kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

黒田日銀のお手並み拝見

2013-03-30 07:47:24 | 日記
ファーストリテイリング、ソフトバンク、KDDI、セブン&アイ、良品計画おまけに
ドン・キホーテ、しまむらなどなど3月はこんな銘柄だけ手がけていたら株式投
資は楽勝だったのでしょうねっとふと思いました。まあ実際には全て値嵩株で
しかも株価かなり高い水準なのでたくさんは買えないでしょうが。一方相場の
柱と期待が強かった輸出関連銘柄のパーフォーマンスは芳しくありませんでした。

突如としてキプロス問題が浮上したりイタリア再選挙がありそうだとかで今月は
ユーロ安が進みました。ユーロの反発局面は終わり欧州経済の下振れリスク
を織り込む場面が今後出てきてユーロ/ドルに関しては一段安を予想する解説
記事も出ていました。欧州売り上げ比率の高い精密株などが今週下落基調で
推移したのもそんなところが影響したのかもしれません。

そこで調べてみたら為替相場は下記のような推移でした。
当時の野田首相が解散を明らかにした前日の昨年11月13日のドル/円は79円
46銭、同じくユーロ/円は100円98銭、ユーロ/ドルは1.271ドルそれが3月28日
にはそれぞれ94円15銭120円69銭、1.2815ドルと言う結果です。それでもアベノ
ミクス効果で円がらみは踏ん張っていますが、ユーロ/ドルは昨年11月の水準
に限りなく近くなっています。現状の米国と欧州の経済状況を考えれば仕方な
い結果なのかもしれませんが。

東京市場は指数的には今週も高値圏で踏みとどまっています。しかし外需株に
止まらず先駆した含み資産株や小売株は週の後半下げ基調で終わりました。
月が替わると相場の流れが変わる事もしばしば起こります。小さな変化も見逃
さないようにしなければなりません。一夜にして急変してしまうのもマーケットの
怖さです。

NY市場が今後高値を更新しても円相場が現状の水準では4月相場も輸出関連
銘柄の大幅な上昇は期待薄かもしれませんね。少なくともユーロ相場が落ち着
いてくれないとドル/円相場も絶えず安全資産の円買いで円高方向に押し戻さ
れます。この流れが来週の日銀の会合と米国の経済指標で変わるのかそこが
ポイントでしょうか。まずは3日4日開催の日銀の政策決定会合での異次元の
金融緩和政策の中身と市場の反応が注目です。

なお明日の更新はお休みします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月相場はどこにいく

2013-03-29 07:17:51 | 日記
円安の勢いが鈍り始めたとたん東京市場の値動きもやはり重くなりました。
今日で3月相場も終わりますが、3月中旬以降は1万2300円から2600円の
間で激しい値動きを続けています。それだけ年明け以降一本調子で上昇を
続けてきた市場に先行きに対する温度差が出ています。

また今年はここまで流れにうまく乗った投資家とそうでない投資家のパフォー
マンスの違いが大きく出たのが特徴です。ROEだけを参考に投資銘柄を選ん
でいた投資家はやはり流れに乗りそこなったのではないでしょうか。ブルー
チップ銘柄だけを保有していたのでは市場平均に負けました。

ここまで年明け以降の相場を振り返ると業種を問わず100円前後から200円台
の低位株の総底上げ相場が1月相場の特徴でした。その後円安の一段の進行
で業績改善期待の大きい機械や自動車、精密株が大幅な上昇で2月相場は
終わりました。2月末から3月上旬になると今度は日銀新体制の期待から異
次元の金融緩和でメリットを受ける不動産、倉庫それに電鉄など土地持ち企業
の急騰を演じました。

3月中旬以降は金融株や通信株も物色されましたが、何と言ってもデパートなど
の小売株の上昇が目を引きました。そして今週には大手スーパー株も大幅上昇
しました。大幅な金融緩和で含み資産株や小売株の業績が劇的に伸びる訳でも
ありません。しかしキプロスやイタリアなどの外部要因に左右されにくく業績の
変動の少ない内需株が好まれています。米国市場でも同じ傾向です。

年明け以降ここまでは素直にこの流れに乗った投資家の大勝利でた。さて来週
から4月相場に突入する訳ですが、3月に大きく水準訂正した不動産や電鉄の
含み資産株や小売株などは流石に短期的な過熱感から高値波乱の模様です。
しかし為替が安定しなければ主力株が主導する相場は期待できません。ここま
で良く言えば循環物色、悪く言えば食い散らかし相場が続いてきました。

ここまで続いてきた材料相場から業績を評価した相場に移行できるのか、それ
とも11月中旬以降調整も無く上昇してきた東京市場が4月相場入りとともに目先
ミニ調整があるのかやはりその鍵は為替とNY市場が握っています。黒田日銀
の初会合が開かれる来週、市場はどんな判断を下すのでしょうか。円相場が
95円を越えて円安基調を取り戻せせない限り1万3000円への道は遠いかもしれ
ません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選択と集中を一層推進せよ

2013-03-28 08:56:48 | 日記
円安、株高で企業の景況感も好転し業績好調企業中心に賃上げや賞与の満額
回答する動きも出てきました。資産効果でデパートの高額商品の売り上げが伸
びています。円安で恩恵を受けるセクターは輸出企業ばかりではありません。
円相場の下落で海外からの観光客が増えています。観光客の消費がデパートの
売り上げ増にも寄与しているのです。観光立国を成長戦略の柱と期待している
日本としては円安はこんなところにも良い影響を与えています。

またTTP参加表明の影響もあり日欧のEPAや日中韓のFTAも動き出しました。
工業製品に関しては多くの品目で(例えば自動車はEUは10%の関税をかけて
いる。一方日本はゼロ)EUにとってはEPA締結のメリットが少ないというのが
交渉が進まない原因でしたが、TTP主導で世界の貿易、通商ルールが決まる
ことへの懸念からEUも前向きになりました。

工業製品への高率の関税や数々の資本規制などがある中国もTTPが世界の
標準になる事への懸念から日中韓のFTA推進に舵を切りました。またこれまで
二国間のFTA重視を掲げてきた韓国も日本がTTP参加表明で軌道修正も必要
だとの認識が出てきたのでしょうか。ともかく日本が動いたことにより玉突きの
ように様々な動きが出てきました。

日本企業の動きもここへきて積極的になってきました。イオンはTOBで丸紅の
持ち株29%の内24%を取得し、ダイエーを子会社化する方針です。また人材
サービス大手テンプルHDは同業のインテリジェンスを510億円かけて買収します。
NECも子会社の携帯電話販売代理店のNECモバイリングを売却する方針を
明らかにしました。これはNECは非中核事業の今後携帯端末事業から撤退する
布石であるという見方がなされています。

一連の動きは円安で一息ついた企業が次の成長を目指して遅ればせながら
事業の選択と集中にやっと本気で取り組み始めたことを感じます。金融緩和や
円安効果だけでは株価上昇もいずれ壁に突き当たります。外国人投資家が
長期資金を日本企業に振り向けるためには企業業績の継続した改善が必要
です。日本企業株式会社が海外企業と遜色のない稼げる企業体質になれるか
どうかを海外の投資家は投資判断の基準としています。

かねて日本企業の問題点として挙げられていたことは業界内での過当競争と
その結果である低い利益率でした。企業が強みを持っている事業を一層強化
する一方、例え黒字基調を続けていても先行きに大きな期待が出来ない事業を
切り離すことにより強い企業体質を作る。それがグローバル市場で今後勝ち抜く
条件だということが少しずつですが出てきました。

ここ数年の日本株低迷の間でも成長している企業は着実に株価が上昇してい
ます。残念ながらその多くは中堅企業どまりでした。日本経済を牽引するような
大手企業にまで波及すれば本当に日本経済本格復活の証になるのですが
ここ数年が正念場かもしれません。

昨日から実質4月相場に突入した東京市場は指数の上では即日配当落ち分を
埋める展開でした。依然上昇トレンドは続いているようです。しかし物色の中身
をみると内需株優位の展開が続いているようです。キプロスの後はイタリアの
再選挙の可能性が高まりユーロの下落は続いていることもあり当面は外部要
因に影響されにくい内需株主導での相場展開が続くのかもしれません。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1兆円増加

2013-03-27 07:02:34 | 日記
東証が26日発表した3月22日時点の信用買い残高は根強い先高感と稀に
みる低水準な評価損(一桁台前半)も手伝い1760億円増の2兆3295億円
となりました。昨年末の残高が1兆3308億円でしたからおよそ3ヶ月で1兆円
増加したことになります。その間売り残高は5634億円(12月末)から5675億
円(3/22)ですからほぼ横ばいでした。

今週は3、9決算の権利配当落ちですから決算落ち後に信用で買った銘柄を
現引きするという投資家もいるでしょうからこの数字が全てを表している訳で
でいないでしょうが、先週と先々週の2週間で3000億円増加しています。その
間日経平均は1万2500円前後でいったりきたりしていましたからやや売買の
回転が効きにくくなってきています。

買い残高の増加は上昇相場が続いている間は買いエネルギーの強さの証
でありそれ程気にする必要はありませんが、株価の上昇が頭打ちになると
将来の売り要因となる買い残高の多さは悪材料となる可能性もあります。
現在の東京市場は外国人投資家の継続的な買い姿勢を背景に個人投資
家の短期資金流入がエネルギーとなっています。

今後外国人投資家の買いが細る場面がきた時には買い残が多く高値圏に
いる銘柄には注意が必要です。特に高値をつけた後の調整局面で買い残高
が異常に膨らんだ銘柄は調整が長引く可能性があります。日本株に大きな
影響をもたらすNY市場は季節柄5月以降弱含むケースが多くなっています
から外部要因に左右されやすい銘柄は特に4月の値動きに細心の注意を払
う必要があります。

日本株の大きな支援材料となる円相場ですが、月初の雇用統計で強い数字
がでて円相場が節目の95円を越えて96円台まで上昇した時には95円から
100円のレンジ相場に今後は移り95円の上値の壁は今度は下値の目処とし
て作用すると思っていましたが現実には雇用統計に反応した96円以上の円
安は長く続きませんでした。

その後の円相場の推移は自動車をはじめ輸出関連銘柄の上値がその後
重くなる要因となりました。その意味では今後日銀が打ち出す緩和策や米国
の経済統計に円相場がどんな反応を示すかが重要です。

今日は配当権利落ちです。配当分が実質89円ほどあるそうですが、この落ち
分をNY市場の高値更新と言う支援材料でどこまで埋めることが出来るのか
まずは今日の相場が今後の相場を占い意味でポイントになりそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オーナー経営

2013-03-26 06:59:53 | 日記
2012年11月より上昇を続ける東京市場ですが、その中で業種を問わず一際
高い株価パーフォーマンスを上げているのがオーナー経営企業です。ソフト
バンク、ファーストリテイリングを筆頭に楽天、しまむらなどです。それに年明
け以降は高値圏でのもみ合いが続いていますが、過去5年間大幅な上昇率を
示しているユニチャームです。

またここ数年はPC需要の伸び悩みなどで成長鈍化から株価もさえない日本
電産もリーマンショック後の株価回復は群を抜いていました。いずれ高成長に
復帰する日もあるでしょう。経営者の情熱が失われない限り必ず復活すること
は可能です。

オーナー企業が株式市場で人気が高い理由の大きな要素は経営判断が迅速
で大胆な決断が出来ることでしょうか。ソフトバンクやファーストリテイリングそれ
に楽天の経営者は現状の成長に満足することなくさらに高い成長を求めて積極
的に事業の拡大を目指しています。

バブル崩壊後多くの日本企業が守り重視の経営で大胆な経営戦略を棚上げに
する傾向が強くなりましたが、株式市場の人気の高いオーナー企業には企業
規模が大きくなってもベンチャー精神を発揮して積極経営を心がけているところ
があります。

経済のグローバル化で国内に閉じこもっていては大きな成長は期待できません。
海外進出にはリスクは付き纏いますがその分大きく成長するチャンスも期待出
来ます。これからの成長セクターであるアジア市場には現地企業だけでなく欧米
企業も巻き込み激しい競争が待っています。

世界の成長を取り込んで企業が勝ち残っていくには一歩先行く戦略と迅速な
経営判断が必要です。高株価のオーナー企業にはこの要素を満たした企業が
多いのが特徴です。多くの成長産業が出ることは日本経済復活のために必要
です。ソニーもホンダも創業から高成長にいたる過程では創業者の強烈な
リーダーシップが成長を牽引しました。

新しい産業、新しい企業が次々に登場することにより経済も活性化されます。
第二第三のソフトバンク、ファーストリテイリング、楽天などが日本に誕生する
ことが出来る環境を整えることもアベノミクスの3本目の矢の使命です。

日々の株価は欧米の情勢やそれに起因した為替の変動で上に下に大きく振れ
ます。ディトレのようにその日の流れで勝負する投資もあれば企業の成長力に
期待してもう少しの長めの期間で勝負する投資もあります。長めの投資を志す
なら経営者の資質も含めた企業分析が必要です。オーナー企業はその経営者
が株価の鏡です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする