kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

海外投資家が鍵を握る

2017-03-31 15:41:30 | 日記
31日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比153円96銭
(0.81%)安の1万8909円26銭で終えました。30日のNY株高、112円
台で推移していた円相場を支援材料に午後1時過ぎまでは堅調な展
開でしたが、2時過ぎから大引けにかけて時間の経過とともに下げ幅
を広げ安値引けで年度末を迎えました。

1年前よりも日経平均は2000円弱高い水準だったことから期末を控え
た国内機関投資家の利益確定売りが膨らんだとの説明が出ていまし
た。やはり海外投資家が売り越し基調を続けている間は相場のリード
役が見当たらず大幅上昇しても翌日には上昇分を帳消しにするように
下げるケースが多くなかなか本格上昇の糸口を掴めません。

ここ数週間国内投資家で買いが目立つのは個人と自社株買いでの
事業法人です。日本企業は資本効率の改善が定着してきましたから
増配と自社株買いは好業績企業中心に今年も高水準が予想されます。
事業法人の買いは継続しそうです。一方逆張り志向の個人投資家は
海外投資家の売りの受け皿となっています。今後も下落局面では継続
的に買いが期待できそうです。

その結果として信用買い残高が積み上がるのは余り歓迎できません。
信用取引の場合半年以内での反対売買する必要があります。勿論
現金で引き取ることも出来ますが、比率として反対売買を選ぶ投資家
が多いようです。アベノミクス相場がスタートして以来ほとんどの場合
海外投資家の買いが戻ってきて逆張り投資をした個人投資家は利益
を得られました。

信用買い残高は年末時点で2兆938億円でしたが、3月24日時点では
2兆6147億円まで膨らみました。ざっと5000億円弱増加した計算になり
ます。今後海外投資家の買いが不発に終わった場合需給面では厳し
い状況が出てくるかもしれません。順張りの海外投資家が戻ってくる
かどうかがやはりポイントになりそうです。

1、2日更新はお休みします。
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森、森再編機運に水

2017-03-31 07:16:31 | 日記
30日の東京市場は154円安と反落し前日の配当権利落ち分と上昇分
を帳消しにしました。一部には配当権利落ち分を一日で埋めたことか
ら4月相場に期待する市場関係者もいましたが、30日の動きを見る限
り期待半分不安半分といったところでしょうか。まだまだ東京市場の桜
は満開宣言が出ない状態です。

また30日付の経済紙によると米国上場の日本株ETFからの資金流出
が続いていると伝えています。11月から1月までは流入が続きました
が、2月に入ると流出に転じ3月には一段と流出額が膨らみ8ヶ月ぶり
の大きさになったと伝えています。日本株ETFの過去の流出入を見る
と同じ傾向が続くとケースが多いようです。米国上場の日本株ETFは
海外投資家の日本株投資のバロメーターになっていますから気になる
ところです。

海外投資家はトランプ政策で円安などの恩恵が期待できる日本株に
にも資金を振り向けました。しかし議会との協調が図れずトランプ大統
領の政策実行力にも疑問符が付き円安の反転とともに日本株に対す
る先高期待感が低下したとの見方が出ています。年明け以降円相場
は115円台が大きな壁になっています。円安・日本株高といったトレード
を仕掛けていた海外短期筋の期待低下が日本株に影を落としています。

4月には例年海外投資家が買い越し基調に転換するというのが株高の
拠りどころでしたが、日本株ETFの流出入と海外投資家の日本株買い
が連動しているのであれば雲行きは怪しくなってきました。国内機関投
資家が4月以降売りが沈静化するとしても頼みの海外投資家が買って
こなければ2万円への展望は拓けません。やはり4月相場が盛り上がる
かどうかは海外投資家次第です。

悪いことは重なるもので1ヶ月前経営統合ニュースの出た森永製菓と
森永乳業は統合協議を打ち切ると発表しました。折角盛り上がった再
編期待は失望に変わりました。海外企業と違ってなかなか日本企業の
業界再編の進み具合は迅速とはいきません。再編は過当競争の解消
に繋がり収益力向上も期待できるところから海外投資家の注目も高い
ニュースです。

再編には様々な障害が付き纏います。出光と昭和シェルとの組み合わ
せでは創業家の反対で合併が暗礁に乗り上げています。しかし世界に
目を転じると海外企業の大型再編は加速しています。米国株に比べて
PERなど割安だと言われている日本株ですが、国内での体質を引きず
ったままだと割安修正は期待薄のようです。
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さよなら東芝

2017-03-30 07:20:58 | 日記
東芝は29日米原子力子会社WHが連邦破産法11条を申請したと
発表しました。この影響で今期の最終赤字は1兆円で債務超過は
これまでの1500億円から6200億円に膨れ上がりました。今後の焦
点は今日の臨時株主総会で分社化を決議する半導体子会社の売
却価格に移りそうです。

東芝の皮算用は売却益1兆円以上だと伝えられています。半導体
子会社の純資産は5000億円から6000億円と言われていますから
1兆5000億円以上から2兆円での売却を想定しているようです。
会社の想定通り1兆円の売却益が得られれば債務超過を解消して
一息するでしょう。

もっともそれでも自己資本は4000億円程度と厳しい財務状況が続
くことに変わりはありません。それよりも新生東芝はどんな事業を
主力に据えて業績改善を計るのか見えなくなったことです。1年前
不正会計問題で巨額な赤字が見込まれウルトラCを使った医療事
業子会社の売却益で何とか債務超過を回避しました。

その時点で前社長の室町氏は原子力発電とフラッシュメモリを二本
柱に据えて会社再建を進めると発表しました。しかしその二本柱と
ももはや東芝の事業として存在しなくなります。東芝が新たな経営
の核に据えるのが、昇降機や空調、水処理、鉄道システムといった
社会インフラ事業です。

しかし社会インフラ事業は世界シェア2割で市場の伸びも期待でき
収益力も高いフラッシュメモリに比べれば事業規模も小さく収益力
も低いのが現実です。昇降機は国内では日立や三菱電機、海外
では世界首位のユナイテッド・テクノロジー子会社のオーチス・エレ
ベーター社、スイスのシンドラー社、ドイツのテッセンクルップと
大手がライバルです。

空調では世界首位の日本のダイキンや米キャリアなどの大手が立
ちはだかります。鉄道車両では仏アルストム、独シーメンス、カナダ
ボンバルディアが3大メーカーといわれています。売り上げ規模から
言えば合併で誕生した中国国営の中国中車がダントツです。日立も
イタリア企業を買収して3大メーカーを追撃しています。こんな現実を
前に大きく信用の失墜した東芝が互角の戦えるとは思えません。

この現実を見る限り幾ら東芝が社会インフラ事業中心に会社再建
を目指すといってもその道は茨の道そのものです。半導体子会社
が希望通りの価格で売却できて債務超過を解消でき東芝という社
名は残るでしょう。しかし将来は限りなく厳しいものになることだけ
は避けられないようです。
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2万円は遠いな~

2017-03-29 07:30:34 | 日記
権利配当付き最終売買日の28日の東京市場は年金など機関投資
家による配当再投資目的の株価指数先物買いが裁定買いの現物
株相場を押し上げました。前日に41%まで上昇していたカラ売りの
買戻しも配当落ち前の買戻しを誘ったようです。今日も含めて一日
二日は再投資目的の買いが期待できるかもしれませんが勿論これ
は一時的な需給要因での上昇です。

本当の勝負は4月相場に突入する来週以降ということになります。
注目点は決算期末を通過して円相場が今後円高、円安どちらに動
くのかトランプ政策への期待が薄れてきたNY市場は立ち直れるの
か、日本株の上昇に欠かせない海外投資家の買いは戻ってくるの
かなどです。月初での経済統計がまずは注目されます。

市場の関心は次第に来期業績に移ってきます。110円程度の為替
の水準なら世界経済の立ち直りもあり二桁増益も期待できそうです
がその前に立ちはだかるのがトランプ大統領の通商政策です。4月
から始まる日米経済対話で現状の貿易不均衡に対する米国側の
要求が現時点では明らかになっていないこともあり不透明感が解消
するのか、最も影響を受けると見られるのが自動車業界です。

トヨタをはじめ大手自動車銘柄の株価は年明け以降値下がりが目立
ちます。時価総額の大きな自動車銘柄の株価が低迷しているようだ
と2万円回復は夢のまた夢です。このところ東京市場は景気敏感株
売りのディフェンシブ買いといつか来た道に戻ってしまいました。物色
銘柄の広がりがなければ2万円回復、その後の一段高は期待できま
せん。

新興市場やIPO銘柄の人気も確かに外部環境の左右され難く独自の
成長路線を持っている銘柄が多いという側面はあるでしょう。しかし人
気の背景はそれだけでなく裏を返せば主力銘柄を手がけられない市
場環境という見方も出来ます。現在の流れは市場関係者が年初の描
いていたシナリオはこの展開ではなかった筈です。

今日の配当落ち分は130円ほどだといわれています。NY市場の大幅
高と円相場の落ち着きから今日の日経平均は配当落ち分を埋めて上
昇する可能性もあります。もっとも8日連続安の後の150ドル高の大幅
上昇でNY市場の調整は一巡したのか現時点ではどちらとも決められ
ません。再びNY市場の下落が始まればリスク回避から110円割れの
円高懸念も浮上します。再び株安に戻ってしまう懸念もあります。

少なくとも年明け以降の世界の市場を見渡せば米国株や欧州株、新
興国株が日本株よりもアウトパフォームしています。年末時点の予想
では円安とトランプ政権の政策期待から日本株に対する期待はかな
り高く年明けの早い時点での2万円回復も期待されましたが、3ヶ月が
経過する時点でも2万円は近くて遠い水準です。さて4月に海外投資家
の買いが復活して遅めの春が日本株に訪れるのでしょうか。
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トランプリスク顕在化

2017-03-28 07:45:10 | 日記
真冬並みの寒さと雨となった週明け27日の東京地方でしたが株式
市場にも冷たい雨が一日中降り続きました。先週末の上昇で一旦
1万9000円割れの懸念は遠のいたと思われましたが、オバマケア改
正案の取り下げから24日にNY市場が下げたことと110円台前半の
円高で落ち着きかけた東京市場の出鼻をくじかれた格好です。

東京市場は日足チャートで下値切り上げ形の三角持ち合いが煮詰
まってきたことから上放れを期待されました。しかし22日に404円とい
う大幅な下げで下放れした格好になり一旦は二日続伸で持ち直すか
と思われたのも束の間27日には2営業日の上昇分以上の下げとなり
大引けでも1万9000円を割れてしまいました。

チャート的には上昇トレンドが崩れたことになり当面は下値模索も避
けられない情勢です。市場関係者が期待した4月相場入りとともに2万
円回復に向かっての上昇は少なくとも先に持ち越された可能性が高
そうです。一時はそれ程円安にならなくても株価が堅調だったことから
円相場離れと強気の見方も出ていましたが、流石に110円まで円高に
なるともう一段の円高が気になり市場も冷静ではいられません。

少し前には4月になれば国内機関投資家や海外投資家の買いも戻る
との見方から3月の安いところは買いのチャンスと主張する市場関係
者もいましたが、期待通りに春の株高になるのかどうかは不安になっ
てきました。本当に4月以降劇的に日本株を取り巻く環境がよくなり2万
円に向かって上昇するのか正直なところ分からなくなってきました。

逆に4月以降の期待が高かっただけに一時的には失望売りから一段
安というシナリオも考えておくべきかもしれません。例年通りGWに向
かって上昇を期待したい気持ちはありますが、現実問題として4月高
に向かっての3月相場は助走期間だった訳ですが、先週から腰砕け
状態です。

NY市場は27日も下げこれで8日連続下落です。トランプラリーの変調
は明らかです。一方ナスダック市場は反発しました。高値からNYダウ
が3%下げたのに対してナスダック市場は1%の下げに止まっています。
ダウ採用銘柄が金融や素材、機械などトランプ政策で恩恵を受ける銘
柄が多いのに対してナスダックはハイテク銘柄中心です。

結局政策期待が後退して関連銘柄が下げたのに対して政策に左右さ
れ難く業績好調なハイテク銘柄が多いナスダックの優位に再び投資家
の目が向いているようです。東京市場でも第一生命などの金融株が軟
調に推移する一方、東京エレクトロンやスクリーンHGが上昇するなど
政策期待ではなく業績の安心感のある銘柄に資金が集まっています。
今後とランプラリーの第2幕があるのかどうかは分かりませんが、やはり
注目は為替や政策に関係が薄い業績好調な銘柄となりそうです。
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