kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

明日から師走相場スタート

2016-11-30 08:36:38 | 日記
29日の東京市場は二日続落しました。株高を支えていた先週までの
急ピッチな円安進行が止まり先週大きく上昇したトヨタや日産、ホンダ
の大手3社を含めた自動車や電機銘柄の一角は二日続落しました。
もっとも二日続落といってもほとんどの銘柄の下げ幅は小幅でした。

一方内需銘柄の建設や不動産などは出遅れ感から上昇する銘柄
が多く循環物色の流れはまだ続いているようです。今週はFRBが
30日にOPEC総会また12月利上げ決定材料となる11月雇用統計
発表(米国時間2日)イタリアの国民投票(4日)他にも月末・月初で
様々な経済統計の発表が予定されています。

日米とも今月大きく株価水準が切り上がっただけに結果次第では
相場全体や個別銘柄の変動が大きくなることも考えられます。騰落
レシオや移動平均線との乖離率の拡大など大きな下げはなくても
微調整程度の下げは想定しておく必要はありそうです。米国選挙後
休むことなく上昇してきただけに勢いが止まれば売りが増えることは
考えられます。

海外投資家の第3週は現物のおよそ1.5倍の先物の買い越しがあり
ました。今月の上昇は先物主導だったことがはっきりしています。現
物取引と違って比較的短期間に反対売買が出てくる先物の売りが主
導する形での三桁の下げはどこであっても不思議ではありません。
勿論日銀ETF買いが下値を支えるという期待はあるでしょう。しかし
しかし一日の購入金額は決まっています。短期筋が一斉に売りに転
じた日銀のETF買いがあっても一日の下げ幅が小幅で済むという保
障はありません。

先々ではまだ上昇余地があるとしても短期的には警戒感を持つべき
かもしれません。いよいよ明日からは名実ともに12月相場入りです。
2016年の取引も後残すところ1ヶ月を残すのみとなりました。昨年の
ように12月相場入り早々に当面の高値をつけてしまうのかそれとも
年末まで堅調地合いが続くのかやはり海外投資家次第でしょう。

短期筋が売りに転じても年金等の長期投資家の買いが見込めれば
債券から株式にといったグレートローテーションが現実のものとなり
息の永い上昇も夢ではありません。トランプ氏勝利であっという間に
期待先行で大幅な円安と株高が進み当面の相場に強弱感が出てき
ました。期待と不安が混在する師走相場がまもなく始まります。
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急騰の影にいつも海外短期筋あり

2016-11-29 08:15:37 | 日記
東京の11月の初雪は54年ぶりとなるなど自然界でも異常なことが起きた
11月も後残すところ二日となりました。株式市場でも米国の大手マスコミ
が枕を並べて予想を外したトランプ候補の勝利、そして為替や株式市場
にとってはトランプだ勝利は悪夢という事前の予予想でした。しかし金融
市場の大混乱は「大山鳴動して鼠一匹」という諺がピッタリ当てはまるほ
ど下振れでの大混乱は起きませんでした。

大混乱はむしろトランプ・リスクに怯え円高に備えたポジションを取った
為替参加者や9日の大幅安で慌てて売りポジションを取った株式の投資
家のその後の心理状態だったようです。余りにもクリントン勝利では円安
株高、反対にトランプ勝利で円高・株安といった事前にストーリーが出来
上がっていたために10日以降の相場が真逆の反応を示してもこの動き
は当初短命に終わるといった心理が働いたようです。

日本の個人投資家の場合ディトレーダーを除けばほとんど逆張りの投
資家です。イベント・ドリブンでトランプ氏の選挙公約が実行されることで
巻き起こる現象を予想してトレードを仕掛けるヘッジファンド主導の相場
ではほとんど追随できませんでした。結局逆張りで仕込んであった銘柄
の利益確定売りを急ぐ形になりました。相場急上昇時の場合これまで何
度も経験した個人投資家の売り、海外投資家の買いという構図です。

何時の場合でも海外投資家は順張り志向で一旦買い越しに転じるとし
ばらくその傾向は続き、一旦売り越しに転じるとある程度長い期間売り
が止まらない傾向が見て取れます。ヘッジファンドにとって重要なのは
値頃感や割安感ではなく相場の流れがどうなるのかです。結局イケる
ところまで順張りで買い進めるという投資が続きます。

11月第3週(11月14日から11月18日)の海外投資家による日本の現物
株と先物合計の売買は1兆1810億円の買い越し(前週は6228億円の
買い越し)となりました。11月第1週が現物と先物合計で4515億円の売
り越しでしたからトランプ氏勝利で猛烈な勢いで買いに転じたことがみ
て取れます。久しぶりにヘッジファンドお得意のイベント・ドリブンが復活
したようです。

日本株の大幅高の背後にはまたしても短期間での海外投資家の大量
買いがあったようです。このまでのケースのようにこの傾向がしばらく続
くのであれば多少の調整はあっても12月には1万9000円も夢ではない
でしょう。しかし短期筋がクリスマス休暇を控えて早々とポジションを閉
じるような事があれば上昇相場も幕を閉じるでしょう。今回も海外短期
筋がどう出るのかがポイントになりそうです。
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日立の挑戦は成功するのか

2016-11-28 07:57:21 | 日記
米国大統領選挙後から始まったトランプ・ラリーはあっという間に円
相場や日経平均を別次元のところまで引っ張り上げました。100割れ
に怯えた円相場、1万6000えんが死守できるかと心配された開票か
ら2週間余りで誰もが驚く別世界になってしまいました。結果論から言
えば良い方向に転んだことになりましたが、そんなに楽観論が先行し
ていいのか、後でしっぺ返しがくるのではないのかと心配になるのは
投資の性でしょうか。

25日にザラバでは引け値ベースの年初来高値を更新した東京市場
ですが、今後はザラバ年初来高値1万8951円を年内に更新できるの
か?また昨年の大納会の終値1万9033円奪回なるのかが焦点になり
そうです。そのための条件はNY市場が堅調に推移し円相場が現状
の水準から下振れしないことが条件になりそうです。

大幅な円安が進んだことで輸出企業の大幅上方修正への期待は今
後益々高まりそうです。9月中間決算で下期の想定レートを100円に
変更した企業が多かったことから考えれば尚更です。心配なことは
新興国通過の下落がドルやユーロに対しての円安メリットをどこまで
消してしまうのかでしょうか。

今朝の経済紙には「日立、IoTで街づくり」という見出しが踊っていま
した。内容はカメラやセンサーから人工衛星から得られるデータをAI
で分析して便利で安全な街づくりを支援するというものです。2020年
の東京オリンピックを控え海外からの訪日客が今後も一層増加する
ことが期待されます。日立の技術で便利で安心な街づくりが実現でき
れば世界中の人達にアピールでき大きなビッグチャンスに繋がります。

日本の電機メーカーで今年日立ほど経済紙に関連記事が多く乗る企
業は見当たりません。それだけ今後の注目技術であるIoTやAIを成長
の柱として日立が取り組んでいるからでしょうか。また多くのグループ
上場企業を抱えている日立ですが再び選択と集中に舵を切ったことで
経済紙に載る機会が増えているようです。今秋には子会社の日立工
機と日立国際電機を売却するという観測記事が出ました。その後会社
からは正式な発表がないので決定事項ではないのかもしれません。

話題豊富な日立ですが、残念ながら株式市場では同業の三菱電機の
方が評価は高いようです。高い評価の背景には重電3社でもいち早く
事業の選択と集中が進み強い事業基盤を築きあげたことです。競争の
激しいデジタル製品から撤退し自社の強みのある事業に経営資源を
集中し高い利益率を維持しています。高い評価は株価に反映されて
いて三菱電機の先週末の終値1600円は年初来高値を更新中で2015年
5月に記録した高値1718円更新も射程に入ってきました。

片や日立は2014年に記録した高値947円は遥か遠く年初来高値692円
さえも10%ほど下回っている状況です。話題は豊富でも目に見える形
で利益率が上がっていない現状を反映しています。日立が経営の柱に
すえているIoTやAIは世界中に強力なライバルが存在します。海外企
業と互角以上に勝負するためには非中核事業の切り離しと主力事業の
一層の強化が必要です。それもスピードを伴なったものでなければ海外
企業との差は縮まらないでしょう。
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自動車高は何を意味するの?

2016-11-25 16:11:08 | 日記
25日の東京市場は7日続伸の1万8381円(47円高)で終わりました。
ザラバでは今年の大発会の終値ベースでの高値1万8450円を上回
る場面もありました。事前の予想では今週は1万8000円固めで揉み
合いという予想もありましたが、連日の米国株高と予想以上の速さ
で進む円安トレンドで企業業績が大幅に改善するという強気の見方
から一気に年初の高値まで登りつめました。

1万8500円近くまで上昇しましたが、流石に上昇ピッチの速さと週末
での手仕舞い売りに押されてマイナス圏に沈む場面もありました。
振り返ってみればトランプ候補の勝利というまさのか選挙結果でし
たが、それ以上に強烈なトランプ・ラリーがおきたことのほうがサプ
ライズでした。トランプ勝利で円相場の100円割れは避けられず日
経平均の1万6000円割れも警戒されましたが、円相場も日経平均も
結果は多くの市場関係者もびっくりするモノでした。トランプ・リスクで
大騒ぎした9日は今から考えれば何だったのでしょう。

トランプ・ラリーが始まった当初は金融規制の緩和とインフラ投資の
拡大というトランプ氏が掲げる政策で恩恵を受けると見られた金融
や非鉄や機械銘柄が大きく上昇しました。自動車や電機銘柄は保
護主義や円高志向といった政策から見送られる場面が続きました。
潮目が変わったのは当初110円だと見られていた円相場が当面の
抵抗ラインを越え円安が進んだ先週末からです。25日の東京市場は
その動きが顕著になり先駆した金融銘柄が下げ自動車銘柄の上昇
率が際立ちました。

先駆した銘柄から出遅れ銘柄へと循環物色が旨く流れていて幅広い
銘柄の底上げがもう一段高に繋がるという見方も出ているようです。
もっとも自動車銘柄はトランプ氏が見直しを公約したFTAでもっとも
影響があるといわれているメキシコに一大生産拠点を構えています。
また好調だった米国販売に夏以降陰りが出て先行き不安が台頭する
などもっとも買いづらいセクターと言われていました。それが株価が
出遅れた要因です。

懸念が払拭された訳ではありませんが、大幅に進んだ円安と株価指
標面での割安さから今週は一気に自動車セクターの人気が沸騰しま
した。1万8000円台の立役者は自動車セクターだったようです。確かに
円安メリットの7割は自動車セクターに出るといわれていますから円安
イコール自動車株買いというのは間違った選択ではありません。

もっとも為替相場ほどプロでもしばしば予想を外す市場はありません。
円安頼みになった相場は脆いという教訓を投資家は今年前半相場で
嫌というほど経験しました。割安感が後退した自動車銘柄を余り深追
いするのは賢明な選択とは思えません。市場では円相場の115円60銭
日経平均の2015年大納会の1万9033円が目標との景気の良い数字も
出てきそうです。もっとも多くの見方が強気一辺倒あるいは弱気一辺倒
になった場合その反対の目が出ないとも限りません。もう一度足元を
点検する局面に来たようです。

26、27日の更新はお休みします。
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出遅れた投資家の憂鬱

2016-11-25 08:18:22 | 日記
今週の東京市場は1万8000円を挟んで揉み合いになるとの予想も
ありましたが、3営業日を経過した時点では予想外の堅調な状況が
続き少し手を伸ばせば1万8500円に届きそうなところまできました。
予想外に堅調な相場を演出したのは円安の一段の進行と米国株の
上昇です。

NY市場は先週のこう着状態から抜け出三日連続で過去最高値を
更新大台の1万9000ドル台に乗せた後も堅調な展開を続けています。
円相場も23日の海外市場で112円台後半まで円安が進み昨年6月の
125円後半と今年6月の98円後半の半値戻しに当たる112円40銭を
超えてきました。

引き続いてトランプ・ラリーが続き日本株が上値を追えるかどうかは
円相場と米国株が鍵を握っています。米国株についてはまだまだ上
値を追う展開も予想されています。円相場が節目の半値戻しを達成
後さらに115円を目指して円安に進むのかポイントでしょう。円安が
進行している間は少なくとも日本株の上昇は続きそうな流れが強ま
っています。

トランプ氏のビデオメッセージで米国のTTP離脱はもはや決定的で
す。北米FTA見直しはまだどっちに転ぶか分かりません。現在の相
場の勢いは認めるにしても決して米国第一を政策の柱に掲げるトラ
ンプ氏の政策を考えれば円安の裏側にあるドル高をどこまで容認す
るのか現在のような日本に都合の良い環境が続くとは思えません。
いずれ米国との利害が衝突する場面も出てくるでしょう。

今回のトランプ・ラリーに乗り遅れたと見られている国内の期間投資
家は先々のことを考えると不安で腰が引けて買うにしてもある程度
下げたところで買いたいというのが正直な気持ちのようです。そんな
心理を見透かしたように東京市場は押し目待ちに押し目なしで上昇
が止まりません。

現在相場を主導しているのは海外の短期筋です。円安と株高が同時
に進むことにより円安による企業業績の上方修正期待を持続させ株
高が進むといういつか来た道を連想させます。円高・日本株売りの戦
略から円安・日本株買いといった大胆な方針転換を瞬時に行った海外
短期筋に今回は見事に一本取られた格好です。

もっともこの円安・株高の流れは短期勝負と考えている可能性が高く
いずれ出口を模索することになるでしょう。市場の一部には転機は雇
用統計発表前後、あるいはFOMC前後または年末まで、トランプ大統
領就任の1月中旬までなど様々出てきます。相場に行き過ぎはつきも
のです。その行き過ぎがどこまでか大変難しい判断です。

しかしひとつだけ確実にいえることは一方的な上昇の後にはこれまで
のケースでは必ず大き目の調整が待ち構えていました。上げ相場が
永かったほど、上げ幅が大きかったほど反動も大きくなります。日々
運用競争に晒されている機関投資家に取って株高に乗り遅れるとい
う不安と高値掴みになってしまうという不安が交差する投資家心理は
当面続きそうです。
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