kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

コロナバブルの後始末は続く

2022-09-30 06:12:36 | 日記
コロナ禍相場で大きく上昇した海運3社株は9月中間決算期で権利落ち後の株価が注目
されました。配当落ち後の株価は今後を占い意味で市場からの審判が下されることに
なるからです。

3社の株価を急騰させたコンテナ運賃は既にピークを付けましたが、まだコロナ前の2倍
の水準だそうです。衣料品から家電製品そして自動車部品まであらゆる物流に欠かせな
いコンテナですが需要家からすると物流費の高騰が大きなコストアップ要因でした。

コンテナ運賃の低下は物流費の高騰に苦しんでいた需要家には朗報です。そもそも景気
の影響を受けやすいコンテナ船市況はコロナ禍での巣籠り消費の盛り上がりやコロナ感
染拡大による港湾施設の目詰まりがボトルネックになり運賃が何十年に一度あるか無い
かの運賃高騰劇を演出しました。

2010年代のコンテナ不況時には韓国の海運会社が破綻に追い込まれました。日本でも単
独で生き残るのは難しいということになり3社のコンテナ事業が1社に集約されました。
統合会社は2022年3月期には2兆円という巨額な利益を計上したようです。

しかしいつまでも神風が吹き続けることはなかったようです。そしていつものように好
況時にコンテナ船の建造が増加し市場に出てくる頃には好景気は過ぎ去り船腹の過剰で
運賃下落に拍車がかかるというこれまでのケースを今回も繰り返すのでしょうか。

日本郵船はコンテナ部門の好調だけでなく子会社で展開する航空貨物の好調も人気の背
景でした。海上輸送の乱れからコンテナ荷物から航空貨物へシフトする動きも収益を押
し上げたようです。しかし物流の混乱が終息するに従い再び航空貨物からコンテナ船へ
の乗り換えもあり取扱量は足元では減少しているとの記事が数日前に掲載されていました。

コロナ禍では人の往来が制限され旅客需要は低迷しました。一方巣籠り消費の恩恵やコ
ンテナ船からのシフトもあり航空貨物は活況でした。現在はその反対の流れになってい
ます。世界的なインフレと金利上昇でモノ需要への反動減という逆風に晒されています。

個人消費もECから実店舗へのシフトが発生しています。東京市場でも夏相場では百貨
店セクターが大人気でした。長い目で見ればECはまだまだ伸びる余地はあるでしょう
が、コロナ禍での需要急増からの反動は避けられないようです。

コロナ禍で伸びた動画配信サービス、オンライン会議で脚光を浴びたZOOM、テレワー
クで特需に沸いたPCなど調整は長引くかもしれません。大相場を演じた銘柄は値ごろ
感で買ってはいけないという経験則は生きているようです。戻りを待っている投資家が
いることを忘れてはいけません。他のセクターや銘柄でもコロナ禍からの反動が懸念さ
れるところがありそうです。株価の織り込みが不十分なところには不安が残りそうです。
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需要蒸発に注意

2022-09-29 06:08:38 | 日記
28日の東京市場で円相場は再び144円台の円安に戻ってきたのに自動車セクターも地
合いの悪化に巻き込まれ下落は止まりませんでした。円安メリットを囃した中堅メー
カーのマツダが年初来高値をつけたのは1ヶ月ほど前、三菱自動車やSUBARUは2週間
ほど前のことでした。

マツダとSUBARUは既に8月以降の上昇分が消えました。円安メリットの代表格の自動
車は景気敏感株という側面もあります。今までは半導体不足やサプライチェーンの混乱
で生産が停滞しても今後生産が回復すれば円安メリットもあり業績への期待が3社の株
価を押し上げました。

しかし横綱格のトヨタ株は膠着状態でした。EVで独自戦略が見えてこない中堅3社の株
価はここ2年程人気の圏外でした。信用のしこりもなく需給面から仕掛けやすかったの
かもしれません。本来なら円安メリットを囃すならトヨタなど大手3社も人気化する筈
です。でも実際はそうなりませんでした。また人気離散すると以外に脆いのは短期筋中
心の買いだったからでしょうか。

今までは市場はインフレと金利の動向にばかり目が向いていました。しかしFRBのタカ
派姿勢が市場予想を越えていたことで長期金利は6月の水準を越えた後あっという間に
4%台まで上昇しました。いよいよ急激な引き締めによる景気悪化が顕在化して企業業
績に下押し圧力がかかることが避けられないようです。

28日の市場ではアップルがiPhoneの増産計画を撤回するというニュースが伝わると関連
銘柄だけでなく指数も一段安になりました。スマホなど耐久財にも利上げの影響が出て
きたことで警戒心が強まりました。

供給面の制約なら挽回生産が期待できますが、需要が蒸発してしまえば失望に変わります。
欧州や中国景気に対する懸念は日増しに強くなっています。米国ではまだ自動車需要が減
退しているというニュースは出ていませんが、住宅と同様米国の消費者はローンを組んで
購入する事が一般的です。

金利高がどこまで自動車需要を冷やすのか目が離せません。自動車産業は裾野の広い産業
構造です。鉄鋼や化学製品から半導体まで多くの業種の景況感が左右されます。米国では
新車不足から販売奨励金が必要ないくらい採算が良い状態が続きました。今後増産が進ん
だ時に需要が低下することがあれば再び多額の販売奨励金が必要になります。

欧州市場ではエネルギー価格の上昇に端を発した高インフレで耐久財の需要がどこまで減
少するのか不安があります。中国市場も春のロックダウン後も経済回復が想定ほど進んで
いません。政策支援もありEV販売は急増していますが、ガソリン車の需要がどこまで保て
るかは不安があります。景気敏感セクターの自動車セクターの先行きは景気を占う一助に
なりそうです。
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秋の株安は必然だった?

2022-09-28 06:06:00 | 日記
9月は世界の株式市場や原油市場が大きな調整に見舞われています。日本株の底堅さを
アピールする市場関係者もいますが、あくまでも円ベースでの話です。ドル建て日経平
均は年初から9月26日までの下落率は19%、日経平均は8%です。しかしドルベースの
日経平均は27%の下落で年初来の年初来安値を更新しています。

海外投資家が見ているドル建てでは日本株のダウ以上に下落率が高いのです。もし海外
投資家が日本株を割安は判断しているのならこぞって日本株を買っている筈です。しか
し海外投資家は9月第1週第2週とも現物株を売り越しています。この水準でも海外投資
家は日本株の魅力が乏しいという判断なのではないでしょうか。

振り返れば夏場の株高は6月にインフレがピークを付けたという見方から利上げ幅の縮小
と停止、来年の早い時期での利下げまで市場が織り込む形での株価急騰でした。しかし
市場の見方は過ちだったという見方が次第に主流になり株安に繋がりました。

結果的には8月は弱気相場の中でも反発だったという事実です。思惑が外れて高値で取り
残された投資家の動き次第では今後下方向への振れが大きくなる懸念もあります。国内
市場では円安効果での業績期待も手伝い個人投資家はここまでは押し目買いを積極的に
実行してきました。

日本株が底割れしないケースでも2万8000円割れからの下落過程で買いを入れた信用取引
の個人は反発すれば売りが出てきます。結果的に相場環境が好転しても個人の売りで戻り
が鈍い可能性も出てきます。

日本株のこれまでの動きを割と的確に予想したのは大川氏だけです。大川氏は悪材料が
波状攻撃のように繰り返し市場を揺らし年後半は右肩下がりになるという予想でした。
実際は大川氏の予想よりも数ヶ月早く下落相場に突入してしまったという違いだけでした。

フライング気味で8月にかけて大きく反発しただけにその反動から9月の下げが大きくな
った可能性は否定できません。個別株では円安メリットを囃して底堅かった自動車や電
機銘柄セクターでも今後決算が近づくと注意が必要です。

海外投資家にも人気の代表的な優良銘柄のマキタですが、年初から下げ続けていますが
円安の状況でもその流れは変わりません。電動工具は住宅市場に関係しています。欧米
での売り上げ比率が高いという企業です。

金利の上昇で一番早く影響を受けるのは住宅市場だと言われています。マキタ株の動き
は円安メリットで漠然と恩恵が大きいという思いです。今後は値ごろ感で買う前に個別
企業の業績を精査する必要がありそうです。
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半導体市況の変調

2022-09-25 09:32:46 | 日記
先週末NYダウが3万ドルの大台を割れたことで週明け26日の東京市場も厳しい展開が
待ち受けているようです。既に6月が長期金利のピークだったというシナリオは崩れ去
りました。11月の中間選挙前のあと1ヶ月が期待を込めて底になればいいのですが。
現時点では年末高という季節性の株高期待は余り持たない方がいいのかもしれませんが。

それにしても多くの市場関係者の今年の相場見通しは大外れです。6月が米国の長期金
利のピークだったという見方も含めて的外れもいいところです。特に証券会社のアナリ
ストの強気見通しはアナリスト失格レベルです。独立系の大川氏だけが弱気相場見通し
が正解に近かったようです。

M証券のH氏やS証券のK氏などは頭を坊主にするくらいの悲惨な外れ方です。コロナ禍
での超金融緩和相場が今年も続くと思ったのでしょうか。確かにロシア軍のウクライナ
侵攻は全く予想できずコモディティ価格の急騰がインフレに拍車をかけFRBの急激な金
融引き締めを誘発したということはありましたが、大相場の翌年の反動はやはり警戒す
べきでした。

コロナ禍の緩和相場の主役の一角だった半導体セクターにも最近は確実に暗い影が忍び
寄ってきました。今日付けの日経新聞の見出しには「半導体出荷、7月急減速」という
記事が掲載されています。特に半導体の主要なお得意先であるスマホ分野の不振が際立
っているようです。PCもテレワークの広がりで活況だった需要が一巡した影響がここに
きて出ているようです。

先端製品ではない自動車用はまだ品不足が続いているようですが、半導体市場の変調は
始まったばかりでしばらくは厳しい状況が続きそうです。東京市場で半導体製造装置や
材料分野で有力企業が多く株価も値嵩の銘柄です。日経平均に与える影響も無視できま
せん。

欧米の急激な金融引き締めが実際に経済指標に表れるのは少しタイムラグがあります。
半導体市場は景気の動向を受けやすい分野です。また今度企業業績の悪化が半導体セク
ターだけに止まらない可能性をあります。日本企業の製造業は4~6月期は好調でした。
しかしその後市況が急激に悪化しているとなると来月の決算発表はかなり警戒されます。

金利の上昇でバリエーションが低下することと業績鈍化による一株利益の伸び悩み或いは
減少はダブルで株価の下押しになります。円安効果で市場は輸出企業中心に期待が高かっ
ただけに株価が悪材料を織り込むとなるとかなりの影響が出ます。業績悪が表面化してあ
る程度先行きが明るい状態になるまで下値不安が高く上値の重い相場が続く可能性も否定
出来ません。

次回の更新は所用のため28日を予定しています。
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避けられない3万ドル割れ?

2022-09-22 06:25:18 | 日記
ダウの3万ドル割れはもはや避けられないのでしょうか。市場は今回のFOMCで
改めてタカ派の姿勢を示したことからダウ、ナスダック指数、S&Pの3指数とも
大きく下げました。11月のFOMCで0.75%、12月が0.5%という利上げが現実味
を増したようです。

どこまで株価が下がるのか、どの程度の調整期間になるのか現時点では断定的な
ことは分かりませんが、コロナ禍の緩和バブルの後始末はまだまだ続きそうです。
米国市場にインフレが深刻で金融引き締めが景気への影響が強く出そうな欧州経
済も心配です。

流石に米国経済も年央以降の急激な金融引き締めで今後悪い経済指標や企業業績
悪化が懸念されます。フェデックスやフォードの決算悪化はまだ序の口なのかも
知れず今後幅広いセクターや業種に広がることが予想されます。

一番の不安は米国や欧州への輸出不振で中国経済への影響が今後表面化すること
です。中国国内では住宅市場の悪化に加えゼロコロナ政策による内需の不振が深
刻です。中国経済の不振は回りまわって中国依存度の高い日本企業の業績不安に
繋がります。

円安や世界的なエネルギーや穀物高で国内では値上げラッシュです。低所得者中
心に体感的な物価高は想像を越えています。デフレ経済に翻弄された日本でした
が、いよいよ世界的なインフレが日本にも押し寄せてきたようです。コストアップ
型のインフレは国民生活に悪影響をもたらします。

物価の急上昇が賃上げを上回りる状況です。その意味では来月から始まる企業決算
は大きなポイントになります。輸出企業中心に円安効果で業績好調が見込めるとい
う理由でこれまで日経平均は下値が限定的でした。漠然とした期待が現実とマッチ
するのか、代表的な円安メリットセクターの自動車でも国内事業は円安もコストア
ップに繋がります。

まだサプライチェーンが正常化していない状況で国内生産が低迷し装置産業である
自動車は固定費が増加します。円安のプラス効果でどこまでカバーできるでしょうか。
半導体分野も景況感は下り坂です。9月のFOMCを通過し次回は11月です。市場の目
は金融政策から次第に景況感や企業業績へ焦点が移りそうです。
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