kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

今月も繰り返すのか

2011-11-30 10:24:24 | 日記
東京市場は28日、29日の2日間で317円上昇しました。先週末までの
多くの予想は欧州での重要なイベントを前に模様眺めで8000円割れの可
能性もあるというものでした。28日(月)の予想もNYの小幅安から軟調
な予想が多かったのですが、蓋をあけると寄り付きから高く始まり1日中し
っかりした展開でした。背景には米国のクリスマス商戦の出足好調と寄り前
にイタリア紙が報じたIMFがイタリアに日本円で62兆円の支援を検討と
いう記事でした。(もっともこの報道に対してはIMFは否定しています)

このところ痛感するのは一連の報道に対して報道内容よりもマーケットが
どんな反応を示すかです。信憑性が薄い内容でもマーケットがプラスに反応
すれば多くの場合そのニュースはキッカケでありマーケットが反転すればそ
れは目に見えない流れがその方向に向いていたということです。ホンダ株の
値動きを見ても日経平均が安値更新していた先週後半でも寄り付きは安くて
も引けにかけて戻す動きをしていました。ソニーもほぼ同じ動きです。主力
株の多くは目先反発する態勢が出きていたと理解すべきかもしれません。

外部環境を考えると東京市場は8000円割れの懸念もありとても買えるタ
イミングではないかったでしょうが、株価は反転しました。人間心理として
は欧州で重要なイベントがあり売買代金も連日1兆円割れでどんな悪材料が
飛び出すかもしれず様子見というのが無難な投資行動です。でも売り方も同
じような不安を感じていたらどうでしょう。今までの欧州諸国の対応をみれ
ば議論をすれど各国の利害がぶつかり、まとまらないと思っても株価が今年
の安値圏にあり何かのキッカケで反発するかもしれないという不安があれば
株価が上昇すれば買いが買いを呼び上昇に弾みがつくという現象。まさに月
火曜日の上昇はこんなところが真相だったのかもと自分なりに考えています。

さて今後をどう見るかです。月末で市場参加者が上げ賛成という月末特有の
ドレッシング買いだったとすればこの2日間の301円高を額面通りに受け
取ることは少し危険かもしれません。因みに10月は317円上昇後最終営
業日の31日は日銀の為替介入で円相場が79円台になったことで弾みがつ
きそれまでマイナス圏で推移していた日経平均はザラ場で9152円の高値
をつけました。

もっとも引けにかけて売りなおされて62円安の8988円でで終わりまし
た。その後の推移はもうみなさんご存知の通りです。東京市場に大きな影響
を与えるNY市場は昨日こそ32ドル高と小幅続伸しましたがどうもこのま
ま1万2千ドルをすんなり超えるような状況でもないと考えています。さて
結果はどうでしょう。10月と同じように月初は軟調になるのでしょうか。
しばらくは慎重に次の下落局面に備えて様子を見たいと思います。
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鉄鋼産業の憂鬱

2011-11-29 07:45:18 | 日記
鉄鋼大手の業績不振が伝えられています。鉄鋼産業といえば原料の
鉄鉱石や石炭を100%輸入している訳です。円高は本来はメリッ
トの筈ですが、現実は違うようです。鉄鋼大手の鋼材の輸出比率は
40%から50%に達していてます。今や鉄鋼産業は隠れた輸出産
業なのだそうです。

公共事業の縮小から普通鋼の国内需要は減る一方です。また造船は
円高の影響で韓国や中国に太刀打ちできず自動車業界の海外進出は
加速する一方です。国内需要の減少で輸出に活路を求める戦略は当
然なのかもしれません。しかし技術的な優位のある自動車向けはと
もかく建設などの一般鋼材は品質の差別が出来なく韓国や中国製の
鋼材との販売競争が激化しています。

円高で値上げすれば価格競争で勝てず価格を据え置けば採算は悪化
する一方です。鉄鋼のように装置産業は稼働率が低下すればコスト
上昇します。将に現状は八方塞の状態です。いずれは中国から安い
鋼材が日本の市場にあふれるようになるでしょう。素材産業の鉄鋼
でさえも高付加価値の製品を生み出さないと将来はありません。価
格競争に巻き込まれない強い事業の構築は日本のほかの業種にも共
通した課題です。

自動車や電機など円高対策としてかなり前からアジアなど新興国で
現地生産していますが、現地生産にあたって加工組立産業の設備投
資が数百億円に対して大手鉄鋼が高炉から一貫生産を行うとすれば
一桁多い資金が必要です。現地生産を躊躇する理由がそこにありま
す。自動車などユーザーは今後も海外進出を加速するでしょう。こ
のままでは鉄鋼産業は衰退する一方です。鉄鋼産業の決断は待った
なしです。

28日の東京市場は下値模索という大方の予想に反して一日中堅調
な展開でした。背景には先週末から始まった米国のクリスマス商戦
が好調だったとかIMFがイタリアに融資すると言う観測記事が出たこ
とです。目先は自立反発局面でしょう。今日は8400円前後の攻防
でしょうか。最も今日は大幅高したとしても欧州財政問題でこれからも
ボラティリティの高い展開は続くでしょうから注意は必要です。
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続!捨てる経営のススメ

2011-11-28 09:45:39 | 日記
27日付の経済紙によると25日(ブラックフライディ)から始まった米国の
年末商戦(25日のクリスマスまで)の出足は小売店各社の値引き販売
の拡大や深夜営業の延長で客足が前年比1割増だと伝えています。
もっとも失業率の高止まりや欧州財政危機から危機感を持った小売各社
の大幅値引きなどが消費を喚起したという見方であり勢いが今後も続くか
どうか見方は分かれています。

船井電機の19型液晶テレビが98ドル(日本円で7600円)やシャープ製
の42型液晶テレビが199.99ドル(日本円で15500円)が目玉商品の
ようです。いくら目玉商品とはいえ私が同じシャープ製の42型液晶テレビ
を日本で1年前買った値段の5分の1です。同紙はゲーム機も価格下落が
同様に進んでいると伝えています。この記事から改めてデジタル製品の価
格下落が米国でも進んでいると感じました。

この記事を読んでソニーやパナソニックが液晶テレビの黒字化のために
打ち出した改善策だけでテレビ事業が本当に赤字体質から抜け出せるの
か不安になりました。今後は新興国での販売を強化するなり事業の採算
改善に向かって経営努力はするでしょうが先行きは不安がいっぱいです。

携帯電話端末事業でもそうですが、需要が在来型の携帯端末からスマホ
に需要シフトするという構造変化がメーカーの勢力図を劇的に変えました。
それまで携帯端末で世界シェア4割で断トツ首位だったノキアの挫折とアッ
プルとサムスンの躍進です。スマホへの需要構造の変化に乗り遅れたノキ
アの低迷とスマホで躍進したアップルとサムスンわずか数年であっという間
に勝者が入れ変わるデジタル業界の厳しさがそこにあります。スマホ戦争
は今後もこの勝ち組2社を中心に展開していくでしょう。

スマホは小型PCです。仕様も世界共通ですしソフトをダウンロードすること
でいろんな機能を追加できます。PCの世界でも米国やアジア勢が世界市
場を占有しているのと同じ現象がスマホにも起きつつあります。日本の携
帯端末各社がこのままの体制で5年先も生き残っていけるとはとても思え
ません。新たなる再編が起こらない限りますます存在感は薄れていくばか
りのようです。今後はどの事業に経営資源をつぎ込んでどの事業から撤退
するか迫られる局面が来るのではないかと思います。

日経平均が8千円そこそこに低迷している状況でわずかな光はファナック
のように特定の分野に強い専業メーカーです。総合電機とか総合重機メー
カーの評価は全般的に低いのが現状です。それは欧米企業に比べてROE
の低さから納得できる状況です。例えばカシオ、世界で初めてデジカメを世
に送り出しました。一時はデジカメ業界をリードしましたが、その後カメラ専
業メーカーがデジカメに進出してから売り上げは減少の一途です。コンパクト
型の不振、利益率の高い一眼レフへの需要シフトからブランド力のあるカメ
ラメーカーが勝ち組です。一眼レフの製品を持たないカシオの収益改善は厳
しそうです。

もしカシオがデジカメから撤退して利益率の高い腕時時計などに経営資源を
集中すると発表したらそれだけで株価は1割程上昇しそうです。体力の弱ま
った日本企業に今求められているのは捨てる経営です。横河電機などの株価
の上昇がそれをものがったっています。
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躍進の現代、苦悩の日本勢

2011-11-27 08:40:46 | 日記
今年米国自動車市場で勢いのあるメーカーは現代自動車です。海外勢
トップのトヨタには及びませんが、子会社の起亜と合わせた販売台数
ではホンダや日産と肩を並べるまでに販売を伸ばしています。販売好
調な理由はウオン安ももちろんありますが、性能の向上やデザイン力
で日本車を超える評価もあるようです。

また中国市場ではGM、VWそれと現代グループがビッグ3を形成し
ていてトヨタやホンダが苦戦しているのとは対照的な状況です。また
欧州でも日本勢を抑えてアジア勢ではトップシェアです。ここ数年そ
の販売台数は世界中で拡大しています。

確かに現代・起亜自動車連合の勢いは侮れないものがあります。しか
しこのまま日本勢が沈んでいくとも思えません。多額の開発費と時間
を必要とするHVではトヨタ、ホンダが世界のトップランナーである
ことは間違いありません。またEVの量産化では日産の優位も続いて
います。

今年に限っては東日本大震災とタイ洪水でサプライチェーンが寸断さ
れた影響と円高で日本勢の苦戦は続いていますが、タイヤやインド
インドネシアなどアジアでの生産では日本勢がリードしています。FTA
でリードする韓国勢に対してアジアでの生産拠点作りが進んでいる日本
勢が巻き返すチャンスもあるでしょう。

まだ電機業界でのサムスン電子と家電各社との力の差ほど自動車業界
では現代自動車がリードしているとは思えません。ASEANを一大生産
拠点とすれば十分戦っていける可能性はあります。鍵はASEANが握っ
ています。

欧州財政危機の収束は未だに解決の糸口さえ見つかりません。ギリシャ
の債務再編で一息ついたと思ったらイタリアに飛び火し政権交代でイタ
リアの懸念が後退したかと思ったらフランスやドイツの中核国の国債も
売られれ今度は東欧の国々の国債利回りも急上昇しました。まさに燃え
盛る欧州です。今週も欧州情勢に振り回されることになりそうです。
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影の部分を考える

2011-11-26 10:37:16 | 日記
光が当たる場所があれば影になる場所もある。多くの場合として日が
当たっている時には実際の何倍もの大きさに見えるように伝えられる
場合が多いように感じます。またずっと日が当たり続けるように思える。
例えば震災後の電力不足から次世代のクリーンエネルギーとして太陽
光発電の将来性が囃され関連銘柄が大きく値上がりしました。「政策に
売りなし」と言われるように全員でお神輿を担ぎました。

自然エネルギーの全量買い取り制度が来年からスタートします。太陽
光発電の市場は確実に伸びるでしょう。素直な発想なら関連銘柄の恩
恵大ということでしょうが、市場拡大→競争激化という負の部分もある
ことを忘れてはいけません。太陽光発電市場は昨年まで世界市場の
大部分を占めていた欧州で財政危機から欧州市場では成長にブレー
キがかかり政策の後押しもあり需要増の期待が持てる日本市場に世界
の太陽電池メーカーが押し寄せてきました。

円高の後押しもあり海外勢の価格は日本企業よりも2割前後安い価格
です。結果として市場は拡大しますが価格競争の激化から日本企業は
苦戦するという結果になっています。また競争激化の背景としては太
陽電池産業の参入障壁の低さに原因があります。極論を言えば製造装
置さえあればベンチャー企業でも新規参入が容易に可能なことが価格
競争に陥る原因です。

株価が上昇している間は市場の急激な拡大ばかり囃されていますが
敢えてそんな時には影の部分もよく考えなければならないことをこの
ことを教えてくれました。次世代の輸出産業として有望視された原子
力発電、また二次電池として有望視されたNAS電池などは災害や事
故で光があっという間に影に代わってしまった例はたくさんあります。
期待が大きかっただけにその後の失望も大きくなります。そんなこと
を関連企業の株価下落は教えてくれました。

飛ぶ鳥を落とす勢いだったSNSゲーム関連銘柄、DeNAが球団を買
収するというニュースから雲行きが怪しくなり7~9月期の業績の伸び
悩みで一気に熱が覚めました。当初はDeNAだけの株価下落でしたが
次第にグリーにもコナミにも広がっていきました。

欧州のソブリン危機から米国や日本の国債へ資金が逃げ込んでいる
現状はある意味今後に課題を残します。多くの投資家がリスク回避か
ら一斉に日米の国債に資金シフトすれば必要以上に国債が買われ利
回りが低下します。本来分散投資が基本ですが欧州財政危機でソブリ
ン債投資の資金が日米に必要以上に集中します。行き過ぎた利回り
低下は金利の上昇局面では債券の暴落の危険性が増します。

増して日本の財政赤字は数字的には世界でも突出して高い水準です。
にも関わらず金利が低位安定しているのはデフレのおかげと国債消化
の95%を国内の投資家で賄っているからです。また円高で海外投資
に二の足を踏んでいる機関投資家の資金の受け皿になっているからで
す。本来は投資の世界で原則としている分散投資が欧州危機で資金が
国内に還流しているためにいびつな形になっています。

多くの投資家が同じ行動をとればその時には安心かもしれませんが
もし状況が一変したらどうなるのでしょう。先進国で最も低い国債利
回り、その前提条件のひとつでも崩れてしまったら影響は大きなも
のとなるでしょう。欧州のソブリン危機があっという間に広がった
ように市場の動きはある時点から予想以上に加速します。その影も
部分も考えていかなければなりません。
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