kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

変革を急げ

2019-07-31 06:22:05 | 日記
やっと関東地方も29日梅雨明けを迎えました。平年よりも8日、昨年
よりも30日遅い梅雨明けだそうです。記憶を辿れば昨年ほとんど梅
雨はありませんでした。7月早々から猛暑日が連日続いていました。
去年と今年を足して2で割れば平年と同じになるのでしょうか。とも
かく天気はここ数年極端に偏った傾向が強まっているようです。

フランスが史上最高の45.9度を記録するなど欧州各国ともこの夏は
異常な高温になっています。いつもならパリは最高気温が25度程度
のようですからやはり異常気象なのでしょう。原因が地球温暖化と
いうのは少なからずあるようです。

発電分野では火力から風力や太陽光に自動車はガソリンやディーゼル
からEVへのシフトで自然環境の優しい流れは一段と加速するかもしれ
ません。企業によっては競争環境が一変し業界環境があっという間に
変わってしまうことも出てくるでしょう。投資の面では過去の延長線
上で判断してはいけない場合も増えそうです。

米中通商摩擦の影響で中国経済が減速しアジアなどに波及するという
当初の懸念は現実になってきたようです。日本の製造業の4~6月期
決算はこれまで発表した企業の3社に2社が減益という結果です。こ
の傾向は今後決算を発表する企業にも共通しているようです。

東京市場は製造業の占める割合が高く世界の景気動向を映す鏡の役割
を担っています。経済のソフト化が進みサービス業中心の米国経済は
尚も好調を維持しているようですが、今後の世界経済の成り行き次第
では米国経済も足を引っ張られるかもしれません。

もっとも29日売り込まれた機械や半導体関連銘柄は反発しました。東
京エレクトロンは年初来高値を付けました。予想を下回る決算発表で
失望売りが出ましたが、僅か一日で戻したことになります。少なくと
も半導体関連銘柄は業績の底入れを買う局面で押し目買いになってき
たのかもしれません。

FRBが年初の利上げ路線堅持から一転利下げへ路線変更したのは世界
経済が変調きざしてきたからです。米国は利下げで景況感の改善が見
込まれますが、日本はほぼ追加緩和の余地がなく円高懸念や季節要因
も重なり景況感の悪化が一段と進むかもしれません。

今年ここまで日米の株式市場の明暗が大きく分かれたのはこんな背景
があったからです。やはり日本株の復調は中国をはじめ世界の景気回
復が必要条件です。またここ数年世界的な景気好調と円安などから利
益を伸ばしてきた日本企業も正念場です。追い風の間は表面化しなか
った個別企業の問題点が環境の悪化とともに露になりました。

労働人口が減少する日本では労働集約的で低付加価値の事業は将来が
見通せません。より付加価値の高い事業にシフトしなければ企業の存
続さえ危ぶまれます。ジャンプするためには一度かがまなければなり
ません。どれだけエネルギーを貯められるのかジャンプの高さが違っ
てきます。多くの日本企業に欠けている「大胆にそしてスピーディに」
どれだけ会社を変えられるかが勝負になります。

人生百年時代を向かえ資産運用に関心が高まってきました。しかし
企業業績が継続的に増えなければ株価の持続的な上昇期待できません。
アベノミクス相場スタートから6年ほどこの期間に利益を確実に伸ばし
た企業は果たしてどのくらいあったのでしょうか。円安に世界景気の
好調、インバウンド需要の高まりなど追い風が企業には吹きました。
しかし業績が低迷している企業がなんと多いことか。このままでは
日本の投資資金は成長期待が続く海外に逃げるばかりです。
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東京市場の泣き所

2019-07-30 05:52:02 | 日記
決算発表を受けて注目されたキーエンス株に対して市場はネガティ
ブな反応だったようです。売上高営業利益率が5割を超える日本企
業屈指の高収益企業で先週末での時価総額は7兆9000億円で5位の
キーエンスでもやはり米中通商摩擦で世界中の売り上げが減少する
などのハードルは越えられなかったようです。

先週賑わった半導体関連銘柄でも今期増益を予想する企業はおそら
くほんの一握りです。現状は受注の底入れから回復の兆しが出てき
たという程度の景況感です。株価はこの時期特有の短期勝負で急騰
した銘柄も出ていましたが、買い上がった主体は短期資金が主体で
しょう。機械株や半導体関連株の回復は現時点では期待先行かもし
れません。本格回復に向かうかどうかまだ市場は確信が持てません。

おそらく今後決算発表が進んでも相場をリードする業種や銘柄は出
てこない可能性が濃厚です。決算シーズンはいつものように日替わ
りに好材料が出た銘柄は急騰し悪材料が表面化した銘柄は容赦なく
売り込まれる相場が続きそうです。

米国市場のように貿易摩擦を受けにくい大型テック企業だけでなく
コカ・コーラのように世界中で強いブランド力を持った大型消費財
メーカーがあるのに対して日本市場にはそこまで世界的なブランド
を持った企業は見当たりません。

29日の下げの理由を円高という解説がありましたが、108円台前半
なら107円台前半まで円高だった中旬に比べれば嫌気する程の円高
ではありません。円高というのは後講釈なのではないでしょうか。
値幅が大きく一見相場環境は好転しているようにみえますが、売買
代金が一向に膨らまないところから動いているのはごく一部の短期
筋だけのようです。

長期投資家の目線は決算発表が一巡して下期回復の可能性などよく
吟味してから新規の投資は考えましょう。というところでしょう。
現状日本株は5G需要など確実に今後市場が広がる関連銘柄の投資
チャンスを探るところでしょう。

今年下期に関しては中国経済の本格回復は期待できず素材株などの
景気敏感株の上値は重い状態が続きそうです。日本のお家芸である
自動車銘柄もトヨタは別格としても他のメーカーの業績も株価も厳
しそうです。世界の景気敏感株の日本株は世界経済の回復待ちです。
大型テック銘柄という頼もしい企業が存在しで国内景気も好調を持
続していることで安心感のある米国株に比べて中国をはじめアジア
経済の低迷の影響を受けやすく消費税引き上げを控えて国内景気に
不安のある日本株の本格回復はまだ先の話になりそうです。
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苦戦する企業業績

2019-07-29 06:06:14 | 日記
先週から日本企業の決算発表が本格化しました。半導体関連銘柄の
中にはウエハー値上げが浸透して通期業績が3期連続過去最高を更
新する見通しを発表した信越化学や通期減益見通しの予想は変更し
ませんでしたが5G関連やAI関連の受注を伸ばしたことが評価され両
銘柄とも高値を更新しました。

一方これまで海外市場の好調や業績の安定している食品業界での評
価が高かった日清製粉Gは米国市場での競争激化から予想外の業績
不振から失望売りが殺到し終値ベースでも株価は10%弱下落しまし
た。相変わらずこのシーズンは短期筋による売買で株価変動が大き
くなる傾向は続いているようです。

さて来週は決算発表がピークを迎えます。米中通商摩擦の影響はや
はり無視できず多くの製造業で予想以上の減益幅になっています。
日本のお家芸である設備投資関連や自動車関連業界の業況は4~6月
期では多くの企業が二桁減益です。インド市場で独り勝ちだったス
ズキもインド市場の三重苦で4~6月期はかなり厳しい状況のようで
す。

また日本企業の中で断トツの収益力で海外投資家の間でも人気の高
かったキーエンスが26日発表した決算は4~6月期としては9年ぶり
の減益になりました。米中通商摩擦の影響もあり北中南米、欧州
アジア市場とも減益に転じています。

GW明けから加速した米中貿易摩擦の影響が世界規模に広がっている
様子が見て取れます。週明けのキーエンスに対する市場の反応はど
うなるのでしょうか。キーエンスに売りが殺到するようなら他の設
備投資関連銘柄にも嫌気売りが増えそうです。

決算発表が進むに従い好材料に反応し辛く、悪材料のみ株価がネガ
ティブな反応を示すことには注意が必要です。決算序盤では僅かな
好材料でも株価が大きく上昇するケースがあります。今回のように
米中通商摩擦が不安材料視している場合は尚更です。

先週、アドバンテストや富士通が大きく上昇したのは4~6月期の業
績は内容よりも先々の受注が好調や主力ビジネスの伸びを好感しま
した。しかし株価が急騰する程の素晴らしい内容だったのでしょう
か。決算発表時特有の短期筋の動きが振幅を大きくしている可能性
もありそうです。

買いは決算を先取りするように同業にも広がることから予想の内容が
範囲内なら既に株価が上昇しているケースなら売りで反応する可能性
もあります。次第に市場はポジティブサプライズよりもネガティブサ
プライズが増えることも予想されます。先回り買いが起こらず株価が
好材料を織り込んでいない初期よりも先に行けば行くほどハードルは
高くなります。

有望なテック銘柄を抱える米国市場に比べて出遅れているという見方
がある日本市場ですが、製造業が多い日本市場は業績の落ち込みが米
国株に比べて大きいように感じます。出遅れているのには理由があり
日本株の場合、世界景気の回復が確信できない状況では本格回復はま
だ先のことになりそうです。
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U字かL字か

2019-07-26 06:23:04 | 日記
永守会長の「中国の状況が良くなっている訳ではない」という発
言は中国経済がV字回復ではなくU字或いはL字に近い状況を示し
ているようです。それでも日本電産が通期業績を据え置いたのは
固定費削減などの対策で通期業績の増益を達成できるという自信
からでしょうか。

素早い対策が打てるのは創業者が経営している企業だからでしょ
うか。決算を受けた日本電産の株価は4.5%と大幅な上昇でした。
決算発表で通期業績を下方修正するのではないかという懸念から
株価は7月1日高値から下落基調だっただけに市場に安心感が広
がったかもしれません。しかし永守会長の発言から据え置きも努
力目標が込められている可能性も残っています。

日本電産はHDD用の精密モーターが主力事業だった時代から汎用
モータ部門を強化してきました。それだけに特定の業種に左右さ
れにく業績になれた半面、世界景気の行方に業績が左右され易い
体質になりました。特に中国の新興EVメーカーに駆動用モーター
を売り込みを強化しています。

中国市場ではEV市場の成長が期待通りに進むのか大手各社もEVに
かなり経営資源を振り向けているだけに新興メーカーとの競争激
化も予想されます。自動車市場も足元では低迷しています。日本
電産の期待通りEV用モーターが稼ぎ頭に成長できるかどうか注視
する必要がありそうです。

中国企業の経済対策の恩恵を受けるインフラ関連の建機は好調で
す。しかし自動車などの消費関連企業の不振は深刻なようです。
今のところ市場が期待した景気対策の恩恵を受けているのは一部
の業種だけのようです。

中国経済規模が大きくなり以前と同額の経済対策を打ち出しても
浮揚効果は少なくなっています。内需主導の経済成長が中国の今
後の取るべき道なのですが理想とはまだ乖離が大きいようです。

米中通商協議の交渉が当初の早期決着から後退して長引くにつれ
中国に進出している企業もそろりと脱中国に舵を切りつつあるよ
うです。中国の工場が第3国に移転すれば中国経済の回復は一層
先送りになります。中国景気がv字回復はもはや期待できないよう
です。U字かL字の回復になる可能性も捨てきれません。

米中貿易戦争の影響もあり中国経済の長期的な減速傾向が前倒し
で進む可能性もあります。中国に限らず日本やメキシコ、ドイツ
などは貿易黒字国は米国の消費に依存して成長してきました。
米国は貿易赤字を一手に引き受ける形でこれらの国の成長を手助
けしてきましたが、トランプ政権になり一気にこの構造に見直し
が進むことになりました。

各国は輸出主導の経済成長から外需と内需の両輪での経済成長に
方向転換しなければなりません。軍事力の経済力もある米国依存
の構図は崩れつつあります。有志連合によるホルムズ海峡護衛も
シェール革命で中東に依存しなくとも原油を賄えるようになった
米国の事情もあります。トランプ大統領の方針は米国が世界の警
察の立場を降りようとしています。

27、28の更新はお休みします。
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決断

2019-07-25 05:55:32 | 日記
少し風向きが変わってきたのでしょうか。週初も売買代金は2兆円
に大きく届かず市場のエネルギーは低迷したままですが、世界的な
半導体企業の復調から東京市場でも半導体材料の信越化学やSMUCO
製造装置の東京エレクやスクリーンの上昇が顕著です。

また中国スマホ大手のファーウェイへの制裁緩和観測が浮上し電子
部品大手の村田製作やTDKも反発しています。半導体関連や電子部
品銘柄は日本企業の競争力も高く製造業の中では世界の企業と互角
に勝負できる数少ないグループです。またこの分野は米中貿易戦争
の影響をまともに受けてきたセクターです。世界の需要さえ戻れば
期待できる相場の主役となる可能性もあります。

両業界とも受注動向により将来の収益見通しがある程度予測できる
業界です。決算の数字よりも受注動向がより重要になります。もし
このグループが相場をリードするような存在になれば日本株にも先
高期待が持てるようになるのでしょうが、現在は期待半分、不安半
分というのが多くの投資家の心理でしょうか。

一方確かに半導体産業は中長期で見れば5Gの本格普及とともに関連
ビシネスも広がり明るいという見方は出来ますが、まだ本格回復を
期待するには時期尚早という見方も根強くあります。このセクター
の銘柄は上昇するにしても下落するにしても値幅が大きくなる特徴
があります。

それだけに短期筋にとっては投資妙味があります。逃げ足の速い投
資家だけでなく中長期投資家がどこまで本腰で買いを入れるかがポ
イントになりそうです。利下げ期待もあり米国株は過去最高値近辺
で推移しています。株価の割安・割高を判断する指標であるPERは
17倍に達し割高感も指摘する市場関係者もいます。

決算発表で個別株物色がしばらくは盛んになりすぐに株価が崩れる
心配は少ないかもしれませんが、決算発表が一巡する8月中旬から
9月にかけて調整に陥る可能性もあります。米国株が崩れれば日本株
も無傷では居られないのは過去の歴史が示しています。中長期投資
だとしても今の時期が買いのチャンスなのかは判断の分かれるとこ
ろです。

24日決算を発表した日本電産は営業利益が4割近く減少しました。中
国経済の減速を大きく受けた格好です。通期業績は変更しませんでし
たが、現状の中国や世界景気の状況を考えると中間決算時には下方修
正に迫られる可能性もあります。株価が好調な米国でも市場予想に届
かなかったキャタピラーやボーイングは売りに押されました。今日の
日本電産の株価が気になります。

日産の決算は大きく落ち込みました。日産特有の問題もあり自動車業
界全体がここまで不振ということはないでしょうが、余り前のめりで
買い出動するのは控えるべきかもしれません。銘柄選びは一層難しく
なっています。もう一度ダメ押しの場面を待つべきか悩むところです。
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