kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

長期投資

2019-03-31 11:02:13 | 日記
※ 都合により1日の更新分を一日早く更新します。

明日から名実ともに新年度相場がスタートします。これまでのケース
では4月からゴールデンウィークに向かって株高というコースを辿る
傾向が強かったようですが、今年ばかりはそのジンクスが当てはまる
かもう一度よく考えたほうが良いかもしれません。

最終的には株価を決めるのは業績です。しかし中国景気が本当に回復
に向かうかどうかは分かりません。景気対策で持ち直すという見方も
ありますが、米中貿易貿易協議がまとまらなければ回復具合も市場予
想通りにいくとは限りません。

また外需株が多い東京市場は企業業績が為替相場次第で大きく変動し
ます。円相場は現状(110円)よりも大幅な円安は米国の利上げ停止
もあり期待しにくい状況です。むしろ日銀に追加の金融緩和の余地が
少ないこともあり105円程度の円高を予想する為替専門家もいます。

日本の経営者も決算発表時に2020年3月期の業績見通しもかなり慎重
なものになる可能性があります。期初の慎重な見通しで株価下落で織
り込めばその後の好材料には敏感に反応しますが、その場面があると
しても少し先になります。市場はまずは4~6月期の進捗状況を確信し
たいところです。

29日付の経済紙にはマザーズから1部市場に昇格した企業のうち半数
が時価総額を減らしたと報じています。マザーズ市場の銘柄は割高な
ものが多く昇格で1部市場の銘柄と比較されて株価のプレミアムが剥
げ落ちるということもあるでしょう。

しかし大きく時価総額を減らした企業のほとんどが業績低迷によるも
のです。マザーズ市場に公開する銘柄のリスクは高くても高成長が期
待できるというものですが、現状ではハイリスクに見合うハイリター
ンを実現できている銘柄は余り出てきていないというのが現実です。

米国では株は長期保有すれば大きなリターンが期待できるというのが
通説です。今を時めくGAFA銘柄のアマゾンも公開後は先行投資が重く
ずっと赤字経営でした。しかし積極策が花開き黒字定着から高成長期
になると株価はぐんぐん上昇しました。

Facebookだって一時は初値を下回った時もありましたが、その成長性
が市場に認められると大きく上昇しました。公開時に取得しそのまま
保有していれば何倍にも資産は増えています。

本来マザーズ市場に公開するような銘柄は長期保有で株価が何倍或いは
何十倍となる可能性を秘めた銘柄が出てくるものでなければなりません。
しかしこれまで公開した銘柄は公開直後は人気でも半年或いは1年が
経過すると大きく値を崩す銘柄が多いようです。

残念ながら現時点ではGAFA銘柄に匹敵出来るような新興企業は出ていま
せん。公開時にマネーゲームで大きく上昇する銘柄でも熱気が冷めると
株価も大きく下落します。大型上場と騒がれたLINEもメルカリも期待通
りの株価ではありません。

現時点では日本株の多くが景気循環で周期的に人気化するけど長期投資
に耐えられる銘柄が少ないというのが現状です。長期投資家が報われる
ような銘柄が増えなければ日本では長期投資の成功体験が得られず投資
家も育ちません。成長期待が高い新興市場でも株価低迷が多いというの
も日本の投資家が成功体験を得られず長期保有が少ない理由です。

長期保有で報われる銘柄が多少の景気変動でも高い成長を続けられる企
業です。そんな企業が多くないことが海外投資家の長期マネーの受け皿
に日本株がなっていない理由です。海外ファンドが狙う企業がキャッシュ
リッチでも経営が停滞している銘柄ばかりでは情けないことです。
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夜明け前は最も暗い

2019-03-29 06:04:00 | 日記
28日の東京市場は再び2万1000円を割り込む場面もあり機関投資
家の再投資による株高効果はやはり期間限定だったようです。日
々の値動きは大きくとも基本的に東京市場を取り巻く投資環境は
余り変わっていません。

秋の消費税引き上げに伴う漠然とした国内景気の先行き不安は政
府が補正予算を組んでいることから景気押し下げ懸念は小さいと
いう見方もありますが、中国や欧州景気が悪いこともあり太鼓判
を押せるほど自信をもって大丈夫と言えるエコノミストも多くは
ありません。

注目の中国景気の先行きも政府による景気対策で今後回復に向か
うという見方が多いようです。一方地方政府の債務は膨らんでい
ますから中央政府がいくら太鼓をたたいても実際の景気浮揚効果
は少ないという悲観的な見方もあります。

28日の東京市場ではドイツ半導体大手が2019年の売上高見通しを
下方修正したことから急落したことから東京市場でも同業のルネ
サスや半導体製造装置大手の東京エレクトロンが相場の足を引っ
張りました。

半導体関連は米国大手が下期の回復見通しを先週示したことから
業績底入れ期待が高まり上昇していただけに売りが膨らみました。
市場が期待しているよりも回復時期は後ずれするとの見方も広が
りました。

5Gへの期待もあり半導体関連銘柄は市場の期待が高いのも事実で
す。しかし足元の景況感は中国景気の落ち込みで低空飛行を続け
ています。期待と不安が交互に出てきて株価も不安定になってい
ます。三寒四温だと割り切りあくまでも押し目買いで対処すべき
というのが正解でしょうか。

半導体関連銘柄に対する足元の見方は強弱感が分かれているのは
事実です。しかし視線をやや先に転じればIotやAI市場が今後も
市場拡大するという見方は疑いのないようです。中長期的な成長
期待が高いなら短期的な景気循環での下げは格好の投資チャンス
になります。

チャートを見れば分かりますが、既に半導体関連銘柄は既に高値
を付けてから1年弱下落し1月に底値を形成し戻り歩調に転じてい
ます。既に最悪期は過ぎたようです。「夜明け前が最も暗い」と
いう格言を信じるなら半導体関連は既に押し目買いの局面に移った
のかもしれません。

30、31日の更新はお休みします。
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リスクも大きいバイオ株

2019-03-28 06:19:51 | 日記
27日の権利落ち日の東京市場は前引けの130円安から大引けには
49円安まで下げ幅を縮めました。配当落ち分が171円程度と言わ
れていますから数字からは堅調な一日だったようです。もっとも
機関投資家による配当落ち分の再投資が大引けにあるということ
で短期的な需給面での上昇ということは割り引く必要はありそう
です。

特殊要因の剥げ落ちる今日からが正念場です。業績面の不透明感
もあり日本株特有の好材料は見当たりません。当面は米国株や為
替市場を見ながらの展開になりそうです。来週から名実とともに
新年度相場入りです。季節要因からはGWに向かって株高になる
傾向が強いのですが、今年は10連休や2020年3月期業績見通しが
その前後で明らかになることもあり過去のケースが当てはまらな
いかもしれません。

米中貿易戦争の影響を受けにくい銘柄として値幅取りの格好の銘
柄だったのが創薬ベンチャーのサンバイオや大手医薬品メーカー
のエーザイでした。前者は前期まで5期連続営業赤字にも拘わらず
脳梗塞などを対象にした細胞治療薬の開発進展を囃して今年1月
には12,730円という高値を付けました。

しかし開発中の新薬の米国での治験結果が期待外れの結果となり
4日連続のストップ安を演じ高値から5分の一の水準まで暴落しま
した。株価は昨年10月から今年1月まで4倍に急騰しましたが1月
末から2月初旬の暴落で急騰前の水準を未だに取り戻せないまま
です。

一方エーザイも開発中の認知症治療薬の将来性を囃して昨年7月に
11,490円の高値を記録しましたが、21日米バイオジェンと開発中
のアルツハイマー型認知症の治療薬候補「アデュカヌマブ」につ
いて臨床試験(治験)を中止すると発表したことで売りが集中ス
トップ安を交えて2営業日で3割弱下落しました。改めて新薬開発
を巡っての医薬品銘柄へのリスクの高さを示しました。

そもそもバイオ株人気が高くなった昨年後半は米中貿易戦争激化
懸念から景気敏感株などの外需銘柄や敬遠され押し出されるよう
に内需系のディフェンシブ銘柄に人気が集まりました。その中で
も短期筋の値幅取りの対象になったのが新薬開発に伴う事前人気
の高まりで物色されたバイオ銘柄でした。

投資環境の不透明感からハイリスク・ハイリターンのバイオ株が
主役に躍り出ることになりました。以前はゲーム関連が人気の一
角を占めることもありましたが、パズドラやモンスト級のヒット
作品が出てこないことからゲーム関連銘柄の人気は下火になりま
した。その分一部のバイオ株に人気が集中したこともあったよう
です。

ゲーム株にしてもバイオ株にしても宝の山を掘り当てれば業績が
劇的に伸びます。株価へのインパクトも大きくなります。最も当
たりが出る確率は両業界とも低いのが現状です。それだけに株価
に強弱感が出て値動きが大きくなります。それが投機資金を引き
つけます。しかしそこには大きなリスクもあることを忘れてはい
けません。


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成長期待

2019-03-27 06:59:57 | 日記
3月期決算企業の権利付き最終売買日にあたる26日の東京市場は大
きく反発しました。前日の米国株が反発したことや機関投資家によ
る再投資の期待もあり先回りの買いが優勢でした。現物投資家の動
きが鈍く先物投資家主導相場では今回のように大幅安や大幅反発は
日常茶飯事になることには今後も注意が必要です。

逆イールド発生で俄かに高まった景気後退の不安が週末の米国株の
大幅下落の背景です。22日発表のドイツの3月の製造業PMI速報値
が約6年半ぶりの水準に落ち込んだことが世界景気の先行き不安を
一気に高めました。

ドイツ経済の屋台骨は自動車や機械それに化学です。世界的な企業
も多く中国な主要な輸出先です。米中貿易戦争の影響で中国経済の
失速が明らかになりドイツからの輸出にも大きな影響が出ています。
連想を働かせばドイツ経済の落ち込みはある程度予想されることで
した。それでも実際に数字として大きな落ち込みが明らかになると
やはり市場は動揺するようです。

FRBが今月のFOMCで急激なハト派姿勢に転じたのもある程度ドイツ
経済の落ち込みが伝わっていたからではないかという見方もできま
だ市場が織り込んでいない悪材料が今後表面化するという連想も働
きます。投資家の根底にある漠然とした景気後退への恐怖心は中々
払拭できないようです。

世界の株式市場が年末の暴落からかなり回復しそろそろ戻り一巡感
も警戒される局面だったことも背景にはあるようです。小回り3ヶ月
の格言に従えば年初からの上昇もそろそろ最終局面という見方もで
きます。もし次の上昇局面への準備期間だとしてもしばらくは好悪
材料が交互に出てそのたびに株価の変動は意外と大きくなりそうです。

中国の景気刺激策が具体的な数字として表れ、欲を言えば米中貿易
協議が何らかの形で決着すれば世界経済も安定を取り戻すかもしれ
ません。それまでは今回のようなミニ急落が再び市場を揺るがすこ
とは避けられないようです。来年の大統領選挙での再選を目指すト
ランプ大統領が選挙ファーストで物事を判断する機会が増えそうです。

長期投資家が安心して投資できる環境には程遠くボラの高い1年は
続くと判断して投資戦略を立てるべきでしょう。日本株は割安だけ
では上昇しないという事実を直視すべきです。問題は投資指標面の
割安よりも成長期待が持てるかどうかで判断すべきです。

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競争力

2019-03-26 07:00:56 | 日記
突然の突風に襲われた週明けの東京市場でしたが、海外の比べて
下落率が大きくなったのはやはり需給面の問題が大きかったので
はないでしょうか。このところ東京市場の現物の買い主体は企業
の自社株買いと日銀が主なものです。

生・損保を含めて銀行などの金融セクター、個人、投信や海外投
資家の売り越しは続いていました。特に持ち合い株の解消を目的
に国内機関投資家は年初来ずっと売り越しです。また海外投資家
も一時的に買い越しになる週はあってもこの3ヶ月売り越しが続い
ています。

それでも大発会から先週まで上昇が途切れなかったのは米国株高
や円安基調を支えに海外短期筋による先物の買いです。持ち合い
解消の売りは資産効率の向上やガバナンス強化など長期的に考え
れば良いことですが、短期的な需給面ではマイナス要因です。

持ち合い株は推定東証の時価総額の10%程度あると言われていま
す。額にして60兆円程です。そのすべてが売られる訳ではないで
しょうが、まだまだ今後も売りは続くと考えた方が良さそうです。
その売りを吸収できるだけの買いが出てくるかどうかが問題です。

PERなどの数字からみれば確かに6年程度を参考にすれば現在は低
い水準です。それでも海外投資家が売り越しを続けているのは数
字に表れない今後の成長期待の乏しさがあるのかもしれません。
かつて日本の電機業界が強気競争力を誇っていた家電では既に世
界市場では韓国や中国企業が高いシェアを占めています。

日本企業の独壇場だったスマホなどの電子部品も台湾企業の躍進
は目を見張るものがあります。工作機械や自動車などは依然高い
競争力を維持していますが、いずれこの分野でも追い上げはある
でしょう。特に自動車では内燃機関では縮まらなかった中国企業
と日本や欧米企業の技術は構造の簡単なEV市場が本格的な拡大期
に突入すれば追い付かれる可能性もありそうです。

多くの分野で余りにも急激に技術の向上で力をつけてきた中国企
業の存在が今まで技術の流出も容認していた米国政府の危機感と
なり今回の米中貿易戦争のキッカケになったという見方がありま
す。もはや中国は世界の工場だけでなく先端企業の集積地になっ
てきました。

現にファーウェイ製品は安いだけでなく技術レベルも世界水準で
す。ファーウェイのような通信企業だけでなく他の分野でも強い
企業が続々と出てくるかもしれません。日本企業の競争力の低下
が海外投資家の日本株離れになっているとすれば事態は深刻です。

好景気もいつかは終わります。しかし不景気になっても回復はい
ずれ訪れます。景気は循環するものです。業績悪化が単に景気
循環の影響なのかそれとも企業の競争力の低下にあるのか、その
見極めが重要です。後者の場合は値ごろに魅かれて買いを入れて
もあまり良い結果はないかもしれません。前者の企業を見つけて
投資することが成功のカギのようです。
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