kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ブームは過ぎ去れる運命

2018-07-31 05:43:44 | 日記
やはり徒花(あだばな)だったのかもしれません。最近ではビット
コインという言葉はネットニュースからも姿を消しました。急激な
値上がりで多くの億万長者がでたことで億り人(おくりびと)とい
う言葉も生まれましたが、結局ブームに乗ろうとして後から投資し
た人達は結果的にババを掴むことになりました。

2017年12月には237万円という高値を付けたビットコインは直近で
は90万円程度で推移しています。それでも6月には70万円を割り込
む日が多かったことを考えれば相場は落ち着きを取り戻しつつある
のかもしれません。

結局ビットコインで大儲けしたのはブーム到来前に仕込んでいた先
見性のある投資家と仮想通貨交換所を運営していた業者だったよう
です。交換業者は投資家が大きな値上がり益を狙えることで売買手
数料に当たるスプレッドを大きくしても熱狂に包まれた市場では商
売が成立しました。

コインチェックの仮想通貨流失事件で明らかになったのは被害を受
けた投資家に対して巨額の保障ができるくらい業界は高収益を挙げ
ていたことです。しかしセキュリティ対策費用の増加やブームの終
息で業界は試練の時を迎えたようです。

株式市場ではマネックスグループがコインチェックを買収すること
が伝わると当時明らかになった交換業者の高収益体質がマネックス
の収益が飛躍的に高まる期待から株価は急騰しました。しかしマネ
ックスが27日に発表した四半期決算では仮想通貨事業は2億5900万
円の赤字だったようです。

仮想通貨ブームが到来したのは昨年利益を得にくかったFX投資家が
旨味のある仮想通貨市場に殺到したからとも言われています。仮想
通貨の何たるかも分からず値動きの大きさだけに魅力を感じた投資
家もいたでしょう。身近に大儲けしたという人がいれば尚更自分も
乗り遅れまいとする心情は投資家なら分からなくもありません。

しかし何事もマスコミが大きく取り上げるようになると終焉が近い
ものです。二匹目のドジョウはいても三匹目、四匹目はまずいませ
ん。仮想通貨が復活することが再びあるのでしょうか。それとも平
成の最後の年にそんなブームがあったなあという昔話になってしま
うのでしょうか。

株式市場でもスマホゲーム関連とかインバウンドブームとかFA・ロ
ボット関連とかテーマ株人気が盛り上がる場面が何度かありました。
関連銘柄が人気化している間はこの上昇は永久に続くのではないか
と錯覚しそうになりますが、やがて多くの銘柄の人気は低下します。
値上がりが大きくなればなるほどまたその反動も大きくかつ長期間
に及ぶこともあります。

下げてくると値惚れで思わず買い向かうこともありますが多くの場
合結果は芳しくありません。この点はもう一度投資家として肝に銘
ずるべきです。

今週は決算シーズン本場番を迎えますが、30日の動きを見る限り減
益決算のリコーやヤフーは逆行高しています。反対に4~6月期は過
去最高の決算だと伝わったカルビーは8%を超える大幅な下げです。
高値圏にあった太陽誘電も決算は好調でしたが大きく下げています。

勿論アルプス電気のように業績上方修正で素直に上昇している銘柄
もありますが、表面的な増減益だけでは株価を測れない相場です。
決算期特有の動きは始まったばかりです。株価の動きに一喜一憂す
る投資家なら「休むも相場」を実践した方がよさそうです。
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Facebookが変えた市場の空気

2018-07-29 13:08:18 | 日記
※台風の影響で予定を変更して30日更新分を前倒します。

米国ではFANG銘柄の一角を占めるFacebookが26日決算内容に失望
した投資家の売りが殺到し19%と急落しました。翌27日も下げが
止まらず投資家の動揺は大きかったようです。決算を受けて下落し
たのはFacebookだけでなくインテルに加えネットフリックスも市場
の期待を裏切りました。

FANG銘柄を含めた大手ハイテク銘柄は米中の貿易戦争への影響が少
ないという見方もあり決算発表前まで順調に上げ続けていました。
ナスダック市場の高値更新の立役者でもありました。しかし決算発
表で尚も好調な銘柄がある一方変調をきたしている銘柄が出てしま
いました。ハイテク主導の相場模様も一転雲行きは一気に怪しくな
りました。

一方出遅れが目立っていた資本財株や金融株などバリュー(割安)
株の持ち直しで先週ダウは上昇基調を保ちましたが、時価総額の大
きなハイテク銘柄の急落は不安を残すことになりました。大手ハイ
テク銘柄はヘッジファンドなどがこれまで中核銘柄として保有して
きただけに今後マネーがハイテク銘柄から流出することもあるかも
しれません。

今後の株式市場では米中貿易戦争の行方がまだ見通せないことも足
枷です。注目の米国の4~6月期のGDPは4.1%高成長でしたが、市
場は足元の好結果よりも先行きが気になっているようです。貿易戦
争の影響が本格化するのはこれからです。この高いGDPの水準を持
続するには簡単ではありません。

また市場は貿易戦争も景気後退懸念も関係なく高成長が期待できる
という理由でFANG銘柄などのハイテク株に投資家の資金が集中して
いましたから投資家が今後慎重姿勢に転じることになれば好調な市
場のムードに水を差すことにもなります。

ハイテク大手の一部にみられた収益減速は一時的なのか7~9月期
以降の決算でもう一度確認することになります。それまでは主役な
き相場が続くかもしれません。大手ハイテク銘柄抜きでも上昇が続
くのか。相場の先行きが不透明と判断すれば夏休みシーズン前に持
ち高を手仕舞う投資家も出てくるでしょう。

またいつトランプが重要な問題でも唐突にツイートする分からず相
場が荒れることもあるかもしれません。北朝鮮に対しては融和ムー
ドですが、相変わらずイランに対しては強硬姿勢を崩しません。
中東は火薬庫と言われるように一旦問題が噴き出せばどんな事態に
なるか見当もつきません。Facebookショックは無敵銘柄は存在しな
いという現実を突き付けました。
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トランプ流続く

2018-07-27 07:10:02 | 日記
26日の東京市場は米株高も支援材料とはならず小幅な値動きに終始
しました。やはり日銀のETF見直し報道で値嵩株が下落したことが影
響したようです。これまで通り日銀が225指数に連動するETFを買い
続けると値嵩株の一部にはETFを通じた間接的な日銀保有比率が異常
に大きくなり株価形成を歪めるという指摘は出ていました。

日銀も緩和当初に比べて買い付けるETFを日経平均連動からTOPIX連
動の比率を高めています。それでも225連動の買い付け比率が高水
準で推移しているのは事実で買い付け期間が長くなるにつれ一段と
TOPIXにシフトしないと持続できないところまできたようです。本
来は6兆円の買い入れ枠の減額に踏み切りたいところですが短期筋
の仕掛けで株安・円高になる懸念もあり枠はそのままで水面下で静
かに購入額を減らす政策に移行するという見方も出ています。

いずれにしても円高・株安はデフレ脱却には障害になります。思惑
先行で緩和縮小が独り歩きする展開は日銀としても避けたいところ
です。また2019年10月に予定されている消費税引き上げの判断にも
経済の混乱が広がると影響するでしょう。株高はアベノミクス成果
のアピールポイントでもありましたから9月の総裁選挙までは大きな
変動を政府筋も望まないでしょう。

欧州との全面貿易戦争は避けられそうですが、米中貿易戦争の着地
点はまだ見えてきません。米国が保護主義に走り中国が自由貿易を
守るという何とも真逆な展開は数年前には考えられませんでした。
今更ながらトランプ大統領誕生は大きなターニングポイントだった
ようです。

しかし自由貿易を守るという中国の主張には正義が本当にあるので
しょうか。米国が既に1月から高関税をかけている太陽光パネルは中
国勢の大増産で消耗戦に突入しました。かつて日本勢の独壇場だっ
た市場も既に日本メーカーの勝ち目はありません。

太陽光パネルだけではありません。テレビなどの搭載される大型液
晶パネルは市況悪化で首位の韓国メーカーだけでなく2位や3位メー
カーやサムスン電子も赤字に転落したようです。やはり原因は中国
勢の存在です。政府から手厚い支援を受けた中国メーカーが需要を
無視したような大型工場を次々に建設したことで需給が崩れ業界全
体が苦境に喘いでいます。

中国勢はラッシュメモリーなどの半導体でも大型工場を次々に建設
し生産を拡大しています。政府の支援で増産に拍車をかけ業界を疲
弊させる構図は止まりません。習主席が掲げる中国製造2025はハイ
テク分野すべてでこの動きに各社をかける政策です。

競争は必要でもフェアな戦いでなければなりません。業界を崩壊さ
せるような政策は間違っています。トランプ大統領が中国に対して
強硬な姿勢を続けるのも米国にもこのまま中国の動きに歯止めをか
けないとハイテク分野で後れを取り米国の国益にならないという見
方があるからかもしれません。トランプ大統領の繰り出す方法は間
違っていても方針には賛同するというのも一理ありそうです。米国
の株式市場も堅調に推移していることからトランプ流の戦術は当面
続きそうです。

28、29日の更新はお休みします。
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信越化学の答えは

2018-07-26 06:06:42 | 日記
「割安でも先高期待が高まらない」日本株の現状はこんな具合で
しょうか。これから本格化する決算発表で日本企業の業績好調が
確認され次第に上昇基調を高めるという見方はまだ少数派のよう
です。個別企業では好決算を好感して大きく上昇するケースもあ
るでしょうが、全体の底上げには力不足は否めないようです。

東京市場には株高を牽引するFANG銘柄のような大型IT企業は存在
しません。PERは割安に見えますが、ROEや配当性向では欧米株に
見劣りします。日本国内には米国企業のように大きな自国市場が
ある訳ではありません。成長を模索すればどうしても海外市場の
開拓は必要になります。海外展開となるとリスクの限定される輸
出を選ぶか、ある程度リスクを負って現地生産を選択するかです。

トランプ政権が仕掛ける貿易戦争で輸出をどんどん伸ばして結果
的貿易黒字をため込めば米国から目の敵になる可能性も高まって
います。日本が米国から輸入できる大きな貿易品目はLNGや航空
機それに農産物です。日本としては農業の保護から農産物に対し
ては大きな譲歩が出来ません。もし拡大するとしても現状6000憶
円程度ですから倍増したとしても7兆円弱の貿易黒字を削減する
には全然足りません。

米国産LNGにしても輸入は始まったばかりです。米国への配慮も
あり今後も増加するでしょうが、輸出基地の整備もしなくては
ならずすぐには大きく増やせません。結局2国間の貿易不均衡を
大きく改善しようとしたら輸出構造の見直しがやはり必要です。

世界一の経済大国である米国とアジアでは2位の中国や日本企業
の足場がある東南アジア市場を攻略するのは企業のトップとし
てまっとうな判断です。しかしトランプ大統領のなりふり構わ
ない貿易不均衡是正で輸出そのものが悪者扱いになっています。

やはりお手本は需要のあるところで生産することを目指す地産
地消型経営でしょうか。信越化学が25日正式に発表した米国で
塩ビの新工場を建設するというのは大消費地の米国市場がある
からだけでなく割安なシェールガスを使って塩ビの一貫生産を
することで一層コスト競争力を高め現在世界市場の1割のシェア
を引き上げることです。

適切な投資を適切な時期に行わなければ現在好調な企業でも将
来の成長は見込めません。信越化学は稼いだキャッシュを自社
株買いに使わず将来の収益拡大に向けた投資に使うことを頑な
に実行している企業です。信越化学の出した答えは他の日本
企業のお手本になりそうです。
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イノベーション

2018-07-25 06:07:44 | 日記
暑い暑い夏が続いています。やはり地球温暖化は確実に進んでいる
のでしょうか。日本国内では連日猛暑、熱中症での死亡報道が続い
ています。身近な現象としての豪雨や異常な高温という気象変化が
既に日常化しています。地球温暖化を防ぐにはもう一段対策がいず
れ必要になるかもしれません。

発電に自動車に化石燃料を頼ってきた我々も真剣にポスト化石燃料
時代を考えないといけません。発電では再生エネルギーへのシフト
が一段と進むかもしれません。また自動車の電動化もこれまでの予
想以上に急速に進むかもしれません。カギは各国の政府がどれだけ
本気で対策を考え支援策を出してくるかです。

発電分野ではポスト化石燃料の本命は20年前までは原子力が担うと
多くの人達も考えてきました。しかし福島の原発事故は日本のみな
らず世界的な脱原発の流れを確かなものにしました。安全対策によ
るコスト増でそれまで低い発電コストと二酸化炭素の排出がない原
発の優位性は揺らぎました。

そして発電コストの低下もあり太陽光や風力発電などの再生エネル
ギーが本命に浮上しました。一方急激な再生エネルギーシフトは火
力発電機器を製造している企業の大きな構造転換が待ったなしの状
況を突き付けました。

社会が必要とすればイノベーションは加速します。エネルギー業界
は100年に一度の変革期に突入したのかもしれません。当初軍事目的
で始まったインターネットは民間に開放されたことで様々な業界に
劇的な変化をもたらしました。今やネットのない暮らしは考えられず
水や電気などと同様の重要なライフラインになりました。

最近の風潮である所有からシェアへの流れもネットが普及したからこ
そ出てきたサービスです。ネットの普及は私たちの暮らしを劇的に変
えてしまったという表現も大げさではありません。イノベーションが
業界構造も劇的に変えることで業界によっては環境が劇的に変わるこ
とは今後も増えそうです。

先にふれた発電分野でも福島の原発事故で脱原発が加速しました。ま
た地球温暖化防止や再生エネルギーの発電コストの低下は火力発電の
需要低下を促進しました。特にCO²排出量の多い石炭火力発電に対す
る風当たりは先進国中心に強まっています。GEや三菱重工と日立の
合弁企業の収益悪化は火力発電分野での逆風の強さを示しています。

東京市場は今週末から8月中旬にかけて決算発表のシーズンに突入し
ます。決算を受け個別企業の株価変動は例年通り激しくなりそうで
す。また8月には海外投資家が夏休みに入ります。休みに入る前に
ある程度ポジションを整理することになりそうです。これまで中国
関連銘柄売りの内需ディフェンシブ銘柄買いのポジションを閉じる
ことで7月前半までの動きと正反対の動きが出ることも考えられます。

高値圏にある銘柄には好材料でも材料出尽くし、反対に安値圏にある
銘柄には悪材料でも市場予想以内なら急反発することも考えられます。
背景には海外投資家のポジションが大きく影響するかもしれません。

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