kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

三菱電機お前もか

2012-01-31 08:35:42 | 日記
相も変わらず企業の不祥事から株価が急落するケースが後を絶ちません。
今回は電機業界の優等生の三菱電機が舞台です。三菱電機と言えば他社
に先駆けて携帯電話などの競争の激しい事業から撤退して自社の強みであ
るFA(ファクトリーオートトメーション)や電力システムや電車や自動車の電
装品などに経営資源を集中させて高収益を上げています。

円高やデジタル家電の競争激化から大手電機各社が軒並み大幅な減益や
赤字決算に追い込まれているのとは対照的にFA部門の好調などで底堅い
業績で株価も先週は昨年末よりも1割上昇する場面もありました。今や電
機銘柄というよりも機械銘柄と捉えた方がいいのでしょう。そんな最中に表
面化した防衛庁向けで不正請求、今回の不正でさっそく防衛省やJAXAが
三菱電機を指名停止処分したことから今後の収益への悪影響を懸念して
朝から売り物が殺到して結局30日(月)の終値は113円安の650円に急
落しました。

指名停止処分が主要事業のひとつである防衛・宇宙事業に与える影響は
決して小さい訳ではないでしょうが、三菱電機の2本柱である産業メカトロ
と重電システム事業が稼ぎ頭であることを考えると会社全体の収益に与え
る影響は限定的だという見方もあります。もっとも株価もここ数か月の高値
圏まで上昇していたこともあり外国人投資家の売りも出たことで下げ幅が
大きくなったようです。財務内容の良さや主力事業が堅調なことから現時点
ではここから下げても昨年10月5日の安値608円が下値の目途になりそう
です。

それにしても会社の不祥事から株価急落する銘柄が増えているように感じ
ます。悪材料が出るたびに急落する株価を眺めていると残念ながら現時点
では中長期での投資を考えて底値圏をじっくり仕込んで待つという投資のセ
オリーが取りづらい最近の市場には頭が痛い状態です。

もっとも逆転の発想なら急落した銘柄でも収益に与える影響が限定的なら
株価の位置によっては大きな投資妙味も出てくるかもしれません。買う買わ
ないにかかわらず今日以降の株価をじっくり観察するのも今後の投資に役
立つかもしれません。
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すべては決算後

2012-01-30 08:09:47 | 日記
先週から日本でも決算発表が本格化してきました。これまでのところ大震
災やタイ洪水それに円高から輸出関連銘柄中心に減益決算を発表する
企業が多いようです。ある程度の減益は予想されましたが個別企業では
市場予想よりも大幅な下方修正を発表する企業もあり俄かに警戒感が高
まっています。

一部には今期の減益決算で悪材料出尽くしで既に来期の増益を先取りす
る状況と言う見方もありますが、企業によっては来期低迷が続くという危惧
も出てきています。この水準から上は日本株全般が出遅れだけで買ってい
ける状況でないのも事実です。上昇を持続するためには業績の急回復の
裏づけが必要なことは勿論です。しかし企業によって業績の回復度に濃淡
があることも明らかになってきました。

日本株に大きな影響を与えるNY市場も先週ザラ場では一時リーマンショッ
ク後の高値1万2810ドルを更新したこともあり、今週はやや警戒が必要で
す。今のところ米国景気も緩やかに回復していることもあり、また14年末ま
で金融緩和を続けるFRBの方針も出てきて今後大きな調整は想定してい
ませんが、12月20日から上昇続きのNY市場はどこでいったん軽い調整
局面になっても不思議ではありません。

今週以降の米国株は企業業績の発表も一巡して市場の注目はおのずとマ
クロ指標や欧州財政危機の行方に向かうことも考えられ年初から世界的な
株高局面に変化の兆しが出ることも考えておかなければなりません。一番
のネックである欧州財政危機が解決に向けて大きく前進した訳ではないの
です。

日本市場は確かに欧米市場に比べて出遅れていて上昇したと言っても僅か
です。しかし上昇の主役が自動車株を中心として外需関連銘柄です。一時
98円台にのせた円相場は米国が予想以上の金融緩和を続けると言うこと
から再び76円台に逆戻りしてしまいました。何とかこの水準で踏み留まって
いればいいのですが、もし75円台に突入したらこのところ上昇した銘柄にや
はり嫌気売りがでます。ここは慎重を期すため決算発表で内容を見極めて
銘柄選別を徹底したいところです。今週は節分天井彼岸底の格言どおりに
警戒モード優先で安全運転第一に考えながら投資のタイミングを計っていく
べきかもしれません。
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スマホ業界勢力図

2012-01-29 09:01:16 | 日記
11年10月から12月の3ヶ月間でアップルが3700万台、サムスンが3600
万台方やNECは今期の年間販売見込みが500万台(在来型携帯とスマホ
合計)これではもはや勝負あったという数字です。スマホは今や世界中で販売
を伸ばしています。なかでも日本市場は世界でも最も伸び率が大きく前年の
2.2倍とか言われています。日本のスマホ市場の拡大もかなりの部分はこの
2強の販売増という形で進んだのでしょう。

世界に目を転じてみても携帯端末の巨人と言われたノキアはスマホの商品
化で出遅れてそのシェアを大きく落としました。またブラックベリーで有名な
スマホの老舗企業のリサーチ・イン・モーション(RIM)社もアップルとの競争
で窮地に立ち昨年末には身売り話が出ています。新たに参入した企業が大
きくシェアを伸ばす一方、つい数年前までシェアトップだった企業がシェアを
大幅に落とし企業の身売り説まで出るくらい今や成長産業のスマホ業界も
熾烈な競争に立たされています。

世界共通仕様のスマホで日本企業が現在の5社体制でどこまで戦えるでし
ょうか。PC業界で今や日本企業の影が薄くなったようにスマホでも同じ道を
辿りつつあります。一刻も早くオールジャパン体制で臨まなければ近い将来
スマホでも勝ち組に日本企業は名を残せないでしょう。液晶テレビやPCなど
多くのデジタル製品の主戦場が新興国に移り世界的な規模で生産販売をす
る企業しか生き残れなくなりつつあります。優勝劣敗がますます激しくなるマ
ーケットで生き残れる企業を投資家は見極めなければなりません。

たとえ日本企業が同等な性能のスマホを出したとしても既に世界的なブラン
ド力を確立した海外企業と互角以上に競争することは難しいでしょう。2強よ
り一歩先を行く製品を出すしかこの競走に勝ち残ることはできません。それ
には膨大な開発資金とマーケティングが必要です。現在の日本企業の事業
規模でこの課題をクリアすることは至難の業です。やはりここは企業の枠を
越えてオールジャパンで対抗するしか方法はなさそうです。
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隠れたテーマ

2012-01-28 08:49:50 | 日記
多くのグローバル企業が今後の成長戦略にアジアの売り上げ拡大を挙げて
います。またそのためにはM&Aを挙げています。もっとも買収対象の有望
企業は世界の有力企業も虎視眈々と狙っている訳で買収金額が吊り上って
結果的に高い買い物になる危険性もあります。

確かにアジア市場の高い成長は今後も期待できますが、たとえ買収に成功
したとしても競争激化や世界経済の変調で市場が求めるほどすぐには成果
が上がらないケースもあるでしょう。ともすると企業の営業活動の時間軸と市
場の結果を求める時間軸とのギャップから短期的にはM&Aが株価の足を
引っ張るケースもあるでしょう。

いずれにしても企業が成長を海外に求める流れは続くでしょうし事業を拡大
するにはある時には自前である時には現地企業買収も必要です。。もっとも
リスクを伴う海外企業の買収には国内での強い事業基盤が欠かせません。
国内市場でしっかり稼いで時間をかけて海外市場を開拓する。それには国
内市場の限られたパイを多くの企業で奪い合うのではなく持続可能な利益
を上げていくということが大事です。

これだけ日本の株式が安い状況です。海外の有望な企業のM&Aと同じくら
い国内企業のM&Aや上場子会社の完全子会社化で利益の社外流失をな
くすとか余剰資金の使い方の選択肢は多いと思います。強い国内事業があ
ってこそリスクの高い海外事業にじっくり取り込めるのではないでしょうか。

二度の自然災害から復活を目指す日本企業の隠れたテーマは国内のM&A
を通して強い国内事業を作ることかもしれません。さしあたり親会社が大株主
の上場企業で事業戦略上子会社化を目指すような企業のリストアップを作る
のも面白いかもしれません。

そんな目で見ているかもしれませんが、トヨタの子会社の日野自動車やダイ
ハツが今週昨年来高値を更新していますが、背景にはもちろん業績の好調
という理由があるのでしょうが、何かそれだけではないような気がします。
2社の完全子会社化で今後オールトヨタの逆襲が始まるという見方は少々
飛躍しすぎた見方でしょうか。新興市場でも海外企業との一層の競争激化が
予想される状況です。グループ企業が一致団結して戦わないと国際競争には
勝てないのかもしれません。グループ企業の再編で国内事業の強化と海外
進出の加速が今年の隠れたテーマかもしれません。
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オールジャパンで

2012-01-27 00:16:04 | 日記
アップルの業績拡大は目を見張るものがあります。もっともスマホにしても
タブレットPCにしてもアップルが新発明したものではありません。アップルが
その製品の操作性を改善したことが広いユーザー層に支持された理由です。
それと音楽や本などのデータやアプリをネット経由で利用しやすくした点が
優れたことだったのです。

世界市場ではスマホと言えばiPhoneというブランド力が確立しました。それに
対抗している製品はアンドロイド陣営のサムスンのギャラクシーです。日本
陣営ではわずかに国内市場でシャープや富士通製のスマホが健闘している
程度です。日本勢の強みはお財布機能や防水機能など世界標準にはない
機能が充実した製品だからです。

もっとも携帯電話市場のシェアの半数を握るドコモが今のところアップル製
品を扱っていないから日本の端末メーカーも持ちこたえているのでしょうが
もしドコモがiPhoneを取り扱うようになったら一段と日本の端末メーカーは苦
戦しそうです。日本の携帯端末メーカーはソニーエリクソンを入れて5社です。
携帯電話の契約数の純増が大きく期待できない日本市場では買い換え中
心のスマホの販売もいずれ頭打ちになるでしょう。

その時にこの5社体制が維持できるのでしょうか。日本メーカーの場合多く
が電機メーカーや通信機メーカーの一部門としてスマホを手掛けています。
このままの体制ではいずれ半導体や液晶テレビのように世界市場で存在
感のないメーカーになってしまう懸念は決して少なくないと思います。今こそ
世界市場で勝ち残っていけるようなメーカーへの再編が必要ではないので
しょうか。

昨日発表したNECの赤字決算の要因の一つが携帯電話端末の下方修正
です。(650万台から500万台)社長も認めているように競争力のある端末
を市場に送り出せなかったことが下方修正の背景にあります。iPhoneが世界
的に販売を伸ばしたということはその煽りで販売台数を減らしたメーカーが
あったということです。iPhone以上の魅力あるスマホを出せなければ今後も
期待は望み薄です。

スマホもデジタル製品です。PCや液晶テレビのようにいずれ新興国企業が
低価格を武器に存在感を増してくるでしょう。その時にモノをいうのはブラン
ド力です。現状では日本メーカーが海外の大手と競争できるだけのブランド
力を持てるか甚だ疑問です。今こそオールジャパンで世界市場での競争を
仕掛ける好機なのではないでしょうか。残された時間はそれほどたくさんあ
りません。
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