kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

4月の株高に期待

2023-03-31 06:36:10 | 日記
配当落ち日の日経平均は100円安で終えました。配当落ち分が257円という試算もあり
それを考えると実質上昇したことになります。29日の大幅高で発射台が高くなったこと
を考えれば予想以上の上昇です。もっとも指数連動ファンドからの再投資需要という
特殊要因がどのくらい影響したのか考える必要はあります。

やはり今日からの1週間程度の動きがポイントになりそうです。30日の相場が堅調だっ
たのは高配当銘柄の代表格の海運銘柄の株価が底堅かったこともあるようです。市場で
は業績悪化でも過去2年間の好業績で手元資金は潤沢になっています。来期も高水準な
配当が期待できるのではないかという見方があるようです。

海運3社は配当落ち後に株価が低迷するのではないかという警戒感があり29日は逆行安
でした。30日の株価を見る限り心配は杞憂に終わったということでしょうか。高配当銘
柄はNISAでは人気銘柄です。年間の投資枠が拡大されることや期間が撤廃されることで
引き続き個人投資家の資金流入が期待できるということなのでしょうか。

もっとも日経平均が2万8000円さらに9000円そして3万円台を回復するには指数に寄与度
の高い成長株の復調が必要です。ここまで半導体関連銘柄の復調は確認できました。しか
しリクルートやエムスリーは業績面での苦戦が明らかになり昨年末時点の株価を下回って
います。

自動車セクターもトヨタは昨年過去1年での安値圏で推移しています。日本株全体がある
程度底上げしないと3万円は見えてきません。そして相場のリード役が出てこないと息の
永い上昇は期待できません。4月は株高になり易い月とも言われています。カギは中長期
投資の海外投資家の復活でしょうか。

CATなど短期筋主導では逃げ足も速く相場の変動率だけが高くなります。SVBショック後
に株価が一直線に下落したケースは典型的です。相場のボラティリティが高い間はなかな
か機関投資家の資金は入りづらいようです。4月の株高に期待はしたいところです。
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需給のアヤ

2023-03-30 07:29:01 | 日記
配当権利付き最終売買日の29日の東京市場は引けにかけて上げ幅を広げました。東証プラ
イムの値上がり銘柄数は1734と、全体の約9割以上を占めました。365円高と再び2万8000円
台手前に迫りました。

配当や株主優待の権利取りを意識した買いに加え大引けにかけては株価指数に連動して運用
する投資家の配当再投資に絡んだ株価指数先物買いが観測され相場上昇に拍車をかけました。

もっともこの需給面での好材料は短期的なものです。今日の配当落ち分は250円程度とみられ
ています。市場の予想では29日30日にかけて指数連動型投信から1兆円程度の買いが見込まれ
ています。大引けにかけて日経平均が急上昇したのは短期筋の先回り買いの影響もあったでし
ょう。

29日の米国3指数は1%を越えて上昇しました。今日も指数に絡んだ買い期待が続くことから
短期的な需給面での追い風を背景に2万8000円を越えて上昇することもあるかもしれません。
もっとも4月相場でも米国の利上げの動向や景気の動向など不透明要因は持ち越されます。仮
に今日の取引で配当落ち分を埋めて上昇してもその反動も考えておくべきでしょう。

市場ではバリュー株相場がまだ続くとしても海運など市況産業は来期業績の不透明感から減
配リスクが懸念されます。業績悪化でも高水準な配当を維持できるかどうかが物色される条
件でしょうか。29日の取引では海運3社は逆行安でした。市場の懸念が影を差しているので
しょうか。

一方29日にはソフトバンクが高値を更新しました。NTTも10年来高値に僅か及ばないけれど
も今年の高値に迫っています。KDDIも堅調でした。配当利回りが高く景気の影響を受けにく
い通信セクターはバリュー株相場で今後も期待できるとの見方もあるようです。

インバウンドの再開で業績回復が鮮明になれば鉄道各社も物色に加われるかもしれません。
日清食品や味の素それにユニ・チャーム株は29日に10年来高値を更新しました。この3銘柄は
今月高値更新する日が多いようです。いずれも配当利回りは市場平均よりも1%以上低い水準
です。ハイテクのグロースセクターでもバリュー株でもない3銘柄の人気は今後の市場の行方
を示唆しているのでしょうか。
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配当権利付き最終日

2023-03-29 07:17:32 | 日記
今日は3月期決算企業の権利付き最終日です。月内受け渡し最後の取引はどんな展開にな
るのでしょうか。米地銀の突然の破綻はクレデ・スイスの信用不安に飛び火し最終的には
USBの救済合併という結果になりました。クレデ・スイスと同じように経営不安が囁かれ
ていたドイツ銀行にも市場から売り圧力が高まりました。

クレデ・スイスの買収過程でATI債が紙くずになったことから同債のリスクが表面化しま
した。特に経営基盤の弱い欧州銀行の中にはATI債で自己資本をかなり嵩上げしている銀
行があるだけにこの問題は一旦落ち着いても再度ぶり返すかもしれません。

市場は幾分冷静を取り戻しつつあるようですが、急落した銀行や保険セクターには投資資
金が戻る気配は現在のところまだないようです。すっかり冷や水をかけられたバリュー株
相場が再び主役に戻るのか、それとも成長株に本格的に資金が移動するのか判断は現時点
では困難なようです。

円相場の行方も物色の流れに影響しそうです。年明けの円相場は130円割れから円安に向か
いましたが、140円を手前に137円までで止まりSVBの破綻から金融システムへの懸念から
安全資産である円への評価が高まり足元の130円まで円高が進みました。年初からの円安分
を帳消しにしました。

足元の水準の130円は上にも下にもどちらに振れても不思議ではありません。当面方向感の
ない展開を予想する向きもあるようです。今後120円に向って円高に振れれば輸出企業の業
績への悪影響から自動車セクターの重しになります。一方輸入企業は原材料高の緩和に繋が
ります。

食品セクターや紙パルプなど輸入が多いセクターにはエネルギーや素材価格の低下がプラス
に働くセクターは多いでしょう。いずれにしても昨年一方的に進んだ円安でメリットを受け
たセクターにはマイナスの影響が出やすく、反対に円安でコストアップに苦しんだセクター
にはプラス効果が期待できる可能性はありそうです。

一昨日は久しぶりにJR3社など鉄道銘柄が急騰しましたが、昨日は早くも反落しました。イン
バウンド回復への期待は高いようですが、関連銘柄の株価は一部を除いてまだ春が遠いのでし
ょうか。インバウンドが本格的に戻るかどうかは内需景気への影響は大きいようです。

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利益の質

2023-03-28 05:57:32 | 日記
3月相場では急ブレーキがかかってしまいましたが、コロナショックからいち早く立ち直り
株価倍増を遂げたのは大手総合商社でした。GAFAMなどコロナ禍で人気化した大手テック
が2022年にはピークを付け尚も調整していることを思えばこのところの調整でも影響は軽
微にとどまっています。

もっともPERは伊藤忠を除けば三菱商事や三井物産、丸紅、住友商事とも5倍台と日経平均
採用銘柄平均の4割程度です。PBRも三菱商事と三井物産は1倍を割り込んでいます。配当
利回りの高さや自社株買いといった株主還元策は各社積極的に行っています。

それでも低評価の要因は利益の質にあるようです。27日付の経済紙のネット記事には総合
商社の双日が取り上げられていました。27日の終値は58円高(2.24%)と反発しましたが
3月上旬の高値からの急落に対する自律反発の域を出ないかもしれません。

2022年3月期には経常利益、純利益とも3倍になりました、2023年3月期も二桁増益が予想
されています。それでもPERは5.5倍、PBRは0.77倍の水準です石炭事業の利益が3割を占
めていることから変動の大きさが問題視されているようです。

この収益構造は総合商社に共通します。三菱商事は原料炭事業や原油、ガス事業。三井物
産はガス、石炭、鉄鉱石価格の上昇が利益を膨らませました。資源分野の比率が相対的に
低い伊藤忠のPBRが0.7倍台なのは如何に市場が市況次第で利益が大きく変動する資源、エ
ネルギーでの稼ぎに対して評価が低いのが見て取れます。

海運3社の利益が急増したのも共同出資するコンテナ企業が市況高騰で莫大な利益が出たこ
とです。市況産業は大儲けできる時もあれば市況悪化で赤字になることもあり投資面で額面
通りの評価が出来ないセクターです。今年世界景気は悪化が予想されていますから今期より
も来期以降の業績不安が懸念されます。


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SNS 時代の特徴

2023-03-27 06:30:48 | 日記
今週は週前半は配当取りの動きに期待が高まります。週後半は配当落ち後の動向が気に
なるところです。先週までダウに比べて日経平均の底堅さが際立っていました。高配当
銘柄の多い金融株や商社や海運などは景気敏感株でもあります。

今のところ今年は景気悪化が懸念されます。資源高の恩恵を受けた商社株やコンテナ市況
の悪化が表面化しつつある海運銘柄は二桁減益が懸念されます。これらの銘柄が配当落ち
後にどこまで踏ん張れるかも日経平均への先行きを占う要因になります。

年初から続いていたバリュー株相場は今月中旬に突然の嵐に襲われました。米国のSVBの
破綻から始まった銀行セクターの信用不安が欧州にも広がりました。日本市場でも銀行や
商社銘柄は年初から高値更新を続けていた銘柄は突然の急落になりました。

代わって金利低下から成長株の見直し買いが顕著になり半導体関連を筆頭に成長株の反転
が突如と開始されました。もっとも成長株の反転にも濃淡が出ています。半導体分野でも
競争力の強い一番手銘柄の上昇が際立ちます。

先週10年来高値を更新したアドバンテスト、ディスコそれに製造装置の東京エレクトロン
やスクリーン株も復調しています。半導体ウエハ最大手の信越化学も2万円を回復し1年ぶ
りの高値水準です。ウエハ2位のSUMCOやレジストの大手メーカーJSRの株価の戻りは鈍
いままです。

今年後半は半導体市況の反転が期待できるという予想もありますが、半導体セクターが全
面高になるのはもう少し先になるのでしょうか。半導体でもDRAMやフラッシュメモリの
落ち込みは需給悪化が続いています。スマホの売れ行きが回復したりPC需要が戻ってくる
ことでメモリ分野も復調軌道になれば半導体セクターが一段と注目されるようになるのでし
ょうか。

また市場が再びグロース株物色からバリュー株に物色が戻ることがあるのでしょうか。半導
体セクターは景気敏感株という側面もあります。半導体関連が我が世の春を謳歌していた2年
前にはシリコンサイクルは意識されず落ち込んでも軽微との見方がありました。しかし結果
から言えばその後半導体セクターは急落しました。ボラティリティが高いのもこのセクター
の特徴です。中長期では有望、しかし短期では警戒しなければならない場面も今後出てきそ
うです。

当初は些細な問題でもあっという間に危機が広がるのが情報があっという間に拡散するSNS
時代の特徴でもあります。変化が急激に発生するということは今回のSVBのケースでも実証
済みです。リスクとリターンを常に頭に入れておくべきです。
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