kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

番狂わせ

2012-07-31 08:57:19 | 日記
ロンドンオリンピックが開幕、開幕前に予選リーグの始まったサッカーは男女
とも決勝トーナメント進出を決めました。男子は優勝候補の一角スペインを
1対0で下す金星が予選突破の原動力になりました。一方スペインは日本戦
のショックが尾を引いた訳ではないのでしょうが、ホンジュラス戦も負けて早々
と一次リーグ敗退が決まりました。母国では期待外れの結果に終わったこと
をマスコミはどんな報道しているのでしょうか。

もっとも大本命と言われている選手が敗れ波乱が起きているのはサッカーだ
けに止まらず水泳でも怪物フェルプスが400㍍メドレーでまさかの4位、オリ
ンピック3大会連続金メダルの期待がかかった日本の北島も100㍍平泳ぎで
5位敗退でした。体操の内村選手は団体戦でいくつものミスを犯し盤石だった
個人戦の金メダルの行方は混とんとしています。また柔道女子も期待の48
キロ級も52キロ級もメダルには手が届きませんでした。

いくら前評判が高くても4年の一度のオリンピックで実力通りの力を出すこと
が如何に難しいことかが分かります。体も心もベストの状態で本番を迎える
ことはきっと並大抵のことではないのでしょう。ですからプレッシャーも少なく
無心で競技に臨んだ高校生の荻野君は400㍍メドレーで銅メダルを獲得す
る快挙を上げることが出来ました。もちろん実力がなければメダルには手が
届かないでしょうが、プラスメンタル面での要素はかなり大きいのでしょう。

株式市場も年初のアンケートで有望銘柄の一つだったコマツの株価が中国
市場の急減速もあり低迷しているのも本命受難の年なのでしょうか。米国で
もIPO前はあんなに期待されたフェイスブックの株価は低迷しています。前
評判の高いものにはやはり注意が必要だということでしょうか。

昨日の経済紙に「証拠金規制年内にも緩和」という記事が出ていました。個
人投資家の売買を促進して少しでも市場を活況づける効果を狙ったもので
しょうが、一投資家としては本当に個人投資家の売買を活発にしたいと東証
が考えているとしたら例えば大幅な希薄化を伴う公募増資に制限を加えたり
経営権の取得目的での第3者割当増資に制限をかけたりする方が先決では
ないでしょうか。いずれのケースでも株式の大幅な希薄化に既存の株主は
抵抗する術を持っていません。ある日突然の報道で持ち株が急落するので
は安心して長期保有しようという投資家はいずれ居なくなります。

個人投資家が安心して投資できるように企業や証券会社に既存の株主に
配慮した政策を打ち出すことが先決です。単に短期売買だけを奨励するよ
うな今回の緩和策は本末転倒ではないでしょうか。株式市場に個人投資家
の資金を呼び込むためには信用取引のような短期売買での利便性よりも
長期資金が株式市場に安心して入り込めるような施策が必要です。取り組
むべきはキャピタルゲイン税問題や配当の二重課税などもっと別のところ
にあります。
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どうなる今週の株価

2012-07-30 07:42:59 | 日記
東京市場は週前半の3日間(23日~25日)と後半(26日、27日)ではまったく
違う動きでした。前半は3日連続安で合計300円ほど下落、後半は2日連続
で値上がりして200円ほど上昇。チャート的には週初めに下離れて始まり長
い下ひげを出し週末は23日の寄り付き近い水準まで戻して終わりました。
トレンドとしては一旦底入れした形になりました。そして週末の欧米市場も高
かったことから今日の東京市場も堅調な展開が予想されます。

先週世界の市場でもっとも値上がり率の高かった市場は1位にスペイン、3
位にイタリアが名を連ねているように大きく売られた南欧諸国の戻りが大き
いことから買いの主役はショートカバーだったのでしょう。その背景にあるの
はドラギECB総裁の発言が欧州不安を目先後退させた事が大きいようです。
いまや世界の市場にとってバーナンキ議長とともにドラギECB総裁の影響
はそれだけ大きいのでしょう。

もっとも27日のNY市場の1万3千ドル乗せは少々出来すぎの感もあります。
そこまで上昇するだけの材料なのかと言う疑問は残ります。

海外市場の影響を強く受ける東京市場の反発は今回も海外発の材料と言う
ことで同じでした。ですから今週どこまで戻せるかはやはり海外次第でしょう。
もっともロングの資金が動かず夏休みのシーズン入りで積み上がったショート
ポジションの買戻しだけの動きだけなら上値もそんなに期待できません。市場
の予想を遥かに超えたサプライズが1日のFOMCや2日のEU理事会で打ち
出さて世界的なリスクオンになれば話は別ですが。

新聞紙上やネットの記事を読む限りその可能性は高くないと思います。欧州
財政危機が世界の経済に深刻な影響を与えていることは間違いありません。
実体経済の裏づけのない株価上昇は永く続かないと思えますが、1日単位
あるいは1週間単位でみると上昇下落は頻繁に起こっています。

言うことはここではあまり強気にならず月末月初高は一時的で次の下落局面
を再度待つ投資作戦に分がありそうな気がします。その意味では重要イベント
通過後の週の後半の動きが注目です。月末月初堅調な時には月の中旬から
25日前後にかけて軟調になる傾向があります。8月は外国人投資家や機関
投資家など夏休みで日々の参加者が少なくなります。薄商いで上下ブレの
大きな相場になりやすい傾向があります。当然相場が上がった後には下落
への警戒が必要です。
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スマホが変えちゃった世界

2012-07-29 09:34:37 | 日記
ソニーがカーナビから完全撤退するというニュースを28日付けの経済紙が伝えて
います。ソニーは2007年に進出した簡易型カーナビの出荷を年内に終了するそう
です。簡易型カーナビは既存のカーナビよりも低価格なことから2009年まで前年
比で1.5倍市場は拡大していましたが、地図やGPS機能を備えたスマホが普及し
た2011年以降は市場が縮小しています。この市場は旧三洋電機が「ゴリラ」ブラン
ドで市場を切り開きました。しかしスマホの急速な普及で一転成長市場から転落し
ました。

スマホは今や通話も出来る小型PCです。PCがソフトを簡単に追加することに
よりワープロから文書作成機能を奪い、メールのやり取りでFAXの需要を奪った
ことは記憶に新しいと思います。また当時高額な機材がなければ不可能だった
動画編集までもソフトを追加することにより簡単に利用できるようになりました。

スマホも携帯電話の領域を飛び出し今や高性能なコンパクトデジカメやビデオ
それに音楽プレーヤー、ゲーム機それにカーナビ機能まで備え専用機の市場を
次々に奪うようになりました。もはやこの流れは止められないでしょう。そこで
コンパクトデジカメが稼ぎ頭から利益を生まない事業に転落し家電や精密各社
の事業そのものまで窮地に陥っています。

またゲーム機もSNSゲームへと需要がシフトしあれだけ高収益を誇った任天堂
やソニーのゲーム事業が不振に陥りました。高性能な据え置き型のカーナビは
過酷な条件での使用環境から参入障壁が高く日本企業の独壇場でしたが、GPS
機能を備えたスマホの登場でどんな影響が出てくるか予断を許さない事態も数年
後には訪れるかも知れません。それだけスマホの進化は多くの業界に影響を与え
続けるでしょう。

カーエレクトロニクスに再建の命運をかけるパイオニアの株価が昨年の高値の
半値以下に下落したのも市販品のシェアがもっとも高いメーカーだからその影響
は短期的なものに止まらず長期的な業績への影響を懸念してのことでしょうか。
カシオやオリンパスはコンパクトデジカメの不振が大きく赤字体質からの抜け出
せず会社のお荷物になっていることから想像するとパイオニア株の下げも納得
できます。

日本企業のエレクトロニクスでの競争力が落ちているのはアナログからデジタル
に製品が代わり日本企業が得意とする摺り合わせよりも投資や開発に迅速な
スピードが要求され世界の競争軸が変わってしまったことが大きいようです。
今後の日本株の反発局面でもよく企業の競争力を考えて銘柄を選ばないと
満足な投資収益は得られないでしょう。
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NYダウ1万3千ドル回復

2012-07-28 09:06:55 | 日記
ドラギECB総裁の発言は欧米の市場にとって思わぬサマープレゼントに
なったようです。27日の欧米市場は続伸しました。特にNY市場は5月7日
以来の1万3千ドルに乗せました。ECBがスペイン国債購入を再開すると
言う期待が独仏首脳の発言から一層高まりました。またGDPが市場予想
よりもよいと言うことも上昇に弾みがつきました。

もっとも欧州首脳のリップサービスはマーケットに催促される形でこれま
でも何度かありました。2日のECB理事会ですぐに国債購入再開が決ま
る可能性はそんなに高くないでしょう。再開するにはドイツの同意が必要
ですが、メルケル首相は来週から夏休みを取る予定です。

また31日~1日のFOMCで何らかの緩和策が出てくるかも不透明です。
米国の経済指標から景気がスローダウンしていることはあきらかですが
追加緩和策には副作用があるのも事実です。NYダウが1万3千ドルを回復
した局面で踏み切るのかは甚だ疑問です。週末の雇用統計の発表もあり
ます。今回踏み切ればサプライズですが。

欧州要人の一連の発言でスペイン国債利回りの低下や欧米の株式市場の
上昇で時間稼ぎには成功しました。未だドラギマジックは健在だったみたい
です。8月のバカンス入りでヘッジファンドなど短期筋もポジション調整のタイ
ミングのところにドラギ総裁の発言が伝わりショートポジションの解消が一気
に起こったのが今回の上昇の真相だったのでしょうか。穿った見方をすれば
経済指標の結果からは世界の投資家がリスクオンになったとはとても思えま
せん。

東京市場もシカゴCME(円建て8685円)から週明けは上昇して始まりそう
です。8662円の窓埋めの可能性は高そうです。ひょっとすると8700円台回復
という可能性もザラ場ではあるかもしれません。相場は7月末までは持ちそう
ですが月が替わる8月以降が心配です。NY市場はチャート的にはボックス
(1万2500ドルから1万3000ドル)を抜ければ一段高も期待できそうですが
果たしてこの経済環境でどこまで上昇を期待できるのか。

27日のダウ30銘柄は全て上昇しました。これがバカンス前のショートポジション
調整なら上昇は永く続かないとも考えられます。市場参加者が少なくなる時期
で値動きが大きくなる傾向も考えながらよく市場を観察しましょう。ECB理事会
やFOMCを控えて一気にショートポジション解消が済んでしまったらその後が
誰が上値を買うのか心配です。

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変われない企業は生き残れない

2012-07-27 09:03:29 | 日記
日本企業の決算発表が本格化してきました。欧州経済の低迷や円高でやは
り企業業績に影響が出てきました。キャノンが発表した決算はそう言った意味
ではネガティブサプライズそのものでした。一眼レフデジカメという競争力の
ある事業やコスト削減には定評があったキャノンさえも外部環境の悪化の影響
は大きかったことが印象に残りました。

また復興需要もあり内需銘柄には好調な業績を上げている企業がある反面
花王やハウス食品など同じ内需銘柄に属する企業でも業績が振るわない企
業も目につきます。為替や海外景気に影響を受けにくい内需ディフェンシブ株
なら買い安心感があるとは必ずしも言え無くなってきました。

今年になっては特にNY市場の底堅さと日本や台湾や上海市場などの新興
市場の軟調さが際立っています。確かに日本企業には円高というハンデが
あることは大きいと思いますが、米国企業の多くがその業界で圧倒的な市場
シェアを背景に世界経済が減速に向かっているにも関わらず業績は相対的
に安定していることはやはり注目されます。

例えば半導体はインテルの手掛けているCPUは依然高い利益率を保って
います。クアルコムもスマホ用MPUで市場シェア5割を背景に利益率は群を
抜いています。反面DRAMはエルピーダが今春破たんしたように過当競争
から多くの企業で赤字体質から抜け出せません。また昨年まで高収益を保
っていたフラッシュメモリーも春以降汎用品の値崩れから市況は大きく下落
し各社の収益は低迷しています。このように半導体関連と言っても業績に
明暗が分かれています。

ソフト、サービス部門が収益を引っ張るIT業界の巨人IBM、建機世界一の
キャタピラー、小売り世界ナンバーワンのウォルマート、航空機業界2強の
一角ボーイング、コカ・コーラやマクドナルド、ディズニーなどの世界企業など
NYダウを構成している30銘柄のほとんどは世界に通用するナンバーワン
の事業を持っています。

日本でもファナックや日本電産などその業界で圧倒的に強い事業を持って
いる企業がある反面、家電3社を筆頭に多くの電機業界の惨状は言葉に
ならないくらいひどいものです。液晶で一時代を築いたシャープも身の丈
以上の投資に失敗して屋台骨が揺らいでいます。過去の成功体験が仇に
なった企業は他にも沢山あります。

薄型テレビのように他社がやるから当社も横並び意識で投資をするという
ビジネスモデルはもう捨てなければなりません。スモホにしてもサムスンと
アップルの2強体制を崩すことはもはや難しいでしょう。スマホを手がけて
いる企業が日本にはまだ6社もあります。どう考えても6社が生き残れる
とは思えません。世界で戦えない企業は生き残れません。

これからも従来の延長線でしか事業展開をできない企業の株価はテクニ
カル等で一時的に反発したとしても上昇トレンドを描くことはないでしょう。
他社がまねのできない世界に通用する事業を持った企業だけが生き残れ
ます。あれだけの不祥事を起こしたオリンパスにたくさんの企業が関心を
寄せるのは内視鏡事業が世界に通用するナンバーワンの事業だからです。
利益を生まない既存事業にしがみつき変われない企業の株価は今後も
低迷から抜け出せないでしょう。


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