今週の日経平均は小幅高(102円高)で取引を終了しました。27日の135円安で
2週連続安も懸念されましたが、OPEC総会で減産合意が成立せず原油価格が
急落したことにより日本経済にはプラスという追い風が吹き28日の大幅反発
(211円)に繋がりました。
28日には原油安メリットを囃して海運や空運株が値を飛ばしました。反対に石油
やエネルギーへの収益依存度の高い三井物産やプラント各社には終日売りが
続きました。NY市場でもエネルギー株下落の一方空運株や原油安で個人消費
に好影響が期待できる小売り株の上昇が目立ち原油安での市場の反応は同じ
傾向のようです。
電機や自動車など主力株にも前日の下げの反動もあり買いは広がりました。
その中でも自動車銘柄の中でトヨタ株の強さが目立った一日でした。終値は
7314円(167円高)と年初来高値を大幅に更新しました。日足チャートを観ると
日々の値動きには派手さはないのですが確実に上昇トレンドを描いています。
またこのところ経済紙にはトヨタに関しての記事が一面を飾るケースが増えて
います。先週は燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の市販開始が伝わりまし
たが今週は高級車ブランドのレクサスでアルミ使用料を増やして燃費改善を
目指すというニュースが一面に載りました。また28日には系列の部品会社が
ブレーキ事業統合というニュースが伝わりました。いずれのニュースも直ぐに
トヨタの業績を押し上げるものではありませんが将来に向けての競争力強化
としては良いニュースです。
ライバルのホンダがリコール問題でネガティブなニュースが相次ぐ中で2社の
株価も明暗を分けることになっています。昨年の今頃は自動車銘柄の人気の
中心は円安メリットの大きな富士重工やマツダの中堅メーカーでした。トヨタは
完全に人気の圏外で6100円から6400円弱のボックス圏を大納会まで抜けず
に投資効率の悪い銘柄でした。そして1年後の現在は世界の自動車のトップ
企業として株価も順調に高値追いを続けています。まさにこの1年で様変わり
です。
多くの予想のように円相場が120円を超えて円安が進めばトヨタ株は2007年
2月に記録した高値8350円を目指すことになるかもしれません。収益的には
リーマン前の水準を今期に超えることが確実視されます。また自社株買いや
増配も実施して株主配分にも積極的になっています。高値更新への下地は
整ってきたように思えます。
もっとも懸念材料はあります。円安と米国自動車業界の活況も手伝い収益に
対する米国依存度が増していることです。欧米の大手と依然大きな販売台数
に差のある中国での巻き返しや圧倒的なシュアを握るタイやインドネシア市場
の減速への対処です。国内市場の低迷も頭痛の種です。2015年の国内生産
が3年連続で減少しそうだとニュースで伝えています。現地生産の拡大から円
安基調でも輸出増には繋がらないということです。数年前の超円高の副作用と
いえる現地生産の拡大と国内生産の減少は自動車各社に共通する問題です。
もっとも今の買いの主体である海外の長期資金は当面の業績だけでなく将来
の競争力に期待しての投資なら目先の悪材料では売ってこないでしょう。さて
トヨタが東京市場の時価総額1位企業にふさわしいパフォーマンスを今後も上
げられるかどうか日本株のバロメータにもなります。
明日の更新はお休みします。
2週連続安も懸念されましたが、OPEC総会で減産合意が成立せず原油価格が
急落したことにより日本経済にはプラスという追い風が吹き28日の大幅反発
(211円)に繋がりました。
28日には原油安メリットを囃して海運や空運株が値を飛ばしました。反対に石油
やエネルギーへの収益依存度の高い三井物産やプラント各社には終日売りが
続きました。NY市場でもエネルギー株下落の一方空運株や原油安で個人消費
に好影響が期待できる小売り株の上昇が目立ち原油安での市場の反応は同じ
傾向のようです。
電機や自動車など主力株にも前日の下げの反動もあり買いは広がりました。
その中でも自動車銘柄の中でトヨタ株の強さが目立った一日でした。終値は
7314円(167円高)と年初来高値を大幅に更新しました。日足チャートを観ると
日々の値動きには派手さはないのですが確実に上昇トレンドを描いています。
またこのところ経済紙にはトヨタに関しての記事が一面を飾るケースが増えて
います。先週は燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の市販開始が伝わりまし
たが今週は高級車ブランドのレクサスでアルミ使用料を増やして燃費改善を
目指すというニュースが一面に載りました。また28日には系列の部品会社が
ブレーキ事業統合というニュースが伝わりました。いずれのニュースも直ぐに
トヨタの業績を押し上げるものではありませんが将来に向けての競争力強化
としては良いニュースです。
ライバルのホンダがリコール問題でネガティブなニュースが相次ぐ中で2社の
株価も明暗を分けることになっています。昨年の今頃は自動車銘柄の人気の
中心は円安メリットの大きな富士重工やマツダの中堅メーカーでした。トヨタは
完全に人気の圏外で6100円から6400円弱のボックス圏を大納会まで抜けず
に投資効率の悪い銘柄でした。そして1年後の現在は世界の自動車のトップ
企業として株価も順調に高値追いを続けています。まさにこの1年で様変わり
です。
多くの予想のように円相場が120円を超えて円安が進めばトヨタ株は2007年
2月に記録した高値8350円を目指すことになるかもしれません。収益的には
リーマン前の水準を今期に超えることが確実視されます。また自社株買いや
増配も実施して株主配分にも積極的になっています。高値更新への下地は
整ってきたように思えます。
もっとも懸念材料はあります。円安と米国自動車業界の活況も手伝い収益に
対する米国依存度が増していることです。欧米の大手と依然大きな販売台数
に差のある中国での巻き返しや圧倒的なシュアを握るタイやインドネシア市場
の減速への対処です。国内市場の低迷も頭痛の種です。2015年の国内生産
が3年連続で減少しそうだとニュースで伝えています。現地生産の拡大から円
安基調でも輸出増には繋がらないということです。数年前の超円高の副作用と
いえる現地生産の拡大と国内生産の減少は自動車各社に共通する問題です。
もっとも今の買いの主体である海外の長期資金は当面の業績だけでなく将来
の競争力に期待しての投資なら目先の悪材料では売ってこないでしょう。さて
トヨタが東京市場の時価総額1位企業にふさわしいパフォーマンスを今後も上
げられるかどうか日本株のバロメータにもなります。
明日の更新はお休みします。