kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

「雨降って地固まる」?

2022-11-30 05:38:40 | 日記
今週は中国のゼロコロナ政策への懸念から日米市場とも軟調な始まりでした。先週あた
りから中国での感染者数の拡大や単発的なデモがニュースになってきました。しかしデ
モが全国に拡大する展開になり株式市場も流石に無視できない材料となってしまったの
でしょうか。

日米市場とも先週末、金融引き締めの緩和期待から順調に上値を追ってきました。しかし
ダウは8月の高値水準、日経平均も9月高値に迫ってきたこともあり高値警戒感が強いとこ
ろに中国発のニュースが格好の利益確定に駆り立てたようです。

尚も中国のゼロコロナ政策の行方は不明ですが、デモが体制批判などに向ってきたことで
ゼロコロナ政策の本格的な見直しに中国政府が踏み出せば「雨降って地固まる」の諺のよ
うになれば日本株には目先は逆風でも中長期的にはプラスとの見方もあるようです。

日本政府は入国規制の緩和に動きインバウンドは戻ってきましたがやはりコロナ前に訪日
観光客の3割を占めた中国需要が戻らないとコロナ前を回復するには厳しくなります。中国
政府が厳格なゼロコロナ対策を緩和しない限り観光客の本格回復は困難です。

デモが全国に拡大してもはやこれまで通りの厳格なコロナ対策を続けることが困難になり
欧米並みとは言わないまでも、ある程度行動制限を緩和する政策のキッカケになれば市場
からも歓迎されるでしょう。もっともゼロコロナ政策は習政権の目玉政策ですからかなり
ハードルは高そうです。

いずれにしても中国のゼロコロナ政策はオミクロン株が主流になり欧米各国がインフル並み
の扱いに転じたことから中国だけが政策を堅持するのは無理があったようです。2020年に
武漢で発見されたコロナ感染症が世界に拡散する過程で中国は厳格なコロナ政策をすること
になり封じ込めることに成功しました。

この成功体験と効果の乏しい国産ワクチンに頼ったことがその後の世界の潮流とはかけ離れ
たゼロコロナ政策を続ける袋小路に中国が陥りました。感染者数が低く抑えられ市中免疫が
広がらず潜在的な感染予備軍が多い中国で感染力の強いオミクロンを抑えることはほぼ不可
能です。

今年日本の感染者数が一時世界で最も多くなったのはこれまでの感染者数が少なく抑えられ
ていたことで自然免疫を持った人が少なかったとの見方があるようです。世界が注目するゼロ
コロナ政策の行方はどうなるのでしょう。現時点では予想が出来ないというのが正解です。
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再点検

2022-11-29 04:13:49 | 日記
やはり月末安は避けられないのでしょうか。8月と9月は中旬まで堅調な展開だった
日経平均は月末にかけて大きく下落しました。チャート的には二段下げのような形
になり7月から1ヶ月半で3000円余りの上昇分をすべて吐き出しました。

今回の上昇は10月3日の2万6000円割れからスタートしました。10月相場では一瞬
大きく下げる日もありましたが、何とか月末安は避けられました。しかし今週の
月末の3営業日は厳しい展開になりそうです。28日の取引では米国株高にも拘わら
ず、日経平均は120円安と2営業日連続で下落しました。

節目の2万8500円手前で上値の重い動きも目立ちます。このところ日経平均よりも
TOPIXの頑張りが目立ちますが、年初来高値銘柄を見ても幅広い業種で中小型銘柄
が顔を出しています。底上げ相場の背景には何があるのでしょうか。

米国の利上げ緩和が下値不安を軽減する一方、急激な引き締めの結果である経済悪
化とその先にある企業業績悪化が株価にどの程度影響するのか読み切れないのも事
実です。このところのダウの上昇も引き締め緩和と年末商戦での小売り売上の好調
を囃しての上昇でした。

しかし利上げペースの減速の先にある利上げ停止の展望が開けた訳ではありません。
市場が期待するような利上げ打ち止め時期は経済統計次第です。また好調なスタート
を切った年末商戦も小売り各社がセールを早めた影響もあり中盤以降の息切れも懸念
されます。そもそもこれだけインフレが進んだ訳ですから多少売り上げが増加しても
利幅が薄い可能性もあります。

夏相場も秋相場もスタート時点では売り方の買戻しが主因でした。しかも相場の主導
権はヘッジファンドのような短期筋です。彼らは中長期の経済見通しなどには無頓着
で足元のヘッドラインで相場を動かしています。中長期投資家が追随すれば息の永い
上昇相場になりますが、短期筋だけでは相場は短命に終わることもあります。

このところ米国でも中国のゼロコロナ下での感染拡大やデモの広がりが株価の重しに
なってきましたが、感染力の強いオミクロンの前ではそもそも中国のゼロコロナ政策
が行き詰まるのは目に見えていました。ゼロコロナ政策の綻びが中国経済の先行き不
安に顕著に出てきているのが原油価格です。

WTIは73ドルまで下落しています。楽観ムードが広がっていた市場にも俄かに雨雲が
覆い始めたようです。円相場もこれまでの問題無用の円安局面から明らかに変化がみ
られます。もう一度投資環境を再点検する時期に来たようです。
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目先はさらに一段高?

2022-11-27 06:40:49 | 日記
先週は米国市場の堅調さを支えに東京市場も堅調な展開でした。週明けの東京市場も
週末の米株高から上昇して始まりそうです。NYダウは金融引き締めの緩和への期待か
ら10月に続いて上昇トレンドを続けています。先週は小売り売上の好調に焦点が当た
り株高の支援材料となりました。

もっとも小売り各社は前倒しでクリスマスセールを始めています。消費者も目玉商品
を求めて早めに買い物を済ませる傾向があり商戦後半息切れ懸念も警戒されています。
また売り上げの伸びもインフレの影響で商品の値段が上がっていることが背景にあり
小売り各社の利益が伴っているかは商戦の結果が出るまで分かりません。

東京市場でも一時10月を越えた円安から今月は140円割れの水準の日も多くなりました。
輸出企業の想定為替レートも上期の円安を受けて130円後半から140円あたりに修正する
動きもあり足元の円相場を前提にすると円安効果はもう期待できません。

入国規制の撤廃や観光支援策への期待から10月に動きのあったリ・オープン銘柄も今月
は冴えない展開に戻ってしまいました。先週は日本代表がワールドカップでドイツ戦に
勝利したことでスポーツ用品企業や独占中継をしているサイバーエイジェントなど関連
銘柄が物色されましたが、短期筋中心の動きであり相場の持続力は永くはないでしょう。

週末には年明け以降も旅行支援の延長が決まりリ・オープンが買い直される場面もあり
ましたが、自律反発の域を出ない可能性もあります。このところ国内で拡大傾向の感染
者数がどうなるのか。その結果年末年始の旅行や帰省需要に影響します。来年以降も
インバウンドの戻りは期待できますが、関連銘柄の立ち直りは年明け以降になるかも
しれません。

NYダウが高値追いする一方、大手テック株のGAFAMが冴えないなど米株がさらに高値を
追うにはリード役の力不足も気になります。東京市場でも先週は値嵩株の不振の一方中小
型銘柄の堅調さが目立ちました。25日は年初来高値を更新する銘柄が152ありましたが
時価総額の大きな銘柄はほとんど見当たりませんでした。

騰落レシオが直近で120を越えているように幅広銘柄の底上げが相場を支えています。
もっとも物色対象が日替わりするような相場でもありリード役不足との懸念もあります。
現在は余り市場が注目していませんが、中国ではコロナ感染者の増加でロックダウンが
各地で行われるなど中国経済の行方に再び雲が広がってきました。日本企業の中でも
中国ビジネスで躓く企業も今後は出てきそうです。

次回の更新は29日を予定しています。
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来年のことを言うと鬼が笑う

2022-11-25 05:56:57 | 日記
あと月末まで4営業日を残しますが、日経平均は10月の大幅上昇の反動もなく中間選挙後
も24日時点では上げ幅は大きくはありませんが、中間選挙後の株高というジンクスは健在
だったようです。

FOMCの議事録からも12月の0.5%の利上げ既定路線になってきたようです。余程、雇用
統計やCPIが市場予想と乖離しない限り波乱は少なそうです。今後の市場は引き締め緩和
の次は利上げ停止の時期に関心が向かいます。1~3月期に利上げ停止まで行けるのかどう
かが焦点でしょう。

またこれまでの利上げの結果、今後景気に関しては悪いニュースの方が増えるでしょう。
現状では景気後退は避けられないとしても比較的浅い悪化に止まるのではないかという見
方もあるようです。すべてはインフレの行方と年明けの利上げ幅も含めたFRBの動向がカ
ギを握っています。

現在の市場は引き締め緩和期待が株価を動かしています。悪い材料には目をつぶっている
状況です。いずれ悪いニュースを織り込む場面が出てくる可能性はあるでしょう。日本の
製造業は中国経済に左右される割合は低くはありません。

その中国のゼロコロナ政策は年初時点では北京オリンピック後にも緩和されるだろうとい
う見方もありました。そのあとは10月の共産党大会後にはゼロコロナ政策の見直しも予想
されましたが、その後行われたのは隔離期間の1日短縮だけでした。

そうこうするうちに中国では今年の春以来の感染者数が増えてきました。現在は局所的な
ロックダウンが行われているようです。日本でも第8波が警戒されているように感染者数が
これまで少なかった国では今年感染を抑え込むことが難しいというのが現実です。

厳しい行動制限で世界的に見ても感染者数を抑えてきた中国は裏を返せば集団免疫が成立し
ていない国です。潜在的に感染が広がりやすい状況であり感染力の強いオミクロン型の前で
は完全に封じ込めるのは相当困難な事案です。

中国のゼロコロナ政策の問題点は経済を犠牲にしても感染を抑え込む政策を続けていること
です。感染しても軽症者が多いオミクロン型が主流になり世界の潮流はウィズコロナに転換
しました。医療資源の限られている中国ではゼロコロナ政策を取り下げると累計死者数が米
国を越えるだろうという予想もあります。

当初成功したゼロコロナ政策が中国当局の成功体験となり柔軟な対応が出来なくなっていま
す。ゼロコロナ政策の結果、袋小路に嵌ってし中国経済は果たして来年どんな状況になって
いるのでしょうか。今年数々の予想が外れたことからこれといった決めつけは危険です。
予想はしてもその時々の状況で柔軟に変えられるように準備しておくべきかもしれません。


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3万円回復に必要なものは

2022-11-23 10:04:42 | 日記
22日のダウは400ドル(1.18%)近い上昇でした。米長期金利の低下で米株の相対的な
割高感が薄れ、相場を押し上げました。小売企業の市場予想を上回る決算の発表が相次
ぎ、消費関連銘柄株が相場を引っ張りました。GDPの7割を占めしかも年間でもっとも
消費が盛り上がる11月後半から12月ですから市場の期待感も高まるのかもしれません。

24日は感謝祭の祝日で株式市場は休みとなるため、前倒しで休暇に入った市場関係者は
多く取引量が通常より少なく、少量の取引でも値幅が大きくなりやすかったのもダウ平
均を押し上げたとの見方があるようです。中長期の市場環境は不透明でも足元では金利
低下が短期筋の買いを誘っているのかもしれません。

一方、消費の現場が好調だということはインフレの低下を阻害する要因になるかもしれ
ません。株式市場のもっとも高い関心はインフレの落ち着きどころと引き締めの緩和の
セットです。株価が高値追いすること自体、FRBは市場の行き過ぎた緩和期待の高まり
を懸念するようになります。

もし12月の雇用統計やCPIでインフレの低下を示唆するような数字が出てくると市場は
クリスマスラリーへの期待を一段と高め上昇に拍車がかかるかもしれません。短期的に
は市場に良いことでも必ずしも中長期的にはマイナスになるケースもあります。

パウエル議長は引き締めが中途半端に終わりインフレが長引くよりも景気後退があって
も徹底的にインフレを抑え込んで金融政策をとる方が良い結果をもたらすと以前話して
いました。インフレはピークを過ぎたと市場ははしゃぎますが、順調に低下するかは別
問題です。理想的な展開は持続的なCPIの低下でFRBが目指しているインフレ率2%が
視野に入ってくれば景気悪化に対して緩和路線に転換できます。

一方、インフレが高止まりしてFRBが永く引き締め路線の転換が出来ない状況で景気が
ボディブローのように悪化することです。インフレの高止まりと景気悪化が併存するス
タグレーションは最も避けなければならないケースです。

仮に見切り発車で年末高になってしまった場合年明け以降その反動が一気に表面化する
可能性もあります。市場が動きが必ずしもいつも正解とは限りません。10月に150円を
超えた円相場でしたが、その時点では市場参加者の誰もが150円は通過点で155円を当面
目指すと考えていました。

それから僅か1か月後に140円を割り込むなんて想像していませんでした。相場に鉄板は
ありません。そんな思いを改めて感じた出来事でした。もし年末ラリーになっても浮か
れることなく行動することが大事です。

個人投資家は現在、下落する場面では押し目買いを入れ上昇局面では粛々と利益確定売り
を出しています。ここまでの相場の流れを見る限りその行動は正解です。ある市場関係者
は9月に個人投資家が現物と信用取引で大きく買い越したことから相場のリード役は個人
投資家に期待すると話していましたが、その後10月のから11月の反発局面では売り越しに
転じています。

やはり日経平均3万円回復には順張り投資家の海外セクターの参戦が欠かせないという気が
します。これまでの日本株の上昇局面を振り返れば海外投資家の本格参戦なく相場の持続的
な上昇は考えられません。

次回の更新は25日を予定しています。
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