kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

落ち着きどころを探る

2024-07-21 04:57:18 | 日記
先週の日経平均は1100円程の大幅下落でした。オプションSQに絡んだ上昇相場に終止符が打
たれたところに米国による先端半導体による対中政策が一段と強化されることが伝わると世界
的な半導体株安に繋がりました。このところの急上昇で過熱感の出て来た日本株にとっては影
響が一段と大きくなりました。今年の日経平均は値嵩半導体銘柄の動き次第で上にも下にも大
きく振れる展開です。

7月第2週の海外投資家は現物と先物合計で9762億円の買い越しでした。そのうち9割は先物で
した。経済誌の記事のよると海外投資家は日本株の持ち高を増やそうとしたら、まず最初に流
動性も高く取引コストも低い先物を手当てする。その後に現物株と置き換える取引もあると言
われていますが、どの程度あるのかは不明です。

第2週の4万2000円乗せのリード役が先物主導だとすると、また第3週の大幅安も先物主導での
下げではないかと思います。個人投資家は基本逆張りです。第2週は信用と現物で700円程度の
売り越しでしたが、第3週は急落過程で買い向かった可能性が高く大幅な買い越しになったので
はないでしょうか。

いずれにしても今週も下げが止まらなければ海外投資家売りの個人投資家買いという需給は変わ
らないでしょう。今週から決算発表が日本でもスタートしますが、4万円という今年の高値圏で
すから余程のことがない限り上昇しても4万1000円止まりかもしれません。既にひと相場終わった
形になっていますから次の上昇トレンドまで時間が必要という認識でいいのではないでしょうか。

決算を頼りに例年通り個別株物色が続き指数全体の大きな動きはないかもしれません。もしあると
したら下方向に走るケースです。今週末からオリンピックも始まります。日本選手の活躍次第では
株式市場は開店休業状態になるかもしれません。まずは先週の下げの元凶だった半導体セクターが
落ち着くかどうかがポイントです。

次回更新は23日を予定しています。
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半導体波乱

2024-07-19 06:55:05 | 日記
世界的な半導体株安は日本から始まり米国へそして再び日本へと戻ってきました。東京エレクト
ロン、スクリーンは17日も値下がり率上位に名を連ねていましたが、18日も値下がり率ワースト
5に入っていました。

半導体後工程を手掛け直接的には米国政府の規制の枠に入らないディスコもランクインするなど
売りは製造装置を手掛ける企業全体に広がりました。ASLMの受注好調なニュースも今回の下げ
では無視されたようです。

相場の流れがトランプトレードで半導体関連などグロース株から景気敏感株などバリュー株にセ
クターローテーションが鮮明になる中で過剰反応した面もありそうです。半導体を巡っては米中
の対立はトランプ政権が発足しても続くでしょう。

先端半導体は軍需にも転用できる重要な技術です。米中間の対立が続く間は米国による規制は強
まる傾向が続くでしょう。米中を巡る半導体のデカプリングは中国が規制の枠外の非先端品の国
産比率を高める対策が大きな波となりました。その恩恵を受けたのが日本の半導体製造装置各社
でした。

中国特需で世界的なシリコンサイクルが下向きの状態であっても2024年3月期決算で業績の上積み
が出来たのも事実です。市況低迷時でも国産比率の引き上げで設備投資を積極化してくれた中国需
要は天の恵みでした。

今回はSQ前に連騰し4万2000円台まで駆け上がり先週は半導体銘柄も上昇したこともあり過熱感が
高まったタイミングでの悪材料で思わぬ波乱に巻き込まれました。午前の取引終了時点で東京エレ
クトロン、スクリーンディスコの3銘柄がそろって9%安と大きく下げ5%安のアドバンテストを含め
て半導体製造装置4銘柄だけで日経平均を約440円押し下げたそうです。

18日のNYダウは533ドルの下落でした。このところの大幅高で金融やハイテク銘柄が売りに押され
ました。ナスダック指数も小幅下落でした。SOX指数は小幅高でした。エヌディディアが上昇する
一方アプライドマテリアルやASMLなど半導体製造装置銘柄は続落しました。

市場が予期していないあく材料に弱いことが改めて認識させられました。先端半導体分野での中国
規制は以前よりも続いていて半導体各社も最先端品の中国への輸出は制限していました。しかし既
に納入した製品のメンテナンスが続いていて今回そのサービスまで問題視されました。名指しで社
名が出たASMLや東京エレクトロンの下げが大きくなったのは投資家の混乱の大きさを示しています。

業績好調も対中国への規制の強化で半導体銘柄の軟調は続くという見方も市場の一部にはあるようで
す。ただ最終的には株価を決定するのは業績です。中国に対しての影響が現時点ではどの程度まで広
がるのか不明ですが、時間がこの問題を消化するでしょう。もし今後日経平均がさらに下値を探る展
開になるとしたら半導体セクターの下落が続くという流れになることです。

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看板の書き換え成功

2024-07-18 03:19:19 | 日記
17日の東京市場はNYダウが大幅高したことを好感して高く始まりましたが、次第に上値が重く
なり午後の取引では寄り直後にマイナス圏に突入しました。午後からは半導体関連の急落もあり
日経平均はマイナス圏の展開でした。SQ前日まで続いた急騰の反動がまだ続いているようです。

個別銘柄ではトランプトレードでキャタピラーが大幅高した連想から東京市場でも同業のコマツ
が10年来高値を更新しました。日立建機も上昇しました。コマツも日立建機もかつては中国関連
という位置付けでした。中国の景気動向で株価は決まってきました。

しかしコマツも日立建機も現地メーカーの台頭もあり中国市場のシェアは大きく低下しました。
結果的に幸か不幸か最近の株価は以前ほど中国景気の行方に一喜一憂することはありません。17日
4~6月期の中国のGDPが5%を割り込んだことで売られた安川電機とは明暗が分かれました。
看板の書き換えに成功した建機メーカーはトランプトレードの一角を占めることになりました。

ブルームバーグ通信が17日12時42分に「バイデン米政権は半導体製造装置大手の東京エレク
トロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提
供し続ける場合利用可能な最も厳しい貿易制限措置の利用を検討していると同盟国に伝えた」と
報じたのが売り材料になりました。

7月相場とともに人気は半導体銘柄よりも電子部品銘柄に移ったようです。先週の半導体株高は
ただの出遅れ修正だったのでしょうか。エヌディディア株の上値は重くなっていますが、日本の
半導体銘柄は米国の同業銘柄よりも軟調な銘柄が目立つようです。

例えば世界最大の半導体製造装置企業であるアプライドマテリアルは4~6月期の推移は東京エレ
クトロンよりも堅調な展開でした。先週の10日には上場来高値を更新しました。アドバンテスト
の同業でライバルでもあるテラダインも今月高値を更新しました。

東京エレクトロンもアドバンテストも日経平均指数寄与度の高い銘柄であることからCATなどト
レンドフォローの短期筋の先物買いでどうしても株価変動が大きくなります。指数が上昇してい
る時には値上がり幅も大きくなりますが、いったん調整局面になると指数の行方に左右されやす
くなります。

このまま半導体セクターが相場の主役を降りるとは思いません。データセンター分野に加えて早
ければ今年後半に需要が低迷していたスマホやPC向け需要の回復が期待できます。スマホやPCが
来年買い替えサイクルの本格化が期待できるとしたら、いずれ人気は戻ってくるでしょう。
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「ほぼトラ」トレード

2024-07-17 05:56:24 | 日記
日経平均に続いてNYダウも12日再び4万ドルを回復しました。一時は消滅した9月利下げが有力に
なってきたことで日米市場とも株式市場が息を吹き返しました。バリエーションは過去の平均水準
を超えるなど割高感も指摘されながらも今年ここまでは大きな波乱もなく高値追いを続けています。

週明けの米国市場ではトランプ前大統領の銃撃事件を受け、15日の米市場では同氏の大統領再選を
織り込む「トランプ・トレード」が加速しました。既に市場は「もしトラ」から「ほぼトラ」を株
価に織り込む段階に進んだようです。16日はさらに上昇が加速しダウは742ドル(1.84%)と大き
な上げ幅でした。

銃撃後に直ぐに立ち上がり拳を突き上げたトランプ氏のエネルギッシュな映像とテレビ討論会や
その後の会見で言い間違いの目だったバイデン大統領の年齢による衰えが対比され大統領選挙で
のトランプ優勢が一段と増したようです。

トランプ氏の勢いに乗る形で野党・共和党が米議会選で上下院の過半数を獲得するとの予想もあり
トランプ氏の政策が進むという連想も働きました。トランプ氏の大統領選での勝利がエネルギーや
金融株に追い風になるとの見方が広がりました。一方バイデン政権下で進められてきた気候変動対
策の先行き不透明感は増し、再生エネルギー関連銘柄は大きく下落しました。

テスラ株にとってはEV普及推進でマイナスとみられましたが、マスク氏が銃撃事件を受けトランプ
維持を表明したことでテスラ株も上昇しました。トランプトレードの勢いが感じられる動きなのでし
ょうか。テスラ株はEV市場の減速が嫌気され年初から冴えない展開でしたが6月に突如として人気化
して大きく上昇しました。

流石にマグニセントセブンの出遅れでロボタクシーへの期待が高くなって来たという材料で出遅れ修
正が一気に進みましたが、主力市場の中国で販売合戦の激化は続いていて同社を取り巻く環境は厳し
いままです。生成AI関連で人気化し高成長が続くエヌディディア株よりも高いバリエーションを正当
化するのは難しそうです。

3連休明けの東京市場は防衛関連が物色されました。また小型株の新興市場は3か月ぶりに高値を更新
しました。証券株が物色されたのも相場活況で潤うという解説がありましたが、銀行株に対して出遅
れていたことも背景にはあるようです。4万円突破の3月相場では生成AI関連で半導体などや一部の大
型銘柄が人気化しました。

しかし今回の4万円突破相場では出遅れ銘柄の活躍が目立ちます。大型株に対して中小型銘柄の上昇が
目立つことや半導体セクターに対して出遅れていた電子部品銘柄の上昇などが示しています。トランプ
の返り咲きが有力にあり大統領選挙をめぐる不透明感は薄れました。これまで接戦だった過去2回の大
統領選挙とは違い見切り発車の株高が始まったようです。

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SQトレードは一旦終了

2024-07-13 07:31:35 | 日記
オプショントレードは一服になるでしょうか。チャート的には天井を示しているという記事も
出ています。確かに1033円安という数字だけ見れば警戒感は高まるでしょう。もっとも12日の
値上がり銘柄は1020で値下がり銘柄のほぼ2倍でした。全面安ではなく指数の影響の大きな東京
エレクロロン(6.18%)やSBG(4.4%)、アドバンテスト(5.57%)やこのところ高値更新し
た日立や村田製作など軒並み売られたことです。

もともと先週から始まった急騰劇は多分にSQオプションに絡む売買だったことは明らかです。
売り方の買戻しが上昇に弾みを付けました。イベント通過と米株安、急激な円高が重なり大幅
安に繋がりました。SQ値は4万1531円でした。当日のSQ値を早期に越えなければ調整は長引く
という経験則もありますから来週の相場がどうなるのかが重要でしょう。

米国では景気敏感株に資金をシフトする動きもあります。日本でも同様の動きになっても不思
議ではありませんが、実質賃金のマイナスが続いていています。決算で出ている2~5月期の小
売りや外食企業の業績は一部を除いて厳しいものが目立ちます。今春の賃上げ効果は出てくる
7月以降に期待という見方もありますが、大きな期待は禁物です。

今月末から決算発表が始まります。円安基調の続いた4月以降の状況を考えると輸出関連銘柄の
想定社内レートを10円以上超える円安ですから上方修正は期待できそうです。もっとも銘柄によ
っては市場期待に届かなかったり、あるいは上方修正しても既に株価が大きく上昇する過程で
かなり織り込んでいたりで期待通り株価上昇に繋がらないケースも出てくるでしょう。

日経平均が過去最高値まで買い進まれたので全体的に株価水準は切り上がっています。例年以上
に決算プレイは激しい変動が予想されそうです。もう一度投資の原点に返り業績の先行きはどう
か株価は割高な水準まで買い上げられているのか、過熱感はないのか様々な視点でチェックが
必要です。

次回更新は17日を予定しています。
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