kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

外食産業波高し

2012-11-30 08:23:25 | 日記
ラーメンチェーン「日高屋」を展開しているハイデイ日高の株価が上昇して
います。29日も年初来高値を更新しました。株価は大発会の安値1061円から
4割近く上昇してします。上昇の背景にあるのは好調な業績です。健康志向
の限定メニューで女性客の取り込みに成功し、また生ビールの値下げでサラ
リーマン層を居酒屋から奪い来店客増で値下げをカバーして業績を伸ばして
います。

多くの外食産業が苦戦する中では異例の好調をキープしています。確かテレ
ビ番組で取り上げていたと思いますが、新規出店は社長自ら街の人通りなど
を確認して決めるようです。経営者の目利きが的確な新規出店を支えている
のでしょう。

一方かつてわが世の春を謳歌して外食産業の勝ち組と言われた牛丼業界は
苦戦を強いられています。安さを武器に客の高回転で収益を上げていたビジ
ネスモデルが通用しなくなっています。既存客の来店が増えてこそ短い時間
で顧客回転率を上げ売り上げ増を狙うのが牛丼業界の作戦ですが、来店客
の減少で効果が発揮できません。

何度か期間限定で値下げキャンペーンを展開しても既存店売上への効果は
限定的でした。また今年は米や牛肉など食材の値上がりも足を引っ張りまし
た。薄利多売の業態だけに来店客の減少は光熱費や人件費それに賃料の
固定費が重くのしかかります。

牛丼業界の主な客層である男性サラリーマンの懐具合は景気の低迷で所得
の伸び悩みから厳しくなっています。他の業態やコンビニやスーパーのお弁当
などとの競争激化で既存店の売り上げは低迷したままです。一人世帯の増加
でファミリーでの来店客が減ったファミレス業界のように景気の循環だけでなく
消費構造の変化も不振の要因です。

もともと参入障壁が低く大手のチェーン店だけでなく個人経営など外食産業の
競争は激化の一途です。それにまして人件費や光熱費の増加また世界的な
穀物高で原料価格の高値が続き売上利益率の低い多くの外食産業の経営を
圧迫しています。なかなか独り勝ちを許さない競争の激しい業界で成長シナ
リオを描くことは至難の業です。

年間20兆円程と言われる市場規模の外食産業には次々に新規参入があり
新しい企業が浮かんでは消えていきます。胃袋はひとつなのに回転ずしに
焼肉チェーン、ハンバーガーチェーンにラーメン店、牛丼チェーンやファミレス
などなど数え上げたらキリがありません。優勝劣敗の激しいこの業界の勢力
図はこれからも頻繁に変わりそうです。
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どうなる中国経済

2012-11-29 08:34:33 | 日記
今月発表された中国の10月PMIは景気判断の分かれ目となる50を上回り
8ヵ月ぶりの高水準でした。市場では過度の景気悲観論が後退し中国経済
は緩やかに回復しているという見方が広がりました。ところが上海市場は
その後も低空飛行が続き27日には節目とみられていた2000を終値ベース
でも下回りました。つづく28日も続落して17.64下げの1973でした(-0.8%)
でした。

中国の景気が本当に回復しているのなら上海市場も少なくとも年初来安値を
更新する状況まで悪化するとは思えないのですが、上海市場低迷の背景に
は他にもっと根深い問題が潜んでいるのでしょうか。

バブル期の日本市場が世界の市場とかけ離れた評価をされていました。
PERは世界平均の倍近くでした。その理由として日本企業の成長性や持ち
合い株の影響で市場に出回る株が少なく常に他の市場よりも高い評価が
されていたことです。しかしそんな日本市場特有の環境もバブル崩壊と持ち
合い関係の崩壊で幕を閉じました。そして現在は株価指標面では世界の
市場並みの評価が定着しました。

資本主義経済と言っても現在の中国経済は金融や産業界に多くの規制を
残しています。外国資本の自動車メーカーの100%現地法人は認められず
中国資本との折半出資です。そして折半出資と言っても開発や生産は外資
主導で進められていて中国資本には利益の半分が自動的に転がり込むと
いう状況です。言葉は悪いですが中国で自動車ビジネスを展開するにはショ
バ代を払という決まりです。

外国資本との合弁相手は中国の国有企業です。もっと厳密にいうと地方政府
がスポンサーである企業です。純粋な中国メーカーの市場シェアは4割少し
ですが、外国資本メーカーに比べて商品性で見劣りするというのが現状です。
ここ数年はシェアを少しずつ減らしています。

中国では鉄鋼や石油、それに銀行なども有力企業の多くは国有企業です。
国の経済政策や地方政府の意向を強く受ける立場にあります。企業経営は
経済合理性によって決まるのが西側諸国の常識ですが中国では必ずしも
そうではありません。それは日本に対してのレアアースの輸出制限などで明
らかです。

上海市場の不振はひょっとしたら輸出と投資で世界第2位の規模まで登りつ
めた中国経済の歪がもはや看過できないところまできていることへの警鐘で
しょうか。また規制緩和が遅々と進まないことなど中国経済の今後の不安材
料となることを暗示しているのでしょうか。

一方東南アジアのフィリピンやインドネシア、タイは経済も株価もすこぶる堅
調に推移しています。また中国と違って輸出だけでなく個人消費主導の成長
が続いています。このバランスの良い成長が評価されているのでしょう。海外
からの投資も増えています。

中国経済は今後GDPの4割までに低下してしまった個人消費を盛り立て内需
中心の経済成長を目指すべきなのでしょう。世界の工場と言われて世界中に
輸出しまくった経済構造は曲がり角に来ています。道は平たんではないでし
ょうが、それが世界第2位の経済大国の責務です。

ちなみにバブル期の東京市場の高値から五分の一まで下落した日本並み
なら上海市場は2007年高値6124の1200弱になります。そうならないためにも
内需主導の成長にギアチェンジできるか来年が正念場です。


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11月の堅調12月の波乱?

2012-11-28 08:35:29 | 日記
11月も今日の取引を含めてあと3営業日を残すのみとなりました。今月の
東京市場は近年に無い活況相場に沸き立ちました。キッカケは解散総選
挙です。そして実現性の有無は別にしても積極的な金融緩和策や国債の
日銀引き受け等の安倍発言です。

それにまず反応したのが為替市場です。円売りドル買いが加速して円相場
はするすると下落して82円台にそして日経平均も円安トレンドを受けて自動
車、精密株を筆頭に素材株まで幅広く物色されて節目と思われていた9200
円台をあっさり通過して9400円台まで駆け上がりました。

需給面では何といっても外国人投資家の大幅買い越しです。外国人買いが
先週、先々週と2週間で世界の株式市場で最も上昇率の高い東京市場を演
出しました。改めて東京市場の栄養剤は円安と外国人投資家であることが
ハッキリしました。

このまま11月は堅調に推移する可能性が高いでしょうが、12月は波乱の展開
も頭に入れておかなければなりません。まあ投票日までは堅調を持続できる
かもしれませんが、選挙後は一転反動安もあり得ます。外国人投資家がクリ
スマス休暇に入る中旬以降買い需要は鈍るでしょう。あるいは休暇前にいっ
たん利益確定をする投資家もいるでしょう。

その場合は選挙という噂で買って事実で売る典型的な展開です。こんな見方
をしている市場関係者は決して少なくありません。もっとも米国が財政の崖
問題で何らかの解決策を見出せばNY市場が上昇して東京市場の援軍となる
でしょうから下値も限定的になるかもしれません。その場合でも円相場が最低
でも80円をキープしているという前提条件が付きますが。

まあこればかりは蓋を開けてみなければ分かりません。下値で波乱になるの
かあるいはNY市場がクリスマスラリーで上昇が続き東京市場に一足早いお
年玉もたらすのか、現時点ではどちらの可能性もありますからこっちだと決
めつけない方がいいのでしょう。

少なくとも選挙までは堅調という見方が多ければ実際はその前にピークを
付けることだってあります。思い起こせば春の相場もアノマリーで4月高は
確実と思われていましたが実際は3月の権利付最終日が高値になりました。
投資家としてはいろんなケースも想定しながらマーケットの声を聞き逃さずに
いつでも対応できる心構えが必要です。
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家電3社の躓き

2012-11-27 08:35:14 | 日記
東京市場は野田首相の解散総選挙発言以来、円安の追い風もあり7営業日
で724円(上昇率は8.4%)も上昇しました。この間下げたのは20日の10円安
だけでした。26日には一時9487円と多くの市場関係者が当面の上値の目途
と考えている9500円の水準に近づきました。どう考えてもスピード違反の上昇
ぶりです。先々はともかく今回の相場のリード役である自動車株のトヨタが
一時4月の年初来高値(3610円)更新するなど目標達成感も出てきました。
いつ上昇一服があってもおかしくないところまで達しました。

自動車株の急騰を観ているともう一つの輸出株の代表である電機株の不振
が一層気になります。特の家電大手3社(ソニー、パナソニック、シャープ)は
年初来高値から大きく下落しているにもかかわらずほとんど上げることなく
今回の上昇相場には完全に取り残されています。ある意味ではどんな株でも
手当たり次第にげている訳ではなく東京市場の市場機能は正常に動いてい
るのかもしれません。

家電各社の株価低迷は製品競争力の低下から円安でも業績のプラス効果の
薄いことを反映しているのかもしれませんが。家電3社はともかく今回の上昇
相場では蚊帳の外です。同じエレクトロニクス関係で競争力のある事業を抱え
ているダイキンや日東電工などは年初来高値を更新していますから確実に
業績による銘柄選別は行われています。

ご存知のようにパナソニックはテレビだけでなく携帯端末や太陽電池それに
リチウム電池などの競争激化で業績の足枷になっています。またシャープは
大黒柱の液晶事業の立て直しが大きな課題です。またパナソニックと同様
携帯端末や太陽電池がかつての稼ぎ頭から赤字部門に転落したことも不振の
原因です。

ソニーはエレクトロニクス部門の赤字体質からなかなか抜け出せません。好
調な金融部門や安定的な利益を上げている映画や音楽などのソフト部門の
利益だけでが現状では頼みの綱です。また先日時価発行増資ではありません
がエクイティファイナンスに踏み切ったことも不人気に拍車をかけています。
成長ストリーが描けない現段階で将来の希薄化懸念を伴うファイナンスには
どうしても評価が下がります。

このように家電3社には自動車と違って赤字部門の立て直しやそれに代わる
収益の柱が見当たらないところに問題の根深さがあります。いくら為替など
外部環境が好転しても収益改善の期待は余り膨らみません。デジタル家電
の価格下落のスパイラルにはまりグローバル市場で競争力を失った家電3社
の苦悩はまだまだ続きそうです。

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内需のプレミアム外需のディスカウントその後

2012-11-26 08:25:53 | 日記
人気とは不思議なものでほんの2ヶ月前あれ程人気だった内需株から資金が
離散しました。一方中国での不買運動で10月初旬にかけて売り叩かれた自動
車株の人気が復活し円安進行で株価もあっという間に戻りました。今更ながら
「月は満ちそして欠けていく」という摂理をもう一度心に刻むべきなのでしょう。

先週から人気離散に拍車がかかった内需関連銘柄ですが、8月から9月高値
が多いようです。相場のリズムからすれば高値から4ヶ月目あたりが一番キツ
イ場面です。銘柄によっては実力以上に安くなる場面もあるでしょうからそんな
時には買いのチャンス到来かもしれません。

輸出関連株が順調に戻しているのもドルやユーロに対して急激に円安が進んで
いるからです。しかしユーロで107円、ドルで82円の水準からは今までのように
円安が進むとは考えないほうが良さそうです。今回の円安は投機筋主導であり
どこかで当然巻き戻しが入るでしょう。それは外国人がクリスマス休暇をとる12月
中旬かもしれませんし、あるいはもっと早く来るかもしれません。

一方内需株の取り巻く環境は目先では消費低迷で厳しい状況です。しかし選挙
が終わり新政権が出来れば2014年4月の消費税引き上げのためにも国内景気
の建て直しは最優先事項です。遠からず内需関連銘柄にも再び光が当たる場
面が出てくるでしょう。業績のしっかりした銘柄なら十分リバウンド相場が期待で
きます。

欠けた月は再び満ちるのは世の習わしです。中国の不買運動さなかに火中の
栗(自動車株などの景気敏感株)を拾った人だけが大きなリターンを得られまし
た。選挙後の景気対策で今後コンビニなどの内需株の値動きには注目です。
今週以降短期的な相場の過熱感で一緒に売られる場面があれば拾っておくの
も悪くないと思います。この拾うと言う感覚が重要です。

拾うと言う感覚にはすぐに上がらなくても次の上昇局面に備えた余裕を感じます。
そんな場合予期したよりも早く成果が上がるものです。内需のプレミアム外需の
ディスカウント解消後には割高感の消えた内需株には投資妙味がありそうです。
いずれどこかでこれら内需関連銘柄の中で業績見通しの明るい銘柄は絶好の
買場が訪れるかもしれません。後はどのタイミングから買いを入れるかの判断次第
です。

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