29日まで日経平均は7日連続で高値を更新し一時2万3000円を越え
ました。ここまでは予想以上の上昇です。こんな時に市場で決ま
って聞こえる言葉が「持たざるリスク」という言葉です。日々運
用競争を繰り広げている機関投資家にとって運用成績が市場平均
を下回る事態は見過ごせません。
それまで米中通商協議の行方や世界景気への不安から弱気を決め
込んでいた運用担当者も一方的に上がり続ける市場の状況が続い
ていると焦りを感じるのは運用成績の善し悪しが死活問題だから
です。「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で
成熟し幸福感の中で消えていく」という格言を投資家の多くは教
訓として持っているから自分の相場観が外れているのではないか
と不安を持つのは当然です。
しかし持たざるリスクという言葉は調整局面もなく上がり続ける
ケースでは当てはまりますが、ほとんどのケースでは市場にそん
な言葉が出てくる時には一旦上昇相場が終るか、或いは小休止し
ます。息の長い相場になるケースでは今回のように金融緩和だけ
でなく経済の回復が絶対必要です。
日本企業の決算発表で下方修正しても多くの銘柄が株高で反応す
るのは7~9月期が底でこれ以上の業績悪化はないだろうという見
方からです。もっともここまで上昇相場が続き水準が切り上がっ
たことで一段と高値を追いするにはよりハードルは高くなってき
ます。
世界景気がV字回復ならまだまだ間違いなく上値余地はありそうで
すが、底を打ったとしても回復がL字型か或いはU字型になるよう
ならカンカンの強気相場と言う訳にはいきません。同じ受注産業
でも半導体業界には明るさが出てきましたが、工作機械などはま
だ暗闇のままです。明るさが半導体業界以外にも広がることが持
続的な株高の条件でしょうか。
工作機械業界の回復が見通せないのはやはり最大のお得意先であ
る自動車業界の世界的な販売不振が設備投資の先送りに繋がって
います。一方データセンター需要など投資再開の動きが出てきた
半導体業界はメモリなどの分野の回復は遅れていますが今後需要
増が見込める5G関連など期待でき需要があります。需要先の業況
の差が明暗を分けています。
半導体業界は別格だとして中国経済の減速で回復が遅れている業
界は素材中心に多岐に及んでいます。以上の事を考えると年末ラ
リーがあるとしても一旦はどこかで調整が入る可能性がありそう
です。個人投資家は時間の制約はありません。運用が上手くいか
なくてもクビになることはありません。持たざるリスクという言
葉に惑わされせず自分のタイミングで投資を行えばいいのです。
市場注目のFOMCは予想通り0.25%の利下げを決定しました。予防
的な利下げは一旦打ち止めという内容でした。NY市場がそれでも
上昇して終わったのは経済次第で年内の利上げはあるかもしれな
いという期待からです。もっとも金利の下げ余地は確実に小さく
なっています。株式市場が好感する適温相場を取り戻すには景気
回復が必要です。焦点は世界景気の行方になるのではないでしょ
うか。
ました。ここまでは予想以上の上昇です。こんな時に市場で決ま
って聞こえる言葉が「持たざるリスク」という言葉です。日々運
用競争を繰り広げている機関投資家にとって運用成績が市場平均
を下回る事態は見過ごせません。
それまで米中通商協議の行方や世界景気への不安から弱気を決め
込んでいた運用担当者も一方的に上がり続ける市場の状況が続い
ていると焦りを感じるのは運用成績の善し悪しが死活問題だから
です。「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で
成熟し幸福感の中で消えていく」という格言を投資家の多くは教
訓として持っているから自分の相場観が外れているのではないか
と不安を持つのは当然です。
しかし持たざるリスクという言葉は調整局面もなく上がり続ける
ケースでは当てはまりますが、ほとんどのケースでは市場にそん
な言葉が出てくる時には一旦上昇相場が終るか、或いは小休止し
ます。息の長い相場になるケースでは今回のように金融緩和だけ
でなく経済の回復が絶対必要です。
日本企業の決算発表で下方修正しても多くの銘柄が株高で反応す
るのは7~9月期が底でこれ以上の業績悪化はないだろうという見
方からです。もっともここまで上昇相場が続き水準が切り上がっ
たことで一段と高値を追いするにはよりハードルは高くなってき
ます。
世界景気がV字回復ならまだまだ間違いなく上値余地はありそうで
すが、底を打ったとしても回復がL字型か或いはU字型になるよう
ならカンカンの強気相場と言う訳にはいきません。同じ受注産業
でも半導体業界には明るさが出てきましたが、工作機械などはま
だ暗闇のままです。明るさが半導体業界以外にも広がることが持
続的な株高の条件でしょうか。
工作機械業界の回復が見通せないのはやはり最大のお得意先であ
る自動車業界の世界的な販売不振が設備投資の先送りに繋がって
います。一方データセンター需要など投資再開の動きが出てきた
半導体業界はメモリなどの分野の回復は遅れていますが今後需要
増が見込める5G関連など期待でき需要があります。需要先の業況
の差が明暗を分けています。
半導体業界は別格だとして中国経済の減速で回復が遅れている業
界は素材中心に多岐に及んでいます。以上の事を考えると年末ラ
リーがあるとしても一旦はどこかで調整が入る可能性がありそう
です。個人投資家は時間の制約はありません。運用が上手くいか
なくてもクビになることはありません。持たざるリスクという言
葉に惑わされせず自分のタイミングで投資を行えばいいのです。
市場注目のFOMCは予想通り0.25%の利下げを決定しました。予防
的な利下げは一旦打ち止めという内容でした。NY市場がそれでも
上昇して終わったのは経済次第で年内の利上げはあるかもしれな
いという期待からです。もっとも金利の下げ余地は確実に小さく
なっています。株式市場が好感する適温相場を取り戻すには景気
回復が必要です。焦点は世界景気の行方になるのではないでしょ
うか。