3月時点では4月高へGOの筋書きだったのですが、どうやら雲行きはかなり
怪しくなってきました。3月末の日経平均は2万9178円でした。28日は2万
9053円ですから125円下の水準です。本日は祝日で東京市場は休場ですが
シカゴの日経平均6月先物は前日比115円安の2万8940円で引けましたから
2万9000円割れは避けられなかったと思います。
明日は4月最終売買日ですが、余程米国株に神風が吹いて大幅高にならない
限り4月は月間でマイナスは避けられません。4月高アノマリーは風前の灯
です。それに加え3月決算発表を終えた銘柄の市場での反応が、すこぶる悪
いのが気になります。前期決算は大幅増益でも今期未定とか増益でも市場
予想を下回る銘柄の下げは大きくなかなか市場全体の先高期待が持てません。
3月に日本の国別輸出先で中国が米国と入れ替わり首位になりました。主な
品目は半分が機械及び輸送用機器、化学工業品が16%、原料別製品12.0%で
8割を占めています。工作機械やロボット、それに半導体製造装置や半導体
製造に使用する原材料が主なものでしょう。
コロナ禍からいち早く回復した中国に高性能な機械類の輸出が多くなってい
るようです。世界の工場と言われる中国はコロナ特需でPCや家電製品などの
需要に強い追い風が吹きました。その恩恵を日本の一部企業が受けたのが好
業績に繋がりました。
しかし安川電機や日本電産、オムロン、ファナックなどは昨年4月以降コロナ
禍でも影響を受けにくい、むしろ追い風になるという期待から大きく上昇し
ていました。株価は4月以降年末までに2倍以上になった銘柄ばかりです。好
業績を先取りする形で大きく上昇したためにバリエーションは過去5年でも比
べても高くなりました。前期決算での大幅増益を既に株価が先取りしていた形
だったために失望売りが増えたのでしょう。
また中国への依存度の高まりはリスクになり得ます。バイデン政権に代わって
も中国との関係は改善するどころか、見方によっては悪化しています。人権問
題に無頓着なトランプ前大統領はツイッターによる予想不能な方針が目立ちま
したが、中国との取引材料として自国に利益があると見込めれば簡単に政策を
撤回することもありました。しかし人権問題を重要視するバイデン大統領との
交渉で中国との取引材料に使うことはなく中国が人権問題で歩み寄る姿勢は考
えられません。
その米国は同盟国である日本にも対中国に対する人権問題では同調することを
求めています。中国に関しては政治と経済は別何てことはありません。中国は
新型コロナウイルスのパンデミックをめぐり、オーストラリアが第三国による
調査を要求すると、反発する中国が豪州産牛肉の輸入を一部停止、またオース
トラリア産ワインの関税を引き上げるなどしました。
日中関係でも2012年には尖閣問題で中国側が強く反発してレアアースの輸出制
限や反日デモ隊の行動が激化して日系小売店の破壊など当時は大きなニュース
になりました。現在は今年7月の中国共産党創立100周年や2022年の冬季オリン
ピック開催を控え表立って日本に圧力を加える動きは出てきませんが、日本が
米国に同調する機会が増えれば経済面でも1年後には日本に圧力をかけてくるか
もしれません
日本経済全体でも個別企業でも中国依存の高まりはリスクとの背中合わせです。
好業績を上げている製造業で中国経済への依存度の高い企業が多いのはやはり
要注意です。しばしば市場は将来を先どるリトマス紙とも言われます。中国と
の関係が今度どうなるかはコロナ後の市場をも左右しそうです。
次回の更新はGW明けを予定しています。
怪しくなってきました。3月末の日経平均は2万9178円でした。28日は2万
9053円ですから125円下の水準です。本日は祝日で東京市場は休場ですが
シカゴの日経平均6月先物は前日比115円安の2万8940円で引けましたから
2万9000円割れは避けられなかったと思います。
明日は4月最終売買日ですが、余程米国株に神風が吹いて大幅高にならない
限り4月は月間でマイナスは避けられません。4月高アノマリーは風前の灯
です。それに加え3月決算発表を終えた銘柄の市場での反応が、すこぶる悪
いのが気になります。前期決算は大幅増益でも今期未定とか増益でも市場
予想を下回る銘柄の下げは大きくなかなか市場全体の先高期待が持てません。
3月に日本の国別輸出先で中国が米国と入れ替わり首位になりました。主な
品目は半分が機械及び輸送用機器、化学工業品が16%、原料別製品12.0%で
8割を占めています。工作機械やロボット、それに半導体製造装置や半導体
製造に使用する原材料が主なものでしょう。
コロナ禍からいち早く回復した中国に高性能な機械類の輸出が多くなってい
るようです。世界の工場と言われる中国はコロナ特需でPCや家電製品などの
需要に強い追い風が吹きました。その恩恵を日本の一部企業が受けたのが好
業績に繋がりました。
しかし安川電機や日本電産、オムロン、ファナックなどは昨年4月以降コロナ
禍でも影響を受けにくい、むしろ追い風になるという期待から大きく上昇し
ていました。株価は4月以降年末までに2倍以上になった銘柄ばかりです。好
業績を先取りする形で大きく上昇したためにバリエーションは過去5年でも比
べても高くなりました。前期決算での大幅増益を既に株価が先取りしていた形
だったために失望売りが増えたのでしょう。
また中国への依存度の高まりはリスクになり得ます。バイデン政権に代わって
も中国との関係は改善するどころか、見方によっては悪化しています。人権問
題に無頓着なトランプ前大統領はツイッターによる予想不能な方針が目立ちま
したが、中国との取引材料として自国に利益があると見込めれば簡単に政策を
撤回することもありました。しかし人権問題を重要視するバイデン大統領との
交渉で中国との取引材料に使うことはなく中国が人権問題で歩み寄る姿勢は考
えられません。
その米国は同盟国である日本にも対中国に対する人権問題では同調することを
求めています。中国に関しては政治と経済は別何てことはありません。中国は
新型コロナウイルスのパンデミックをめぐり、オーストラリアが第三国による
調査を要求すると、反発する中国が豪州産牛肉の輸入を一部停止、またオース
トラリア産ワインの関税を引き上げるなどしました。
日中関係でも2012年には尖閣問題で中国側が強く反発してレアアースの輸出制
限や反日デモ隊の行動が激化して日系小売店の破壊など当時は大きなニュース
になりました。現在は今年7月の中国共産党創立100周年や2022年の冬季オリン
ピック開催を控え表立って日本に圧力を加える動きは出てきませんが、日本が
米国に同調する機会が増えれば経済面でも1年後には日本に圧力をかけてくるか
もしれません
日本経済全体でも個別企業でも中国依存の高まりはリスクとの背中合わせです。
好業績を上げている製造業で中国経済への依存度の高い企業が多いのはやはり
要注意です。しばしば市場は将来を先どるリトマス紙とも言われます。中国と
の関係が今度どうなるかはコロナ後の市場をも左右しそうです。
次回の更新はGW明けを予定しています。