kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

割高に売り無し、割安に買い無し?

2018-03-30 06:07:24 | 日記
年初好調だった半導体関連やFA・ロボット関連銘柄が調整色を強め
ました。勿論日経平均が高値から3000円近く下落している状況です
から多くの業種で値下がりしています。一方相変わらず上昇トレン
ドが続いているセクターが化学業種に分類されている化粧品銘柄です。
29日も資生堂やコーセーは過去最高値を更新しました。また業務用
ヘアケア製品を手がけるミルボンも10年来高値を更新しました。

資生堂やコーセー2013年から既に5年を越えて上昇しています。こ
の期間に資生堂は6倍強、コーセーは10倍弱、ミルボンも4倍強ま
で大きく上昇しています。PERは40倍から50倍という高水準ですか
ら高値警戒感は強いと感じている投資家は多いのでしょう。

信用倍率は資生堂やコーセーが1倍を大きく下回っています。ミル
ボンも1.39倍となっています。一方大手自動車3社は(トヨタ、日
産、ホンダ)は10倍に遥かに届かない6倍から8倍です。割安感が強
いために信用買い残高は昨年末から1.5倍から3倍と大きく増加して
います。

結果から言えば割高に売り無し、割安に買い無しということになっ
ています。相場環境が大きく変化すれば別ですが、現状のような円
相場が続けば割安感から信用残が大きく増加した銘柄の上値は当面
は重い状態が続く可能性も高くなりそうです。外部環境が不透明な
ら目先は需給面での妙味のある銘柄にスポットライトが当たります。

2、3年先まで考えれば割安感の強い銘柄は絶好の買場と言う見方も
あるでしょう。業績面での不安が本格的に出てこなければ株課の反
発も期待できるでしょう。しかし相場環境次第では割安に放置され
る期間が案外長く続く可能性もあります。数ヶ月単位では無く数年
単位が本格回復まで必要な場面もあるかもしれません。

信用取引では通常6ヶ月以内に反対売買しなければなりません。一旦
大きく膨らんだ信用買い残を解消するには大きな買いエネルギーが
必要です。需給面でのシコリが解消されない限り割安感だけでは上昇
は続きません。

31日1日の更新はお休みします。
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市場のブレーキ?FANG銘柄

2018-03-29 04:13:28 | 日記
アリゾナ州で米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズの自動
運転車が18日夜に同州で歩行者との死亡事故を起こしたのを受け
ウーバーへの実験許可を取り消しました。また自動運転でのキー
パーツを製造する画像処理半導体大手の米エヌビディアはウーバー
の死亡事故を受け路上試験を一時中止すると明らかにしました。

事故は歩行者がいきなり飛び出したことが原因で人が運転していて
も避けられなかったとの見方もありますが、ドライバーが乗り込ん
でいる状況にも拘わらず不測の事態に機能しなかったことがやはり
関係者にはショックのようでした。

一部には自動運転車に同乗しているドライバーには何時突発的なこ
とが発生するか分からず長時間のテストではストレスが高まり注意
力が低下するとの指摘もあるようです。順調に進むかに見えた自動
運転車実用化のスケジュールはこの事故もあり実現は予想よりも後
ずれすることになるかもしれません。

元々自動車の自動運転は航空機など障害物が少ない空よりも格段に
技術的に難しい課題を抱えていると言われていました。対向車だけ
でなく人や自転車など様々な障害があります。管制塔のように全体
を把握している組織もなく航空機同士がお互い交信して現在位置を
リアルタイムで把握することも困難です。様々な障害を乗り越えて
いつかは実現できるでしょうが、もう少し時間が必要なようです。

自動運転実現に欠かすことの出来ない企業としてここ数年大きく上
昇してきたエヌビディアもしばらくは調整が避けられないかもしれ
ません。また情報漏洩事件に揺れるフェイスブックへの規制強化も
噂され収益の根幹を成す広告収入への影響は避けられない状況です。
28日の米国市場でも公道での自動運転実験の中止が響きエヌビディ
アは下げ止まりませんでした。

一方フェイスブックは反発したようです。しかしフェイスブック株
の下落はFANG銘柄各社にも売りが広がりつつあります。米国株の救
世主的な位置づけだったFANG銘柄やそれに続く存在のエヌビディア
の失速は米国株の地殻変動に繋がるのでしょうか。大型ハイテク銘
柄の不振で米国株の上値は重くなっているようです。東京市場では
ウーバーテクノロジーズやエヌビディアの投資しているソフトバン
クだけでなく他のハイテク銘柄にも影響しそうです。
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次は日本の番?

2018-03-28 06:35:34 | 日記
27日の東京市場は26日の米国株の大幅反発と円安それにアジア市場
高が重なり予想以上の上げ幅になりました。下げる時も上げる時も変
動の大きな東京市場の特徴が発揮された格好です。市場では配当権利
付き最終売買日にあたり、国内年金など機関投資家は配当再投資の買
いを入れているという観測が流れていたようです。

もっともこの動きは事前にある程度予想されたことです。権利付き
最終売買日と権利落ち日に機関投資家は再投資に動くという機械的
な動きであってこれまでも繰り返してきました。予想以上に上げ幅
が大きくなったのは26日時点でもまだ45%と高水準な空売りが残っ
ていたことも弾みをつけた要因です。

米中通商問題の話し合いはまだテーブルに付いたばかりです。それ
でも市場が大幅上げで反応したのは中国側が穏健にことを済ませよ
うとする雰囲気を市場が感じ取ったからでしょうか。貿易摩擦は残
っても貿易戦争までには発展しないという光明が見えてきたからで
しょうか。市場が落ち着きを取り戻し米中の通商問題の推移をしば
らくは見守るということかもしれません。

もっともトランプ大統領が槍玉に上げているのは対中国だけの貿易
問題ではありません。FTAを結んでいるカナダやメキシコを当面
関税から除外したのは膠着状態気味のFTAで両国から譲歩を引き
出すことが目的です。

FTAを結んでいる韓国とは鉄鋼輸入の数量枠を設けることと米国
製自動車の輸入枠拡大を飲ませたとのニュースが伝わっています。
高関税適用という劇薬で相手から譲歩を引き出すという戦略で成果
を韓国に対しては得ました。おそらくカナダやメキシコにも何らか
の新たな譲歩を迫ってくるでしょう。

大統領就任と共に公約だったTTPから離脱したトランプ大統領の
通商政策は1対1のFTAの締結です。米国とFTAを結んでいない日
本とは今後これまで以上に強行に締結を迫る可能性は高くなったよ
うです。米国が日本に対して輸出拡大したいのは農産物です。特に
牛肉に対してはライバル国である豪州と日本はTTP11で段階的に
牛肉の関税を引き下げることで合意しています。このままでは米国
産牛肉の輸出競争力は大きく低下します。

中国問題に当面一区切りがつけばいよいよ日本に対しても高めのボ
ールを投げてくるかもしれません。それも11月の中間選挙までに何
らかの成果を引き出したいというのがトランプ政権の本音です。森
友問題で立ち往生している安倍首相には早くこの問題にケリをつけ
て通商問題に力を入れないと景気にも悪影響が出てきて10月の消費
税引き上げ判断にも影響してきます。

いずれにしても対米黒字の8割を占める自動車や部品類がもっとも影
響を受けやすいセクターであることは間違いありません。そして日米
貿易摩擦は円高要因ですから電機や精密、機械銘柄も円高が進む不安
から物色の圏外になる可能性が高くなります。少なくとも中間選挙の
11月前の秋口まで影響が長引く可能性はあります。トランプ政権の保
護主義からの呪縛が今年はなかなか解けそうもありません。
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ガチ勝負の行方

2018-03-27 06:33:30 | 日記
週明けの東京市場は先週末の米国株安・円高を引き続き嫌気して
続落して始まりました。しかし次第に下げ幅を縮め大引けでは2
営業日ぶりに上昇して終わりました。上昇の背景には短期的には
売られ過ぎによる値ごろ感からでしょう。短期筋には今日の配当
落ち最終売買日前に一旦買い戻す動きもあったのかもしれません。

また押し目買いを狙っていた中長期投資家が2万円弱は割安感もあ
り思いの他買い注文があったのかもしれません。今日の権利つき
最終売買日を控え配当取りの買いや配当落ち分の再投資への期待
感それに先週末時点で初めて50%まで上昇した空売り比率など条
件は揃っていたのかもしれません。

米中の通商問題解決の糸口が出てきたというニュースで米国株の
大幅高、円相場も105円台半ばへと円安に振れたことで東京市場
も続伸が期待されます。もっともまだ交渉を開始したと言う初期
の段階ですから予断を許しません。国同士の交渉事はそんなにす
んなりまとまる事はありません。思い起こせばギリシャ危機との
時もギリシャとEUの交渉は二転三転した挙句やっと成立しました。

トランプ大統領のつぶやき一つで元の木阿弥に戻る懸念もありま
す。ビジネスマンとしてのこれまでの行動から米中の貿易戦争は
起こらないという見方は米国の市場関係者の間でも多かったよう
です。しかし現実にはこの1ヶ月を振り返るとそんな楽観論は消し
飛びました。結果的に市場は少々トランプ氏の本質を見誤ってし
たようです。異端な大統領はやはり政治経験豊富な歴代の大統領
とはまったく違う発想の持ち主のようです。

中国が今回の処置に本気で反発して米国への報復で農産物などに
報復関税をかければ米国の農家は大きな打撃を受けます。農家の
収入が落ち込めば農機や種子、肥料業界にも影響が及びます。ト
ランプ大統領の過激な行動は巡り巡ってブーメランのように米国
にも打撃になります。実際にそのシナリオどおりにならなくても
その兆候が少しでもあれば勢いの無くなった相場には十分な打撃
を与えられます。

確かにトランプ大統領の言い分にも一理あります。中国の知的財
産権侵害は米国だけでなく欧州や日本もかねてから問題視してい
ます。現在も自動車分野で中国側との折半出資ではないと合弁事
業が認められていません。半導体産業などの先端産業では中国企
業には政府の大きな補助があり競争が歪められているという見方
もあります。これらの問題解決でWTOが機能していないとの見方
は以前からトランプ政権内では燻っていたようです。

WTOで解決できないから米国は独自に制裁を課して不公平を是正
するという考えには一定の理解が米国民にはあるようです。こん
な背景があるからトランプ大統領も強硬姿勢が続いているのでし
ょう。かつて米国は日本との間で日米繊維戦争、日米半導体戦争
日米自動車戦争と貿易摩擦を繰り返していました。最終的にはす
べて日本側が自主規制することで米国は大きな果実を得ました。

しかし今度の相手は組し易い日本ではなく偉大な中国復権を掲げ
る習中国です。経済面で米国と並ぶ大国を目指す習中国だってこ
こは一方的に譲歩する選択肢は持ち合わせていません。米中の2大
経済国が自国第一を掲げお互いに譲らなければ世界経済混乱の収
拾の糸口はなかなか見つかりりません。
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トランプが仕掛ける通商問題

2018-03-26 06:25:41 | 日記
日本株にとっては将に最悪のタイミングだったようです。期末を迎え
国内機関投資家は大きく動けない状況です。信用売り残高もこのとこ
ろ株価が低迷していたのでかなり買い戻された状態でした。また週明
けに配当付き売買を控え売り方が配当を支払うこの時点で空売りを積
み上げづらいタイミングでした。

16日現在で3兆6000億円弱の信用買い残高は10年6ヶ月ぶりの高水準
のままでした。こんな状況では海外短期筋のまとまった売りを浴びた
ら相場は持ちません。23日の東京市場が他のアジア市場に比べて下げ
幅が大きかったのは短期筋がまとまったロットで売買できる市場の厚
みに加えて上場企業に輸出産業が多くまた世界の景気敏感株と言う位
置づけが災いしたようです。

トランプ大統領が振り上げた拳をどこで下ろすのか。以前ならビジネ
スマンのトランプ大統領は高めの要求を出し相手の譲歩を引き出しど
こかのタイミングで矛を収めると言う見方がありましたが、今回ばか
りはそう楽天的にことが収まるのか市場としても正直分からなくなっ
たと言うところでしょうか。

立て続けに選挙で負けたことでトランプ大統領が米国民に訴えていた
保護主義への傾斜を強めたのかもしれません。それに加えて政権内で
も自由貿易派だったコーンNEC委員長の辞任、レックス・ティラーソ
ン国務長官の解任もありました。大統領の暴走を食い止める閣僚が相
次いで政権を去り後任には大統領と同じ考えを持っている人物を起用
するなど政権のコントロールが効かなくなってきました。

11月の中間選挙に向けて一層過激な政策が出てくるとなると経済の足
を引っ張り流石に市場でも大幅減税効果が半減すると言う見方が多く
なりました。しかもトランプ政権が相手にするのは偉大な中国の復権
を目指す習政権です。簡単に折れるような相手ではありません。経済
規模で世界1位と2位の国が本気で貿易戦争に突入すれば益々市場は混
乱します。

今後も米国と中国の出方に一喜一憂する展開が続きそうです。最悪の
展開になるとは現時点では思えませんが、リスク回避はより深刻な状
況をどんどん先取りする傾向があります。市場参加者の多くが冷静さ
を失うからパニックは起きます。こんな状況で「火中の栗を拾える」
行動に出られるか難しい判断です。トランプ大統領の通商面での強硬
姿勢が最終的にどんな結果になるか余りにも動きが早すぎて市場も混
乱ぎみです。投資家はリスクとリターンのバランスをどのようにとる
のか重要度はさらに増しそうです。
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