kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東証再編銘柄ででホームラン?

2021-05-29 07:59:17 | 日記
28日の東京市場は予想外の2万9000円台回復で終わりました。米国の新規
失業保険申請件数が市場予想を下回り景気の回復期待が高まった。また米
MSCIに組み入れる日本の銘柄入れ替えに伴う指数イベントを通過し需給の
不安が後退したことも短期筋の買いを誘ったとの解説でした。

短期筋の先物買戻しで値嵩株の上昇が目立ったことからも後者の需給面での
要因の方が大きかったのではないでしょうか。需給面では5月第3週の海外投
資家は2269億円現物株を売り越しました。第2週からは半減しました。しか
しそれ以上に大きなサプライズは生・損保が3415億円という巨額な買い越し
を記録したことです。

第2週が388億円の売り越しであり年初からずっと同額程度の売り越しを続け
ていただけに需給面では大きな下支えになりました。第3週は日経平均が2万
8000円割れする日が多かった週です。2万8000円割れは割安と判断して長期
投資家の生・損保が動いたのでしょうか。上値をどんどん買い進める投資セ
クターではありませんが、下値では買うという期待は市場に安心感をもたら
します。

28日の大幅上昇が先物の買戻し主体だったとすれば30日の月曜日はヤレヤレ
の売りもあり下落しそうです。また昨年9月以降は最終日売買日はすべて下げ
たこともあり2万9000円を維持できれば上出来でしょうか。

セコムは東証2部上場のセコム上信越をTOBにより完全子会社化すると28日
発表しました。買い付け価格は65%のプレミアムを乗せた1株6350円とセコ
ム上信越株主にとっては大きなプレゼントになりました。海外投資家中心に
批判的な見方の多かった親子上場です。日立が日立国際や日立工機など上場
子会社をファンドに売却するというニュースやNTTがドコモを完全子会社化
するいうニュースが出るたびに二匹目のどじょう探しが市場で出ましたが
永くは続きませんでした。

しかし今回は来年4月からの東証の市場再編という期限付きのことがあるので
第2第3のセコム上信越が今後増加する可能性は高そうです。特に2部市場や
1部市場でも流通株が少なくて親会社の財務内容が良好な銘柄は注目されます。
業績を頼りにした銘柄選びではないのでTOBがあるかないかという点で銘柄
の絞り込みの難しさはありますが、もし当たればセコム上信越銘柄のように
かなりのプレミアムも期待できます。

しかも買い手も買取価格も決まっているTOBなら売りのタイミングという難し
さもありません。TOB価格にサヤ寄せされ下げる展開は想定しなくてもいいの
ですから。

次回の更新は6月2日を予定しています。
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トヨタや日立高が暗示するもの

2021-05-28 06:04:08 | 日記
5営業日で600円上昇していたことの影響がやはり大きかったのでしょうか。
またMSCIが大引け後に大型・中型株からなる「標準指数」で29銘柄の日本
株を除外することも様子見を強めたようです。27日の日経平均は寄り付き
から売り物に押され、その後も下げ幅を広げる場面もありました。

大引けでは下げ幅を半分程度まで縮めましたが、2万8500円から9000円の
レンジを抜けられるかが今後の焦点になりそうです。

今日は週末ですが、幸い月末とは重ならず9月以降すべての月で最終営業日
で大きく下げる展開は何とか避けられるのでしょうか。マスコミは連日、ワ
クチン接種の状況と東京オリンピック開催の可否について報道しています。
オリンピック開催を巡ってはIOCや日本政府と国内の世論とは大きな隔たり
があるようです。結論は開催期限の直前まで続きそうな雲行きです。

東京市場は2万8000円台で値固めの動きが続いています。6月相場はどちら
かというと軟調に推移する傾向が過去多かっただけにまだ下値不安が解消し
たとは言えないようです。

しかし個別銘柄ではトヨタや日立といった日本を代表する銘柄が今月10年来
高値を更新しました。年初からの成長株一辺倒や景気敏感株のセット買いと
いった流れとは少し様相が変わってきたようです。

昨年の3月以降の相場上昇では電機分野では富士通やNECといったデジタル
インフォメーション銘柄やエンタメなどコロナ禍でも業績好調なソニー、5G
関連の村田製作やTDKそれに半導体関連で製造装置や関連部材を手掛ける企
業の人気が続きました。自動車分野ではEV関連の日本電産などが人気を集め
ました。

しかし1月には電子部品各社、そして4月にはDX関連やEV関連、半導体関連
といった高成長期待のセクターが天井を付けました。自社株買いを手掛かり
に今月高値を更新した富士通は稀有な存在です。コロナショック後にほとん
ど下げることなく1年近く上げ続けたエムスリー株さえ既に1月高値から3割
近く下落しました。

高成長期待でバリエーションが大きく切り上がった銘柄群からマネーが離れ
ていることは明らかです。6月以降相場が再び上昇トレンドを取り戻しても
これらの銘柄が主役に戻る保証はありません。成長株、景気敏感株とも株価
水準を照らし合わせて投資判断をする時期に変わってきたようです。成長株
なら極端に高いバリエーションも許容されるという流れには変化が出ています。
エムスリー株はリトマス紙になりそうです。
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バリューかグロースか

2021-05-27 03:44:13 | 日記
景気敏感株の代表である鉄鋼や非鉄銘柄が今月初旬に高値を付けてから
一転下落に転じるなど今年前半の主役だったバリュー株の一角には息切
れもみられます。2週間前には1.7%近くまで上昇した米国の長期金利は
足元では1.5台まで低下し一時強まったインフレ懸念はかなり後退したよ
うです。

26日の東京市場は寄り付きでは米国株安から100円程度下げて始まりま
したがその後急激に戻しプラス圏に浮上しました。結局大引けでは100円
高で終わりました。上げの主役はTDKやリクルート、ファナックそれに
エムスリーなど成長株です。

これらはインフレ懸念の高まりから長期金利の上昇とともに4月から下落
していたグループです。超金利の低下とともに息を吹き返した格好です。
一方景気敏感株の代表である鉄鋼や非鉄それに海運銘柄は26日も値下がり
しました。

成長株と景気敏感銘柄のチャートは真逆の動きをしています。物色の流れ
が再び高成長銘柄に戻るのか、それとも景気敏感株の多いバリュー株がも
う一度主役に返り咲くのかどっちでしょうか。鍵はやはり米国の長期金利
の行方にかかっているようです。

日本株の出遅れを指摘されています。最大の要因はワクチン接種の遅れで
す。英米や欧州のフランスやドイツにも大きく差をつけられました。十分
に気を付けても感染を防ぎきれないのは感染力の強い変異種が次々に現れ
ているからです。ワクチンなしではこの戦いに勝利はできません。

市場の評価では日本の接種状況はマイナスに沈んでいます。これだけ期待
値が低ければ接種状況の改善が進めば多くな上昇エネルギーになるかもし
れません。その時に人気を集めるセクターや銘柄はなんでしょう。市場で
勝率を高めるのは二歩三歩先を考え連想を働かせることです。

目の前で起きていることは市場にとって答え合わせに過ぎず、多くのケース
では既に賞味期限はあまり残っていません。今から2か月後を想像して投資
戦略を立てることが出来れば勝率は上昇します。



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周回遅れに出番は来るのか

2021-05-26 05:57:36 | 日記
今週から東京都と大阪府で大規模ワクチン接種がスタートしました。計画に
よると期間3ヶ月で90万回を予定しています。一人に2回接種が必要ですから
人数は45万人です。本当に計画通りに接種が進むのかどうか株式市場でも関
心は高いでしょう。

もっとも全国では3600万人の65歳以上の高齢者がいます。自治体が公表した
7月までに接種が完了するといった見通しは地方では達成可能なようですが
高齢者人口の多い一都三県では現時点では7月時点では進捗率が8割から9割と
回答している自治体が多いようです。都区部でどこまで接種が加速できるか
がポイントになりそうです。

大規模ワクチン接種は高齢者接種が終われば64歳以下を対象とした国民でも
行われるようですが、40代、50代の現役世代を対象にした時の方が効果的で
はないでしょうか。高齢者よりもスマホやPCを常日頃から使用している現役
世代はスマホやPCからの予約に限定している大規模接種でスムーズにいきそ
うです。

高齢者に比べれば問診にかかる時間も短くなるでしょう。昨年は65歳以上が
多くを占めていましたが、変異ウィルスの拡大で重症化しやすい年齢が40代
から50代へと下がっていることを考えるとこの層の接種が進めば重症者の減
少も期待でき医療機関の負担もかなり軽減されます。いつこの層での接種が
始まり完了の目途がつくのか市場の物色銘柄へも影響を与えそうです。

また現在は予定通り開催か中止かどちらに転ぶか分からない東京オリンピッ
クの行方がハッキリすることもポイントです。強行開催して感染拡大という
リスクを考えるならやはり中止してワクチン接種加速に国として全力を上げ
る方が私はベストだと思いますが、開催を巡ってはIOCや日本政府と欧米の
マスコミや日本国民との温度差が大きすぎることも市場にとってはマイナス
です。

一方接種が進んでもその時点で頼みの米国株が調整局面入りしていれば日本
株の上値も余り期待できないという見方もあるようです。理想的な展開は日
本でワクチン接種が今後進み国内経済にも明るさが出てきた時点で欧米市場
も好調を維持している状況です。
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トヨタが浮上、SBGが沈む

2021-05-25 05:08:32 | 日記
週明け24日の東京市場は3日続伸しましたが、2万8500円以上では上値が
重くなっているようです。当面米株の大幅安でもなければ2万7000円割れ
するような下値不安は消えました。しかしすぐに2万9000円回復から一段
高という勢いは感じられません。引き続き欧米に比べてのワクチン接種率
の低さが重荷になっているようです。

個別銘柄では時価総額1位のトヨタが10年来高値を更新しました。時価
総額は29兆円まで拡大しました。一方2位のSBGは2%近い下落で時価
総額は15兆円を割り込みました。トヨタが景気敏感株の代表SBGは成長
株を代表する銘柄というのが市場の認識です。

自動車セクターはEVブームが吹き荒れテスラがその代表格でした。内燃
機関を動力源とする車の参入障壁が高く長らく自動車業界は既存の大手
メーカーが中心でした。しかしテスラが環境問題も味方して量産型EVで
販売台数を急激に伸ばしたことからEVに追い風が強まり間違いなく昨年
の自動車セクターはテスラ中心に回っていました。

既存の自動車メーカーでもGMが2035年までにすべての新車を電動化し
EVや燃料電池車などのゼロエミッション車にする計画を発表しただけで
株価も大きく上昇しました。GMがEVでヒットを飛ばすかどうかよりも
EVシフトが市場の評価軸となりました。EVで人気を集めたテスラからの
連想も株高の要因でしょうか。

もっとも2月以降の流れは明らかに変化を感じます。テスラ株には長期
金利の上昇懸念やFRBのテーパリングの前倒し観測などテスラなど成長
株には一転逆風が強まっています。既存の大手メーカーがEVに積極的に
なることで競争激化も底流にはあるのかもしれません。

逆風に晒されるテスラと同様、投資先に多くのユニコーン企業がある
SBGもまた米国が超緩和路線の終わりの始まりに舵を切る方向が見え
隠れしてきたことで右肩上がりを続けてきた株高も曲がり角に差し掛
かっています。

SBGが12日に発表した前期決算で5兆近い純利益をたたき出しましたが
株価の浮上には繋がりませんでした。この数字が超金融緩和下で成長株
に大きな追い風が吹いたことでたたき出した数字であり現時点では追い
風参考記録程度の扱いだということを市場では嗅ぎ取っていたからでし
ょう。

既にSBG株の二つ目のエンジンである2兆円という巨額な自社株買いは
終了しました。超金融緩和が終わってもゲームチェンジを起こすベンチ
ャー企業はまだまだ生まれ成長するでしょう。成長株投資に特化してい
るSBGのファンド事業もまだまだ伸びる余地はあるでしょう。しかし株
価の動きから推測すると一山は超えた印象です。次の山がくるとしても
時期はまだ未定です。
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