決算シーズンは終了しました。決算前のアナリストの取材が制限
されるようになった影響でしょうか。決算発表時までアナリスト
予想を基にした業績予想が以前より株価に織り込まれなくなり決
算発表時に株価が大きく動くケースがこれまで以上に目立ったよ
うに感じます。
資生堂の1~3月期の決算は確かに素晴らしい内容でした。しかし
12月決算の資生堂にとってまだ四分の一が終ったに過ぎません。
このペースで1年間業績絶好調が続くという保証はありません。
一般消費財の化粧品メーカーとして今後広告宣伝費が増えるかも
しれません。
昨年10月には2019年と2020年に相次いで国内で新工場建設を発
表いました。今後新工場稼働に向かって減価償却費も人件費も増
加します。売り上げが現在のように伸びればカバーできるでしょ
うが、少しでも減速すれば固定費が重くなります。
行間を読むことがないコンピュータによる売買は単語のひとつで
大きく反応します。コンピュータの世界では0と1の組み合わせだ
けですから黒か白どちらかしか答えは出ません。勝ち組に乗ろう
と提灯もつきより一層反応は極端になります。
上下いずれでも株価の変動が大きくなればシステムトレードの
出番は多くなり機械対機械の空中戦だけが目立つようになります。
とても人力での作業ではこの激しい変動を伴う相場で勝つことは
初めから不可能です。
為替相場や海外景気の要因など見通しの難しい外需銘柄に比べて
比較的内需銘柄の業績見通しは分かり易いと思いがちですが今年
の決算シーズンでは必ずしもそうとばかりは言えないようです。
日本にはハンバーガーチェーンやラーメン店、牛丼店、ファミレ
ス居酒屋、うどん店など様々な外食チェーンが存在します。消費
者にとっては選択肢が多く喜ばしいことですが、外食産業にとっ
ては業種間、企業間の競争は激しく勝ち組と持てはやされたチェ
ーン店でもあっという間に負け組に転落というケースが増えてい
るようです。
「丸亀製麺」といううどん店を主力にとんかつ店なども展開して
いるトリドールはここ数年積極的な海外進出も話題を呼び株式市
場では外食産業の中で勝ち組という位置付けでした。ところが決
算発表翌日の16日の株価は10%と大きく下落しました。
4月には低価格のイタリアンレストランをチェーン展開するサイ
ゼリアが中間決算で二桁減益が伝わると大きく下落しました。株
価は1か月経過した現在も底値圏から抜け出せません。また低価
格の焼き鳥チェーンを展開している鳥貴族は10月の値上げで客足
が遠のき11月には一時持ち直す月もありましたが、回復は続かな
かったようです。
サイゼリアもトリドールも鳥貴族もデフレ経済下で同業他社より
も低価格でありながら一定の品質が評価されて業績を伸ばしまし
たが勝ち組でいられる時期は永くなかったようです。外食産業に
ように参入障壁が低い産業はあっという間にモノマネ業者が現れ
競争優位が失われることも多いようです。チェーン展開している
外食産業はなかなかブランドによる差別化が難しく一度価格競争
が激化すると急速に存在感が低下します。
外食産業の現在の勝ち組は株価が今月相次いで年初来高値を更新
した回転ずしチェーンでしょうか。業態としては客単価も高く地
場のチェーン店は地方では存在しますが、全国展開している大手
は4社だけです。個人経営のすし店が減少する中でファミリー層
の支持が業績好調の要因でしょうか。もっとも国内市場に限定さ
れる状況だったらいずれ成長の壁にぶつかりそうです。どこまで
上昇について行っていいのか判断が難しくなる場面も出てきそう
です。
明日は所用のため更新はお休みします。
次回の更新は21日になります。
されるようになった影響でしょうか。決算発表時までアナリスト
予想を基にした業績予想が以前より株価に織り込まれなくなり決
算発表時に株価が大きく動くケースがこれまで以上に目立ったよ
うに感じます。
資生堂の1~3月期の決算は確かに素晴らしい内容でした。しかし
12月決算の資生堂にとってまだ四分の一が終ったに過ぎません。
このペースで1年間業績絶好調が続くという保証はありません。
一般消費財の化粧品メーカーとして今後広告宣伝費が増えるかも
しれません。
昨年10月には2019年と2020年に相次いで国内で新工場建設を発
表いました。今後新工場稼働に向かって減価償却費も人件費も増
加します。売り上げが現在のように伸びればカバーできるでしょ
うが、少しでも減速すれば固定費が重くなります。
行間を読むことがないコンピュータによる売買は単語のひとつで
大きく反応します。コンピュータの世界では0と1の組み合わせだ
けですから黒か白どちらかしか答えは出ません。勝ち組に乗ろう
と提灯もつきより一層反応は極端になります。
上下いずれでも株価の変動が大きくなればシステムトレードの
出番は多くなり機械対機械の空中戦だけが目立つようになります。
とても人力での作業ではこの激しい変動を伴う相場で勝つことは
初めから不可能です。
為替相場や海外景気の要因など見通しの難しい外需銘柄に比べて
比較的内需銘柄の業績見通しは分かり易いと思いがちですが今年
の決算シーズンでは必ずしもそうとばかりは言えないようです。
日本にはハンバーガーチェーンやラーメン店、牛丼店、ファミレ
ス居酒屋、うどん店など様々な外食チェーンが存在します。消費
者にとっては選択肢が多く喜ばしいことですが、外食産業にとっ
ては業種間、企業間の競争は激しく勝ち組と持てはやされたチェ
ーン店でもあっという間に負け組に転落というケースが増えてい
るようです。
「丸亀製麺」といううどん店を主力にとんかつ店なども展開して
いるトリドールはここ数年積極的な海外進出も話題を呼び株式市
場では外食産業の中で勝ち組という位置付けでした。ところが決
算発表翌日の16日の株価は10%と大きく下落しました。
4月には低価格のイタリアンレストランをチェーン展開するサイ
ゼリアが中間決算で二桁減益が伝わると大きく下落しました。株
価は1か月経過した現在も底値圏から抜け出せません。また低価
格の焼き鳥チェーンを展開している鳥貴族は10月の値上げで客足
が遠のき11月には一時持ち直す月もありましたが、回復は続かな
かったようです。
サイゼリアもトリドールも鳥貴族もデフレ経済下で同業他社より
も低価格でありながら一定の品質が評価されて業績を伸ばしまし
たが勝ち組でいられる時期は永くなかったようです。外食産業に
ように参入障壁が低い産業はあっという間にモノマネ業者が現れ
競争優位が失われることも多いようです。チェーン展開している
外食産業はなかなかブランドによる差別化が難しく一度価格競争
が激化すると急速に存在感が低下します。
外食産業の現在の勝ち組は株価が今月相次いで年初来高値を更新
した回転ずしチェーンでしょうか。業態としては客単価も高く地
場のチェーン店は地方では存在しますが、全国展開している大手
は4社だけです。個人経営のすし店が減少する中でファミリー層
の支持が業績好調の要因でしょうか。もっとも国内市場に限定さ
れる状況だったらいずれ成長の壁にぶつかりそうです。どこまで
上昇について行っていいのか判断が難しくなる場面も出てきそう
です。
明日は所用のため更新はお休みします。
次回の更新は21日になります。