kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ブラックスワン

2015-09-30 07:58:45 | 日記
お詫び
寄り前にはアップしたはずなのですが旨くいってなかったようです。
改めて今アップロードしました。

29日の東京市場は海外株安もあり大幅に下落しました。世界的な株安が背景
にあるとはいえ4%を超える下落率は突出しています。配当落ち分110円があ
るとは言え2営業日で900円を超える下げは現在の市場が買い手不在を示して
いるようです。9月第3週の海外投資家の売り越し額はVWのスズキ株売却分を
除いても3257億円でした。海外投資家の売りが止まらない限り国内投資家の買
いだけでは下落を止められません。

東京市場は29日の下げで2014年末の1万7450円を500円弱下回り年初からの
騰落率がマイナスに転じました。29日の空売り比率はついに43.4%まで上昇し
先安感が一向に解消されません。配当落ち後に売りのタイミングを見計らって
いた海外のヘッジファンドなどの短期筋の売りが大量に出ているのかもしれま
せん。

不思議なもので下落トレンドになると弱気材料が次々に出てきます。FRBの利
上げ時期の不透明感に加え中国景気の先行き不安それに突然飛び出したVW
の排ガス試験不正問題、29日には第一中央汽船の破綻も市場心理の悪化に繋
がりました。今後もVW問題はしばらく余震が続きそうです。不正問題がVW車の
販売不振に止まらず自動車の買い控えにまで広がれば影響は大きくなります。
今のところそこまで影響が大きくなるという見方はありませんがブラックスワンと
して頭に入れておく必要があります。

現時点での株価水準が中国景気不安など悪材料をどこまで織り込んでいるか
分かりません。ただし 日本株が本格調整に入って1ヶ月半弱です。格言にある
ように小回り3ヶ月だとすれば11月初旬まで厳しい状況が続くかもしれません。
10月には年初来安値1万6592円(1月16日)を試す場面や黒田バズーカ2で暴
騰する前の抵抗ライン1万6300円前後までの下値も意識されるかもしれません。
その頃には追加緩和催促相場という文字が躍っているかもしれません。

ここ数週間空売り比率が高くなっても反発は一時的で上昇局面は短命でした。
テクニカル的にはこれまでの経験則が通じない相場です。6月末までの押し目
待ちに押し目なしという強気相場が嘘のように外部要因で大きく動揺する相場
に逆戻りしてしまいました。かなり弱気な言葉を羅列しましたが日柄調整がまだ
続くようなら反発力は弱く下げに転じれば一方的に大きな下落に成り易い相場
の転機はまだまだ訪れそうもありません。

ブラックスワンに例えられる予想外の結果が起こっても不思議ではありません。
ここから郵政上場の11月4日前後までがもっとも警戒する時期ということは肝に
銘じるべきかもしれません。相場には行き過ぎはつきものです。指標面で割安と
いう買い方の論理は時としては気休めにしかなりません。
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お詫びと訂正

2015-09-29 14:42:09 | 日記
9月28日付のタイトルと記事内の表記で誤りがあったのでここでお詫びと訂正を
します。
春節(誤)→国慶節(正)

2時40分過ぎの東京市場は1万7000円割れの大幅安で推移しています。中国経
済を発端とした世界経済への先行き不安や円安進行への期待感の剥奪で企業
業績の不透明感が増してアベノミクス相場スターと以来の低水準まで落ち込んだ
PERでも買いの手は引っ込んだままです。

2万円を割れた後は徐々に水準が切り下がり当面は1万7000円の攻防になりそう
です。外部環境次第では今後もう一段の水準切り下がりは避けられそうもありま
せん。しばらく売り方主導の相場で買い方には厳しい試練が待ち構えていそうで
す。

売り方主導の相場だから上昇に転じると買戻しが次々に入り上げ幅を広げる展開
になります。しかし翌日には買戻しが一巡すると再び下げに転じて上げも単発で終
了となります。しばらくは辛抱が必要なのでしょうか。
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シャープの危機は去らず

2015-09-29 08:35:32 | 日記
予想外のVWショックで先週の東京市場では年初来安値を付ける銘柄が連日で
三桁に乗せました。自動車産業は裾野の広い産業です。完成車メーカーに部品
を納入しているメーカーやその部品の素材メーカーである鉄、非鉄、化学など広
範囲に及びます。パナソニックや三菱電機の家電メーカーでさえ自動車業界は
大口取引先の一つです。業界自体が巨大な産業であるがゆえに経済に与える
影響は大きくなります。

もし同様の事件がトヨタに起これば日経平均は2000円安くらいの下げがあっても
不思議ではありません。ドイツ以上に日本の自動車産業の存在は大きく乗用車
メーカーが8社、商用車メーカーが3社と世界でも類を見ないほど多くの企業が
存在します。影響は多方面の業種に及びます。大手企業にはこのような不正を
防ぐためにガバナンスの徹底をもう一度再確認して欲しいと願うばかりです。

VW問題に揺れた先週の東京市場ですが余りニュースにならずとも見過ごせな
い出来事もありました。それは年初来安値を付けた銘柄でシャープの値下がりが
目立ったことです。株価が低位なので実感が湧きませんが先週の下落率は11%
と二桁の数字でした。100億円の黒字を見込んでいた4~9月期が液晶事業の不
振から赤字に転落というニュースが直接の下げの原因です。もっともこのところ
のニュースで中国のスマホ市場の減速が度々伝えられていたので赤字転落は
避けられないだろうとみられていました。それでも実際に数字が出てくると改めて
嫌気売りが出たのでしょうか。

今更ながらという思いもありますがシャープの計画未達はもう何度目のことでしょ
うか。赤字の元凶である液晶事業の足腰が弱ってることを経営陣は正しく認識し
ているのでしょうか。収支トントンの下方修正ならともかく赤字が300億円に膨れ
上がるともみられています。これだけの数字のブレは変動の激しい事業といえど
も会社が期初に出してきた数字が余りにも甘い見通しだと言われても仕方ありま
せん。

そもそも巨額赤字計上で財務体質が脆弱になったシャープには市場変動が激しく
巨額な設備投資が重荷になる液晶事業を単独で立て直すことが可能でしょうか。
中韓メーカーが激しく競争する市場で市場シェア上位メーカーと言えども価格競
争激化から利益を上げることは難しくなりつつあります。今やジャパンディスプレ
イを加えた日本メーカー2社とも生き残れる可能性は非常に低くなっています。

これまでも液晶業界の先行きを考え通産省主導でジャパンディスプレイ主導で
集約する動きがありましたがシャープが単独での生き残りにこだわり実現しま
せんでした。液晶事業を生み出し世界をリードしてきたという自負もあったので
しょう。黒字決算だった1年半前の2014年3月期が今から思えば最後のチャンス
だったかもしれません。当時の経営陣が単独での液晶事業に見切りをつけ会社
のダウンサイジングを目指していたらここまで追い込まれることはなかったかも
しれません。

対策が後手後手に回ってしまったシャープの再建は限りなく不透明になりま
した。赤字の元凶の液晶事業だけでなくテレビや白物家電に至るまで聖域を
設けない事業の見直しは避けられないでしょう。これ以上の赤字垂れ流しは
資本の毀損を伴います。再建は時間との勝負になりそうです。一刻の猶予も
許さない状況が迫っているようです。
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国慶節頼み?

2015-09-28 02:35:46 | 日記
先週はVWの排ガス試験不正問題から完成車メーカーから部品メーカーまで
幅広く売りが広がりました。ディーゼル車には欠かせない排ガス浄化装置の
日本ガイシやイビデン、ターボチャージャーのIHIや三菱重工、電動パワステ
の日本精工やジェイテクト、ワイヤーハーネスの住友電工、トヨタ直系のデン
ソーやアイシン精機、小糸製作までとにかく自動車分野に関係する銘柄は狙
い撃ちされました。不正問題がVWだけでなく自動車販売全体の買い控えに
まで発展して業界全体が大きな影響を受けるかのような反応でした。

しかし日足チャートを観ると25日には下げ止まりの陽線を引く銘柄もあり今後は
個別企業で影響が出てくるとしても自動車関連全体がパニック的に売られる場
面は次第に鎮静化しそうです。そしてVW問題で浮かび上がったのは自動車分
野でビジネスを展開している日本企業が如何に多いかです。自動車に今後も求
められる環境性能や安全性分野では日本の部品メーカーは高い技術力があり
世界の自動車産業を支える存在です。強みは時として今回のように思わぬとば
っちりを受けることもあります。良くも悪くも株は連想ゲームですから避けて通れ
ない問題です。

さて今日は3、9月期決算企業の配当権利落ち日です。今日から実質的に下期
相場入りです。7月下旬時点の市場関係者の予想では9月末2万1000円という
数字が躍っていました。まさかこの時点で1万8000円を割れているとは誰が予
想したでしょうか。円相場が120円程度で落ち着いているにも拘らず株価の落ち
込みは大きすぎるように感じます。

ここまでの大幅な下落を考えていなかった投資家にとっては結果的に2万円割れ
の逆張りは完全に裏目に出ました。梯子を外された投資家が多かっただけに仮
に回復するとしてもまだまだ時間がかかりそうです。8月の中旬から始まった本格
調整は1ヶ月半が経過しました。10月、11月と底値確認から反発年末年始高のア
ノマリーでを期待したいところですがFRBの利上げ時期や世界経済の不透明感
払拭など消化が進むかどうか慎重な見極めが必要です。

今回のVW問題や中国景気不安などもあり当面はある程度安心して買えるイン
バウンド銘柄などの内需銘柄が再び市場の注目を浴びるかもしれません。10月
は国慶節で中国人観光客の増加が予想されます。インバウンド銘柄に注目が再び
集まる可能性は高そうです。インバウンド銘柄は依然バリエーションの高さが気
になりますが銘柄によっては許容範囲まで下がったものもありどんな悪材料が
飛び出すか分からない外需銘柄よりも安心感はあります。さて結果はどうなるで
しょうか。

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フキゲンワーゲン

2015-09-26 08:13:07 | 日記
二日だけの立ち合いだった今週の東京市場は連休中に海外株安が進んだ事や
VWの排ガス試験不正問題の影響もあり298円値下がりしました。配当権利付き
最終日だった25日にはアベクロ会談から追加緩和期待が株価を押し上げました。
形の上では1万7500円前後に下値抵抗を見せたことになりました。

日米欧の今週の株式市場はVWの排ガス試験不正問題が飛び出し中国景気
先行き懸念や利上げ時期の不透明問題で冴えない展開を続けていた市場の
センチメントをさらに悪化させました。予期していない問題には市場は脆い体質
です。今回のVW不正問題で市場の低迷がさらに長引くことも懸念されます。

ガバナンスが進んでいると思われていた欧州の代表企業の不祥事には驚きまし
た。ガバナンス後進国のアジア企業ならともかく厳格なドイツ企業が当事者にな
ったことは驚きです。日本でも東芝不正会計問題でガバナンスの重要性の欠如
が話題になっていた矢先の出来事だけにどこにリスクが飛び火するか市場の疑
念は強くなりそうです。自動車産業は規模だけでなく裾野の広い産業だというこ
とが市場への影響を増幅しています。

数年前米国では韓国の現代自動車が燃費をごまかしていたことが発覚し販売
不振に陥りました。VWの不正が始まったのが2009年だということは現代自動
車問題が発覚した時には既に不正に手を染めていたことになります。VWも現
代自動車もリーマン後急激に世界販売を伸ばしました。その2社の不正発覚は
偶然なのでしょうか。販売の拡大を急ぐあまりどこかで不正を生む土壌が知らず
に出来上がっていたのでしょうか。世界のビッグスリーのGMもトヨタも販売を急
拡大した後に危機が訪れました。この教訓をVWが活かせなかったことは本当
に残念です。

VWには絶対的なリーダーとして長らく君臨していたピエヒ監査役会長が権力闘
争に敗れ4月に辞任するというお家騒動がありました。7月には日本法人社長が
突然辞任するという事件もありました。真相は明らかになっていませんが1~6月
に輸入車トップの座をメルセデスに奪われたこともありドイツ本社との販売方針を
巡る対立があったと囁かされています。

1~6月までの世界販売はトヨタを押さえて世界のトップになり年間でもトップが
視野に入ってきました。しかし日本だけでなくVWの躍進の原動力だった中国
市場でもここ数ヶ月販売の急減速が目立つようになりました。外資系トップの
販売台数を誇った中国市場出の変調は既に始まっていました。今回の不正
問題発覚で販売不振に追い打ちがかかる懸念もありそうです。

明日の更新はお休みします。
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