28日の東京市場は誰も予想だにしなかった結果でした。気分よく連休を迎えた
かった投資家も多かったでしょうが、残念ながらこの世界で生きている人達には
世間が浮かれているようなGWのワクワクドキドキ感とは余り縁がないようです。
しかし昨日の大幅下落を日銀犯人説で終わらせて良いのでしょうか。
2013年3月20日に黒田日銀がスタートして4年目に入りますがその真骨頂は前例
のない大胆な政策を多くの市場関係者が予想しないタイミングで発表して市場の
サプライズを誘い劇的に局面を変える手法です。市場では黒田バズーカとも呼ば
れるほどインパクトのあるものでした。
2013年4月そして2014年10月にはそのバズーカが炸裂して円安株高が一方的に
進みました。今年の1月を加えた3回とも決して市場から催促される形で追加を行
ったことはありません。また黒田総裁が就任時に逐次投入はしないとことも明言し
ています。2013年の1回目と2014年の2回目は1年半期間が空いていました。その
2回目と今年1月が1年3ヶ月です。
幾ら3回目の1月のマイナス金利導入が市場から不評だったとしてもまだ3ヶ月しか
経過していないこの時期に4回目に踏み切ると決め付けるのは市場の勇み足だっ
たのかもしれません。またどんな特効薬でも使い過ぎればその効果もだんだん低
下します。サプライズを演出してきた黒田日銀の緩和政策にもそのことが当てはま
ります。
市場は貪欲で緩和の効能が薄れてくれば次の緩和を要求してきます。際限のない
緩和なんて事実上無理ですから呉越同船だった市場と日銀との関係も次第にギク
シャクしだすのはある意味当然だったのかもしれません。マイナス金利導入をめぐ
っては中央銀行の政策をメガバンクのトップが公然と批判するというのは前代未聞
です。
果たして108円が産業界から見たら耐えられないくらいの円高なのか。思い起こ
せば黒田バズーカが炸裂し2012年10月に80円前後だった円相場が100円を越え
2014年9月には108円に到達しました。当時産業界からはこの水準なら輸出企業
は十分採算がとれやってイケるという声が多かったようです。
円相場はその後10月末のバズーカ2(通称ハロウィン緩和)で2015年6月1日に
125円85銭の円安を記録するまで円安トレンドは続きました。円安の対極はドル
高です。ドル高は米国の産業にマイナスです。日本だけが円安享受を受け続ける
ことにはやはり無理が有り持続可能なことではなかったようです。
108円程度の円相場で業績ががた落ちになる企業の体質に問題はないのでしょ
うか。日銀は今まで良く頑張りました。今度は政府や企業が頑張る番ではない
のでしょうか。政府は抵抗の強い岩盤規制をなくし企業は不採算事業からの撤退
や強みのある事業へ経営資源を集中させるといったやるべきことをコツコツと実
行に移すしか残された道はないようです。外需銘柄でも今期業績が好調なダイキ
ンや日本電産、富士フィルムなどにそのヒントがあるようです。
※土、日の更新はお休みします。
かった投資家も多かったでしょうが、残念ながらこの世界で生きている人達には
世間が浮かれているようなGWのワクワクドキドキ感とは余り縁がないようです。
しかし昨日の大幅下落を日銀犯人説で終わらせて良いのでしょうか。
2013年3月20日に黒田日銀がスタートして4年目に入りますがその真骨頂は前例
のない大胆な政策を多くの市場関係者が予想しないタイミングで発表して市場の
サプライズを誘い劇的に局面を変える手法です。市場では黒田バズーカとも呼ば
れるほどインパクトのあるものでした。
2013年4月そして2014年10月にはそのバズーカが炸裂して円安株高が一方的に
進みました。今年の1月を加えた3回とも決して市場から催促される形で追加を行
ったことはありません。また黒田総裁が就任時に逐次投入はしないとことも明言し
ています。2013年の1回目と2014年の2回目は1年半期間が空いていました。その
2回目と今年1月が1年3ヶ月です。
幾ら3回目の1月のマイナス金利導入が市場から不評だったとしてもまだ3ヶ月しか
経過していないこの時期に4回目に踏み切ると決め付けるのは市場の勇み足だっ
たのかもしれません。またどんな特効薬でも使い過ぎればその効果もだんだん低
下します。サプライズを演出してきた黒田日銀の緩和政策にもそのことが当てはま
ります。
市場は貪欲で緩和の効能が薄れてくれば次の緩和を要求してきます。際限のない
緩和なんて事実上無理ですから呉越同船だった市場と日銀との関係も次第にギク
シャクしだすのはある意味当然だったのかもしれません。マイナス金利導入をめぐ
っては中央銀行の政策をメガバンクのトップが公然と批判するというのは前代未聞
です。
果たして108円が産業界から見たら耐えられないくらいの円高なのか。思い起こ
せば黒田バズーカが炸裂し2012年10月に80円前後だった円相場が100円を越え
2014年9月には108円に到達しました。当時産業界からはこの水準なら輸出企業
は十分採算がとれやってイケるという声が多かったようです。
円相場はその後10月末のバズーカ2(通称ハロウィン緩和)で2015年6月1日に
125円85銭の円安を記録するまで円安トレンドは続きました。円安の対極はドル
高です。ドル高は米国の産業にマイナスです。日本だけが円安享受を受け続ける
ことにはやはり無理が有り持続可能なことではなかったようです。
108円程度の円相場で業績ががた落ちになる企業の体質に問題はないのでしょ
うか。日銀は今まで良く頑張りました。今度は政府や企業が頑張る番ではない
のでしょうか。政府は抵抗の強い岩盤規制をなくし企業は不採算事業からの撤退
や強みのある事業へ経営資源を集中させるといったやるべきことをコツコツと実
行に移すしか残された道はないようです。外需銘柄でも今期業績が好調なダイキ
ンや日本電産、富士フィルムなどにそのヒントがあるようです。
※土、日の更新はお休みします。