kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

経験則通り

2022-02-26 07:40:50 | 日記
相場格言に「銃声が鳴ったら買え」というのがあります。この二日間の米国
市場の驚異的な戻りは経験則通りの動きに市場ではひとまず安堵感を与えま
した。ロシアがウクライナとの停戦交渉に応じる構えをみせ、25日のダウ工
業株30種平均は前日比834ドル高と大幅に続伸した。

24日に一時800ドルを超える下げから反発しプラス圏に浮上したことと併せて
考えるとウクライナショックは取り敢えず織り込んだようです。3月の利上げ
で0.5%の予想が今回のウクライナ侵攻に伴う経済への影響から0.25%に集約
されそうなことで下げの大きかったハイテク銘柄が買い戻されたことで「雨
降って地固まる」になったのでしょうか。

もっとも外交面で名うてのロシアのことですから、できる限り自国に有利な条
件をウクライナに飲ませようとするでしょう。戦後70年を越えても日本に北方
四島を返還しないのがロシアの本性です。ソ連崩壊で領土が小さくなったロシ
アが再び支配地域拡大を目指しているのは明らかです。一説にはプーチン大統
領は偉大なソビエト連邦復活を目標としているというニュースも出ています。

力尽くでウクライナのクリミア半島を併合したように現状のウクライナの政治
体制を一掃する要求を取り下げることはないのかもしれません。今回市場は大
きなクラッシュは避けられましたが、再び地政学リスクの高まりを材料に売り
が出ることは忘れてはいけません。

米国株の急反発の背景にあるのはFRBの引き締め局面が迫り割高感の強い米国
市場から欧州市場に流れていたマネーがウクライナ危機で再び米国市場に戻っ
ているとの見方もあるようです。ウクライナ危機で資源価格の上昇が米国のイ
ンフレを加速する側面と世界経済の下押しリスクの高まりでFRBの引き締めが
緩やかになるという側面がありますが、今回は後者の見方から急反発しました。

市場を動かしているのは連想ゲームです。光と影が交互に現れるようにこの状
態が長続きする保証もありません。緊張が高まればさらに事態が悪化すると大
手の機関投資家はヘッジします。しかし思惑とは裏腹に一段の悪化が遠のけば
今度はリスクヘッジを外します。いったん流れが変わると次々に追随する投資
家が出て大きな値幅になります。

今回下値ではバーゲンハンテングを狙う投資家の存在もあったようです。ウク
ライナ問題だけで今週の安値を割り込む可能性は低くなりました。年明け以降
の市場の調整はFRBがハト派からタカ派に大きく舵を切ったからです。ウクラ
イナでの地政学リスクの高まりで資源価格の上昇に拍車がかかるとFRBのタカ
派が強まるという連想です。

あくまでも今年の市場のキーポイントはどこまで利上げがあるのか、利上げを
急ぎ過ぎて景気悪化とインフレが並立するスタグレーションが起こってしまう
のかです。その答え合わせはまだ先の先です。投資家の戦略としてはリスク優
先でもしチャンスがあれば自分の資金力の範囲で投資をするということかもし
れません。

次回の更新は3月1日を予定しています。
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噂で売って

2022-02-25 06:12:20 | 日記
24日の米国市場は「噂で売って事実で買い戻す」という典型的な動きだった
ようです。ロシアがウクライナに侵攻したというニュースを受けてリスク回
避の売りから急落して始まりましたが、その後買い戻されて結局ダウ、ナス
ダック指数、S&P500とも上昇して終わりました。

特にナスダック指数の上昇率が高かったのはこれまでの下落率(この日のザ
ラ場で一時高値から20%)が大きかったことから買戻し余地が大きかったこ
とが影響しているのでしょうか。湾岸戦争やイラク侵攻といった過去のケー
スでは悪材料出尽くしでその後株価は回復しています。

もっとも当時と現在では市場を取り巻く環境に違いがあります。コロナ特需
でモノ消費の高まりから追い風が吹いたセクターの銘柄中心に過去2年間株式
市場は急騰に沸きました。しかしインフレの高まりからFRBが引き締めに方
針転換することが明白になり未曽有の緩和相場は終焉を迎えました。それが
ここまでの動きです。

ウクライナ問題での地政学リスクの高まりは原油や天然ガスの世界大手ロシア
が当事者であるために資源価格の供給不安からの価格上昇がインフレをさらに
加速させるという連想に繋がっています。株安の根源であるインフレとそれに
伴う引き締めの着地点はまだ見えません。反発はあっても長続きしないという
ことは想定している必要があります。

東京市場に目を向けるます。24日の東京市場は5日続落して2万6000円を割り込
んで終わりました。2万信用評価損率は足元では16%以上に膨らんでいる可能性
があります。1月の28日の損益率は15.78%でしたが、その日の日経平均は2万
6717円でした。その水準からさらに700円超下げている訳です。

コロナショック後の30%超えや2009年3月の東日本大震災時の25%を除けばおお
むね評価損が15%~18%まで悪化した時に底値を付けています。通常ならそろそ
ろ底入れ間近という見方もできますが、2020年と2021年に歴史的な強気相場だっ
ただけにその反動が出てくれば下振れも排除できません。今日の取引では米国市
場が反発したことからパニック売りという事態は避けられそうです。しかし外部
環境は霧が晴れないままです。

次回のFOMCは3月15、16日です。利上げ幅が0.25%になるのか0.5%になるのか
はっきりします。その後の利上げ見通しも今よりはハッキリするでしょう。ウク
ライナ問題の着地点は予想できませんが、どんな悪材料もやがて市場は織り込み
ます。そして次の上昇のキッカケになることもあります。現時点でどのくらい織
り込みが進んだのか答えが見えないだけにまだ基本は安全運転です。

一方資金の余裕がある投資家にとっては内容の良い銘柄を厳選して仕込むチャン
スでもあります。過去2年と違って銘柄を見極める真贋が今後はより重要になり
ます。


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力量

2022-02-24 06:26:09 | 日記
23日の米国市場でNYダウは466ドル下げ11か月ぶりの安値水準になりました。
高値からの下落率はおよそ10%になり昨年一度もなかった本格調整となりま
した。一足先にナスダック指数そしてS&P500が10%に達してましたからNY
ダウの本格調整は不可避だったのかもしれません。

米国株に比べて出遅れで割安と言われていた日本株も本家の下げで下押し圧
力が続いています。コロナ禍で米国中心にモノ需要が急増し製造業に強く世
界の景気敏感株と言われる日本株には追い風が吹きました。日経平均はコロ
ナショックで1万6000円台まで急落しましたが、その水準から急騰3万円台ま
で直線高になりました。

そして今日経平均は2万6000円台まで下落しました。投資指標面からは割安
を指摘する見方もあります。一方足元の割安感よりも半年後あるいは1年後の
どんな状況になっているのかが重要です。多くの投資家がニュースなどで分
かっている状況は投資の面では既に価値は大きく低下しています。投資は目
先の現実よりも将来の連想力(先を見る目)が重要です。

机上の論理通りに事が進まないのが市場です。多くの株式市場のプロは解説
は出来ても先を見る目があるとは言えません。特に買サイド側の市場関係者
の見通しには額面通りに受け取ってはいけないものもあります。既に投資の
プロによる2022年の相場見通しは僅か2ヶ月で軌道修正する必要が出てきま
した。

FRBの予想以上のタカ派への方針転換に加え地政学リスク(ウクライナ問題)
が誤算の要因ですが、根本原因はコロナ禍での超金融緩和で急騰した反動が
あるのでは間違いありません。利上げ回数や地政学リスクが今度どんな展開に
なるのかは現時点では予測不可能です。いずれ時間が経過すれば霧は晴れる
でしょうが、いつになるかは分かりません。

投資家としてできることは昨年までの相場は一旦忘れてゼロベースで見直す
事です。目先は守り重視で荒しの過ぎ去れるのを待つしかありません。レバ
レッジを利かせて投資している投資家は決済に期限があります。当然現物中
心の投資家とは投資作戦が違います。相場が荒れてくる時こそ投資家の力量
が試されます。

2月相場も月初高で始まり中旬に頭打ち、月末にかけて下落が鮮明になるとい
うコースを辿りました。来週は3月相場に突入します。一旦は反発に転じるの
でしょうか。相場はヘッドラインで急落、急騰を演じています。それだけ先物
主導の短期筋の動き次第で相場は変わります。2万6000円台なら1000円幅の
戻りがあっても不思議ではありません。売りも買いも安心してみていられる相
場でもありません。



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五里霧中

2022-02-22 05:52:59 | 日記
21日の東京市場は211円安でした。米国市場は休場でしたが、ウクライナ情
勢の一段の緊迫化からロシア市場は1割の大幅安、欧州市場も下げました。明
日が休場ということもあり今日の市場は引き続き厳しい展開が予想されます。

目下の市場の最大の注目点はロシアがウクライナに侵攻するのかしないのか
するとしたらいつになるのか。そしてFRBの3月利上げはほぼ100%でしょう
が、上げ幅は0.25%なのかそれとも一気に0.5%上げるのかです。

ウクライナ侵攻に関してはプーチン大統領とバイデン大統領の駆け引きが依
然続いています。バイデン大統領が侵攻は近いという発言するのはロシアへ
の牽制が目的なのか、それとも最早侵攻は避けられないということで西側諸
国に経済制裁の準備を急ぐべきという考えなのか。

いずれにしてもロシアは世界から非難を浴びながらも2014年にクリミア半島
を併合した前例がありますからきっと最後の最後まで事態はもつれるかもし
れません。不透明要因を嫌う市場としては事態が膠着して長引くことがもっと
も悪いケースです。

幸いにしてウクライナ問題に何らかの妥協が成立して侵攻が回避されれば市
場は好感して急騰するかもしれません。しかし懸念材料の一つが消えただけ
で米国のインフレ懸念やFRBの引き締め問題の解決はまだ先が見えません。

一時は3月に0.5%利上げする確率が半分程度まで達していましたが、FRBの
高官の発言などで0.5%利上げの確率は2割程度まで低下しました。0.25%利
上げなら市場の想定通りで大きな波乱は回避されそうです。しかしFRBが年
5回利上げするのかあるいは6回もあるのか3月時点では燻ぶったままですから
この問題で市場の霧が晴れるのは果たしていつになるのでしょうか。

金融政策が緩和路線から引き締め局面に変わり市場の物色銘柄もグロース株
からバリュー株へとマネーの流れは変わってきました。バリュー株が多い東
京市場には有利に働きそうですが、少なくともここまではNYダウに比べて日
経平均がアウトパフォームしている事実は見つかりません。

今期業績好調な日本企業は中国経済との関係性が強い企業です。ファナック
キーエンス、オムロン、安川電機は中国製造業が好調なら恩恵を受ける企業
群です。その銘柄が軒並み年明けからのパフォーマンスが悪化しています。
決算では今期業績は好調なところが多かったようですが下落トレンドを変え
ることは出来ませんでした。

中国市場に強いツガミも年初来安値を更新しました。コロナ禍からいち早く
正常化した中国経済の変調を織り込み始めていることが考えられます。設備
投資銘柄は業績に先行する形で受注動向を織り込む形で株価が動く傾向が強
い業種です。設備投資関連だけでなく米国企業に比べてはるかに中国経済へ
の依存度が高いのが日本企業です。ダウと日経平均の差が開いたままで縮ま
らないのはそんな背景があるのかもしれません。
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シナリオ変更の必要

2022-02-19 08:54:09 | 日記
もはやロシア軍のウクライナ侵攻は不可避なのでしょうか。日本時間19日7時
台の海外報道ではバイデン大統領はプーチン大統領がウクライナ侵攻を決断し
たと伝えています。ただ、緊張緩和に向けた外交努力の余地はまだあるととも
伝えています。

戦争には莫大な費用が掛かるというのはこれまでに証明されています。またロ
シアが侵攻すれば米国や欧州など西側諸国からの経済制裁は避けられずロシア
経済には大きなダメージです。できればプーチン大統領も戦争は回避したとで
しょうが、安全保障に関係する事案であることから経済よりも優先されること
になるかもしれません。

西側諸国としても原油や天然ガスの大国であるロシアへの制裁は供給懸念から
資源価格の一段の上昇でインフレがさらに加速する懸念もあります。一昔前は
遠くの戦争は買いという格言がありましたが、当事者がロシアなだけに今回は
事情が違うようです。

もっとも実際に侵攻が始まれば相場はアク抜けから上昇するかもしれません。
ポイントはどこまで市場が悪材料を織り込んでいるかです。今年の市場はイン
フレがどこで収まるのか、中央銀行の引き締めはどの程度まであるのかです。
インフレの要因の一つである半導体不足などのサプライチェーンの混乱はまだ
続いています。

コロナ禍で未曽有の金融緩和があり株価は業績の伸び以上に上昇しました。引
き締めが本格化する状況で結果的にバリエーションの調整はどの程度進んだの
でしょうか。侵攻が開始され一時的に悪材料の一つがアク抜けしたとしても根
っこの部分のインフレの先行きが見えない限り反発も一過性に終わるかもしれ
ません。

東京市場では今週キーエンスやオムロン、ファナックなど設備投資関連銘柄の
下落が目立ちました。いずれの企業の今期業績は好調です。しかし今後金融引
き締めが利きすぎて景気悪化になれば真っ先に売られるセクターです。コロナ
禍からいち早く景気が回復した中国ではこのところ工作機械受注に変調が見ら
れます。中国経済の息切れが世界的な景気悪化で一段と落ち込む懸念もありま
す。

世界の景気敏感株という位置付けの日本株にとっては好ましくない展開です。
PERが13倍まで低下した日本株には割安感も指摘されていますが、今後業績
悪化がもし表面化すると一株利益が減少することでPERが高くなり割安感が
低下する懸念もあります。

今年前半に多くの市場関係者が3万円回復から一段高を予想していました。し
かし、現状は今週末時点で2万7000円前半です。少なくとも3月期末までの株
高シナリオの書き換えが必要なことは明らかです。

次回の更新は22日を予定しています。
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