kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

リトマス紙

2021-04-29 09:36:26 | 日記
3月時点では4月高へGOの筋書きだったのですが、どうやら雲行きはかなり
怪しくなってきました。3月末の日経平均は2万9178円でした。28日は2万
9053円ですから125円下の水準です。本日は祝日で東京市場は休場ですが
シカゴの日経平均6月先物は前日比115円安の2万8940円で引けましたから
2万9000円割れは避けられなかったと思います。

明日は4月最終売買日ですが、余程米国株に神風が吹いて大幅高にならない
限り4月は月間でマイナスは避けられません。4月高アノマリーは風前の灯
です。それに加え3月決算発表を終えた銘柄の市場での反応が、すこぶる悪
いのが気になります。前期決算は大幅増益でも今期未定とか増益でも市場
予想を下回る銘柄の下げは大きくなかなか市場全体の先高期待が持てません。

3月に日本の国別輸出先で中国が米国と入れ替わり首位になりました。主な
品目は半分が機械及び輸送用機器、化学工業品が16%、原料別製品12.0%で
8割を占めています。工作機械やロボット、それに半導体製造装置や半導体
製造に使用する原材料が主なものでしょう。

コロナ禍からいち早く回復した中国に高性能な機械類の輸出が多くなってい
るようです。世界の工場と言われる中国はコロナ特需でPCや家電製品などの
需要に強い追い風が吹きました。その恩恵を日本の一部企業が受けたのが好
業績に繋がりました。

しかし安川電機や日本電産、オムロン、ファナックなどは昨年4月以降コロナ
禍でも影響を受けにくい、むしろ追い風になるという期待から大きく上昇し
ていました。株価は4月以降年末までに2倍以上になった銘柄ばかりです。好
業績を先取りする形で大きく上昇したためにバリエーションは過去5年でも比
べても高くなりました。前期決算での大幅増益を既に株価が先取りしていた形
だったために失望売りが増えたのでしょう。

また中国への依存度の高まりはリスクになり得ます。バイデン政権に代わって
も中国との関係は改善するどころか、見方によっては悪化しています。人権問
題に無頓着なトランプ前大統領はツイッターによる予想不能な方針が目立ちま
したが、中国との取引材料として自国に利益があると見込めれば簡単に政策を
撤回することもありました。しかし人権問題を重要視するバイデン大統領との
交渉で中国との取引材料に使うことはなく中国が人権問題で歩み寄る姿勢は考
えられません。

その米国は同盟国である日本にも対中国に対する人権問題では同調することを
求めています。中国に関しては政治と経済は別何てことはありません。中国は
新型コロナウイルスのパンデミックをめぐり、オーストラリアが第三国による
調査を要求すると、反発する中国が豪州産牛肉の輸入を一部停止、またオース
トラリア産ワインの関税を引き上げるなどしました。

日中関係でも2012年には尖閣問題で中国側が強く反発してレアアースの輸出制
限や反日デモ隊の行動が激化して日系小売店の破壊など当時は大きなニュース
になりました。現在は今年7月の中国共産党創立100周年や2022年の冬季オリン
ピック開催を控え表立って日本に圧力を加える動きは出てきませんが、日本が
米国に同調する機会が増えれば経済面でも1年後には日本に圧力をかけてくるか
もしれません

日本経済全体でも個別企業でも中国依存の高まりはリスクとの背中合わせです。
好業績を上げている製造業で中国経済への依存度の高い企業が多いのはやはり
要注意です。しばしば市場は将来を先どるリトマス紙とも言われます。中国と
の関係が今度どうなるかはコロナ後の市場をも左右しそうです。

次回の更新はGW明けを予定しています。
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ワクチン接種を横目で見ながら

2021-04-28 05:11:22 | 日記
しばらくは東京市場の膠着感は続くのでしょうか。高成長株企業の決算
発表を受けての市場の反応がネガティブなものが多いことにより高成長
株については少なくとも目先は好材料を既に織り込んでしまった可能性
が高いとの判断が妥当なようです。

銅の価格が高値を付け発電用石炭も大きく上昇しています。また世界的
な在庫低下を背景にトウモロコシや大豆など穀物も大幅高となっていま
す。商品高が原材料価格の上昇につながり、収益の重荷になるとの見方
から米国市場で今週消費関連株が売られました。

日本企業にとっても他人事ではありません。原材料高やコンテナ運賃高
は製造業にとってコストアップ要因です。東京市場では製造業の比率は
高くコストアップを転嫁できなければ収益の圧迫要因になります。半導
体不足で恩恵を受ける半導体関連銘柄などの例外は一部です。

昨年11月の大統領選挙後に日経平均は大きく上昇しました。勿論ファース
トリテイリングやSBGやファナックなどの値嵩株の大きな上昇が指数を押
し上げたことは間違いありません。しかし化学や鉄鋼、非鉄、機械や電機
それに精密などオールドエコノミー銘柄の上昇も見逃せません。

非製造業では海運株がコンテナ市況の急騰から大きく上昇した半面空運や
鉄道など最悪期は過ぎたようですが、コロナの影響が長引き未だにコロナ
ショック前の水準を取り戻せません。多くの業種が買い上げられた結果で
の3万円乗せではなかったのです。

製造業比率の高い日本株にとっては原材料価格の上昇によるコストアップ
を如何に吸収して利益を伸ばすのか。また今後ワクチン接種が進展して今
まで抑えられていたコト消費に人々の行動が向かう中でコロナ禍での特需
もあったモノ消費への逆風がどこまで強まるのか。

日経平均が高値を付けた2月以降のもたつきはその答えがまだ見つからない
ことなのかもしれません。NYダウにつついて今週ナスダック市場やS&P500種
も高値を付けました。足元の相場が堅調でも時節柄米国株には「Sell in May」
という格言が気になりだします。

4月以降米国株主導が一段と強まった日本株にとっては米国株の調整は日本
株の調整に直結します。1か月後の市場はどんな姿を見せているのでしょう
か。当面は好材料は出尽くしという相場が続くのかもしれません。本当に
日本株が勢いを取り戻すのはワクチン接種の政府の筋書き通り順調に進む
ことを確かめてからかもしれません。
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エムスリーお前もか

2021-04-27 04:57:43 | 日記
週明け26日の日経平均は小幅高で終わりました。一方23日に決算を発表
したエムスリーは今期業績見通し非開示を嫌気して急落しました。一時は
7%を越える下げでした。終値も5.8%の下げでした。これで安川電機から
日本電産と失望売りが続いています。

これらの銘柄は昨年コロナ禍でも業績期待で大きく上昇したことでPERが
大きく切り上がりバリエーションが非常に高くなっているという共通項が
あります。エムスリーも昨年4月以降大きく値上がりして今年1月には株価
が1万円を超えました。

4月以降の値上がりで株価は今年1月4日には3.2倍になりました。急落した
26日でもまだ2.3倍でPERは114倍です。既に株価にはかなりの高成長を織
り込んだ状況です。安川電機も日本電産もエムスリーほどではありません
が、足元の株価で計算してもそれぞれ40倍台、50倍台です。

コロナ禍で世界的な金融緩和であふれ出たマネーが限られた一部の人気銘
柄に集中したことで背景にあります。ビジネスモデルから考えればこのま
ま下落が続くとは思えませんが、とりあえず一山は形成したのかもしれま
せん。勿論値ごろ感が出てくれば反発する場面は出てくるでしょう。

緊急事態宣言二日目、朝の通勤風景はそんなに以前とは変わっていないよ
うでした。一日目の日曜日は都心の繁華街での人出は減少したようでした
が、宣言の出ている東京から神奈川など周辺県は賑わっていたようです。

都内では多くの商業施設や映画館、美術館などがクローズされまた飲食店
では酒類の提供が禁止されてしまえば都内周辺に人が流れるのは当然です。
いくら小池都知事が外出を控えてと訴えても既に1年に及ぶコロナ騒動で
国民にはコロナ慣れが定着しつつあるようです。

マスコミなどは1年前と足元での繁華街の状況と比べているニュースを流し
ていますが、漠然とした不安を多くの国民が持っていた1年前と比べること
自体に的外れがあるようです。環境の順応することで人類は生き残ってき
ました。

感染者数を比べれば昨年4月の第1波よりも8月の第2波そして今年1月の第
3波と山は大きくなっています。大阪の感染急拡大のスピードを考えれば
3回目の緊急事態宣言もやむを得ないのでしょう。大阪の場合は変異種の
広がりが感染爆発の大きな要因であることは間違いないでしょう。

しかし東京都よりも3週間早く解除したこと。卒業式や送別会、花見など
多くの人が集まり飲食をする機会が多い3月だったことも感染者急増に繋
がりました。東京都が年末から年始にかけて1000人、1500人、2000人と
急増した一方、大阪はピーク時でも600人台でした。

大阪は東京都の人口の7割ということを考慮しても東京都での感染爆発は
どこか他人事だったのではないでしょうか。大阪府も府民もやはり油断が
あったことは否めないのではないでしょうか。

大阪での感染急拡大があったことで東京都は早めの緊急事態宣言に踏み切
りました。早めの宣言には勿論バッハIOC会長が5月17日に訪日するのも大
きく影響したでしょう。

もっとも強めの対策で早期に感染対策で目に見えるように感染者が減少す
ればいいのですがもしそれ程感染者数が減少しなかったら延長するしかな
いでしょう。しかし感染リスクの低い業種まで制限した状態での延長は難
しいのではないでしょうか。

宣言は早めに解除はゆっくりというのがコロナ対策での鉄則なら解除する
タイミングは本当に難しい判断になります。もし宣言が延長されて5月末
あるいは6月にずれ込むようならいよいよ国民からは東京オリンピック中止
の声は高くなりそうです。

政府の最善のシナリオ通り高齢者のワクチン接種が7月で完了しても全国民
の3割弱の4000万人です。集団免疫獲得の7割以上には程遠い状況です。変
異種では10代や20代の感染者の増加も目立ちます。世界的感染第1波では欧
州では優等生だったドイツも変異種では苦戦しています。

東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に対し、大会期間中の
医療人員として看護師500人の確保を依頼したことが26日報道されました。
コロナ治療やワクチン接種加速のためにただでさえ看護婦不足が懸念されて
いる状況で本当に今年東京五輪開催が多くの人の総意なのでしょう。日本に
とっては五輪開催よりも一日も早いワクチン接種加速によるコロナ終息が優
されるべきなのではないでしょうか。
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天下の愚策かそれとも

2021-04-25 04:22:41 | 日記
3回目となる緊急事態宣言発令が発令されました。発令期間は25日から
来月11日までの17日間ということです。短期集中型の対策というのが
政府筋の方針のようですが、問題は中身です。東京、大阪、京都、兵庫の
4都府県で、床面積が1000平方メートル超の百貨店や商業施設(生活
必需品の売り場を除く)のほか、博物館や動物園、ボウリング場などが休
業要請の対象となっています。

対象地域内ではこれまで感染リスクの低いと言われた遊園地も映画館も
対象です。プロ野球などスポーツも無観客での試合になりそうです。飲食
店でも種類の提供が禁止されます。結局人が多く集まることや飲酒ではど
うしても長時間の滞在などで感染リスクが高まる可能性のあるものはすべ
て規制するということのようです。

突然の要請にあるボウリング場の男性マネジャーは「安全を徹底し、クラ
スター(感染集団)も出していないのになぜ一律に休業要請の対象となる
のか」と首をかしげたとの報道もありますが、規制する科学的な根拠が本
当にあるのか疑問点を持っている現場の人たちも多いでしょう。まあそれ
だけ変異株の脅威は増しているということなのでしょう。

もっとも短期集中型での対策で本当に感染が抑えられるのかは誰にも分か
りません。変異株の脅威は世界中で高まっています。インドやブラジルは
過去最悪のペースで感染が拡大しています。結局ワクチン接種が大きく進
展した英国や米国が感染を抑えられているように変異種への唯一の対策は
ワクチン接種の加速です。

残念ながら日本は英国や米国よりも大きく遅れています。ここまでの対策
強化をしないと日本では感染を抑えられないということであれば五輪開催
を強行するのは究極の愚策なのではないでしょうか。東京五輪開催は「コ
ロナを人類が克服した象徴の大会になると」の報道も以前ありましたが
開催まであと3ヶ月を切ったことを考えればとてもそんな楽観的な感情を
抱く国民は少ないでしょう。

おそらく五輪開催が他の国であったのなら日本の国民の総意は中止だった
でしょう。IOCや日本政府だけが開催に執着しているようです。緊急事態
宣言で甚大な影響を受ける人たちのことを考えれば五輪開催の是非はもは
や議論の余地はありません。多くの国民にワクチン接種が行き渡らない段
階で五輪開催というのは二兎追うものは一兎も得ずなのではないでしょう
か。

東京市場の立ち直りのキッカケは案外東京五輪開催断念なのかもしれませ
ん。緊急事態宣言の中身がはっきりしたことで取り敢えず週明けの東京市
場の反応はどんなものになるのでしょうか。

次回の更新は27日を予定しています。
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ボックスなら御の字

2021-04-23 06:06:42 | 日記
22日の日経平均は679円高と前日までの2営業日で下げた半分ちょっとを
取り戻しました。もっとも国内での感染拡大は尚も続いておりこのまま
スンナリと3万円回復する可能性は現時点では高くないでしょう。当面は
2万9000円を中心としたボックス相場なら御の字でしょうか。

今日東京市場ははNYダウやナスダック市場の下落から寄り付きから2万
9000円割れは避けられないでしょう。週末ということもあり午後から下
げが拡大するのか、それとも下値では買いが入って下げ渋るのでしょうか。

買い方だけでなく売り方も日本のGWで休場中に海外発で大きな動きにな
ると対処できません。短期筋も含めてポジションを膨らませたままGWに
突入することは避けるでしょう。月初で経済指標の発表も多いことも様子
見に拍車がかかるかもしれません。

一方的な下げ相場にならず当面は狭い範囲での値動きが続くと決算を材料
にした空中戦が本格化しそうです。22日発表された日本電産の決算では今
期過去最高益を更新する見通しです。大幅増益で高いバリエーションも幾
分か正当化できそうですが、下期回復の計画を市場がどのように判断する
のでしょうか。

FAなど他の銘柄への影響も大きそうですから市場がどんな答えを出すのか
注目です。いずれにしても決算発表を受けた銘柄のボラティリティは例年
通り高いのではないでしょうか。
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