kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

適応できているか否か

2020-11-28 05:53:55 | 日記
なんという相場でしょう。3営業日で1000円も上昇したことや米国市場
が26日は休場(Thanksgiving Day)で材料難から週末で調整売りもある
のかなと思っていました。前日の終値(2万6537円)を挟んで200円のレ
ンジで方向感の乏しい展開でしたが、終わってみれば107円高でした。改
めて強い相場だと認めない訳にはいきません。

自動車セクターは小幅に下げる銘柄が目立ちました。一方相変わらず半
導体関連や電子部品株の一角、自動化関連や一部の薬品銘柄はこれまで
大きく上昇していたにも拘わらず、今日も上昇する銘柄が目立ちました。
また不動産銘柄や個別に材料が出た銘柄(東京ドームや東亜合成)も物
色されるなど一時よりも裾野の広がりはあるようです。

日本電産や東京エレク、信越化学、オムロン、村田製作など今週10年来
高値を更新した銘柄は値がさ株ばかりです。しかも日本電産やオムロン
はPERが両社とも70倍台という高さです。

小型株や新興市場銘柄ならともかく時価総額がそれぞれ8兆円や2兆円近
い銘柄でしかも製造業でこれ程バリエーションが高い水準まで上昇する
こと自体が驚きです。両銘柄とも上場以来これ程高いバリエーションで
評価されたことがあったでしょうか。

両銘柄以外でも今週は目立った動きのなかったダイキンやダイフクも株
価はそれぞれ1万円や2万円を超えていてPERは両銘柄とも50倍という高
水準です。アベノミクス相場でも時価総額の大きな銘柄でこれだけ数多
くの銘柄がこんな高いバリエーションで評価されたことがあったでしょ
うか。

おそらくこれらの銘柄には継続して中長期の海外資金が流れ込んでいる
のではないでしょうか。数年先までの業績を織り込まないと説明がつか
ない株価です。これだけ順張りで上値を買いに行く投資家は海外のリア
ルマネーしか考えられません。結局割安よりも割高な銘柄の方に人気が
あるということは足元の業績よりも中長期的に利益成長が可能な銘柄を
選別して買ってきているようです

日本電産はHDD用の精密モーターから家電など一般産業用そしてEV用と
モーターというジャンルは変わらないけれど次々に市場成長が期待でき
る分野にシフトしてきました。EV分野ではモーター単体だけでなくモー
ターとギア、インバーターを組み合わせた付加価値の高い駆動モジュール
に経営資源をつぎ込んでいます。

日本電産の経営は進化の歴史と一緒で強いものが生き残るのではなく環
境に適応したものが生き残るということを実践している企業です。日本
電産は環境関連という時流に乗ったことで高値目途も見当がつかなくな
りました。

27日の米国市場ではNYダウは小幅反発しましたが3万ドルには届きません
でした。しかしハイテク銘柄中心のナスダック市場は高値を更新しました。
再びバリュー株よりもハイテク銘柄中心になるのでしょうか。そうなると
東京市場も半導体な銘柄などが物色された今週の流れが来週も続きそうです。

次回の更新は12月1日を予定しています。
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アップル関連も・・・

2020-11-27 05:36:38 | 日記
この相場どこまで上昇するのでしょうか。2万5000円台でSQを通過した
ことから一旦は上げ一服になるかと思われましたが、ワクチン開発進展
で米国株が急騰すると日本株も再び急騰しました。2万6000円台に乗せる
と流石に上昇ピッチの速さもあり先週は3日続落しましたが、今週はNY
ダウの3万ドル乗せでもあり2万6500円を越えてきました。

しかし日経平均の急騰ほど個人投資家の多くは恩恵を受けていないので
しょうか11月相場入りで日経平均は先週一時3000円も上昇する場面があ
りました。しかし信用買い残高は6日時点では1322億円減少しましたが
13日時点では2770万円の増加、20日時点では僅か5790万円の減少でした。
逆張りの投資家である多くの個人投資家は日経平均が下がれば信用買い
を膨らませ、逆に上がれば利益確定に動きます。

しかし過去2週間日経平均が2回も大台を代えたのにほぼ買い残高は減少
していませんでした。ここから推測するのは買い残高に多くは新興市場
や余り戻りの大きくない主力銘柄に偏っているのではないかということ
です。信用で買いついた銘柄は日経平均が上がっているのとは裏腹にほ
とんど上がっていない。

信用損益率も先週は先々週よりも悪化(12.4%から12.85%)に悪化して
います。勿論利益が出ている銘柄は確定売りすることから悪化するとい
う見方もありますが、信用買いで建てている銘柄の値上がり指数の上昇
ほどではないことが伺い知れます。新高値を付けている銘柄は信用の利
益確定売りで建玉自体が少なくなっていますから急騰しても評価益は増
えません。

一昔前にアップル関連銘柄と言われてiPhoneの売れ行きやアップル株の
上昇で連動することが多かった大手電子部品メーカーも今月大きく上昇
して10年来高値を更新した銘柄は村田製作所TDK、太陽誘電、それに最
近ではEV関連の本命となった日本電産です。

一方京セラは3月安値からは15%程度しか上昇していません。2017年の
上場来高値(8345円)アルプスアルパインも同様で2015年の上場来高値
(4205円)の三分の一です。同じ電子部品メーカーでも方や10年来高値
を更新する銘柄がある一方長期的にも株価が冴えない銘柄もあるという
事実です。

京セラは複写機事業が大手のキャノンやリコーと同様にコロナ禍の影響
で不振が続いています。これがコロナ禍での一過性のことならコロナ終
息での回復期待も持てますが、既にコロナ以前からペーパーレスの流れ
は続いておりDXの推進を国が進めることもありコロナ前には戻らず需要
の減少は長期トレンドになるかもしれません。

アルプスアルパインはカーナビなど自動車関連の不振だけでなく手掛け
ている電子部品での競争力が低下しているのでしょうか。村田やTDKが
上方修正しているにも拘らず中間決算では赤字です。両者とも需要が伸
びる5G関連ということもあり巻き返しも期待されますが、少なくとも足
元の株高の流れには乗れませんでした。
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「倍返し」いや3倍返しだ

2020-11-26 05:59:35 | 日記
いくら何でも飛ばし過ぎでしょう。そんな投資家の心理も影響したので
しょう。25日の東京市場はNYダウが3万ドル台に乗せたことを支援材料
に前日の大幅高に続いて午前の取引では2万6706円まで上昇する場面も
ありました。

しかし僅か2営業日で1200円近い上昇は流石に上げ過ぎでしょう。現状
では先高期待はまだ強いものの既に先週までで月間上昇幅はバブル期並
みです。テクニカル的にも短期的には相当過熱感が出ていましたから踊
り場も欲しいところです。

もっとも需給面ではドコモのTOB資金が他の銘柄への再投資に回る資金
が7000億円あるということです。加えて9月中間決算の配当金の再投資
分など待機資金もあります。それに加え海外投資家が年初からの売り越
し5兆円余りのうち日本株を再び買い戻す分も考えると下値では待機資
金が豊富にあると言われています。

すべてが市場関係者の思惑通りに直ぐに日本株を買う訳ではないでしょ
う。しかし11月以降の上昇が余りにも急激だったために高値警戒感もあ
り買い遅れた投資家は意外に多いのかもしれません。現実には最近の相
場は押し目買い待ちに押し目無しという強い相場になっています。一昔
前だったら「カネ余り相場」と言われていました。

来月11日のメジャーSQくらいまでは少し下げたと思ったら直ぐに大き
く反発するようなこの勢いは続きそうです。余程のことがない限り年内
に大きく調整する場面はないのかもしれません。

足元では日本を含めて世界中で新型コロナが再拡大して再び都市封鎖や
レストランでの店内飲食禁止や営業時間の短縮が再び行われています。
景気回復に赤信号がともり株価が急落しても不思議ではありません。や
はりワクチンの早期実用化で経済活動が正常化するという期待が足元の
再拡大を凌駕しているようです。

このところの上昇幅は大きいのですが、急騰が始まってまだ3週間です。
上昇が1ヶ月を超えるケースは普通の状況です。テクニカル的な過熱感
はそれだけ相場に勢いがあるという証拠です。現在の相場は高所恐怖症
で高値掴みが怖くて買出動できない投資家の心理をついているようです。

11日に終値ベースで2万5000円に乗せた時には上値はあまり高くないと
思い、先週17日に2万6000円を超えた時にはかつて大台超えると急落す
るケースが多かったことから今回も同様のケースかと思い静観するだけ
でした。3営業日で500円ほど下落した日経平均は僅か2営業日で「倍返
し」を実現しました。ひょっとしたら3倍返しもあるのでしょうか。
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音楽が鳴り続けている間は…

2020-11-25 05:44:49 | 日記
株式市場はここまで11月相場の流れでは大統領選挙結果に対する不
透明感の解消に加えコロナワクチンが期待以上の治験結果が出たこ
とを好感して二段ロケットのように一気に高値圏に突入しました。
NYダウやSP500種はナスダック市場高に出遅れていましたが相次い
で年初来高値を更新しました。

NYダウは心理的な節目の3万ドル手前の水準です。日経平均もまさ
かの2万6000円台に一時乗せました。特に東京市場の急騰は中国景
気のV字回復による自動車をはじめとした製造業の復調が大きかっ
たようです。

好材料が次々に飛び出し急騰した日経平均とNYダウでした。足元で
は感染者数の急拡大が再び経済活動の重しになり今週は両市場とも
今月急騰しただけに2万6000円手前でもみ合いになるかと思っていま
したが週明け24日の東京市場は再び大きく上昇して高値を更新しま
した。

ワクチン実用化が迫っていることと足元での感染拡大による経済への
悪影響との綱引きはワクチン実用化による経済正常化が勝ったようで
す。高値警戒感はあっても音楽が鳴っている間は踊り続けなければな
らないということのようです。

個別銘柄に目を向けると巣籠りやDX関連といったコロナ禍で脚光を浴
びた銘柄にも陰りが出ています。マザーズ市場は既に調整局面に突入し
ています。これまで市場をリードしてきた時価総額上位銘柄のメルカリ
フリー、弁護士ドットコム、BASEなどの銘柄は足元では調整入りして
いることは明らかです。

今まで出遅れていた銘柄やIPOが再開したことで直近の公開銘柄に人気
化する銘柄はあっても1ヶ月前までの高揚感はありません。1部市場でも
3月安値から2倍程度になった銘柄である日本電産やキーエンス、ダイフ
ク、オムロンなどはEVや自動化関連と言った時流に乗った銘柄は既に大
きなプレミアムが付いたことでPERは軒並み50倍を大きく超えています。
既に製造業としてはかなり高い水準です。

やはり独自のビシネスモデルで躍進しているエムスリーは例外中の例外
なのかもしれません。テスラなどの銘柄と同様な評価なのでしょう。最
近一気に見直しが進んでいるバリュー株も含め今後は環境の変化にも強
くむしろ変化を味方につけられるような銘柄が最終的には生き残れそう
です。単に割安だけで多くの景気敏感株が今月反発しましたが、単に割
安感だけでは上値は高くはないでしょう。

景気循環で買われる景気敏感株も時代の変化で市場が傾向的に縮小に向
かっている銘柄の将来は明るくはありません。景気が本格的に回復して
も売り上げは元には戻りません。指数の水準が訂正された今、これまで
よりも一層銘柄選択の良し悪しが投資結果を左右しそうです。

化学銘柄では24日10年来高値を更新した信越化学が明とすれば化学銘柄
で売り上げトップの三菱ケミカルHGは3月安値から1割程度の上昇に
止まっています。家電業界ではソニーとパナソニックの株価には大きく
差が出ています。手掛けている事業や利益率、競争力などで同業の中でも
格差は広がる一方です。

それにしてもリスクオン相場が続いています。米国では遅れていた政権
移行が動き出すとかイエレン前議長が次期財務長官候補として有力にな
ったという材料で日本株は上昇しましたが、驚いたのがその上昇幅の大
きさです。この株高に関しては慎重派も少なくありませんが、現状では
白旗を上げざる得ません。音楽が鳴り続けている間は踊り続けることが
勝ち組になる方法のようです。
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日立金属TOB

2020-11-21 08:08:19 | 日記
日立は上場子会社日立金の売却に向けて入札手続きに入ったと20日に報
じたのを受けて同株は10%近く上昇しました。TOB期待で10月中旬まで
1600円で推移していましたが、日立が上場子会社の日立建機の持ち株の
一部を売却する検討に入ったというニュースを受け日立金属株にも同様
の連想が働き急落しました。

その後も今期業績で過去最大の赤字になるといったニュースもあり直近
の株価は低迷していただけに上昇幅も大きくなりました。もっとも同株
に対してはこれまでも同様のTOB期待で上昇していただけにサプライズ
はありません。今後は興味を示している投資ファンドがどのくらいの価
格を提示するかです。

昨年TOBに進んだ日立化成はファンドに加え事業会社も興味を示したこ
とから価格が吊り上がりました。また今後も成長期待の高い半導体分野
やEV市場の成長で恩恵を受けるリチウム電池の部材を手掛けていること
も人気が出た理由です。

しかし日立金属に興味を示す国内の事業会社は見当たらないようです。
ファンド勢だけになることも予想されます。ファンドは買収した企業の
収益を立て直しいずれ市場で投資を回収します。事業会社なら既存事業
との相乗効果もありある程度高値入札も期待できるでしょう。

しかしファンド勢はそろばんをはじき入札価格をシビアに決めます。日
立金属が手掛けている分野で高級工具鋼や磁性材料で世界トップクラス
のシェアを持つものもありますが買収した米国子会社の自動車用鋳物事
業などで業績が近年不振の分野もあります。

EVモーターで欠かせない磁性材料でも近年ライバルの信越化学に競争力
で劣勢に立たされていると言われています。もともとグローバルニッチ
市場で高い収益を誇ってきただけに事業領域は多岐にわたっています。
その競争力にも陰りが出てきたことが前期決算でも大きな赤字を出した
要因です。コロナ以前から既に収益力は大きく低下していたようです。

以上のことを考えてもファンド勢が提示する価格は予想ではそんなに高
いものは出てこないのではないかという推測もできます。高値TOB期待
というムードだけでどこまで上値を買い進めるのかもう一度投資家は熟
慮が必要です。

次回の更新は25日を予定しています。
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