kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

上昇の陰にGPIFあり

2015-01-31 08:41:21 | 日記
市場ではGPIFが23日から4営業日で2000億円の買いを入れたとの観測が市場
で流れているようです。29日はGPIFが動いて内容だという観測が広がると引け
にかけて下げ幅を広げる展開でした。GPIFの動向に振り回されているのが現在
の東京市場です。NY市場の軟調な状況もあり年明け以降大幅な買い越し基調
にある信託銀行(おもに年金の買い)に期待が高まっています。

日米の指数が逆転した最大の要因が公的年金の買いという形で表面化しました。
GPIFは日本株の運用比率を18%から25%に引き上げることを発表しています。
130兆円の運用産を抱えていますから7%の引き上げは単純計算では9兆円の
資金が今後数年で日本株買いに向かう訳です。GPIF買い期待の提灯買いが
実態以上に株価に影響を与えています。

池の中のクジラと言われるほど巨額の運用資産を抱えるGPIFの影響はそれ程
大きい訳です。また共済年金などもGPIFの運用比率見直しに合わせるように株
式運用比率を引き上げる動きを見せています。この手のうまい話に目先筋の投
資家が乗らない訳はありません。

NY安と円相場の膠着状態で輸出関連銘柄は取り上げづらいとしても外部環境
に影響を受けない内需株にはマネーが集まる構図が出来上がり内需株フィーバ
ーが今週繰り広げられた訳です。それがNY安にも拘わらず東京市場が底堅い
理由だったのです。

もっとも割安感のある16000円半ばの水準ならともかく17000円後半での株価押
し上げとも取れる買いが年金という資金の性格から良いことなのか少々疑問符
が付きそうです。大きく乱高下する相場を多くの投資家は望んでいませんが外
部環境の悪化から下げて悪材料を織り込むことも必要です。相場の後々の事を
考えれば果たして市場にとって良いことなのか懸念は残ります。

株価を最終的に決めるのは企業業績です。米国企業はアップルなど好調な業績
を上げる一方原油安やドル高でグローバル企業の業績不振が今回の決算で明ら
かになっています。しかも原油安はまだ底値をはっきり確認した訳ではありませ
ん。原油急落の悪影響が予想外のところに及ぶかもしれません。円だけでなくユ
ーロに対してもドル高は年明け以降一段と進んでいます。ドル高の影響は1~3月
期の方が大きいかもしれません。

グローバル企業に取っては業績の重荷は続くかもしれません。円安でユーロ安
で日欧の企業が恩恵を受ける一方米国企業が苦戦するのは表と裏の関係です。
今後高くなりすぎたドル高に対して米国の産業界から批判が起きるかもしれません。

需給面での支えで日本株だけ高止まりすれば流石に日本株の割高感がいずれ
目立ってくるでしょう。上値が重くなった円相場次第では遅れて日本株が調整と
いったことも今後考えられます。いずれにしてもNY市場がどこで下げ止まるか
円相場がどうなるか来週から始まる二日新甫の2月相場は波乱要素が山積して
いるようです。

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スカイマークの躓き

2015-01-30 07:23:55 | 日記
スカイマークが29日に民事再生法を申請して事実上倒産しました。スカイマーク
再建をめぐっては日本航空との共同運航や全日空からの資本参加や自力再建
など様々な報道がこれまでされてきました。おそらく水面下では報道されていな
い様々な動きがあったのでしょう。しかしまさかこのタイミングで民事再生法を申
請するとは予想外でした。最近の株価の推移を見ても不自然に売買高が膨らん
でいる様子もなく市場では経営破たんが噂にもなっていませんでした。

この一連の動きは2年前の2012年2月に破綻したエルピーダメモリの顛末と似て
います。大手電機メーカーのDRAM部門を統合して出来たエルピーダメモリは
日の丸半導体の最後の砦として国の出資を受けるなど政官界を巻き込んだ経営
再建劇を演じた挙句資金繰りに行き詰まり破綻しました。米国の半導体メーカー
からの出資話も取りざたされましたが幕引きはあっけないものでした。株式市場
でも寝耳に出来事でした。

2014年7月にエアバス社との巨額の違約金問題が表面化して一気に経営危機が
広がりました。この再建問題を複雑にしたのは監督官庁である国土交通省です。
国費を使って上に経営破たんした日本航空がドル箱の羽田発着枠を持つスカイ
マークと共同運航を開始することに全日空は猛烈な政界工作を仕掛けます。
国土交通省の色よい返事がもらえなかったこの共同運航案は頓挫します。

全日空による資本参加での再建策も独立路線を貫きたいスカイマークの西久保
社長の抵抗で頓挫し新たなスポンサー探しを目指したのですが万策尽きたよう
です。エルピーダメモリの坂本社長のケースと同じで結局会社のワンマン社長の
人脈が頼りの再建策は今回も最悪の結末で幕を閉じました。

業界の風雲児とか革命児とかマスコミ受けする人物像ですが、消え去る時には
案外あっけないものです。株式投資は自己責任とはよく言われる言葉ですが
今回もスカイマーク破綻で多くの個人投資家が損失を出しました。勿論スカイマ
ーク株を好んで売買する投資家の多くはある程度のリスクは覚悟の上での投資
だと認識しているでしょうが。

スカイマークの破綻はもう一度投資のリスクとリターンを良く考える機会になるか
もしれません。投資家は失敗の中から学ばなければ同じ過ちを繰り返します。昨
日より今日は少しだけでも賢い投資家に近づくようにならないといけないと思いま
す。

さて今日の東京市場はNY市場が大幅高で戻ってきたこともあり反発して始まり
そうです。1月最終日の相場は堅調なまま終わるのでしょうか。それとも週末で
利益確定売りで最後は弱含むのでしょうか。今週はGPIF買いでNY安の影響を
余り受けなかった日本株ですがこのまま18000円を目指すのでしょうか。決算発
表後増益でも急落する銘柄のほうが多いのが気にかかります。指数の上昇ほど
相場の腰が強いとは思えません。
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この上昇相場の主役は内需株

2015-01-29 07:38:32 | 日記
NY市場が291ドル安だったにも拘らず東京市場の寄付きは150円程度下落で
始まりましたがその後はじりじりと下げ幅を縮め大引けは27円高の17795円で
した。27日に逆転した日米の指数は東京市場が引けた28日時点でその差が
408ポイントまで広がりました。

日米の株価は写真相場でほぼ連動することがこれまでの傾向でした。27日の
東京市場が299円上昇したことを考慮すれば28日の東京市場は最低でも200円
程度の下げがあっても不思議ではありませんでした。しかし東京市場はNY安
に逆行するように上昇して引けました。この背景には何があるのでしょうか。

日米とも現在決算発表中です。米国のグローバル企業が原油安やドル高で
市場予想を大幅に下回る失望決算が続出しています。一方日本企業は円安
の恩恵もあり大幅な増益決算が多いようです。勿論原油急落の影響で石油株
や商社株などは大幅な利益減少を発表する企業もありますが、米国企業に比
べれば資源エネルギー株の占める割合が少ないということもあり影響は一部
の企業に止まっています。

日米の企業業績の明暗が指数の逆転後も差を広げた原因でしょうか。そんな
中で食品や電鉄など内需ディフェンス銘柄の高値更新が目立ちます。一般的
にはディフェンス銘柄は急激な成長は期待できなくとも安定した業績から外部
環境の不透明なときにマネーの逃避先になることが多くPERも市場平均並みと
言う水準で推移することが以前の姿でした。

ところが業界の平均PERは国際競争力の強い自動車で10倍代前半、電機では
10台代後半から20倍台前半、食品銘柄は20倍代前半から30倍台後半、電鉄は
20倍台から30倍前後といった具合でPERだけを比較すれば成長株は電鉄や食
品銘柄ではないかと思えるくらい食品や電鉄は高PER銘柄がほとんどです。

電鉄株には訪日外国人による利用客の増加という追い風がまた食品銘柄には
値上げの浸透による業績改善やアジアなど新興市場での収益拡大という材料
があるようです。決算発表が始まっていますが増益でも市場予想に届かなくて
大幅に下げる電機銘柄が多い一方食品銘柄では増益幅が小さくても一段高に
なる銘柄も多く風は食品銘柄などの内需株に吹いているようです。

もっとも29日には内需株物色が横に広がってきました。中には業績面で疑問符
がつくような銘柄もあります。今回の上昇相場の主役は内需株でしょうがそろそ
ろ慎重に対処したほうが良いのかもしれません。1月相場も今週で終わります。
月が変われば流れも変わるということも何度かありました。PERなど指標面では
ここからの上値を買い上げるにはリスクが大きいように感じます。


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日米株価指数逆転

2015-01-28 08:47:16 | 日記
円安が一段と進んだ訳でもなくNY市場が小幅高だったにも拘わらずシカゴ
CMEは東京市場を200円弱高く戻ってきました。東京市場が始まったらさらに
続伸して大引けでは299円高い17768円の高値引けでした。この時点で日米
の指数が逆転しました。この逆転現象が今後も継続するのかそれとも一時的
な現象なのか正直判断のつかない状態です。

ボラの高い東京市場の事ですから上げ幅や下げ幅の大きさだけでは相場の
強弱はなかなか判断しづらいところがより事態を複雑にしています。27日の
株価急伸でドル建て日経平均は久しぶりに150ドルを回復しました。円安を
伴わない指数の上昇が続けば本物なのでしょう。

図らずも予想通り月末にかけて上昇してきた東京市場ですが売りか買いか
この水準での判断は難しい局面です。思い起こせば「掉尾の一振」は可能性
大と思われた年末相場では外部環境に大きな変化がなかったにも拘わらず
最後の最後でまさかの失速でした。しかも前回を含めて東京市場は高値水
準から一転急落するという事を幾度も繰り返してきました。18000円に近付け
ば近付くほど警戒心は高まります。

追い風参考記録の18000円では意味がありません。高値更新後の持続力が
問題です。日経平均は昨年の12月以降下値16600円から高値17900円のボッ
クス相場を形成しています。ボックス上限を上抜けるのかそれとも今回もまた
18000円手前が壁になってしまうのか今週から来週にかけてが正念場かもし
れません。

またNY市場の動きも注意しておかなければなりません。そのNY市場は12月
以降それまでにないくらいボラが高くなっています。三桁の値幅での上昇、下落
するケースが本当に多くなっています。それだけ投資家の市場心理が大きく揺
れていることを物語っているのかもしれません。そのNY市場は27日大きく下落
しました。日本株の底力が試される局面に差し掛かったようです。
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インバウンド

2015-01-27 08:06:42 | 日記
週明けの東京市場はNY市場安とギリシャ選挙での野党圧勝を嫌気して200円
を超える下げで始まりました。もっともその後は下げ幅を縮め43円安と堅調な
展開でした。需給面では下値では日銀や年金の買いが見込まれます。また下
落時には裁定解消から下げ幅が広がるケースが多かったのですが、先週時点
で裁定買い残高は昨年12月ピークから1兆円弱減少していることから売り圧力
はそれ程高まらなかったのかもしれません。もちろんこれから本格化する決算
への期待もあるでしょう。

もっとも追加緩和で昨年10月末から東京市場は大幅に円安株高が進行しまし
た。日本企業のある程度の好業績は織り込み済みであることも確かです。市場
予想を超える業績を発表する企業を別にすれば上値は限定的かもしれません。
むしろ今期業績では向けて原油安のデメリットが先行して決算に反映されそう
です。

26日の丸紅決算はそんな象徴です。エネルギー価格や素材価格が高値水準
の時の取得をしたのは丸紅だけではありません。原油だけでなく銅価格の低
迷などまだまだ表面化していない損失を発表する企業は出そうです。また12月
から急激にユーロ安の悪影響が気になります。ECBの緩和は長引くとの指摘も
あり今後もユーロは売られやすい環境が続きそうです。ユーロ安による今期業
績の下方修正や来期の伸び悩みなどユーロ圏が収益源の企業には逆風にな
りそうです。

為替や海外市場の不透明感が当面は残りそうです。そんな状況で今後も折に
ふれて注目されそうなテーマにインバウンド消費銘柄があります。今年の訪日
観光客は1500万人にも達するとの予想もあります。消費税引き上げ後もたつく
国内景気には数少ない明るい材料です。為替や海外市場の影響を受けやすい
外需株に比べると比較的安心できるテーマです。

目先は多くの関連銘柄で11月以降大きく上昇して過熱感が出てきたこともあり
高値波乱などは避けられそうもないでしょうが今後も折に触れて物色されること
になりそうです。

おもなインバウンド銘柄
JR3社や京成など電鉄銘柄、西武HGや共立メンテナンスなどホテル業界
オリエンタルラウンドやハウステンボスを子会社に持つHISのレジャー業界
三越伊勢丹HGなどやビッグカメラやドン・キホーテなどの小売業界
セイコーやシチズンの時計銘柄

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