kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

注目は中国PMIか

2019-04-29 12:32:28 | 日記
日本列島は10連休の3日目に突入しました。世界の経済や市場は動い
ているのに日本だけはお休みモードです。月初の経済統計が多く発
表されるのでその結果次第では海外市場は大きく動くかもしれません。
米国の雇用統計よりも東京市場にとっては中国PMIの結果が鍵を握る
かもしれません。

上海市場が4月の8日の3288ポイントを高値形成後に先週は調整色が
強まりました。預金準備率の追加引き下げ期待が後退したことがさ
らなる景気刺激策は当面期待できないということが先週の上海市場
が下げた要因のようです。

日経平均は先週週間ベースで58円高と小幅上昇で終わりました。
一方4月上旬から上昇を先導してきた機械株や半導体関連銘柄は下
げる場面が多かったようです。ファナックの今期決算が予想以上に
落ち込むとか、5G関連の本命銘柄の中心であったアンリツの今期業
績も大幅に市場予想を下回る大幅な減益見通しを出すなども投資家
心理を冷やしました。

中国景気の回復期待が機械や電機銘柄の買い方のよりどころでした
から1日発表になる中国PMIの結果が思わしくなければ日本株全般に
も逆風となりかねません。米国市場でも中国市場での売り上げが大
きいキャタピラーや3Mは先週大きく下げました。

東京市場はNY市場以上に中国関連銘柄が市場に与える影響が大きい
だけに中国景気の行方は一層気になります。10連休明けの相場が
一段高するかどうかはもちろん米国株の行方も大事ですが、中国景
気の懸念が払拭され上海市場が落ち着くかどうかも重要になってき
ます。

29日の上海市場は午前中の取引で下値模索する場面もありましたが
午後の取引ではプラス圏に浮上する場面もありました。13時時点で
は小幅安で推移しているようです。まあPMIの結果次第では上にも
下にもブレそうです。
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BBレシオとSOX指数

2019-04-26 04:56:13 | 日記
今週の動きは先週とはやや真逆の展開で外需銘柄売りの内需銘柄買
いという流れが少し強まりました。まあ機械や半導体株は4月初め
から決算内容を確かめずに見切り発車のように人気になりました。
外需銘柄は今週末からの10連休もあり一旦利益を確定したいという
投資家の心理も理解できます。

機械・電機銘柄の前のめり気味な流れが加速したのは様々な産業に
使われるサーボモータ大手の安川電機の決算内容は芳しくなかった
にも拘わらず発表後騰勢を強めたのも原因のようです。自社株買い
発表も好感されたでしょうが。それだけでなく底入れの予兆を市場
が感じ取ったからかもしれません。安川電機は3月決算から2月決算
に変更になり3月期決算企業の一種の指標株の色彩をより強めました。

少しフライング気味な上昇が結果的に連休前の利益確定売りが重な
る要因にもなりました。もう一度外需銘柄に物色が戻るには中国の
4月PMIなどの経済指標で回復が続いているかどうかを確認する必要
がありそうです。

米中貿易戦争はハイテク摩擦の側面もあります。軍需用にも重要な
立ち位置の半導体産業の優位性は米国としても譲れないところです。
ファーウェイを筆頭に中国の半導体産業の技術レベルは予想以上に
高まっていると25日の経済紙は伝えています。

5G時代を目前に控え市場でも半導体業界の動きは注目の的です。半
導体産業の好不調を測る物差しにBBレシオがありました。BBレシオ
とは「受注高と出荷高の比率。1より低いと受注不調、1以上だと好
調を示す。半導体製造業界の需給状況を示す指標として使用される
ことが多かった。」とあります。

しかし2017年に日米の半導体製造装置メーカーは販売額の公表だけ
で受注額の公表を取りやめました。受注額を基に将来の半導体産業
の好不調を判断していた市場は先取りして株価材料にしていた指標
が無くまりました。

最近BBレシオに代わって半導体株の材料となっているのがSOX指数
です。SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)とは、半導体の
製造・流通・販売を手掛ける企業(インテル、AMD、クアルコムな
ど30銘柄)の株式で構成される単純平均株価指数で、アメリカのフ
ィラデルフィア証券取引所が算出・公表しています。」と説明され
ています。

個別銘柄の株価を参考にしているだけに業績以外の要素も入ってき
ます。先週SOX指数が急騰したのは5G通信用半導体特許で争ってい
たアップルとクアルコムが和解したことでクアルコム株が急騰した
ことです。またインテルが5Gに対応する通信用半導体開発から撤退
するという発表が好感されて株価が上昇しました。

半導体産業の景況感が大きく好転したのなら世界一の半導体製造装
置メーカーのアプライドマテリアルが人気化する筈ですが2018年の
高値からまだ3割近く低い水準です。BBレシオのように半導体産業の
景況感を敏感に表す指数ではないことには注意が必要です。東京エ
レクトロンなどの上値が重いのもこんな理由からです。日本の半導
体関連銘柄に人気が回ってくるにはアプライドマテリアルの一段高
が必須のようです。

10連休中は更新をお休みします。市場で気になるニュースが出てく
れば随時更新します。
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連休前の金縛り

2019-04-25 06:09:50 | 日記
24日の東京市場では寄り前にはナスダック市場の最高値更新やNY
市場の反発で2万2400円超えという予想もありましたが、買いは
続かず午後の取引では水面下の動きが続き結局大引けは59円安で
終りました。

やはり未踏の10連休を控えていることやこれから本格化する企業
の決算発表が見たいという投資家心理が働いたのでしょうか。一部
には追加の景気刺激策が後退したとの観測から上海市場の上値が重
くなってきたことを不安材料に挙げる見方もあったようです。

特に国内投資家の慎重姿勢は強いようです。先週末時点の信用買い
残高は651億円減少して2兆1161億円になり10年ぶりの低水準に落
ち込みました。個人投資家は先高期待から押し目買いするよりも連
休中の急変に備えて利益確定売りを選んでいるようです。また24日
の市場では国内機関投資家が連休を控え新規の買いを見送っている
という声も聞かれたようです。

今年は異例の10連休となったことで過去のGW中のアノマリーも通用
せずリスクを取る動きが本当に少ないようです。米国株高も国内市
場が大きく中国経済との連動性の薄い米国経済と中国景気の影響を
受けやすい企業の多い日本経済との違いが米国株高に追随できてい
ないという見方もあるようです。

連休後には割高感の強くなっている米国株から出遅れの日本株に海
外投資家の買いが本格化するという期待も一部にはあるようですが
それには米国株高基調が持続していることと日本企業の決算発表で
今期業績の不安が乗り除けるかがカギを握っています。

10連休という永い休みを控えたこのタイミングで敢えてリスクを取
り先回り買いする投資家は少ないようです。もっとも10年ぶりの低
水準に沈んだ信用買い残高は上値での売りの少なさに繋がります。
不安要因が取り除かれれば10連休後の株高が進む可能性もあるでし
ょう。

もっとも市場の注目が高いファナックは今期も大幅な減益予想を出
してきました。先週まで機械や電機などの中国関連銘柄の上昇が大
きかっただけに他の銘柄への連想売りも出そうです。同じく市場の
注目を集める日本電産が今期最高益予想を出してきただけにファナ
ックの不振が目立ちます。

ファナックや工作機械の心臓部にあたるNC装置で世界シェアトップ
それにロボットでも世界の4大メーカーだということは広く知られて
います。2主力事業に加えて2015年に最高益をたたき出した主役は
スマホの金属ケースを加工するロボマシンでした。利益率の高いロ
ボマシンの不振も大きいようです。

しかも今後本格普及が予想される5G向けのケースではケースが金属
から樹脂製に切り替わるという予想があります。5Gは電波の特徴か
ら金属ケースを通りにくいということでメーカーが高級機機種で採
用していた金属製から樹脂製を変えると予想されています。

5Gでも引き続き金属ケースが採用されるのであればロボマシンの需
要もいずれは戻るでしょうが、樹脂製では需要そのものが消えます。
ファナックの不振は日本電産のように次の需要動向を読み製品構成を
柔軟に変えてこなかったこともありそうです。機械や電機メーカーも
業績や将来性で選別が起きそうです。
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常に栄枯盛衰

2019-04-24 07:14:00 | 日記
業種 2012年12月末 15年3月
医薬品   17.6      35.2
不動産   24.5      27.9
サービス   16.7    25.6
食品   17.1      24.9
小売業   14.0      24.9
鉄道・バス  14.9      22.0
電気機器   165.4      21.7
陸運   13.9      20.4
機械   18.6   19.0
化学   17.3      18.9
通信   10.7      16.4
建設   18.4      16.4
証券   38.6      14.7
自動車   15.2      12.8
銀行    9.2   11.1
日経平均   17.0      16.9

まず上の数字を見てください。東証1部の業種別PERの12年12月末
と15年3月末を比較した一覧です。12年末はアベノミクス相場の
本格スタート直前の時期です。また2015年3月末は日経平均が2万
円に到達の3週間前の時期です。2015年はアベノミクス相場第1幕
が終る年です。

2012年末ではほぼ業種に関係なく多くが10倍台後半に集中してい
ます。電気機器が一桁違うのは大手電機メーカーがリストラの一
環で多額の特別損失を出し巨額赤字に転落したからです。また証
券が高いのも2012年の株価低迷が原因です。証券は典型的な市況
産業です。

12年年末と15年3月期を比べると内需系銘柄のPERが大きく上昇し
たことが一目瞭然です。2013年以降アベノミクス相場が本格化し
まし円安株高が進みましたが、円安メリットを受ける自動車や機
械、電機業界業績の伸びにほぼ見合う株価上昇でした。

一方内需系の食品や小売りなどは業績の伸び以上に株価が大きく
切り上がり結果的にPERは市場平均を5割ほど上回る水準でした。
少なくともアベノミクス相場で第一幕の主役はバリエーションが
大きく切り上がる形で内需系銘柄の大幅上昇が示しています。

カルビーなど中堅商品メーカーだけでなく永く相場らしい相場の
なかった老舗の明治や森永など食品銘柄の株価が2013年から数年
で5倍以上に急騰しました。株価上昇の背景には機能性食品など
のヒット商品が業績を大きく上昇させたこともありますが、ほと
んど動意づくことも無く永く相場のなかった内需銘柄吹いた追い
風も一役買ったようです。

小売り銘柄もファーストリテイリングやニトリ、ABCマート、良
品計画ドン・キホーテなど高成長銘柄を中心にスーパーやコンビ
ニそしてドラッグストア株が大きく上昇しました。しかし時は流
れ市場の人気銘柄も移り変わります。4月以降小売りなど内需銘
柄の株価下落が鮮明になったのは10月に予想される消費税引き上
げの影響もあるでしょうが多くの銘柄で過大な成長期待が後退し
たことからかもしれません。

そもそも食品や小売りなどはメーカー数も多く常に過当競争にさ
らされています。機能性食品などのヒットで差別化出来一時は業
績を伸ばしてもほぼ国内市場に依存するこれらの企業の成長余地
は一部を除いて余り高くありません。世界を相手にビジネスを展
開するようにならないと持続的な成長は望めません。

バリエーションが切り上がった内需系の多くの銘柄は再び2012年
の水準に戻る形で今後も株価修正が進む可能性を捨てきれません。
高値からある程度下げたからと言って内容をよく吟味しないで投
資することは余り賢いやり方ではありません。

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流れは変わらずか

2019-04-23 07:15:02 | 日記
3月時点ではこれ程までに内需銘柄売りの外需銘柄買いが鮮明に
なると誰が予想したでしょうか。4月末からの経験したことの
ない10連休中がより投資家の警戒心を強めました。連休直前の
26日には米国の1~3月期のGDP発表があります。

10連休中にはFOMCや米雇用統計が予定されています。5月早々
には中国製造業PMI発表も予定されています。いずれの指標も
株価への影響が高く結果を受けて売買しようにも市場が休場中
では方法がありません。

個人投資家の逆張り買いで下落時には膨らむ信用買い残高が先週
時点でも10月と比べて1兆円も少なく推移しているのは勿論米中
貿易戦争の行方が不透明で中国経済の先行き不安が消えなかった
ことが大きかったのでしょう。しかしそれだけでなく10連休とい
う取引空白期間を敬遠したこともあったのではないでしょうか。

このような背景があることから株式への売買を手控える。或いは
影響の少ない内需銘柄へ資金を退避させるという動きが3月まで
続いたことは当然の対処でした。ところが相場は4月入りととも
に相場は内需銘柄売りの外需銘柄買いが鮮明になります。

またこの間大きな社会問題になったセブンイレブンの24時間営業
問題での成長期待の低下や内需銘柄の代表格の大和ハウスの不適
切建築問題で当該銘柄が大きく値下がりしたのも内需銘柄への警
戒心を高めました。悪いことは重なるもので先週には宅急便大手
のヤマトの業績下方修正が株価急落に繋がりました。

10連休前の取引も強を入れて4営業日です。外需銘柄物色が大き
な流れとなっているとはいっても決算発表でどんな悪材料が出な
いとも限りません。また連休中に予想していなかった悪材料が出
てくるかもしれません。

22日の東京市場は小幅高で終わりました。そのなかで上昇が目立
ったのは大和ハウスやセブンなどのコンビニやイオンなどでした。
これらの銘柄は先週の下げが大きかった銘柄です。連休を前に売
り方が一旦利益確定を行ったとの見方が多いようです。一方先週
まで上昇の目立った機械や電機銘柄には下げる銘柄が多かったよ
うです。

しかし現在の相場が世界経済の回復を買う流れなら22日の動きは
続かず、早晩先週まで人気だった銘柄が再び買われる場面があり
そうです。しかし市場でもまだ確信を持つまで景気敏感株に強気
にはなれません。月末や月初の経済指標を確認しながらの展開に
なりそうです。
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