kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

テーマ買いの注意点

2021-03-31 04:41:35 | 日記
テーマ株買いへの注意点は期待先行で業績に貢献するのが先なのかある
いは既に実際の業績に表れているのかという点も重要なのかもしれませ
ん。昨年12月にはEV関連や5G関連それにDX関連銘柄がもてはやされま
した。

しかし年末時点から先週までの株価を検証してみると期待通りの動きに
なっている銘柄や期待先行で失速した銘柄など明暗が分かれているよう
です。まずEV関連の本命銘柄と言われた日本電産は年末から先週まで3%
の値上がりでした。2月中旬までは順調に上昇してきましたが、その後
下落に転じました。

業績は好調ですが、60倍台のPERには割高感も出てきたのでしょうか。
期待のEV分野はまだ投資負担が重く赤字です。既存事業の好調はあっ
てもEV分野のプレミアムをどこまで織り込むべきか答えはまだ出てい
ません。

また5G関連は電子部品セクターと半導体分野では明暗が分かれました。
年明け以降順調に上昇してきた電子部品銘柄ですが、成長株の中では
真っ先に調整を迎えました。1月には高値を付けている銘柄が殆どです。
年初からの騰落率は先週まで村田製作がマイナス4%、TDKがほぼ横ば
いでした。アップルはiPhoneの一部機種で減産をするというニュースが
2月に表面化しましたが、早耳筋はその情報をいち早くキャッチして動
いたのでしょうか。

一方半導体製造装置を手掛ける銘柄は東京エレクが同期間に15%、アド
テストが19%上昇と明暗が分かれました。現状ではスマホ依存度の高い
電子部品とスマホ以外にデータセンターやPCそれに自動車分野など幅広
いユーザーを抱えている半導体セクターの優位性が明暗を分けたのでし
ょうか。

DX関連の代表銘柄の富士通とNECはそれぞれ9%と19%上昇しています。
好業績は在宅勤務特需だけではなく今後も業績への貢献度が期待できる
ということなのでしょうか。

もっともテーマ買いの陰に隠れていましたが、確実に戻り歩調をたどっ
てきた銘柄群も少なくありません。郵政3社はそのグループです。日本
郵政は年初来34%、ゆうちょ銀行も34%、かんぽ生命は14%と年初から
は2社に見劣りしますが、昨年4月からは85%も上昇しました。他の2社
よりも早くに上昇トレンド入りしたことが年明け以降の値上がり率に差
が出た格好です。

日本郵政は過去のM&Aで巨額な減損処理に追い込まれました。またかん
ぽ生命は不適切な営業が社会問題になり営業を自粛しました。ゆちょ銀
行は運用の主力である国債利回りの低下で業績は先細りの状態でした。
コロナショック以前から3社の株価低迷は続いていたことで調整が進んだ
ところで相場の流れが成長株一辺倒から景気敏感株へと変わったことで
見直し買いが出たようです。

テーマ買いと個別企業の業績や財務状態など基本的な部分以外で人気の
波に乗るケースも多いようです。株価が上昇し市場の期待値が高くなっ
た後に熱狂が冷め改めて業績面での裏付けに乏しいことが分かると下げ
もきつくなります。株価水準のチャックは常に欠かせないようです。
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ナスダックに連動?

2021-03-30 05:54:30 | 日記
30日の日経平均株価の配当権利落ち分は市場推計で約180円とみられてい
ます。以前は当日に配当落ち分をどのくらいカバーできるかが、その先の
相場を占う一つの目安となっていた時期もありましたが、近年ではファン
ドによる配当分の再投資や先回りでの買いもあり一時的な理由によるもの
もあり必ずしも当てになるアノマリーではなくなりました。

むしろ11月以降は最終営業日での大幅安のアノマリーの方が注目度は高い
ようです。特に投資指標面での判断材料の一つのPERが昨年11月の大統領
選挙後に大きく切り上がり過去5年平均の1.5倍程度で高止まりしています。
業績に比べて株価上昇のピッチが速いことへの戸惑いは当初大きかったと
記憶しています。

コロナ対策で中央銀行が超金融緩和政策を継続していることからリスクプレ
ミアムはかつてないくらい高止まりしています。いずれ中央銀行は出口戦略
に舵を切るでしょう。その時期が市場参加者のもっとも関心事になっている
のは超金融緩和の上に成り立っている株高からです。

上昇が続けば続くほど高所恐怖心は高くなります。NYダウが1月末と2月末
に連続で月末に急落したのはそんな不安心理の表れなのでしょうか。月末の
日経平均の変動率がNYダウに比べて高い状態なのは年明け以降のアウトパ
フォムの大きさと無縁ではありません。

今月は既に18日の戻り高値から1800円という比較的大きな下落を演じていま
す。25日から3日続伸しているだけに配当落ち分を含めてれば再び最終営業日
に大幅安ということもあるかもしれません。日経平均の2月中旬までの勢いと
その後の値動きは明らかに違ってきています。

この差が日本特有の期末での一時的な需給面での影響なのか。それとも米国
がワクチン接種の大きな進展で経済活動正常化が現実のものとなってきたの
に対して米国に比べてワクチン接種が遅れて未だに経済正常化の目途の立た
ないことが明白な日本経済への懸念が影響しているのかどちらなのでしょうか。

再び感染第4波の不安が高まってきた時にもワクチンが実用化されたことで
終わりが見えてきたとコロナで打撃を受けた銘柄を買い上がっていいものな
のかそれとも市場の業績回復期待が独り歩きをし過ぎているのか少なくとも
当該セクターの投資判断は簡単に結論が出ません。

勿論コロナ禍でも業績に与える影響は軽微あるいはむしろ追い風で今後も成
長期待の高い銘柄もあるでしょう。しかし高い期待でバリエーションが切り
上がっている銘柄もあります。私は10年のチャートでここ数年大きく上昇し
た銘柄にはかなり好材料が織り込まれていると考えています。それでも投資
を考えるなら早めに降りることを買う前から決めています。

29日急落した野村証券に起こったことは他の銘柄でも起こりえることです。
高値圏で値動きが荒くなる傾向は余り好ましい現象ではありません。29日の
取引でも2時過ぎから急落、そして一旦反発また急落大引けにかけて急騰と
1時間の間に目まぐるしい値動きでした。

3月の米国市場ではNYダウ指数がナスダック市場を大きくアウトパフォーム
しています。ワクチン接種の拡大で国内景気が急回復するという観測とそれ
に長期金利上昇で投資指標面で割高感の強いハイテク主体のナスダック市場
が軟調になっています。東京市場はナスダック市場との連動性が高まってい
ます。
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真価が問われる

2021-03-28 05:16:26 | 日記
ここまで3月相場は18日に3万円を回復したのも束の間の出来事で再び日経
平均は24日には2万9000円を割り込む場面もあり今月の貯金を帳消しました。
25日と26日で800円近く上昇して、ひとまず下げ止まった格好です。

月内最終日を迎える29日はNYダウが高値を更新したことと配当取りの買い
や機関投資家による配当分の再投資もあり需給面でも改善が期待できそう
です。また週後半は名実とともに新年度入りすることから新マネーにも期
待が膨らみそうです。

もっともここ数ヶ月は最終営業日にこれといった悪材料が出た訳でもないの
に大幅安が続いています。もし新規の買いを考えているのならあくまでも基
本は相場が弱含んだ時に買いのがセオリーでしょうか。

2月の中旬には日経平均とNYダウの差は年初の3000ポイントから1000ポイ
ントまで縮小する場面がありました。ところが3月相場ではここまではNY
ダウが大きく上昇する一方、日経平均の上昇は限定的で戻り売りに押され
ました。

日銀のETF買いで日経平均型が除外されることでファーストやSBGなどの
指数寄与度の高い値嵩株売りが指摘されています。ファーストには値下げ
で国内事業の収益力が低下するとか中国の人権問題で欧米企業の商品に対
して不買運動が波及するとの懸念も重しになりました。SBGは米国のナス
ダック市場安が逆風になりました。

もっとも2月中旬の日経平均の独歩高は一部の値嵩銘柄の偏った買いが背景
にありました。ファーストが初の10万円大台乗せで10兆円を超えたことや
SBGも1万円を突破し時価総額が20兆円を超えを達成しました。買いは海外
の短期筋との見方もあり過熱感も指摘されていました。

再び日経平均とNYダウの差が広がり先週末時点では3900ポイントまで拡大
しました。円安基調は続いているのにここまで差が広がったのは需給面で
日経平均が逆風に晒されたこともあるでしょうが、日米の経済正常化への
差かもしれません。

米国はワクチン接種が大きく進展したことで200兆円の経済対策の効果で経
済活動の回復が加速すると期待される一方で日本は再び感染第4波への懸念
も出てきました。ワクチン接種の遅れもあり今後の感染拡大で再び経済活動
への制約が不安視されています。

このままだと日米市場の差が縮むことは難しいかもしれません。やはり鍵
を握っているのは第4波が来ても如何に山を低くするかです。再び病床のひ
っ迫などが深刻になれば東京市場も腰折れしてしまう可能性が高くなります。
日本株の真価が問われるのはこれからです。

次回の更新は30日を予定しています。
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日銀は別格の存在

2021-03-26 04:50:28 | 日記
日銀は22日に501億円、24日には701億円ETFを購入しました。日銀は
19日の金融政策決定会合で、政策点検の結果としてETF購入については
対象をTOPIX連動型に限定することを決めましたが、市場筋の見解
では日経平均連動型の買い入れを引き続き行っており事務手続きの関係
もあり購入の一本化は4月からになりそうです。

また24日には今年初めて701億円購入していることから必ずしも501億円
という金額に固守している訳ではないのでしょうか。22日と24日の違い
は大幅な下落が一方的に続き22日時点よりもリスクプレミアムが高まっ
たからなのでしょうか。4月以降どのような運用指針でETFを購入するの
かまだ答えは見えてきません。

今週の経済番組で某証券のH氏はETF購入が市場に与える影響について解
説していました。「日米株はほぼ連動して動きておりETF買い入れは下げ
た時に購入するのであり上値を買い進む買いではないので市場に対して中
立だなんて」いう内容だった記憶しています。

しかしこれまで日銀が購入したETFは11月時点での時価ベースでも45兆円
に膨らんでいます。しかも購入したまま市場に売りにでることのない買い
方です。吸い上げ効果で日経平均が3000円以上かさ上げされているという
見方もあります。企業の持ち合い解消売りの有力な受け皿になったことは
疑う余地はありません。

日米の企業を比べると効率よく稼ぐ力は圧倒的に米国企業です。米国企業
と比べて遜色のない収益力があるのはごく一握りです。日経平均指数の寄
与度の大きな値嵩株は殆どそのグループに属していて海外投資家からも高
評価されています。

アベノミクス相場でも日本企業のPERは17倍が天井でした。足元では24倍
です。コロナ禍からの世界経済回復で景気敏感株の多い日本株が選好される。
またコロナ禍でコスト削減など日本企業も筋肉質になってきたということ
も事実のようです。

これまでの日銀のETF買いで需給面での追い風になったことは疑う余地は
ありません。多くの投資家は値上がりすれば時期にばらつきはあっても利
益確定に動きます。現状一切売り物を出さない日銀だけは別格の存在です。

年明け以降の1月と2月は月初から上昇して中旬にかけて高値を形成、下旬
になると下げる展開を繰り返してきました。どうやら3月の同じコースを
辿りそうです。どういう訳かは分かりませんが、NYダウも同じ傾向です。
もし4月も同様な展開になるのならGWにかけて株高が続くという強気の見
方が出てもそこは冷静に利益確定売りを淡々と続けるべきなのかもしれま
せん。

特に年初から大きく値上がりしている銘柄は決算発表前に早めに利食いを
するべきかもしれません。株価が業績改善を先取するように上昇してきた
訳ですから大抵の好材料は入り込み済みという反応になり易ということを
忘れてはいけません。決算発表がスタートする下旬まで保有するのは賢い
方法ではないかもしれません。
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3兆円の重み

2021-03-25 05:59:28 | 日記
3営業日で1400円近い下げは予想外でした。市場関係者の今週の見通しも
2万8500円近辺までの下落を予想していた人は確かゼロだったように記憶
しています。予兆は23日の市場に出ていたようです。

22日の米株が反発したことで一時300円ほど上昇する場面がありましたが
上昇は続かず結局2万9000円を割り込んでいけました。しかも、これまで
相場をリードしてきた海運や空運銘柄が比較的大きく下げたことから俄か
に警戒感が強まったようです。

日経平均連動型ETFを4月以降は購入しないという日銀の発表が思いの外
市場の先高観に冷や水を掛けたかのようです。日足チャートを見ると2月
16日に当面の天井の3万714円のザラ場高値を付け3月18日に3万485円まで
上昇しましたが、2月高値を抜けず結果的に2番天井に
なりました。

経験則ではその後の谷は深くなるケースが多いという見方も下げてくると
やはり気になります。配当狙いの買いも出ているのでしょうが、売りの圧
力が勝ってしまったようです。24日の下げの要因とされた欧州での変異ウ
ィルス感染拡大も既に先週からニュースになっていました。下げ相場が言
わせた悪材料です。

振り返ってみれば年明け以降の東京市場は多くの投資家の予想を超える上
昇相場でした。多くの市場関係者が高値目途であった3万円台にも乗せまし
た。予想外の上昇相場は知らず知らずに投資家の強気心理に刷り込まれま
した。

先高期待が強いからこそ多少下げた場面でも個人投資家は押し目で信用買
いを膨らませました。結果的に19日時点の信用買い残高は3兆円の大台に
乗せました。信用買い残は2020年末時点から6000億円増加しました。上値
を買い進んでくれる海外投資家の買いが今後活発になれば3兆円の買い残高
も消化されるでしょうが、もし不発に終われば最悪4月からの株高は肩透か
しになります。

値嵩株総崩れに状況で東京エレクだけは5%を超える逆行高でした。インテ
ルが200億ドルをかけて新工場を建設するという報道で他にもレーザーテッ
クやニコンも逆行高しました。値嵩株の中でも比較的にPERが低く、しか
も今後も高い成長が期待できる半導体分野は特別なのでしょうか。信用買
い残の増加も直近では大きく膨らんでいません。

いずれにしても買い残高がどのように消化されるのかで今後も相場動向も
変わってきそうです。期待も込めて一時的な需給の崩れで下げていると考
えたいところです。もっとも反発しても当面は3万円が壁になる可能性も
ありそうです。
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