kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

さらば追加緩和

2016-04-29 07:55:46 | 日記
28日の東京市場は誰も予想だにしなかった結果でした。気分よく連休を迎えた
かった投資家も多かったでしょうが、残念ながらこの世界で生きている人達には
世間が浮かれているようなGWのワクワクドキドキ感とは余り縁がないようです。
しかし昨日の大幅下落を日銀犯人説で終わらせて良いのでしょうか。

2013年3月20日に黒田日銀がスタートして4年目に入りますがその真骨頂は前例
のない大胆な政策を多くの市場関係者が予想しないタイミングで発表して市場の
サプライズを誘い劇的に局面を変える手法です。市場では黒田バズーカとも呼ば
れるほどインパクトのあるものでした。

2013年4月そして2014年10月にはそのバズーカが炸裂して円安株高が一方的に
進みました。今年の1月を加えた3回とも決して市場から催促される形で追加を行
ったことはありません。また黒田総裁が就任時に逐次投入はしないとことも明言し
ています。2013年の1回目と2014年の2回目は1年半期間が空いていました。その
2回目と今年1月が1年3ヶ月です。

幾ら3回目の1月のマイナス金利導入が市場から不評だったとしてもまだ3ヶ月しか
経過していないこの時期に4回目に踏み切ると決め付けるのは市場の勇み足だっ
たのかもしれません。またどんな特効薬でも使い過ぎればその効果もだんだん低
下します。サプライズを演出してきた黒田日銀の緩和政策にもそのことが当てはま
ります。

市場は貪欲で緩和の効能が薄れてくれば次の緩和を要求してきます。際限のない
緩和なんて事実上無理ですから呉越同船だった市場と日銀との関係も次第にギク
シャクしだすのはある意味当然だったのかもしれません。マイナス金利導入をめぐ
っては中央銀行の政策をメガバンクのトップが公然と批判するというのは前代未聞
です。

果たして108円が産業界から見たら耐えられないくらいの円高なのか。思い起こ
せば黒田バズーカが炸裂し2012年10月に80円前後だった円相場が100円を越え
2014年9月には108円に到達しました。当時産業界からはこの水準なら輸出企業
は十分採算がとれやってイケるという声が多かったようです。

円相場はその後10月末のバズーカ2(通称ハロウィン緩和)で2015年6月1日に
125円85銭の円安を記録するまで円安トレンドは続きました。円安の対極はドル
高です。ドル高は米国の産業にマイナスです。日本だけが円安享受を受け続ける
ことにはやはり無理が有り持続可能なことではなかったようです。

108円程度の円相場で業績ががた落ちになる企業の体質に問題はないのでしょ
うか。日銀は今まで良く頑張りました。今度は政府や企業が頑張る番ではない
のでしょうか。政府は抵抗の強い岩盤規制をなくし企業は不採算事業からの撤退
や強みのある事業へ経営資源を集中させるといったやるべきことをコツコツと実
行に移すしか残された道はないようです。外需銘柄でも今期業績が好調なダイキ
ンや日本電産、富士フィルムなどにそのヒントがあるようです。

※土、日の更新はお休みします。
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前場は予想より強い相場でしたが

2016-04-28 11:18:58 | 日記
11時22分現在の東京市場は前日比240円弱高い1万7530円台で推移してい
ます。前日のNY市場の小幅高と円安を好感して高く始まった後は会合結果
待ちから揉み合いかなと思っていましたが、予想以上に堅調な展開です。
もっとも大幅高の立役者は電子部品大手や建機銘柄など今期減益予想を
出した銘柄です。

株価の反応を見る限り悪材料出尽くしで買戻しを巻き込んで上昇している
ということなのでしょうか。株価水準からこれほどの大幅高になっていること
に違和感を覚えますが裏の裏は表というロジックなのでしょうか。摩訶不思
議な展開です。指数の影響の大きな電機や自動車の一角が大幅高になれ
ば日経平均の大幅な上昇も納得です。

さて日銀はどんなプレゼントを出してくるのでしょうか。何か既に前場段階で
これほど大幅高になっていては余程のサプライズが出てくなければ反動が
心配になります。また12月も1月も緩和効果の株高の賞味期限が短くなって
いることには注意が必要です。例え4月最終営業日の今日が大幅プラスでも
5月の反動安が懸念されます。5月も好調が続く保証はどこにもありません。

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ポスト日銀会合

2016-04-28 08:12:24 | 日記
米国のFOMCは事前の予想通り現状維持という無風状態でした。6月の利上
げに見通しも可能性は高まらず米国からの円安ドル高要因は当面期待でき
ない可能性が高まりました。原油相場が堅調なためリスク回避的な円高懸念
が高まらないのは日本株に取って幸いです。もっとも先週の急激な円安は日
銀の追加緩和期待が大きな要因です。

もしこのところの円安株高基調に変調が起こるとしたら今日の日銀会合で
追加緩和見送りや内容が市場予想に届かず失望が起きた時です。来週は
GWの谷間で営業日は二日だけです。日本市場が休場の時に海外市場で
不測の事態が起こらないとも限りませんから買い方の手仕舞い売りが出る
可能性があります。それは売り方にも当てはまりますから少なくとも買いも
売りも大きなポジションを抱えたまま連休を迎えたくない心理が働きます。

日銀会合の結果次第で今日の相場は午前中無風、午後からは上にも下に
も変動が大きくなりそうです。どんな結果が出るとしてもシストレが幅を利か
せ手作業の個人投資家には太刀打ちできません。個人投資家としてはやや
先を見ながらのトレードを考える必要がありそうです。

改めて現状の投資環境を考えると世界経済には停滞懸念がつきまといます。
コマツやファナックなどの今期業績見通しも芳しくありません。円高懸念もあり
過去数年のように二桁増益予想を元に株高が進む環境ではありません。今月
の株価反発も行き過ぎた悲観からの反動の側面もありどこまでこの上昇が持
続するのか確信は持てません。

反対に原油価格の底入れや追加緩和期待から円相場も株式相場も先取りし
ましたから余程のサプライズな好材料が日銀から出てこなければもはや上値
を期待するのは難しのかもしれません。1万5千円半ばから1万7千円半ばへ
とこの2週間で上昇したことで既に上値余地はもう余り残っていないかもしれま
せん。この水準からはより慎重な行動が必要でしょう。
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深刻な経営問題に発展しそうです

2016-04-27 08:34:08 | 日記
三菱自動車の燃費データ不正問題は一段と広がり問題の根の深さが次第
に明らかになってきました。既に1991年から国が定める方法とは異なる方
法で走行試験を実施し必要なデータを取得していたことが判明しました。軽
2車種だけでなく他の車種にも問題が見つかる可能性も出てきました。

今後三菱自動車に待ち受けている試練は目白押しです。まず国内販売の
半分以上を占める軽自動車の販売停止で国内販売は急減しそうです。ユ
ーザーの軽自動車だけでなく不安は大きく軽自動車だけでなく同社が販売
に注力しているPHVのアウトランダーなどの車種にも影響は広がりそうです。

また日産向けの生産分も含めて対象車種の販売停止による工場稼働率の
低下で固定費が膨らみ国内事業の赤字転落は必至です。それに加えて日
産自動車への賠償金問題、既に販売した対象車種のユーザーへの賠償問
題、日産との軽自動車分野での協業打ち切りの可能性も浮上してきました。

2000年代の2度のリコール問題から深刻な販売不振に陥っていた三菱自動
車はアジア市場での販売好調もあり順調に再建が進んできました。昨年まで
に赤字の元凶だった欧州生産と米国生産を打ち切り販売の重点をアジアなど
新興市場に集中して経営を安定させる戦略は少しずつ世界を上げてきました。

そんな矢先に発覚した燃費データ不正問題は同社最大の経営危機に発展し
そうな雲行きになってきました。過去2度のリコール隠しによるブランドイメー
ジの悪化と販売不振は身を以て体験していた筈です。リコール隠し以前から
不正な方法での燃費データを出していたことが明らかになり問題の根の深さ
がは深刻です。

前回の経営危機時には三菱グループの中核3社(三菱重工、三菱商事、三
菱東京UFJ)が主導した経営支援で危機を脱しました。しかし時代は株主重
視の時代になり3社が今回も支援する大義名分を株主に説明できるかどうか。
それでなくても三菱重工は客船事業での巨額赤字計上、米国での原子力事
業での賠償問題、子会社三菱航空機の黒字時期の先送りなど自社の問題
が山積しています。

三菱商事は資源バブルの崩壊で前期巨額な減損処理に追い込まれました。
もはや資源頼みの収益構造転換は待ったなしです。三菱東京UFJは日銀の
マイナス金利導入で経営環境は厳しさを増しています。実際3社とも自社の
経営問題で精一杯で三菱自動車の再建問題まで手が回らないというのが
正直なところです。それでも三菱グループとして何らかの経営支援はするで
しょうが。

三菱自動車の販売の9割は日本以外です。今後海外販売にどのくらい影響
が出るかも焦点になりそうです。いずれにしても三菱自動車の経営問題は
一朝一夕には片付かないことだけは確かです。
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日銀プレイの賞味期限

2016-04-26 07:09:03 | 日記
先週の18日の大幅下げを僅か一日で取り戻し日経平均が3月末の水準(1万
6758円)を再び上回った19日以降東京市場のトレンドは大きく変わったようです。
幸か不幸か熊本地震がキッカケで政府の大幅な補正予算処置と日銀の追加
緩和期待が相乗効果をもたらしたのかもしれません。とにかく急激に日本株は
欧米市場にキャッチアップしつつあります。

指数の上昇に大きく貢献したのはこれまで相場の足を大きく引っ張ってきた自
動車や電機それにメガバンクや保険銘柄が急反発しことが大きいようです。や
はり今回もこれらの3業種が日経平均上昇の立役者になりました。逆張りでこ
れらの銘柄を4月以降仕込んだ投資家は少なくともこの大幅上昇で一息ついた
格好です。

もっとも短期筋が仕掛けた日銀プレイも今週中には結果が出ます。どんな結果
が出ても発表後は下落するという意見と緩和内容によっては材料出尽くしには
ならず上昇は続くという見方に分かれています。市場では日銀会合後は株価下
落を予想する割合のほうがかなり多いようです。

勿論その鍵を握っているのは円相場です。10日前には一段の円高懸念も有り今
期企業業績には悲観的な見方がほとんどでしたが、円相場が107円台から111円
台になり市場で懸念されているほど収益は落ち込まないという見方が増え空売り
の買戻しを急ぐ投資家も出てきました。海外短期筋の買戻しがどのくらい出てきた
のかは想像の域を出ませんがこの急騰でかなり買戻しが進んだとしたら長期投資
家が追随しなければ早晩上値も重くなる懸念も出てきそうです。

株価の訂正水準の大前提は企業業績です。その企業業績を左右するのが円相場
の水準です。この10日間で輸出関連銘柄の株価水準が大きく切り上がったのも110
円を越えた円相場のおかげです。やはり日本株の続伸するのか失速するのかカギ
は円相場が握っています。為替という予想の難しい代物だけに日銀プレイの先行き
は尚も視界不良のようです。

日本企業の決算発表が今週から本格化します。既に観測記事などから相場環境の
好転で決算悪でも悪材料出尽くしで株価上昇という反応を示す銘柄が多くなってき
ました。それも日銀の追加緩和期待という特効薬のおかげかもしれません。既に多く
の銘柄が水準訂正で上昇した後ですから今後も同じ反応が続くかは判断の分かれ
るところです。年明け以降瞬発力はあっても持続力が乏しい東京市場の変化が出て
くるのかそろそろ正念場に差し掛かる時期です。
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