kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ヒントはニトリと良品計画にある

2017-11-30 07:44:24 | 日記
11月相場も残すところ今日一日だけになりました。いよいよ明日から
12月相場に突入します。毎月第一営業日の上昇記録は12月も更新
できるのでしょうか。古くは株式市場では12月相場を師走相場とも呼
びました。また餅つき相場といって正月の餅代を稼ぐためにいろんな
銘柄がとっかえひっかえ買われる傾向がありました。「掉尾の一振」
という単語は今でも時々12月には目にします。

師走相場突入前に11月相場を振り返ってみましょう。11月相場は10月
の勢いそのままにSQ前日まで一方的な株高が続きました。一転8日の
SQ日から6営業日連続で値下がりしました。16日に2万2000円を割り込
みましたが5日移動平均が支えになり反発しました。その後は2万2200
円から2万2600円のボックス相場で推移しています。

9月から始まった日本株の上昇相場は10月の16連騰もあり世界の市場
の中でも一際目立った存在でした。しかしその勢いも海外投資家の買
い越しが途切れたのが影響したのでしょうか。一方的な株高局面は終
わったようです。今月後半はNY株高でも東京市場の上昇は物足りな
い印象を受けます。今週は明らかにNY市場の勢いが東京市場をはる
かに上回っています。

個別銘柄でもその傾向ははっきりしています。ロボット関連と並んで相
場のリード役だった半導体関連銘柄が需要のピークアウト懸念から今
週は一転値下がりしているのが投資家心理にも影響しているようです。
日本企業が競争力を維持し海外投資家の人気も高い半導体関連銘柄
の失速はそのまま東京市場の上昇に影を落としています。

今週の高値更新銘柄の顔ぶれを見ると同じ業種でも動きに上昇する銘
柄と下落する銘柄が混在していて明暗が分かれてきました。日用品業
界でも花王は高値更新が続きライオンは今年の高値から15%ほど安い
水準です。ビール株でも連日アサヒが高値更新している一方キリンは高
値から10%ほど安い水準です。TOTOは連日高値を更新しているのにラ
イバルのリクシルは今月初旬に高値をつけた後下げに転じ9月の水準ま
で戻ってしまいました。両社の株価に明暗が分かれたのはやはり業績の
違いでしょうか。

小売業界ではドラッグストアの高値更新が目立ちますが、それ以外では
ニトリと良品計画が高値を更新しています。両銘柄に共通する項目は製
造小売と言う業態です。メーカーから商品を仕入れて販売するビジネス
モデルではアマゾンに価格や利便性で叶いません。自社で企画製造して
いるのであればアマゾンと差別化できます。

最終的にリアル店舗がネット通販との競争で生き残れるかどうかは分か
りませんが、もし製造販売というウリが切り札になるなら両社の株価はア
マゾンと競争するにはこのビジネスモデルしかないという結論になります。


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相次ぐ不祥事

2017-11-29 07:17:38 | 日記
従業員が優秀でまじめに働いている企業でも船長である経営者が
判断を間違えると企業は窮地に陥るケースが度々発生することが
あります。一旦傾いた企業でも技術力や高い競争力をもった製品や
サービスがあり優れた経営者を迎えられれば立ち直るケースもあり
ます。

神戸製鋼、三菱マテリアルそして現経団連会長の出身企業である
東レにまで品質データ改ざんの不正が広がりました。3社の経営不
安が深刻になるほどの大きな問題ではありませんが、この問題で
もの作り大国日本という看板を掲げている日本には少なからずイメ
ージ悪化は避けられないようです。

過去に不正会計で株価が急落、上場廃止の懸念もあったオリンパ
スはソニーとの資本業務提携や内視鏡分野で高い技術力と高い市
場シェアを持っていたことで比較的短期間に業績の建て直しが進み
ました。子会社でデータ改ざんが発覚した旭化成は株価急落という
市場からのペナルティを受けましたが、比較的短期間に株価は復調
しました。

不祥事で株価が下げた訳ではありませんが、任天堂は据え置きゲー
ムの不振から低迷期が続きました。携帯ゲームやスマホゲームがこ
こ数年ゲーム市場の主役になったこともあり2年前にはもう任天堂の
時代は終わったと言う見方も出ていました。

スマホゲームのポケモンGOが大ヒットした昨年任天堂が人気化しま
したがあくまでも子会社が米国企業と共同で展開していたものであり
その時点では新ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のこれほどまでのヒ
ットは予想できず株価上昇も一過性に終わるのではないかと言う見方
も多かったようです。

日本の化粧品業界のリーダー企業だった資生堂は国内市場の低迷
と海外市場での躓きで低迷が続きましたが、プロ経営者の魚住社長
が見事に経営を立て直しました。美白化粧品で問題を起こしたカネボ
ウ化粧品が依然として立ち直りのキッカケが掴めない両社の明暗は
分かれました。

エアバック問題で対策が後手に回ったタカタは結局市場から姿を消
すことになりました。タカタと言えば中小型株の優良企業でしたが経
営陣が対応を間違えたことが命取りになりました。乳業トップメーカー
だった雪印は2000年に起こした食中毒事故と翌年に発生した子会社
雪印食品による牛肉偽装事件で完全に消費者からの信頼が失墜し
後に雪印グループは解体に追い込まれ雪印は乳業トップから脱落し
ました。

不祥事を越しても乗り越える企業と低迷から抜け出せない企業ある
いは市場から消えてしまう企業などその後に辿る道はそれぞれです。
立ち直った企業に共通するものは優秀な経営者をトップに据えるこ
とが出来た企業でありまた製品競争力やブランドイメージが輝きを取
り戻した企業です。

昨年から今年にかけて東洋ゴムや富士フィルム、日産の不祥事が公
になりました。問題は不祥事のあとどのように会社を立て直せるかで
す。上場廃止の瀬戸際まで追い詰められた東芝は立ち直りのグルー
プに入ることが出来るのでしょうか。立ち直った多くの企業で収益の柱
となる事業が健在だったことが共通しています。その点を考えると東芝
は稼ぎ頭の事業を二つも手放してしまったことからかなり厳しいと言う
結論になります。
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流れはグロースからバリューへ?

2017-11-28 07:20:49 | 日記
週明け27日の東京市場は米国株高を支えに上昇して始まり2万2600円
半ばまで上値を追う場面もありましたが、次第に上値が重くなり10時半
にはマイナス圏に突入しました。米国ネット通販で任天堂やソニーのゲ
ーム機販売が好調だと言う見方から人気でしたが、半導体製造装置の
東エレクやディスコや半導体ウエハの信越化学やSUMCOの下げが立
ちました。

やはり11月第3週に海外投資家が現物株を3211億円売り越ししたことが
影響したのでしょうか。海外投資家に代わって下げた局面で逆張り志向
の強い個人投資家が現物株を1342億円、信用取引で1011億円買い越
し海外投資家の売りを吸収した格好です。個人投資家が買い越しになる
ことじたいは悪いことではありません。

しかし海外投資家のように順張りで上値を追いかけるような投資主体で
はありません。日銀ETFと同様下落局面では一定程度の下支えになりま
すが上値追いは期待できません。海外投資家は例年12月中旬以降クリ
スマス休暇で取引が減少します。特に今年は9月以降、日本株は大きな
上昇を演じましたから運用成績は良好です。ここでリスクを取って買いに
動くよりも利益確定を優先させることも考えられます。

外部環境に特段の大きな変化がなければクリスマス明けまで余りポジシ
ョンを膨らまさないことも考えられます。メジャーSQの8日まではまだ大型
株物色が続く可能性はあるでしょうが、物色銘柄は大型株から新興市場
などの小型株に例年のように移るかもしれません。

また市場の一部には今後物色銘柄に変化が出てくると言う見方もあるよ
うです。27日の取引でも111円台前半で円高に推移していたにも拘わらず
自動車各社の株価は比較的落ち着いていました。メガバンクも同様にほ
ぼ前日比変わらず近辺で終わりました。一方半導体関連銘柄などはここ
まで大きく上昇してきただけに利益確定で下げが比較的大きくなりました。

27日の動きはこれまで市場をリードしてきたグロース株からバリュー株の
代表であるメガバンクや自動車に人気が移るサインかもしれません。これ
までグロース株とバリュー株は交互に物色されてきました。自動車銘柄に
は更なる円高懸念、メガバンクには米国の長期金利の低迷と言った株価
の足を引っ張る懸念があります。この不安を抱えながらも流れが代わるの
かどうかポイントです。


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小売業界栄枯盛衰

2017-11-27 05:21:14 | 日記
今月のSQ前日の9日に2万3382円の高値をつけた東京市場は一旦調整
局面に入りました。12月相場で再度高値に挑戦するのかそれとも現状の
水準からもう一度下値をうかがいにいくのか、あるいは2万2000円から
3000円の範囲内でのボックス相場が年内は続くのか現時点ではどのケ
ースになるのか皆目見当がつきません。

もし2万2000円割れから一段の調整があるとしたら米国発や中国発の悪
材料で110円割れの円高などのケースが考えられます。12月のFRBでの
利上げは既に100%近く市場は織り込んでいるようですが円相場はじりじ
りと円高方向に向かっています。月末・月初でいろんな経済指標が発表
になります。111円台をキープできるかどうか今週は注目です。先週はジ
ャンク債の利回りが急上昇したことや上海株の急落など相場の転換点を
指摘する記事も出てきました。

ここまでは26年ぶりの高値をつけるなど夏場時点では想像できないくら
い9月以降の東京市場は強い相場が続きました。しかしすべての業種
すべての銘柄に光が当たっている訳ではありません。年初から数倍にな
った銘柄もありますし片や逆行安している銘柄も出ています。大きな上昇
相場が続くと買わざるリスクという文字が躍りますが、買うのはどんな銘
柄でも言い訳ではありません。個別銘柄の選別眼はいつなんどきでも大
事です。

小売業界は栄枯盛衰の歴史を繰り返してきました。日本にスーパーマー
ケットが上陸し商店街の顧客を奪う形で成長しました。ダイエーが売り上
げ1兆円を越えそれまで小売業界の主役だった三越などの百貨店業界
から主役を奪いました。しかしGMSといわれた総合スーパーの時代は永
く続きませんでした。

スーパー業界に代わって次の主役に躍り出たのがコンビニ業界でした。
セブン・イレブンをリーダー格にローソンやファミマが店舗数を大きく増加
させました。そのコンビニ業界が苦労しています。サービス領域を広げス
ーパー業界から顧客を奪ったコンビニ業界でしたが加工食品や日用雑貨
商品で安値攻勢を続けるドラッグ業界に顧客を奪われる立場になりました。

年初から先週まで振り返ってみるとセブン&アイは僅か0.6%の上昇ロー
ソンとファミマはぞれぞれ12.6%と11.1%の下落となっています。一方ドラ
ッグストアのマツモトキヨシが37%上昇、ツルハが24.9%上昇と小売業界
では家電量販店のビッグカメラやケーズデンキと並んで際立った人気だ
ったことが見て取れます。もっとも業態を問わず小売各社には今後米国
で起きたようなアマゾンエフェクト(アマゾンが全てを飲み込む)という脅威
が待ち構えています。ドラッグストアなど現在の勝ち組が今後も勝ち続け
られるかどうか勝負はこれからです。
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米国にあって日本にないもの

2017-11-24 05:36:09 | 日記
11月の初旬の勢いだったら日経225指数がダウ指数に並ぶ日も近い
かと思われましたが、その後の値動きを見る限り少々勇み足だった
ようです。現時点では2万3000円台定着にはまだ足りないものがある
ようです。

現在米国株のPERは20倍程度と言われています。一方日本株のPE
Rは15倍程度ですから米国並みに評価されれば日米逆転はさほど難
しい話ではないように感じます。そこには机上の計算という落とし穴が
あるようです。日本株でもPERが10倍前後の銘柄から40倍以上の銘
柄までかなりばらつきがあります。ROEの高い銘柄はPERも高く反対
に市場平均の8%に届いていない銘柄はPERが低い傾向ははっきり
しています。

株主からの圧力が高い米国では名門企業といえども業績不振に陥れ
ば経営陣の交代や構造改革は待ったなしです。ネット創世記、検索エ
ンジンの有力企業だったYAHOOは後発のグーグルとの競争に敗れ
CEOを外部からスカウトして建て直しを計ろうとしましたが結局中核事
業の検索部門を通信大手のベライゾンに売却して幕を下ろしました。

シリコンバレーの名門で世界一のPCメーカーのHPは外部から招聘し
たCEOのもとで会社をハード機器の会社とITサービス会社に分割し
ましたが、どうにか衰退に歯止めはかかりましたが、ライバルのマイ
クロソフトとの差は広がっています。まだ完全復活には程遠いようで
す。結果を出せないCEOへの向かい風が強いのは米国企業では当
たり前です。

一方日本企業はどうかというと政府の音頭取りもあり株主重視の経
営へ大きく舵を切りました。金融機関と取引先との持ち合い株への
風当たりも強くなり持ち合うのなら正当な理由を示さなければならな
くなりました。また議決権行使にも馴れ合いは許されなくなりました。
持ち合い株の売却で資産効率は改善しましたが、赤字や低収益事
業を抱え込んでいると言う問題はまだまだ十分ではありません。

依然に比べれば企業統治のあり方は大きく変わりましたが、それで
も経営不振に陥った企業の改革への歩みはゆっくりとしたものが多
いようです。電機業界の名門企業のシャープや東芝の行き詰まりは
もう少し迅速に有能な経営陣への交代があればあるいは防げたか
もしれません。改革の方向性は間違っていないとしても日米のスピ
ードの差は歴然としています。

株高に沸く東京市場で機械株の一角を占める重機3社(三菱重工、川
重、IHI)の株価はとても株主から合格点をもらえる水準ではありませ
ん。各社に共通しているのは好調な分野もあるけれども不振事業に足
を引っ張られて会社全体として業績が芳しくないことです。特に業界ト
ップの三菱重工は大黒柱の火力発電設備の受注が苦戦しています。

この分野は海外の2強のGEとシーメンスも不振です。世界的な再生可
能エネルギーへのシフトから受注不振はしばらく続くと言う指摘もあり
ます。また期待の新事業の国産ジェット事業も相次ぐ開発計画の遅れ
で事業の先行きに暗雲が広がっています。

日本株式会社が全体として割安に放置されているのはアマゾンやグ
ーグル、アップル、フェイスブックなど高成長中の大手IT企業を抱え
ている米国と自動車などオールドエコノミーなどが占める割合の高い
ことと。会社存続の危機にならないと大きな改革ができない日本と初
期段階で改革に動く米国企業との改革へのスピード感の違いかもし
れません。この課題を克服しない限り米国株と日本株の溝は埋まら
ないのかもしれません。

25、26日の更新はお休みします。
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