kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東芝ショックは言い訳

2016-12-30 08:26:14 | 日記
2週間前には「掉尾の一振で2万円回復」かなんて景気の良い話題も
出ていた東京市場ですが、2万円どころか1万9000円キープにも暗雲
が出てきました。大納会前の29日の256円安は年末年始にかけての
相場の先行き懸念を強めるには十分な下げでした。幾ら市場参加者
が少なく頼みの海外投資家不在であっても日銀ETF買い期待もあり
少なくとも大納会では1万9000円台半ばで今年の取引を終わるので
は無いかと見られていましたが、相場の世界はやはり難解です。

今年後半人気だった半導体関連銘柄にも市場の微妙な変化が出て
いるようです。29日付の経済紙に半導体ウエハーの値上げが伝えら
れましたが、ウエハー大手のSUMCOは朝から売り注文優勢で一時
は下げが6%と比較的大きくなりました。確かにSUMCOなど半導体
関連銘柄は12月に再び人気を集め相次いで年初来高値をつけまし
た。利益確定売りが出やすかった面は確かにあったでしょう。しかし
相場の地合いが強ければこんなに下げることは無かったでしょう。

悪いことに今日の経済紙によると12月第3週に海外投資家は1947億
円の売り越しに転じました。日本株が1万9000円台まで短期間に上昇
したのは海外投資家が11月第2週から12月第2週までに2兆2533億円
買い越したからです。12月第3週の売り越しがクリスマス休暇前のポ
ジション調整であり一時的なものであればいいのですが、もし年明け
以降も海外投資家が売り越し基調を続けるなら一部で懸念されてい
た年明けから下げた今年や14年の再来も懸念されます。

海外投資家の動きにはやはり神経質にならざる負えません。一部に
は東芝問題が影響したとの見方もあります。確かに重電3社の一角を
占め主力事業の一角である半導体事業の好調から海外投資家の再
評価も指摘されていただけに一定の影響はあったでしょう。しかし円安
海外投資家頼みという日本株の位置づけが変わらない限り変動の激
しい日本株と姿も変わりません。市場専門家の来年の高値予想はほ
とんど2万1000円以上です。もしそれに確信が持てるなら1月に下げる
場面があれば絶好の買場となりますが

大納会の30日は2015年大納会の1万9033円の攻防となりそうです。
連続上昇記録が今年で途絶えるのか、投資家心理も随分違ってきま
す。さて目出度く新春を迎えられるのかどうか緊張の一日になりそう
です。

今年の更新は今日までです。
大発会の4日にお会いしましょう。
みなさん良いお年を(^^♪
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日立の本気度を評価する時

2016-12-28 16:15:25 | 日記
投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKK)が日立工機を
買収するというニュースが市場に伝わりました。28日の市場では日立
工機が16%を越える値上がり率で値上がり率1位の人気でした。親会
社の日立が日立工機を売却するという観測記事は以前から流れてい
ました。日立工機の日足チャートを見ればこの買収劇はかなり確率の
高い案件であることが分かります。おそらく一貫して買い進んだ投資家
の存在がありそうです。

全株取得でしかも買収総額が1500億円を越えるということが明らかに
なり売り方の買戻しも重なり上げ幅が大きくなったようです。親会社の
日立には本体で3割弱補修していますから500億円近い現金を手にす
ることになります。しかし日立の値上がり幅は僅か8.3円(1.3%)でした。
市場の見方としては日立が日立キャピタルや日立物流の持ち株の半
分を売却した資金を含め成長投資にどのように使うのかに関心が移っ
ているようです。

ただ子会社を売却しただけなら一時的な売却益は生じますが、連結の
売り上げや利益は減ります。子会社の切り売りだけなら将来的な成長
期待は高まりません。日立が次の成長の柱と期待しているAIやIoTに
どう繋げていくのかその成長戦略が問われます。今年に入り事業の選
択と集中に再び大きく舵を切ったことは好材料ですが、未だに株価は年
初来高値を更新できずにいます。

日経平均が年初来高値を更新したことを考えれば現在の日立の株価
水準で満足する既存の株主は少ないでしょう。日立のような大型株は
海外投資家のマネーが流入しなければ大きく居所が変わりません。株
価から判断すればまだまだ海外投資家の評価は高まっていないようで
す。海外投資家の評価が高まらない何かが日立には欠けているのでし
ょう。

日立工機の売却の目処が立ったことで次に日立国際電気株に市場の
関心が集まるかもしれません。既に日立国際電気の半導体製造装置
事業の売却が明らかになっています。日立が一旦市場から全株を取
得してから事業分割で半導体製造装置事業の売却に踏み切るのか
それとも保有株を直接売却するのか10月の時点では結論は出てなか
ったようです。

同業なら半導体製造装置事業の取得には関心を示すでしょうが、もう
一つの柱である映像・無線部門には興味はないでしょう。保有株を直
接売却するならやはり投資ファンドが浮上しそうです。いずれにしろ何
らかの結論が年明け以降明らかになりそうです。いずれにしても日立
本体の評価を上げるためには子会社売却だけでなく中核事業の成長
を市場が確信した時です。

明日は急用のため更新をお休みします。
今年の更新は大発会の一日だけになりました。
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東芝が教訓M&Aの落とし穴

2016-12-28 08:15:52 | 日記
27日の東京市場は安寄りした後仕掛けの買いが入ったのでしょうか。
急激に上昇しました。午後も高く始まりましたが、今度は急激に下げ
マイナスに転じる場面もありました。その後は前日の終値を境にプラ
ス圏とマイナス圏を行ったり来たり結局大引けは6円高と4営業日ぶ
りに上昇して終わりました。

売買代金は26日に続いて2兆円割れの1兆8354億円と前日よりも増
加しましたが、2営業日続けて2兆円の大台を割り込みました。やはり
クリスマス休暇で海外投資家が不在の東京市場は盛り上がりに欠け
るのは否めません。

そんな閑散相場で市場の話題を集め売買代金1位だったのが東芝で
す。もっとも好材料が出て上昇した1位ではなく突然の悪材料出現で
大幅安(11.62%マイナス)でしたから東芝株を保有している投資家に
とっては余り気持ちよく新年を迎えられないかもしれません。

米国での原子力事業で1000億円規模の追加損失が発生しそうだとい
う報道が伝わったのが下げの原因ですが、取引時間中に会社側も減
損の可能性を認める報道がありました。東芝は前期も米原子力子会
社WH関連で2500億円の減損を実施しています。

今回の減損はそのWHが昨年末に買収した原子力サービス会社に対
してです。原子力ビジネスに関しては東芝だけでなく仏原子力大手ア
レバも経営危機が深刻になりフランス政府の音頭とりで再建中です。
福島原子力事故の後で世界的に原発ビジネスに大きな逆風が吹きま
したが、まだまだ厳しい局面は続いているようです。

東芝は半導体事業の好調から2017年3月期は1450億円の黒字となり
V字回復する見込みでした。今日付けの経済紙によると損失規模は
1000億円を越え数千億円に膨らむ可能性があるとの会社側の見通し
が出ています。最終赤字に転落するようなら9月末の自己資本3600億
円強の既存が避けられません。

新たな資本増強策が必要になるかも知れず、もし損失額が巨額にな
れば資本増強策とセットで発表することになりそうです。最終的な損失
額が確定せず昨日の下げで悪材料出尽くしとはならず今日の取引で
も売り優勢の展開になりそうです。株価下げ止まりは年を越えるかも
しれません。

巨額なM&Aが会社側の狙いが裏目に出て最終的に巨額な損失に繋
がるといった悪い事例です。今回の事例は東芝だけでなく他の日本企
業でもいくつも発生しています。多くの日本企業が今後縮小に向かう
国内ビジネスからの脱却を狙い海外企業のM&Aに活路を見出そうし
ています。一方まだM&A巧者といわれる日本企業は少ないようです。
投資の世界と同じでM&Aに求められるのは目利き力の有無のようで
す。目利き力を磨かなければ真のグローバル化は進みません。
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掉尾の一振よりも…

2016-12-27 08:25:34 | 日記
週明け26日の東京市場は高値と安値の差である値幅は47円弱、売買
代金も1兆6302億円と久しぶりの薄商いでした。値幅は2年3ヶ月ぶり売
買代金は2ヶ月ぶり低水準でした。先週から早めのクリスマス休暇に入
った海外投資家の不在で値幅、売買代金とも減少していましたが、クリ
スマス休暇本番で海外投資家抜きでは閑散なのも仕方ないようです。
26日も米国やドイツは休場ですから今日の相場も昨日の延長線上の展
開という見方が多いようです。

先週から東京市場の物色銘柄も微妙に変化しています。トランプ・ラリー
で上昇の目立ったメガバンクなどの金融銘柄や鉄鋼や非鉄それに自動
車、機械銘柄が下げる一方、食品や小売などトランプ・ラリーで見送られ
ていた銘柄が上昇するなどリバランスが鮮明になっています。トランプ・ラ
リーの変調を意味するものなのか、それとも年末を控え景気敏感銘柄に
偏った投資家がポートフォリオの微調整に動いているのか現時点ではど
ちらとも断言できません。

一つ言える事は市場参加者の関心は掉尾の一振が有るのか無いのか
よりも年明け相場の行方に集まっているようです。やはり多くの投資家は
大なり小なり大発会から大きく下落した今年の相場の記憶が鮮明です。
原油相場の動向とか中国景気の回復とか違う部分もあり新春相場に対
して過度な不安は禁物との見方もあるでしょう。

それでも日本株は円相場次第、海外景気次第、海外投資家次第という
側面があり何時囲碁のように白から黒に変わるかも知れず油断が出
来ないという投資家心理はなかなか払拭できません。しかも大統領選
挙後ほとんど休むことなく一本調子で1万9000円台まで駆け上がって
きましたからどこかで反動があるような漠然とした不安は残ります。

その不安を取り除くためには市場の期待以上の業績を上げることと収
益力強化にアクセルを踏み続ける日本企業の姿を示せるかです。日本
企業の収益力強化なくして持続的な株高は実現できません。為替や景
気など一企業として対応できることには限りはありますが経営者のなす
べき仕事は一層の収益力アップです。大幅な円安を伴なったトランプ・ラ
リーでこの1ヵ月半で東京市場は11月の安値から約3000円上昇しました。

円相場はその間101円から直近の117円台へと大幅な円安になりました。
株価も円相場も現状の水準から大幅な水準訂正は考えられません。年
明け以降は株価が上昇するにしても銘柄の選別は当然出てきます。トラ
ンプ・ラリーで踊った銘柄が実力通りだったのか問われる場面もありそう
です。
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イエレンからトランプへ

2016-12-26 07:48:03 | 日記
今年の取引も今週の5営業日を残すのみとなりました。今年は乱気流の
中で1年を過ごしました。英国のEU離脱を問う国民投票結果、米大統領
選挙結果は多くの予想が外れました。その結果を受けての株式市場は
混乱は一瞬でこれも多くの予想通りではありませんでした。

特にあれほど市場が敬遠していた筈のトランプ氏が当選したことが「災
い転じて福と為す」を地でいくような市場のしたたかさを感じるのは私だ
けではないと思います。多くの投資家が信じていたトランプ・ショックで市
場は大混乱になるということは絵空事で終わりました。あれは何だった
のでしょう。「手のひらを返すという」言葉がありますが金融市場の反応
は将にそんな表現がピッタリくるものでした。しかし結果がものを言う投
資の世界では結果オーライと考えるべきなのでしょう。

早くも株式市場の前哨戦ではトランプ氏の政策で市場が動き出しました。
大規模なインフラ投資や大幅な減税政策で国内景気に追い風が吹きそ
の恩恵を受けると見られる銘柄がトランプ・ラリーでは主役に躍り出まし
た。米鉄鋼最大手USスチールや鉄鉱石・石炭大手クリフズ・ナチュラル
・リソーシズなどが並ぶ。USチールの株価は16年に4倍あまり上昇、ク
リフズ株も5倍超の大幅高となりました。

ダウ銘柄では成長率の高まりで金利が上昇することや規制緩和で恩恵
を受けると見られるJPモルガンやゴールドマン・サックスなどの金融銘柄
も上記銘柄ほどの上昇率ではありませんが、ダウ採用30銘柄の中では
上昇率上位に名を連ねました。

新日鉄や三菱商事が人気を集めたのも米国株の写真相場といわれる日
本株では当たり前の出来事だったようです。大統領選挙の結果が判明す
る前は市場の目はFRBのイエレン議長の一挙手一投足に関心が集まっ
ていましたがトランプ氏当選後は彼の言動に過剰とも言えるほど市場が
反応するようになりました。トランプ・ラリーで日本株も大きく上昇しました
が、物色の中心は今年前半まで活躍した内需系銘柄ではなかったことは
留意しなければなりません。何かのキッカケでがらりと人気銘柄がチェン
ジすることは今後も起きるでしょう。

米国では新大統領誕生後100日間はハネムーン期間ということで表立っ
て批判的な報道は控えらます。年明け以降もしばらくはトランプ氏の発言
に大きく反応する市場の姿は続くのかもしれません。勿論海外投資家が
主導する東京市場も米国株と同じ流れの銘柄に人気が集まる可能性は
高いでしょう。
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