kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

我慢の夏相場

2021-07-30 05:42:19 | 日記
日産自動車の決算で赤字予想から黒字転換が伝わるなど米中の2大市場の
販売好調が業績面でプラス要因になったようです。三菱自動車も黒字展開
予想を出すなどこれまで業績不振だった自動車メーカーの決算は回復が鮮
明のようです。

半導体不足や素材価格の上昇など懸念材料もありますが、会社の想定レー
トよりも円安というメリットもあります。製造業の柱である自動車セク
ターの好調な決算は関連する企業の裾野の広いこともあり総じて市場の
安心材料になっています。

半導体関連セクターでも市場予想を超えた銘柄には見直し買いがありサ
プライズ決算にはそれなりにポジティブな反応がみられるようです。一方
ハイテク銘柄でも市場予想に届かなかった電子部品大手のTDKは大きく売
られました。

29日の時点では同業の村田製作や太陽誘電は上昇しました。電子部品セク
ターでも主力商品の違いで明暗が分かれているのでしょうか。村田製作が
発表した決算では

29日は再び成長株セクターが優位でした。空運や電鉄、百貨店セクターは
コロナ感染者数の急拡大でもう一段踏み込んだ行動規制が行われ業績回復
が後ずれするという懸念から値を消しました。

今週は業績好調なハイテク銘柄有利の展開ですが、既に好業績を織り込む
形で水準が切り上がっているだけに高値更新から一段高に進む銘柄は一握
りでしょう。再び市場が動揺する場面では利益確定で売り込まれる場面も
あるかもしれません。

いずれにしても決算発表で個別銘柄物色が盛んになっても相場をリードす
るような銘柄が出てくるとは考えにくいようです。感染者数が減少に転じ
なければ現在の水準である日経平均2万7000円から8000円のボックスを抜
け出すことは出来ないのではないでしょうか。感染力の強いデルタ株が壁
として立ちはだかっているようです。

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好業績も起爆剤にならず

2021-07-29 07:06:10 | 日記
日本電産に加え信越化学、日東電工、SUMCO年初からGW前まで好業績期
待から人気を集めていた成長株は決算発表を受けて軒並み値を下げる展開が
続いています。四半期決算で市場予想を下回ったことや市場予想を超える
決算でも通期業績を上方修正しなかったことなどが下げの理由として挙げら
れています。

しかし市場予想を下回ったとしても僅かだったり第一四半期決算段階で通期
業績を上方修正する企業はもともとそんなに多くありません。第一四半期決
算で上方修正が無くても中間決算での上方修正が期待できる銘柄もあるでし
ょう。要するに好材料が株価下落の背景には過去1年間株価が大きく値上がり
したこと。最近は調整局面になっているセクターに多くあるようです。

今はこのセクターは基本調整が続いていてどこかで底打ち反転するでしょうが
まだ今ではないということです。また好業績銘柄の多くは中国経済の急回復に
よる恩恵を少なからず受けていることで中国経済の減速懸念や中国政府が自国
のIT企業に締め付けを強めていることから中国でビジネスを展開している海外
企業も今後何らかの締め付けがあるのではないかという連想です。

国内では専門家の予想よりもコロナ感染者数の増加ピッチが速く国内景気の
回復遅れが懸念されています。一方65歳以上の感染者数は低水準に止まりワ
クチン効果が発揮出来ているのは明らかです。最近ではワクチン接種者数の
報道は感染者数の増加に霞んでいます。

27日時点では65歳以上の高齢者が1回目を終えた割合は85%、2回目を終えた
割合は70%、全体では1回目が37.4%、2回目が26.3%まで進んでいます。
また企業や大学等による職域接種は25日までに602万1245回その多くはワクチ
ン接種記録システム(VRS)に未入力で各種チャートに反映されていないと
みられていますから1回目を終えた割合は4割を超えている可能性があります。

しかし残念ながらまだ感染者数の5割を占める20代、30代や重症者割合の5割を
占める40代と50代の接種者はまだ少数です。最近ではワクチン不足の影響で
接種スピードは減速しています。接種の再加速が出来るのかがやはり感染者数
の抑え込みには欠かせません。「夜明け前が最も暗い」という格言があります
が、どうも明るさが確認できるにはもう少し時間が必要なようです。明日は
7月最終売買日です。今週も厳しい相場は続きそうです。
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SBG株の低迷は日本株の姿そのもの

2021-07-27 15:32:17 | 日記
※28日は所用のため更新をお休みします。

昨年日経平均を2万7000円台まで押し上げた立役者は値嵩株のSBGとファー
ストリテイリングでした。その2社の株価は足元では低迷からなかなか抜け
出せません。昨年と打って変わって日経平均の足を引っ張っているのはこの
2社だといっても過言ではありません。

特にSBGは昨年でしたらナスダック市場が上昇すれば物色される一番手でし
たが、ここ数ヶ月はナスダック市場との連動性はなく正反対の動きになって
います。SBGはビジョンファンドを通じて未公開株に投資しています。大口
投資先の韓国EC大手のクーパンは公開初日人気を集めました。

しかしその後株価は低迷しています。それでもまだ含み益は残っています。
しかし中国配車大手のディディは中国当局の締め付けが厳しくなったことを
嫌気して大きく値下がりしSBGは直近では40億ドルの含み損を抱えていると
英フィナンシャル・タイムズが25日に伝えています。

中国政府はディディなどデータを握っているハイテク大手への監視の目が
今後も厳しさを増すとの指摘もあります。SBGの投資先に中国IT企業が多く
を占めることもあり投資事業の先行き不安に繋がっています。状況によって
はSBG株の低迷が長引くことも考えられます。

SBGやファーストリテイリングなど一握りの銘柄の大幅上昇で昨年日経平均
は大きく上昇しました。限られた銘柄への人気集中が裏目に出て日本株は米
株高に追随できなくなりました。確かにこの一握りの銘柄は収益力など日本
株の中では際立っています。

一方株価が大幅高になったことからバリエーションも過去の水準と比較して
著しく切り上がっています。それだけに業績好調が伝わっても売られる銘柄も
多くなっています。昨年活躍した銘柄が今年も相場の中心になるという想定は
そろそろ修正しなければならないかもしれません。

勿論これらの銘柄が反発する場面はあるでしょう。しかしその度ごとに戻り売
りに上値を抑えられる場面が多くなるのではないでしょうか。多分昨年のよう
な持続的な株高は当面は期待できないでしょう。
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トンネルの先に

2021-07-27 04:20:35 | 日記
東京五輪が開幕、日本選手のメダルラッシュもあり国内での盛り上がりは
少しずつ高まっているようです。開幕前には五輪中止が国民の総意だった
こともありましたが、まずは明るいニュースとなりました。

もっとも国内の感染者数は増加の一途をたどっています。ある試算による
と8月上旬にかけて東京都の一日の感染者数は第3波を上回る2600人に達す
るとの見通しも出ているようです。ワクチン接種は高齢者中心に進んでい
ますが、現在感染者数の半分を占めている20代と30代は殆ど未接種です。

デルタ株の感染力の強さを考えるとワクチン接種の進展よりも感染者数の
増加の勢いの方が勝っているようです。感染が落ち着き国内景気の回復が
見通せるようになり飲食や宿泊、空運や電鉄など復調が見込めないと中々
上昇トレンドに戻れないかもしれません。

そもそも昨年11月以降の上昇は景気敏感株の素材、機械、自動車、海運な
どが牽引しました。昨年3月以降これらの銘柄の上昇率は突出していました。
海運3社の10年チャートを見れば凄まじい人気だったことが分かります。

また同じく株価好調だった安川電機や日本電産も10年来高値を大きく更新
しました。決算発表でこの2銘柄は市場予想以上の増益でしたが、上昇は
続かず、下落に転じました。既に好業績は織り込み済みというムードが広
がってしまっていることも足元の市場の上値の重さに繋がっています。

一方米国市場では好決算が素直に評価され株価上昇に繋がっています。高
値警戒感も強いNYダウは崩れず割安感の強い日経平均は右肩下がりから抜
け出せません。どこかのタイミングで日本株に見直し買いが戻ってくると
信じています。

菅首相が政権浮上の切り札と言っていた五輪成功とワクチン接種の加速で
コロナの克服でしたが、現状では国民からの評価は芳しくないようです。
このままでは総選挙で自民党は30議席減という厳しい予想も出ています。
最近の日経平均の上値の重さは自民大幅議席減も織り込んでいるのでしょ
うか。

いずれにしても足元の状況を映すよりも6か月先あるいは1年先の動きを
予想して動く株式市場ですから足元の企業業績好調も今がピークで今後
減速するということなら相場のリズムから次の上昇サイクルを織り込む
相場がいずれ始まるかもしれません。

今の日本株は暗いトンネルに入っています。トンネルを抜けるまで我慢
出来る投資家だけが果実を最後は取れるのでしょう。
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音楽が鳴っているうちは

2021-07-25 04:40:54 | 日記
※ 26日急用が出来たため一日早く更新します。

過去の水準に比べて割高感があり年初から一本調子の上昇で高値警戒感も
ある米株ですが、NYダウは23日には終値で初めて節目の3万5000ドルを上
回りました。またS&P500種株価指数やナスダック総合指数も最高値を更
新しました。

4~6月期の決算発表シーズンに入り、好調な業績が投資家心理を明るくし
ているようです。一方先週も高値警戒感が消えない状況で感染力が強いデ
ルタ型の感染拡大で一時株価が急落するなど今後も荒い値動きが続きそう
です。経済回復期待とデルタ株の感染拡大懸念との綱引きはしばらく続く
ようです。

S&P500種株価指数の水準が採用銘柄の12カ月先の1株利益の何倍かを示す
PERは22倍台です。新型コロナウイルスの感染が広がる前の19年末は18倍
台でした。米株の最高値更新は大規模な金融緩和で市場に大量の投資マネー
が流れ込み、1株利益の伸び以上に株価が上昇しバリエーションが高くなっ
ています。

もし米株の本格調整があるとしたら金融政策の急激な変更でしょう。新型
コロナウイルスの感染拡大はFRBが引き締めを急がないという効果もあり
ます。好業績に加え金融緩和が続くという居心地のよい投資環境が大きな
調整局面入りを防いでいます。

米株の割高感は多くの投資家が感じていることです。しかし運用成績を上げ
るには割高感はあっても市場の動きに追随するしかありません。「音楽が鳴
っているうちは、踊り続けなければならない」。そんな状況ではいつでも先
週のようにヒヤッとする場面があっても不思議ではありません。

NYダウとの差が開くばかりの日経平均ですが、いつになったら復調するので
しょうか。東京都をはじめ感染拡大が相場の足を引っ張っているのは明らか
です。それに加えここまで盛り上がりのかけるオリンピックも国内景気の浮
揚効果期待が高まらないことにあります。

もっとも国内のワクチン接種は2ヶ月前には考えられないくらい加速していま
す。ワクチン不足で一部の自治体が接種の延期などがニュースになっていま
すが、欧米に比べて接種が本格化する時期は遅かったのですが、ここまでは
接種スピードは遜色はありません。

当面は世界景気の減速懸念やオリンピック後の感染拡大での国内景気の低迷
などクリアしなければならない懸念材料があります。成長株優位の展開にな
るのか、コロナで打撃を受けたセクターの逆襲があるのか、見極めることが
大事です。
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