
分野の多角化を模索しましたが、リコーの収益構造を変えるよ
うな案件では無かったようです。

今回の巨額な減損処理も以前に買収した商業印刷分野の企業が
らみです。結論は商業印刷分野も競争が激しく利益を上げるこ
とは簡単ではなかったようです。リコーの時価総額は2014年
以降直近まで増加していません。日経平均が4割弱上昇してい
ることを考えれば歴代の経営陣は能力が欠如していたと考える
べきです。

ソニーなど復活した企業には収益構造の見直しに成功した企業
です。現在の主力事業が将来も安泰だとい保証はありません。
かつての成功体験から抜け出せず業績不振に陥る企業も後を絶
ちません。柔軟に変われない企業はいずれ市場からの評価を失
います。リコーの経営迷走もそんな典型的なケースです。

従来のハード中心のビジネスからITを主体としたビジネスに
経営の軸を移す事が好感され昨年10月まで市場の評価が高か
った富士通でしたが、本業の収益力はまだ磐石ではないよう
です。株価は再び1年前に水準に戻ってしまいました。プロ
バイダ事業やカーナビ、パソコンそれに携帯事業を売却して
ITサービス企業として生まれ変わると言う方向性は正しくと
も本業の収益力強化が進まなければ市場からの支持は得られ
ません。変わる意思があり実行力のある企業だけが生き残れ
る条件です。

24、25日の更新はお休みします。
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割安感という落とし穴

2018-02-22 07:44:04 | 日記
21日付の日経新聞は1月の工作機械受注が過去3番目の高水準だった
と伝えています。最大の市場である中国や欧米それに国内市場も揃
って大幅な伸びでした。1月高値からの下げ幅を考えれば21日は大き
く上昇しても不思議ではありませんでした。

しかし各社の株価は1%前後の小幅な上昇でした。勿論日経平均が午
後の取引開始直後から急激に売りが増加して200円近く上昇してい
た指数が大引けでは45円高と小幅な上昇で終わったことも影響して
いるでしょう。それでも足元の受注絶好調なことを考えれば物足り
なさは否めません。

工作機械だけでなく設備投資関連の機械株も好業績が伝えられてい
るにも拘わらず1月高値からの戻りは芳しくありません。米国の長
期金利上昇を発端としたVIX指数の上昇などテクニカル的な要因で
の急落ならいずれ業績を再評価した買いでこれらの銘柄の上昇も期
待出来るでしょうが、もし問題の根が他のところにあるならば既に
戻り売りの局面になってしまったことになります。現状ではまだ楽
観ムードも残っていますが、注意深くみていく必要はありそうです。

機械銘柄だけでなく日本株全体でもこれまでの物差しでは説明出来
ない現象が出ています。アベノミクス相場がスタートして以来日経
平均のPERは下限14倍から上限16倍で推移してきました。今月の14
日には13倍そこそこまで低下しました。この時には翌日からの3連
騰で2万2000円を回復して14倍弱まで上昇しましたが、早くも息切
れしています。

下限の14倍を下抜けた後に一旦は回復しましたが、その水準が当面
今度は抵抗ラインとなりつつあります。今期大幅増益が確実視され
るセクターは化学、石油、非鉄、機械、電機(半導体関連銘柄)商
社です。いずれも景気敏感株で業績のブレも大きなセクターです。
これらのセクターは今期に比べれば来期業績は大きく減速する可能
性を残しています。

日本株が米国株に比べてPER面で数字上は割安ですが、円相場や中
国景気などに大きく左右されるセクターが多いのも事実です。既に
景気も株価上昇はかなりの期間続いていることを考えると表面的な
PERの割安感だけで銘柄を選択するのは賢い選択だとは思えません。
業界を取り巻く環境、財務内容、収益力等を慎重に見極める必要が
あります。財務内容や収益力が強ければ増配や自社株買いが期待
出来ます。PER14倍から16倍のレンジに再び戻せるのかあるいは
一段切り下がったレンジに移行できるのか相場を展望するうえで
大事なポイントになりそうです。
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