kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

黒子から主役へ食品銘柄

2015-03-31 07:54:51 | 日記
30日の東京市場は3営業日ぶりに125円上昇しました。取り敢えず27日の急落
ショックによる動揺は一旦落ち着いた格好です。もっとも人気銘柄の顔ぶれを
みると内需関連銘柄優位という姿が映し出さているようです。

年初からの日本株上昇の立役者は薬品、食品、電鉄、小売り、電機銘柄(特に
値嵩電子部品株)などです。これら業種のPERは市場平均(17倍程度)を大きく
上回る水準です。それだけ成長期待が高いという裏返しかもしれません。しかし
銘柄の中にはPERが30倍や40倍を超える銘柄もあり割高感と先高期待の綱引
き状態です。

薬品、食品、電鉄などの内需銘柄は一般的に比較的景気に左右されにくい業
態からディフェンシブ銘柄という位置づけで外部環境の悪化から市場全体が調
整局面の時に活躍する傾向でした。ただし薬品銘柄を除けば成長力は高くなく
PERも市場平均を下回ることが多かったようです。ディフェンシブ銘柄という黒子
に近い銘柄が堂々の主役に踊り出たのが年初からの特徴でした。

アベノミクスで大きく水準を切り上げた日本株でしたが金融緩和と円安の進行
で当初の主役は輸出関連銘柄や不動産、金融などでした。ところがアベノミク
ス3年目を迎えた年明け以降上昇の目立つ食品銘柄が多くなりました。カルビ
ーやグリコなど中堅企業から時価総額が1兆円を超えるようなサントリーBF、味
の素や明治HG、ヤクルトなど年初からの相場を引っ張ってきました。

息の長い食品銘柄の上昇の背景にあるのは海外売り上げが大幅に伸びている
企業もあり成長期待が株価上昇と結果としての高PERに結びついています。そ
の象徴がキッコーマンやヤクルトです。両銘柄とも今期も最高益更新が予想され
ています。また需給面での空売りが増えて信用取り組み妙味も上昇に弾みをつ
けています。

自動車や電機、精密企業も海外市場に開拓できたことがその後の成長に繋が
りました。食品銘柄も縮小する国内市場に依存したままでは成長は望めません。
やはり成長のカギを握るのは海外での売り上げを伸ばすことです。トヨタやキャノ
ンそれにブリヂストンなど企業規模でも収益力でも世界のトップ企業に成長でき
るような企業が出てくるかがポイントです。

世界を見渡せば売り上げや時価総額トップのネスレやダノンなど有力企業がひし
めいています。日本の食品業界時価総額トップのアサヒHGや2位の味の素でも
食品業界首位のネスレの時価総額の1割以下です。世界の企業と比べると自動
車や電機・精密業界に比べて食品企業は小粒な企業が多いことが浮かび上がり
ます。

そしてこの業界もご多分に漏れずM&Aで寡占化が進みつつあります。最近でも
米国で食品大手のクラフトとハインツの合併が報じられました。グローバル市場
で競争していくためには日本企業も規模の拡大は避けて通れません。今まで
無風状態に近かった食品業界にもM&Aがこれから活発になるかもしれません。
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アノマリー

2015-03-30 07:42:28 | 日記
2月、3月と2ヶ月二日新甫が続きました。二日新甫は荒れるというアノマリーは
今月も杞憂に終わると思われた矢先の26日の配当付最終日と27日の配当落ち
日は波乱の展開になりました。特に27日は配当落ち分を埋めて100円弱上昇し
てから急落するという具合でした。当日の値幅は500円を超えジェットコースター
のような展開で今後に不安を残す一日でした。

多くの市場関係者が2万円達成は時間の問題だと週の前半まで強気の見通し
を述べていました。週末2日間の大幅な下落も下げの要因は色々言われていま
すが後講釈に過ぎません。これまでNY市場の下げも多少の円高にもびくとも
しない東京市場の強さがありました。この数日で急激に環境が悪化した訳では
有りません。

週末の急落ですっかり市場関係者の強気トーンは聞かれなくなり6月までの見通
しでも2万円という数字は見当たらなくなり下値は逆に1万8000円とか中には1万
7000円前半という予想もありました。市場関係者の朝令暮改は今に始まった事で
はありませんが上昇局面ではこれでもかこれでもか株高要因を並べ立て市場が
急変したら手のひらを返すように総弱気に転じる何とも呆れ返る人達でしょう。

年初の見通しでも市場関係者は当初新年度入りの4月までは堅調米国の利上げ
が意識される年央の5月要注意だとのというものでした。もっとも投資家心理とし
ては5月には下がると予想されればその前に早めに利益確定売りに動くでしょう。
生き馬の目を抜くとの言われる株式市場で悠長に下げ局面まで何もしない投資
家はいないでしょう。

潮目の変わり目はある日突然やってくる事が図らずも今回も証明されました。
昨年の12月相場も高値追いを続けていた時には掉尾の一振で2年続けて大納
会が高値引けになるとの見方も出ていました。ところが相場は総選挙翌日8日
の18030円が高値になり結果的に掉尾の一振は期待外れになりました。

先週は経済番組である証券会社が2万円達成に備えてクスダマや大入り袋を
用意していると伝えていましたがやはりはしゃぎ過ぎのようなニュースが出た時
には注意すべきなのでしょう。調子の良い時ほど慎重になるべきだという戒め
が頭をかすめます。

時としてはアノマリーにすがりたくなるほど市場と名のつくものは気まぐれです。
ネットの普及で誰でも素早く最新の情報が得られるようになり一方通行に流れ
が傾き易くなっています。シストレなどトレンドフォローの取引は小さな不安が
増幅して時には売りが売りを呼び変動を大きくします。相場の流れに乗らないと
リターンも得られませんが一歩間違うと梯子を外されて大火傷を負う危険性もあ
ります。

今週も機関投資家の配当落ち分の再投資や出遅れた投資家の押し目買いと
新年度入りで利益確定売りを出す投資家もあり相場は上に下に大きく変動す
る場面も出てきそうです。
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株価乱高下は調整局面入りのサイン?

2015-03-28 08:29:18 | 日記
26日の大幅安(275円)を受けて注目された27日の東京市場は配当落ち分
(最新の推計で113円)をすべて埋め合わせて一時は119円高の19590円ま
で上昇する場面もありましたが午後1時過ぎには下げに転じ2時過ぎには
19099円まで下げました。引けにかけて下げ幅を縮めましたが戻りきれず
大引けは185円安の19285円で今週の取引を終えました。

現時点では東京市場の2万円達成はかなり先になりそうな状況に変わって
しまったようです。来週は2万円よりも19000円割れが心配されることになる
かもしれません。特に3月相場で主役だった電機や機械などの値嵩株は下
げたと言っても年初から比べると高い水準です。今後状況によっては利益
確定売りでもう一段下げる場面が無いとも言えません。

26日、27日と乱高下が激しくなった東京市場は一段の投資家心理の悪化も
予想されます。カギを握っているのは円相場が120円を中心としたレンジ相
場が続くのかどうか。日足チャートは昨年12月8日に121円84銭と3月10日の
122円のダブルトップを形成しています。何かのキッカケで一段と円高が進み
レンジが切り下がることも考えられます。

結果として輸出企業の採算が悪化して既定路線だった来期の13%~15%増益
といった前提が崩れればもう一段の株価調整もあり得ない話ではありません。
円相場が現在のレンジから切り下がった水準で1年前のように膠着状態が続く
可能性も捨てきれません。今回の上昇相場の立役者だった値嵩電機株などは
要注意かもしれません。

当面は値ごろ感からの押し目買いも入り下げ渋る場面も出てくるでしょうが過去
のケースでは一旦ピークを付けた銘柄の調整完了には最低でも1、2か月かかり
ます。短期勝負と割り切れば別ですが2月から3月にかけて上昇の目立った銘柄
の押し目買いには慎重になるべきかもしれません。上昇相場の踊り場の下げ程
度ならいいですが本格調整なら本当の買い場はかなり先になることも考えられま
す。

一方3月相場で出番の少なかった銘柄が人気化する可能性もあるでしょう。円
相場や中東情勢に左右されにくい内需株の一角が人気化する可能性もありま
す。大手ゼネコンの鹿島や大成建設の上昇はそのシグナルかもしれません。

予想以上に順調だった1~3月相場から4月以降はさらに上を目指すと考えがち
ですが1~3月の上値はぜいぜい18000円程度の予想が多かったために空売り
がたまり結果的に一部売り方の買い戻しもあり2万円手前まで上昇したとも考え
られます。それは現物だけでなく先物・オプションでも同様の事が考えられます。
4月以降は1~3月の正反対のケースも十分考えられます。

明日の更新はお休みします。
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潮目の変わり目かそれとも

2015-03-27 07:21:39 | 日記
今週前半の時点では年度内にも2万円達成へ強気見通しが現実味を持って
語られていました。NY安にも多少の円高基調をも乗り越える強さの目立った
東京市場でしたが、大台を目前にやや風向きが変わってきたようです。騰落
レシオが26日に108%まで低下しましたが過熱感の緩和よりも相場の勢いの
後退の方に不安が募ります。

まずは今日の配当権利落ちで(110円程度)を埋められるのかが試金石でしょ
うか。NY市場の方向感のない動きや為替相場など外部環境は当面日本株の
追い風にはなりにくくなってきました。微調整を経て再び2万円を目指す軌道に
戻れるのかそれとも本格調整の入口なのか重要なポイントに差し掛かったきた
ようです。

確かに需給面では年金買いや日銀のETFそれに下げればこの上昇相場で売り
越しを続けてきた個人の待機マネーがあり今のところ大幅な株価調整を予想す
る向きは少ないようです。もっとも先週の投資主体別売買動向によると海外投
資家の買い越しは先々週の半分以下の1334億円でした。年明け以降上昇局
面でも買い越しを続けていた信託銀行(年金等の売買動向を表す)売り越し額
は先々週の354億円から先週1346億円へと売り越し幅が拡大しました。生・損保
も銀行も投信も事業法人も先週はすべて売り越しでした。

株主配分の強化や大幅な賃上げでの国内消費の回復期待、インバウンド需要
と言った手持ち札をすべて晒して好材料を既にあらかた織り込んでしまったと
の指摘もあります。不思議なもので株価下落が目立つと弱気筋の見方がやけ
に説得力が持っているように感じられます。大手証券が2万円は通過点などと
囃している最中で国内法人は高いところではしっかり利益を確定していたという
のが先週の動きでした。

市場関係者の見方ではここまでの上昇ピッチの速さもあり一旦は市場の期待
通り日本企業の来期の業績が伸びるのかどうか見極めたいとの慎重な見方も
あります。強気筋の見立て通り来期の業績を考えれば現在の株価に割高感は
ないのかもしれませんが経済は生き物です。予想外の事が起きれば軌道修正
も必要です。この株価急上昇で割安感は既に消えていますから一層業績には
敏感になります。

これまでが順調な上昇だっただけに投資家心理もその延長線上で強気に
傾き易くなっています。多くの市場関係者の予想以上に早い上昇ピッチが
今後も続くほうが異常です。今後は調整局面入りも考えながら慎重な投資
スタンスも必要でしょう。囃しての証券会社の神輿に乗り続ければいずれ
痛いしっぺ返しもあるかもしれません。強気の見通しも今後は話半分に聞く
くらいが良さそうです。
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ソフトバンクの憂鬱

2015-03-26 07:40:14 | 日記
年度内2万円説も飛び出した東京市場ですが3月の上昇を牽引したのが値嵩
株です。時価総額1位のトヨタや株価2万円台のファナック、3万円台のオリエン
タルランドの超値嵩株からエーザイ、武田などの製薬大手、村田製作やTDK
京セラ、日東電工の電子部品大手銘柄、中堅食品ではヤクルトやカルビーな
ど業種に関係なく万遍なく多くの値嵩株が日経平均の上昇を支えました。

そうそう日経平均採用銘柄ではありませんがサントリーBFも今週5000円を超え
13年の上場時から時価総額を7割近く増加させました。そんな値嵩株主導の相
場で取り残された存在なのがソフトバンクです。14年1月には時価総額が10兆
円を超えトヨタに続いて日本企業では2位まで上り詰めました。

しかし現在はピークから16%ど時価総額を減少させ三菱UFJ、ドコモ、NTTに抜
かれ5位にまで後退しました。KDDIも含め同業の通信キャリア3社で唯一1年前
よりも時価総額を減少させました。子会社のヤフーが大幅な増配を発表して上昇
したことを比べても余りにも寂しい状況です。

躓きの元は巨額な資金をつぎ込んだスプリントの再建が期待通り進まないこと
です。当初は日本で負け組だったボーダフォン日本法人を買収して高収益企業
に成長させた孫社長への期待が大きかったのですが、同業のTモバイルとの統
合も規制当局の抵抗で白紙になりベライゾンやAT&Tの上位2社の牙城を崩す
どころか4位のTモバイルの猛追を受け劣勢に立たされているとの言うのが現状
です。

また巨額の借り入れがあるソフトバンクには大幅な増配も自社株買いも見込め
ず株主還元という現在のテーマにも乗り切れません。海外に打って出て一層の
利益成長を目指すという期待が萎んでしまったことが人気離散の背景です。再
び成長力を取り戻せるかどうかが株の反発の条件です。やはりソフトバンクの
株価復調のカギはやはりスプリントの業績を軌道に乗せることです。

当たり前の話ですがソフトバンク株の低迷はいくら相場環境が良くても上昇トレ
ンドに乗れない銘柄もあるということです。それが一時わが世の春を謳歌した
企業でもです。高値からある程度下げると多くの個人投資家は逆張りで買い向
かいます。結果的には報われるケースもあるでしょう。しかし株価が数倍にも
なった銘柄は得てしてその後の戻りは限定的です。大幅な戻りを期待して買っ
てもなかなか満足の得られる結果にはほど遠い場合が多いようです。

株式市場に精通していない多くの人たちは日経平均が大きく上昇というニュー
スを目にすればほとんどの投資家が儲かっていると錯覚しているでしょうが多く
の個人投資家レベルでの資金量では保有できる銘柄にも限りがあり流れに乗
れない銘柄が多ければ投資収益がマイナスということも多いのも事実です。ソ
フトバンク株の低迷は経営者孫正義ファンの憂鬱でもあります。
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