昭和シェルとの合併を巡って対立を続けていた出光興産経営陣と
出光創業家が一転和解することになりました。創業家が突然合併
反対を表明して丸2年で騒動は終止符を打つことになり国内ガソ
リン販売シェア31.9%の新会社が来春誕生します。
これで国内元売り業界は一足に経営統合を実現したJXTRのシェア
は52.7%を握っていますから2社でガソリン販売は85%近いシェ
アを握る圧倒的な寡占業界となります。一昔前の公正取引員会だ
ったらこんな合併は認められなかったでしょう。
しかし国内需要が減少を続ける石油製品を考慮して、もはや国内
だけのシェアだけを問題視するのは適切ではないということが認
識された結果だったのでしょうか。高度成長期ガソリン販売で高
いシェアを持っていた外資系石油販売会社は需要減少から日本事
業を縮小していきました。そんな状況もあり国内資本による大再
編も当局は認めたのでしょう。
圧倒的なシェアを握るJXTRが2017年4月に誕生して以降すっかり
ガソリンの乱売競争は鎮静化しました。乱売競争の元凶だった業
転ガソリンが元売りの集約でほとんど姿を消したことがガソリン
価格の安定を支えています。元売り大手は適正な利幅を確保でき
ることになり業績は格段に安定しました。
一方販売の現場では厳しい環境が続いています。ピーク時の1994
年度には6万421カ所だったガソリンスタンドは21年連続で減り続
け、2015年度末時点で3万2333カ所とほぼ半減しました。2016年
度以降の減少に歯止めはかからず3万を割り込むのは時間の問題の
ようです。
もともと国内市場ではガソリン消費の少ない軽自動車や小型車が
欧米市場に比べて大きなウェートを占めています。それに加えて
トヨタやホンダが開発の先陣を切ったHV車の普及が拡大したこと
でガソリン消費は年々減少しています。
今後も世界的な環境規制の影響もあり国内市場でもHVに加えて
PHVやEVなどの電動車のシェアは高くなることは避けられません。
縮む国内市場から成長の見込める海外市場や石油製品販売以外の
収益源を目指すことで生き残りを図るしか術はありません。消費
者としてガソリン価格は安いことは歓迎ですが、企業はしては適
切な利潤を生まなければ存続も危ぶまれます。
米IT大手のグーグルやアマゾンを引き合いに出すまでもなく市場
を独占できた企業は高収益を享受できます。消費者という顔から
はモノやサービスは安いことは歓迎ですが投資家だったら利益率
の高いビジネスを展開している企業に魅力を感じます。
日本企業の問題点は寡占状態の市場が少ないことです。様々な業
界で多くの企業が乱立し過当な販売競争を続けているために利益
率が異常に低い業界が多いことです。やはり成長を求めて世界に
出ていくためには国内での利益率の引き上げは待ったなしです。
石油業界のように集約が進んだ業界はまだ少数です。
健全な自由競争は資本主義では必要ですが、余りにも競合が多い
と過当競争から業界全体が低収益構造にもなりかねません。利益
が少ないと新たな設備投資や海外市場の開拓もままなりません。
強気企業を作るためには寡占も必要悪なのかもしれません。
30日、1日の更新はお休みします。
出光創業家が一転和解することになりました。創業家が突然合併
反対を表明して丸2年で騒動は終止符を打つことになり国内ガソ
リン販売シェア31.9%の新会社が来春誕生します。
これで国内元売り業界は一足に経営統合を実現したJXTRのシェア
は52.7%を握っていますから2社でガソリン販売は85%近いシェ
アを握る圧倒的な寡占業界となります。一昔前の公正取引員会だ
ったらこんな合併は認められなかったでしょう。
しかし国内需要が減少を続ける石油製品を考慮して、もはや国内
だけのシェアだけを問題視するのは適切ではないということが認
識された結果だったのでしょうか。高度成長期ガソリン販売で高
いシェアを持っていた外資系石油販売会社は需要減少から日本事
業を縮小していきました。そんな状況もあり国内資本による大再
編も当局は認めたのでしょう。
圧倒的なシェアを握るJXTRが2017年4月に誕生して以降すっかり
ガソリンの乱売競争は鎮静化しました。乱売競争の元凶だった業
転ガソリンが元売りの集約でほとんど姿を消したことがガソリン
価格の安定を支えています。元売り大手は適正な利幅を確保でき
ることになり業績は格段に安定しました。
一方販売の現場では厳しい環境が続いています。ピーク時の1994
年度には6万421カ所だったガソリンスタンドは21年連続で減り続
け、2015年度末時点で3万2333カ所とほぼ半減しました。2016年
度以降の減少に歯止めはかからず3万を割り込むのは時間の問題の
ようです。
もともと国内市場ではガソリン消費の少ない軽自動車や小型車が
欧米市場に比べて大きなウェートを占めています。それに加えて
トヨタやホンダが開発の先陣を切ったHV車の普及が拡大したこと
でガソリン消費は年々減少しています。
今後も世界的な環境規制の影響もあり国内市場でもHVに加えて
PHVやEVなどの電動車のシェアは高くなることは避けられません。
縮む国内市場から成長の見込める海外市場や石油製品販売以外の
収益源を目指すことで生き残りを図るしか術はありません。消費
者としてガソリン価格は安いことは歓迎ですが、企業はしては適
切な利潤を生まなければ存続も危ぶまれます。
米IT大手のグーグルやアマゾンを引き合いに出すまでもなく市場
を独占できた企業は高収益を享受できます。消費者という顔から
はモノやサービスは安いことは歓迎ですが投資家だったら利益率
の高いビジネスを展開している企業に魅力を感じます。
日本企業の問題点は寡占状態の市場が少ないことです。様々な業
界で多くの企業が乱立し過当な販売競争を続けているために利益
率が異常に低い業界が多いことです。やはり成長を求めて世界に
出ていくためには国内での利益率の引き上げは待ったなしです。
石油業界のように集約が進んだ業界はまだ少数です。
健全な自由競争は資本主義では必要ですが、余りにも競合が多い
と過当競争から業界全体が低収益構造にもなりかねません。利益
が少ないと新たな設備投資や海外市場の開拓もままなりません。
強気企業を作るためには寡占も必要悪なのかもしれません。
30日、1日の更新はお休みします。