kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

トヨタの頑張り

2014-11-29 08:41:23 | 日記
今週の日経平均は小幅高(102円高)で取引を終了しました。27日の135円安で
2週連続安も懸念されましたが、OPEC総会で減産合意が成立せず原油価格が
急落したことにより日本経済にはプラスという追い風が吹き28日の大幅反発
(211円)に繋がりました。

28日には原油安メリットを囃して海運や空運株が値を飛ばしました。反対に石油
やエネルギーへの収益依存度の高い三井物産やプラント各社には終日売りが
続きました。NY市場でもエネルギー株下落の一方空運株や原油安で個人消費
に好影響が期待できる小売り株の上昇が目立ち原油安での市場の反応は同じ
傾向のようです。

電機や自動車など主力株にも前日の下げの反動もあり買いは広がりました。
その中でも自動車銘柄の中でトヨタ株の強さが目立った一日でした。終値は
7314円(167円高)と年初来高値を大幅に更新しました。日足チャートを観ると
日々の値動きには派手さはないのですが確実に上昇トレンドを描いています。

またこのところ経済紙にはトヨタに関しての記事が一面を飾るケースが増えて
います。先週は燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の市販開始が伝わりまし
たが今週は高級車ブランドのレクサスでアルミ使用料を増やして燃費改善を
目指すというニュースが一面に載りました。また28日には系列の部品会社が
ブレーキ事業統合というニュースが伝わりました。いずれのニュースも直ぐに
トヨタの業績を押し上げるものではありませんが将来に向けての競争力強化
としては良いニュースです。

ライバルのホンダがリコール問題でネガティブなニュースが相次ぐ中で2社の
株価も明暗を分けることになっています。昨年の今頃は自動車銘柄の人気の
中心は円安メリットの大きな富士重工やマツダの中堅メーカーでした。トヨタは
完全に人気の圏外で6100円から6400円弱のボックス圏を大納会まで抜けず
に投資効率の悪い銘柄でした。そして1年後の現在は世界の自動車のトップ
企業として株価も順調に高値追いを続けています。まさにこの1年で様変わり
です。

多くの予想のように円相場が120円を超えて円安が進めばトヨタ株は2007年
2月に記録した高値8350円を目指すことになるかもしれません。収益的には
リーマン前の水準を今期に超えることが確実視されます。また自社株買いや
増配も実施して株主配分にも積極的になっています。高値更新への下地は
整ってきたように思えます。

もっとも懸念材料はあります。円安と米国自動車業界の活況も手伝い収益に
対する米国依存度が増していることです。欧米の大手と依然大きな販売台数
に差のある中国での巻き返しや圧倒的なシュアを握るタイやインドネシア市場
の減速への対処です。国内市場の低迷も頭痛の種です。2015年の国内生産
が3年連続で減少しそうだとニュースで伝えています。現地生産の拡大から円
安基調でも輸出増には繋がらないということです。数年前の超円高の副作用と
いえる現地生産の拡大と国内生産の減少は自動車各社に共通する問題です。

もっとも今の買いの主体である海外の長期資金は当面の業績だけでなく将来
の競争力に期待しての投資なら目先の悪材料では売ってこないでしょう。さて
トヨタが東京市場の時価総額1位企業にふさわしいパフォーマンスを今後も上
げられるかどうか日本株のバロメータにもなります。

明日の更新はお休みします。
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日替わり定食

2014-11-28 08:19:52 | 日記
今週の東京市場は円安にも一服感が出て期待されていた輸出株主導での
17500円突破はお預けのようです。今日の東京市場は26日に米国市場が感
謝祭で休場になり頼みの海外投資家も動きもあまり期待できないようです。
一部の主力銘柄を除いて今週は大型株の動きも目立たず市場は材料の出
た銘柄を日替わり定食のように物色しています。

先週からその動きは出ていました。トヨタが燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」
を市販すると発表すると水素関連銘柄の岩谷産業や三菱化工機が値を飛ばし
今週はやはりトヨタが高級車部門のレクサスでアルミの採用を増やすと発表す
ればUACJや大紀アルミが急上昇しました。中国が利下げすれば中国関連銘
柄の建機株や商社などが物色され来年の成長目標が今年の7.5%から7%程度
に引き下げられると伝わると関連銘柄は値を消すという目まぐるしさです。

その背景にあるのは10月中旬以降、予想外の追加緩和や解散総選挙で日経
平均が急騰したことによる過熱感や12月2日の選挙公示を控えていることや
月末、月初で重要な経済指標の発表を控えていることなどがあります。積極
的に上値を買い上がる材料にもかけています。ここまで相場を主導した海外
短期筋の先物買いも影をひそめています。

一方円安による企業業績の上方修正期待や原油安による米国の消費増への
期待もあります。ここまでの上昇で個人投資家には投資余力が増し物色意欲
は健在だというあるようです。先週の信用買い残高は953円増と5週ぶりに増加
しました。それでも3兆3000億円を超えていた春時点よりも水準は低く2兆7571
億円ですから下げれば逆張りに動く個人投資家は多いようです。

月末月初で円相場や株価に影響するような経済統計が今後発表されます。
経済統計などの結果を消化しながら相場は再び主力株中心に上昇するので
しょうか。それとも総選挙など市場の予想外の事が起き材料株物色が続くの
でしょうか。

投資の常道である業績好調な銘柄の押し目買いを徹底するべきなのか。サプ
ライズ緩和で急激な円安と消費税引き上げ延期、解散総選挙というビッグイベ
ントが続き株価も1ヶ月余りで3000円ほど上昇しただけにここからの銘柄選びは
いつもよりも難しそうです。大手証券の株式担当者のように万年強気になれれば
気も楽なのでしょうが。日替わり定食の様な現在の相場の次の展開が問題です。
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どうした三菱中核企業

2014-11-27 08:40:55 | 日記
トヨタや日立、パナソニックなど主力株が今月相次いで年初来高値を更新する
反面三菱という名前を冠した企業の株価がこのところ冴えません。自動車銘柄
の中では三菱自動車は数年前の経営危機から立ち直りましたが業界の中では
アジア市場での依存度が高く新興国での販売減速や財務や欧米での販売力が
劣るので円安メリットの恩恵はありますが出遅れるのは仕方ない面はあります。

しかし重電3社の中では最も早く事業の選択と集中が進み高収益を確立した
三菱電機の出遅れはどこにあるのでしょう。株価は9月末と11月初旬の1500円
弱でダブルトップを形成した形になっています。M&Aなどに2000億円の投資を
行うと伝えられた25日には前日比26円高の1527円と高く始まりましたが買いが
続かずその後は上げ幅を縮める展開でした。26日は4円高と小幅高で引けまし
たが値動きの鈍さは明らかです。社会インフラへの積極的な投資戦略で人気
を集める日立とは対照的な値動きです。

その日立と火力発電分野で事業統合した三菱重工も造船・重機業界の中では
人気低迷が目立ちます。川重やIHIが今週相次いで年初来高値を更新したの
に三菱重工は1月13日の高値730円よりも50円弱安い680円前後で揉み合って
います。造船・重機3社の中では業界トップ企業の三菱重工が株価面でもリード
するケースがこれまで多かったのですがどうも今回は脇役です。

三菱電機も三菱重工も日銀の追加緩和で大幅高した11月4日の高値とその後
の値動きは足チャートを比べると高値を付けた時期とダブルトップ形成という
非常に似通った動きをしています。両銘柄とも円安メリットで業績上方期待は
持てると思うのですがこれだけ動きが鈍いと何か表面化していない悪材料が
あるのではないかと疑ってしまいます。

同じ三菱グループの化学大手の三菱ケミカルHGが高値更新を続けていること
を考えるとこの2銘柄の出遅れは際立っています。いずれどの時点かで見直し
があるのでしょうか。この欄でも取り上げた富士通もヤフーもその後安値から
は反発する局面が出てきました。もし安くなる場面があれば打診買い程度の
買いでも入れるべきなのでしょうか。
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主力銘柄の強さが目立った一日だった

2014-11-26 06:56:45 | 日記
25日の東京市場は日本が連休の間、中国の予想外の利下げやECBの追加
緩和観測など好材料が出て欧米市場が上昇したことを受け寄り付き段階で
年初来高値17490円(11月14日)に面合わせしたものの短期的な過熱感もあ
りその後は100円弱の狭い値幅で一日中推移しました。

日経平均への寄与度の大きいファナックやファーストリティリングが高寄りした
後、右肩下がりで推移したところから17400円では継続的に先物の売りが出て
いたのかもしれません。追加緩和で急騰した立役者のヘッジファンドが利益確
定の先物売りを出しているのかもしれません。

もっとも主力株のトヨタや日立やパナソニックなどが堅調に推移していたことか
らも指数主導ではなく個別株には実需筋の根強い買い注文があったのではな
いでしょうか。引き続いて好業績の銘柄が業種を問わず物色されたようです。
地銀株に年初来高値を更新する銘柄が多かったことの背景には再編期待から
見直し買いが引き続いて入っているようです。

騰落レシオは25日現在145%まで上昇、25日に移動平均との乖離率も7%と
過熱感を懸念する見方はあります。私も以前は教科書通りに買えない言い訳
にしていました。警戒心から上昇している相場を冷ややかに見ていました。しか
し順張りの海外投資家には余りテクニカル的な過熱感なんて見方は通用しない
ことに気づきました。そして上昇相場の主役はやはり海外投資家です。

騰落レシオが120%を越えているということはそれだけ上昇の勢いが続いている
ことへの裏返しでもあります。ここ数年の傾向としては120%越えが1ヶ月以上続
いたケースもありました。反対に120%を連日下回るようになれば上昇相場もピ
ークを過ぎたことも考えられ警戒すべきです。勿論無条件で強気になるのは危険
です。状況を確認しながらの投資は必要です。今後は適度な調整を挟みながら
上昇が続くという見方に変わりはありません。

10月17日の14532円安値からスタートした東京市場は値幅では既に3000円近い
上昇をしていますが上昇期間はまだ1ヶ月弱です。昨年は11月8日に安値をつけ
大納会まで上昇しました。もし同じ期間ならメジャーSQの12日前後ということにな
ります。衆議院選挙直前ということになりこれも何かの巡り合わせかもしれません。

もっと上昇相場はもう少し続くかもしれません。あるいはメジャーSQ前にピークを
つけるかもしれません。年内にどこまで上値を追えるかどこまで続くかは円相場
や欧米の株式市場次第でしょうか。短期強気、中長期不安といったところが現在
の考えです。

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自動車銘柄投資判断

2014-11-25 07:52:32 | 日記
今日付けの経済紙は新興国での新車販売が減速していると伝えています。
2013年には14%増を記録した世界首位の中国の新車販売台数は5%前後
まで減速しそうです。ブラジルやロシアは1割前後の減少昨年大きく伸びた
タイは4割近くの落ち込みと大幅な減少が避けられないようです。昨年10%
伸びたインドネシアも夏までの堅調さが影をひそめ9、10月と二ヶ月連続で
マイナスに沈んでいます。

一方世界第2位の米国は依然販売好調が続いています。通年では8年ぶり
の高水準である1600万台半ばまで販売を伸ばしそうです。欧州市場も3年
ぶりに増加に転じる予想です。しかもガソリン価格が数年ぶりに1ガロン3ド
ルを割り込み米国人好みの大型車の販売に勢いがついてきたことも利幅
の拡大で自動車メーカーには朗報です。今年は米国市場が支えた世界の
自動車販売だったようです。

こんな背景もあり日本の自動車メーカーの株価にも大きな影響が出ていま
す。米国市場の収益貢献度の大きなトヨタや富士重工は大幅な円安も追い
風になり株価は年初来高値を大きく超える水準です。また輸出比率が高く
先進国に強いマツダも11月には年初来高値を超えてきました。

反対に中国市場の販売比率が高い日産や円安メリットが少なく新興国市場
の販売減を米国市場でカバーできないホンダの株価は依然昨年の5月の高
値を下回る状態です。またインドネシアが日本に次いで販売台数の割合の
高いダイハツも国内市場の不振と合わせて尚も株価低迷が続いています。
同じようにタイやロシアなど新興市場の販売比率の高い三菱自動車も浮上
のキッカケが掴めない状態です。

例外はスズキでしょうか。インド市場の低迷は続いていますがシェア1位の
底力でしょうか販売は比較的好調のようです。株価は年初から2割程度高い
水準です。スズキの小型車の競争力はやはり侮れません。

中期的には所得水準の向上や人口の増加の見込める新興市場が有望市場
であることには変わりはありません。しかし世界の有力自動車メーカーもこぞ
ってこの市場での販売に力を入れています。今後も競争は激しくなりそうです。
この市場で販売を伸ばせるかどうか各社の命運を握っています。特に下位メ
ーカーに取っては会社の将来がかかっていくことになりそうです。今後5年程度
で結果が出そうです。
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