kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ガソリン高がもたらすもの

2012-03-31 09:07:59 | 日記
米国のガソリン価格が上昇しています。現在1ガロン(約3.785ℓ)3.9ドルで
す。1ヶ月で1割程上昇しました。まあ日本に比べたらガソリンにかかる税
金がかなり低く円換算するとリッター85円くらいでしょうか。しかし車社会の
米国ではガソリン価格が4ドルを超えると個人消費にかなり悪影響がでると
言われています。もっとも以前に比べたら米国人もガソリン消費量の多い
大型車から燃費のいい小型車に買え替えたり車で出かける回数を減らし
たりしてガソリン高が消費に与える影響は随分と小さくなっているという指
摘もあります。

片や日本ではトヨタやホンダがHV車の販売に力を入れている関係もあり
新車販売に占めるHV比率はトヨタでは昨年26%今年は40%にアップして
いるそうです。ホンダも小型車のフィットやフリードでは販売台数の6割以
上がHV車と伝えられています。日本の自動車保有台数およそ5813万台
(平成23年末の乗用車のみ)にHV車が占める割合はまだ低い状況です
が軽自動車の販売比率上昇とともに確実にガソリン消費量はこれから
減少していくでしょう。

ガソリン消費量は価格による抑制効果はやはり大きくて確かにガソリン
高によるマイナスの側面もありますが、長期的に見れば消費の抑制から
原油価格上昇に一定の歯止めをかける効果があります。日本で人気の
HVも世界的に見ると普及率は今一つです。欧州勢はクリーンディーゼル
を柱にまたVWは独自の技術であるTSI(小型エンジンにターボを装着し
て燃費とパワーの両立を図る技術)を環境車の本命と位置付けています。

いずれにしても環境や原油高を考えるなら自動車各社の目指す方向は
当面はガソリンエンジンでの省燃費技術の推進、ある意味HV技術もガ
ソリン消費を減らすということでは同じ方向を向いています。そしてEVへ
とつなぐのが当面のロードマップのようです。日本のHV技術なのかそれ
とも欧州勢の推進する技術なのかガソリン高はその趨勢を加速する要
因となるかもしれません。

再び82円割れの円相場や米国経済指標の悪い数字から自動車株の上
昇も一服の状態です。各社の株価もここまで一本調子に上昇してきまし
たから外部要因で上下に振れる展開は考えていく必要はあるでしょう。
週明けからの新年度で自動車株にたいする市場の期待は高いのです
が、一方期待値が高いとわずかな懸念材料にも過剰に反応しがちです。
短期的な市場の流れに戸惑うことなく冷静な判断が求められます。
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心配性

2012-03-30 06:43:39 | 日記
今のところ多くの市場関係者は今度も外国人投資家の買いは続き4月末
までには震災前日の引け値1万434円を更新して昨年来高値1万857円越
えも期待できそうだと見通しを話しています。今のところ弱気の見通しは
ほとんどありません。つい1ヶ月前まではPERの割高感から日経平均の
9500円以上は考えられないとの見解を披露していた関係者の声は聞こえ
なくなりました。

皆さんが揃いも揃って強気になればなるほど不安になるのは少々あまの
じゃくと言うものでしょうか。数年ぶりの高値圏にあるNY市場はこのまま
上昇を続けられるのだろうか。欧州財政危機がぶり返して為替が円高に
ならないのだろうか。4月中旬から本格化する米国企業の決算に不安は
ないのだろうか。多くのプロたちが新年度の注目セクターに挙げる自動車
トヨタや日産、ホンダは確かに年初来高値圏で推移しているが既に好材
料をかなり織り込んでいるんじゃないかとか。

円安効果と復興需要で日本企業の増益率は6割を越えるだろうと言うこ
とが上昇相場が続く理由付けになっています。もっとも為替の水準次第
でその前提は変わってきます。数年来の高値圏にあるNY市場が波乱に
なれば東京市場も無傷ではいられません。多分期待通り外国人投資家
の買い越し基調が続けば東京市場は上昇するでしょう。反対に考えれば
外国人投資家頼みの東京市場ということです。今や個人投資家を別にす
れば国内機関投資家の存在は刺身のツマ程度の存在なのかもしれませ
ん。

やっぱりここは外国人投資家に頑張って貰わなければなりません。私の
心配性が杞憂に終わるためにも。29日も食品や小売セクター中心に年初
来高値更新銘柄が89銘柄出ています。内需株買いの背景はどこにある
のでしょう。PER的にはむしろ市場平均よりも高い銘柄が目立ちます。PER
からみたら一桁台の大手商社の割安感が勝ると思うのですが、食品や小
売株には中小型株が多いから小額の資金でも上昇するから人気?または
業績の安定感があるから?資源価格次第で業績のブレの大きな商社株よ
りも国内で手堅く稼げる小売株の魅力が勝るのでしょうか。

高値更新銘柄が小売株に多いことから国内消費は今後も堅調に推移する
ことを物語っているのでしょうか。きっと買われている背景は他にもあるのか
もしれませんが私には見当が付きません。

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悪材料山積みの銘柄は売るな

2012-03-29 08:29:45 | 日記
昨日のシャープや2月初旬のソニーやパナソニックの例を挙げるまでも
なく悪材料山積みで何年ぶりとか何十年ぶりとかの安値を更新している
銘柄の空売りには注意した方がいいということを今回は痛切に感じました。
エルピーダのように破綻するケースもあるので2匹目のドジョウを狙った
りしたくなりますが、業績不振だからこそ、ひょっとしたら聖域なき対策が
出る場合があることも考えなければなりません。その場合株価は買い気
配から始まり急騰するケースがほとんどです。

シャープの件も数年前だったら考えられないケースです。いくら業績不振
とはいえ大手電機に台湾資本が入るなんてことは。しかも筆頭株主になる
訳ですから1、2%の少額の出資とは訳が違います。交渉は不調に終わり
ましたが鴻海は日立の液晶子会社に出資する一歩手前までいったことから
今回のケースも想定できない訳ではなかったと思いますが、液晶子会社だ
けでなく本体の出資まで進むとは意外でした。まあそれだけシャープも追い
込まれていたのでしょう。技術流出とか懸念材料はありますが、このくらい
思い切ったことをしないと市場の信認も得られなかったでしょう。

話を元に戻しますが東京市場は「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育
ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」の格言通りに推移してい
ます。今がどの時点かは分かりませんが、季節要因から敢えて空売りを考
えるなら5月まで待つべきです。タイミングが良ければ少しは利益を取れる
かもしれませんが、少なくとも値幅を伴って大きく相場が崩れる場面はまだ
先の話だと思います。

特に昨年から下落一途銘柄には弱気筋の売りが溜まっています。ポジティ
ブサプライズなニュースが出ると一瞬にして巨額な評価損が出るかもしれ
ません。この場面では特に悪材料山積みの銘柄ほどカラ売りは慎重にす
べきです。買いから入って利益確定の売りと空売りでは意味合いが100%
違います。前者ならまた上がる銘柄を見つければいいのですが、後者なら
ば状況によっては大きなリスクを背負います。ここはくれぐれも慎重に行動
すべきです。
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小型株を狙わない理由

2012-03-28 08:59:15 | 日記
昨日27日の東京市場はバーナンキ議長の発言からQE3への期待が再び
高まりNY市場が160ドル上昇したことを受けて東京市場も3月19日のザラ場
高値1万172円を更新しました。終値も236円高の1万255円と震災後高値を
更新しました。NY市場を上回る上昇でまだ東京市場の上昇トレンドは継続
していることがはっきりしました。

もっとも先週のNY市場の下げの背景となった欧州と中国の景気悪化懸念
や米国市場の住宅指標の悪化から市場の世界的な景気への懸念は消え
ていません。今後も米国の各種指標の発表で一喜一憂する場面は続くで
しょう。

昨日の東京市場でも多くの銘柄が昨年来高値を更新しました。業種も幅
広く食品、医薬品、電機、卸・小売り、サービスなどが目立ちました。その
銘柄の多くが中・小型株です。株価の指標面からみるとPERが市場平均
の21倍を上回っている銘柄もかなりあります。電機や自動車のように来期
は震災、円高タイ洪水などの影響がなくなり大幅増がほぼ確実な銘柄と違
って業績の変化率もそれ程高くないにも拘らず上昇を続けています。

株価を決める要素は沢山あります。漠然とした表現になりますが人気とい
う要素も大事なのかもしれません。代表例が新興国市場での高成長という
プレミアムを加味してもPERが39倍のユニ・チャーム株、PERの高さはナス
ダック市場のIT企業並みです。裏返せばそれだけ市場の期待が高いのでし
ょう。

もっとも個人投資家の多くは値幅狙いですからボラティリティの高い銘柄を
好む傾向があります。勿論私もその一人です。もっとも最近はリスク管理の
重要性を考え短期的な値上がりだけでなく流動性を銘柄選びの要素として
重視しています。欧州財政危機の根本的な解決にはまだ多くの時間が必
要であり為替や株価に大きな影響を今後も及ぼす可能性があります。有事
の場合中小型株の場合商いが出来ず株価だけが下げるという可能性は高
いものです。

日経平均が8千円前半で低迷していたころと違って1万円を越えて今年の高
値を更新し続けている現在では何か予期せぬ悪材料が出た場合、格段に
リスクは高くなっています。流動性にかける中小型株の場合売りたい時に
売りたい値段で売れる確率は格段に低くなります。また中小型株中心のポ
ートフォリオだと1銘柄の投資額が制限され数多くの銘柄を持つ必要があり
ます。

投資銘柄が多ければリスク分散になりますが、一方それだけ多くの銘柄に
目が行き届くかというと自信はありません。ですからある程度まとまった株
数を一度に売却できない銘柄はやはり最初から投資銘柄の候補に挙がり
ません。投資にはそれぞれの考え方があるでしょうが、下落時のリスクも考
えながら銘柄選びも重要だと考えています。
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やっと実現!日・台連合

2012-03-28 06:27:26 | 日記
シャープがEMS最大手の台湾の鴻海精密工業から出資を受けることに
なりました。稼働率の低迷でシャープの再建のカギを握ると言われていた
液晶パネル主力拠点である堺工場の生産量の半分の引き取りも合意し
ました。資本増強とともにシャープの当面の懸念材料であった工場の稼
働率の引き上げにも目途が立ったことでこのところ売り込まれていたシャ
ープ株は本日買い戻し中心に急反発することも予想されます。

DRAMでも当初エルピーダは台湾企業との連合を模索していました。様々
な事情がありその計画は実現できませんでしたが、もし日・台連合が成立
していたらエルピーダの破たんは回避できたでしょう。

今や世界の電機業界でNo.1の収益力を付けたサムスンに日本企業が対
抗するには単独では難しいでしょう。ウィンウィンの関係が構築できる組み
合わせならもちろん日本連合でも問題はありません。しかしもっともベスト
な組み合わせは電子立国を目指している台湾なのでしょう。また台湾企業
としても韓国勢に加えて力をつけてきた中国本土企業との競争激化から
日本企業と組むメリットはあります。

電機業界の世界の趨勢は垂直統合から水平分業へと変わりつつあります。
水平分業で先端を走っている企業が台湾勢です。投資余力も含めてかつ
ての力を失った日本の電機メーカーからこれから第二第三の合従連合が
出てくることでしょう。
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